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4.踏み込む
210.文化祭
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「穂。…穂が、あたしのここ…さわるのは、だめ、なんだよね?」
彼女は割座をしながら、ネグリジェの裾を捲り上げる。
彼女のお腹が何度も膨らんでは縮み、呼吸が早いことがわかる。
「…エッチは、だめ、だから」
「そっか。わかった」
千陽はさっき投げ捨てたショーツを穿く。
彼女が座っていた場所には、小さく染みができていた。
「寝よ」
スタンドライトを消して、彼女がベッドに寝転ぶから、私も寝転んだ。
「穂、ハグしよ?」
私は横向きに寝て、彼女と向き合う。
手を出すと、彼女がモソモソと胸元に近寄ってきた。
「あたし、穂にシてもらえてるみたいに思えて、幸せだった…ありがと」
心臓がトクンと鳴る。
「また…シてくれる?」
私は高鳴る胸を鎮めるために、「ハァ」とため息をついた。
「まだ…わからない。これをしても良かったのか、わからないから」
「穂は…永那のだから…永那に聞かなきゃ、わからないってこと?」
「うん」
「そっか」
「永那ちゃんを…悲しませたくない」
「わかった」
彼女が、私の胸元の服をギュッと握る。
胸がズキリと痛む。
…どちらも大事にする方法が、見つからない。
「あたし、穂と永那の子供に生まれてきたかった。…きっと、幸せだろうな」
「お、女同士なんだし…子供は、できないんじゃない?」
「海外では、出産できるって聞いたよ?…例え、どちらかと血が繋がっていなくても…あたしは、2人の子供になりたかった。そうすれば、2人から愛されるでしょ?」
彼女をギュッと抱きしめる。
「好きだよ、千陽」
彼女がフフッと笑う。
「あたしは、穂、大好き」
もう…またそういう言い方して。
「穂?」
「ん?」
「しよ?」
一瞬どっちの意味かわからなくて、でも、彼女の視線が私の唇に向いているのがわかって、キスをする。
啄むようにキスをして、味わうように舌を絡める。
私は口の中で唾液を溜めて、彼女に流し込んだ。
彼女がそれを飲み込む。
また口付けしたら、今度は、彼女のが口内に流れ込んできた。
だから、私もそれを飲み込んだ。
私達は、抱きしめ合って寝た。
目は冴えていると思っていたけれど、瞼を閉じれば、すぐに意識はなくなった。
けたたましく、インターホンが鳴って、飛び起きた。
千陽は目を擦りながらあくびをして「どうせ、永那でしょ」と呑気に言った。
朝5時だった。
…早い!
千陽がのんびりしてるから、手を引っ張って1階におりる。
インターホンの画面を見ると、やっぱり永那ちゃんだった。
千陽が鍵を開ける。
私はその真後ろに立った。
鍵を開けたと同時に、勝手にドアが開く。
「おい!…千、陽…」
永那ちゃんが私と千陽を上から下まで眺める。
「うぉぉぉぉおっ、目があぁぁあぁ、目があぁぁあぁっ」
永那ちゃんが両手で目を覆う。
「朝からうるさい、静かにして、近所迷惑」
千陽はサンダルを脱いで、部屋に上がる。
私もそれに倣って部屋に入った。
永那ちゃんは玄関で蹲っていた。
「コーヒー飲む?」
千陽が聞いてくれる。
「私、ミルクとお砂糖たっぷりがいい…」
「可愛い」
「千陽はブラック?」
「少しは入れるよ」
瓶から豆を出して、挽く。
「挽くんだ…お洒落だね…」
「休みの日だけね」
廊下を這いながら、永那ちゃんがリビングに顔を出す。
「…なー、なんで千陽の家?なんで?」
「あれ?メッセージで…」
「それはわかってるけど…2人きりなんてさー…」
「だ、だめだった?」
「んー…」
また蹲って、頭を抱えてしまう。
「エッチ…してないよね?」
顔を覆った指のすき間から、私を見る。
「キスと、胸だけ…約束は、守って…る、よ」
眉間にシワを寄せて、ジッと見つめられる。
「ハァ」と大きくため息をついて、永那ちゃんが隣の椅子に座る。
「千陽、なんか食べたい」
「グラノーラとヨーグルトしかないけど」
「それでいい…」
永那ちゃんは机に顔を突っ伏す。
「このテーブル冷たい」
「そうだね」
私は永那ちゃんのサラサラの髪を指で梳いた。
「食べたら、穂ん家行く?」
「んー…まだ、ちょっと、早すぎるかも…」
時計はまだ5時半だった。
家に行くとしても、早くとも8時半がいい。
私が大きくあくびをすると、永那ちゃんが顔を覗き込んでくる。
「何時に寝たの?」
「1時くらいかなあ?」
「…遅いね」
目を細めて、ジトーッと見られる。
千陽がテーブルにコーヒーとグラノーラとヨーグルトを置いてくれた。
「ありがとう」
私の隣に座って、みんなで朝ご飯を食べる。
「それにしても…2人の格好はなに?可愛すぎない?」
「あたしが選んだの。可愛いのは当たり前でしょ」
「…たっ…ハァ…最高すぎる」
永那ちゃんは腕に顔を擦りつけていた。
「穂、もう少し、寝ない?」
千陽に袖を掴まれる。
彼女の瞳は“どうせ無理”と諦めているような、暗い色をしていた。
それに胸が痛んで、気づいたら「いいよ」と答えていた。
「穂!?」
永那ちゃんがこっちを向く。
千陽の目はキラキラ輝いて、嬉しそうに口元を緩めた。
彼女は手元のコーヒーカップを口に運んだ。
「永那ちゃんも、一緒に寝ようよ?」
永那ちゃんを見ると、こちらは頬をピンク色に染めて、瞳を潤ませた。
彼女は割座をしながら、ネグリジェの裾を捲り上げる。
彼女のお腹が何度も膨らんでは縮み、呼吸が早いことがわかる。
「…エッチは、だめ、だから」
「そっか。わかった」
千陽はさっき投げ捨てたショーツを穿く。
彼女が座っていた場所には、小さく染みができていた。
「寝よ」
スタンドライトを消して、彼女がベッドに寝転ぶから、私も寝転んだ。
「穂、ハグしよ?」
私は横向きに寝て、彼女と向き合う。
手を出すと、彼女がモソモソと胸元に近寄ってきた。
「あたし、穂にシてもらえてるみたいに思えて、幸せだった…ありがと」
心臓がトクンと鳴る。
「また…シてくれる?」
私は高鳴る胸を鎮めるために、「ハァ」とため息をついた。
「まだ…わからない。これをしても良かったのか、わからないから」
「穂は…永那のだから…永那に聞かなきゃ、わからないってこと?」
「うん」
「そっか」
「永那ちゃんを…悲しませたくない」
「わかった」
彼女が、私の胸元の服をギュッと握る。
胸がズキリと痛む。
…どちらも大事にする方法が、見つからない。
「あたし、穂と永那の子供に生まれてきたかった。…きっと、幸せだろうな」
「お、女同士なんだし…子供は、できないんじゃない?」
「海外では、出産できるって聞いたよ?…例え、どちらかと血が繋がっていなくても…あたしは、2人の子供になりたかった。そうすれば、2人から愛されるでしょ?」
彼女をギュッと抱きしめる。
「好きだよ、千陽」
彼女がフフッと笑う。
「あたしは、穂、大好き」
もう…またそういう言い方して。
「穂?」
「ん?」
「しよ?」
一瞬どっちの意味かわからなくて、でも、彼女の視線が私の唇に向いているのがわかって、キスをする。
啄むようにキスをして、味わうように舌を絡める。
私は口の中で唾液を溜めて、彼女に流し込んだ。
彼女がそれを飲み込む。
また口付けしたら、今度は、彼女のが口内に流れ込んできた。
だから、私もそれを飲み込んだ。
私達は、抱きしめ合って寝た。
目は冴えていると思っていたけれど、瞼を閉じれば、すぐに意識はなくなった。
けたたましく、インターホンが鳴って、飛び起きた。
千陽は目を擦りながらあくびをして「どうせ、永那でしょ」と呑気に言った。
朝5時だった。
…早い!
千陽がのんびりしてるから、手を引っ張って1階におりる。
インターホンの画面を見ると、やっぱり永那ちゃんだった。
千陽が鍵を開ける。
私はその真後ろに立った。
鍵を開けたと同時に、勝手にドアが開く。
「おい!…千、陽…」
永那ちゃんが私と千陽を上から下まで眺める。
「うぉぉぉぉおっ、目があぁぁあぁ、目があぁぁあぁっ」
永那ちゃんが両手で目を覆う。
「朝からうるさい、静かにして、近所迷惑」
千陽はサンダルを脱いで、部屋に上がる。
私もそれに倣って部屋に入った。
永那ちゃんは玄関で蹲っていた。
「コーヒー飲む?」
千陽が聞いてくれる。
「私、ミルクとお砂糖たっぷりがいい…」
「可愛い」
「千陽はブラック?」
「少しは入れるよ」
瓶から豆を出して、挽く。
「挽くんだ…お洒落だね…」
「休みの日だけね」
廊下を這いながら、永那ちゃんがリビングに顔を出す。
「…なー、なんで千陽の家?なんで?」
「あれ?メッセージで…」
「それはわかってるけど…2人きりなんてさー…」
「だ、だめだった?」
「んー…」
また蹲って、頭を抱えてしまう。
「エッチ…してないよね?」
顔を覆った指のすき間から、私を見る。
「キスと、胸だけ…約束は、守って…る、よ」
眉間にシワを寄せて、ジッと見つめられる。
「ハァ」と大きくため息をついて、永那ちゃんが隣の椅子に座る。
「千陽、なんか食べたい」
「グラノーラとヨーグルトしかないけど」
「それでいい…」
永那ちゃんは机に顔を突っ伏す。
「このテーブル冷たい」
「そうだね」
私は永那ちゃんのサラサラの髪を指で梳いた。
「食べたら、穂ん家行く?」
「んー…まだ、ちょっと、早すぎるかも…」
時計はまだ5時半だった。
家に行くとしても、早くとも8時半がいい。
私が大きくあくびをすると、永那ちゃんが顔を覗き込んでくる。
「何時に寝たの?」
「1時くらいかなあ?」
「…遅いね」
目を細めて、ジトーッと見られる。
千陽がテーブルにコーヒーとグラノーラとヨーグルトを置いてくれた。
「ありがとう」
私の隣に座って、みんなで朝ご飯を食べる。
「それにしても…2人の格好はなに?可愛すぎない?」
「あたしが選んだの。可愛いのは当たり前でしょ」
「…たっ…ハァ…最高すぎる」
永那ちゃんは腕に顔を擦りつけていた。
「穂、もう少し、寝ない?」
千陽に袖を掴まれる。
彼女の瞳は“どうせ無理”と諦めているような、暗い色をしていた。
それに胸が痛んで、気づいたら「いいよ」と答えていた。
「穂!?」
永那ちゃんがこっちを向く。
千陽の目はキラキラ輝いて、嬉しそうに口元を緩めた。
彼女は手元のコーヒーカップを口に運んだ。
「永那ちゃんも、一緒に寝ようよ?」
永那ちゃんを見ると、こちらは頬をピンク色に染めて、瞳を潤ませた。
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