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2.変化
82.友達
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定位置になった席に4人が座って、永那ちゃんが貧乏ゆすりを始める。
「穂、食べ終わったら2人で部屋行こ?」
不機嫌そうに、でも必死に笑顔を作って、永那ちゃんが言う。
「え、でも」
私が佐藤さんと優里ちゃんを見る。
佐藤さんはこちらを見ずに、モグモグとご飯を食べている。
優里ちゃんは眉をハの字にして笑ってる。
「だめなの?…2人になりたくない?」
不機嫌の割合がグッと増える。
「少し、だけだよ?」
そう言うと、永那ちゃんはかき込むようにご飯を食べた。
「永那ちゃん、ゆっくり」
返事はなくて、私はご飯を口に運ぶ。
永那ちゃんは食べ終えると、私を急かすように見る。
私が食べ終えると、すぐに手を掴まれた。
「ちょ、ちょっと待って」
私はお茶を飲んで、口を拭く。
「もういい?」
返事を聞く前に、永那ちゃんは私の手を引っ張った。
ドアがバタンと閉まって、そのままベッドに押し倒される。
強く抱きしめられて、息がし難い。
「穂、好き」
絞り出すような声で言われる。
その声で、なぜか胸がズキズキと痛む。
「好き、大好き」
彼女の息が首筋にかかる。
私が手を背中に回すと、永那ちゃんは鼻を啜った。
顔を横に向けると、彼女の耳に鼻が触れる。
涙が溢れ出ていた。
「永那ちゃん…私も好きだよ」
そう言うと、ようやく永那ちゃんは顔を上げた。
まだ目から雫がポタポタと落ちて、私の頰を伝ってく。
「どうしたの?」
指で拭ってあげるけど、涙は止まらない。
永那ちゃんの喉が動く。
ゴクリと唾を何度も飲んで、そのうち服の袖で涙を拭った。
「嫌われてないか、怖かった」
「えぇ?なんで?」
「…わかんない。わかんない、けど。…わかんないけど」
そう繰り返して、何度も涙を拭く。
「嫌いじゃないよ。好きだよ」
彼女の頰を両手で包むと、少し安心したように笑った。
彼女が私の胸元に顔を乗せる。
私は頭を撫でて「好きだよ」と、もう一度言った。
「あの日、少しやり過ぎたかな?とか、考えた」
思い出して、私はゴクリと唾を飲んだ。
思い出せばすぐにでも私の体は反応して、自分の体が嫌になる。
私がため息をつくと、永那ちゃんは不安そうな顔を私に向けた。
私は眉根を下げて、彼女を見る。
「そうだね」
永那ちゃんの瞳が、一瞬で潤む。
「私も、“もっと”って求めてる自分がいて、永那ちゃんに嫌われないか、怖い」
彼女が瞬きをして、2粒の涙がポタリと落ちた。
永那ちゃんが今日一の笑顔を作った。
「そうなの?」
もう2粒落ちてくる。
「正直、佐藤さん達がいなかったら、私のほうから条件、破ってたかも」
永那ちゃんの目が見開かれて、嬉しそうに笑う。
永那ちゃんの顔が近づいて、唇が重なる。
最初は優しく重なって、次は吸い付くようにキスされる。
チュッと音が部屋に響いて、リビングまで聞こえていないか不安になる。
でも不安をかき消されるように舌が絡んできて、私もそれに絡ませた。
口から心臓、心臓から子宮までピリピリと刺激が走っていく。
永那ちゃんが、膝下まである私の制服のスカートに手を忍ばせる。
「ん…」
優しく撫でられると、擽ったいような、心地いいような、その2つの感覚が寄せては返す波のようにやってくる。
「穂、ずっとこうしたかった」
唇が離れて、耳元で囁かれる。
「穂が毎日普通に勉強して、普通に過ごしてるから、穂はどう思ってるんだろう?って不安だった」
彼女の息が擽ったい。
「穂、食べ終わったら2人で部屋行こ?」
不機嫌そうに、でも必死に笑顔を作って、永那ちゃんが言う。
「え、でも」
私が佐藤さんと優里ちゃんを見る。
佐藤さんはこちらを見ずに、モグモグとご飯を食べている。
優里ちゃんは眉をハの字にして笑ってる。
「だめなの?…2人になりたくない?」
不機嫌の割合がグッと増える。
「少し、だけだよ?」
そう言うと、永那ちゃんはかき込むようにご飯を食べた。
「永那ちゃん、ゆっくり」
返事はなくて、私はご飯を口に運ぶ。
永那ちゃんは食べ終えると、私を急かすように見る。
私が食べ終えると、すぐに手を掴まれた。
「ちょ、ちょっと待って」
私はお茶を飲んで、口を拭く。
「もういい?」
返事を聞く前に、永那ちゃんは私の手を引っ張った。
ドアがバタンと閉まって、そのままベッドに押し倒される。
強く抱きしめられて、息がし難い。
「穂、好き」
絞り出すような声で言われる。
その声で、なぜか胸がズキズキと痛む。
「好き、大好き」
彼女の息が首筋にかかる。
私が手を背中に回すと、永那ちゃんは鼻を啜った。
顔を横に向けると、彼女の耳に鼻が触れる。
涙が溢れ出ていた。
「永那ちゃん…私も好きだよ」
そう言うと、ようやく永那ちゃんは顔を上げた。
まだ目から雫がポタポタと落ちて、私の頰を伝ってく。
「どうしたの?」
指で拭ってあげるけど、涙は止まらない。
永那ちゃんの喉が動く。
ゴクリと唾を何度も飲んで、そのうち服の袖で涙を拭った。
「嫌われてないか、怖かった」
「えぇ?なんで?」
「…わかんない。わかんない、けど。…わかんないけど」
そう繰り返して、何度も涙を拭く。
「嫌いじゃないよ。好きだよ」
彼女の頰を両手で包むと、少し安心したように笑った。
彼女が私の胸元に顔を乗せる。
私は頭を撫でて「好きだよ」と、もう一度言った。
「あの日、少しやり過ぎたかな?とか、考えた」
思い出して、私はゴクリと唾を飲んだ。
思い出せばすぐにでも私の体は反応して、自分の体が嫌になる。
私がため息をつくと、永那ちゃんは不安そうな顔を私に向けた。
私は眉根を下げて、彼女を見る。
「そうだね」
永那ちゃんの瞳が、一瞬で潤む。
「私も、“もっと”って求めてる自分がいて、永那ちゃんに嫌われないか、怖い」
彼女が瞬きをして、2粒の涙がポタリと落ちた。
永那ちゃんが今日一の笑顔を作った。
「そうなの?」
もう2粒落ちてくる。
「正直、佐藤さん達がいなかったら、私のほうから条件、破ってたかも」
永那ちゃんの目が見開かれて、嬉しそうに笑う。
永那ちゃんの顔が近づいて、唇が重なる。
最初は優しく重なって、次は吸い付くようにキスされる。
チュッと音が部屋に響いて、リビングまで聞こえていないか不安になる。
でも不安をかき消されるように舌が絡んできて、私もそれに絡ませた。
口から心臓、心臓から子宮までピリピリと刺激が走っていく。
永那ちゃんが、膝下まである私の制服のスカートに手を忍ばせる。
「ん…」
優しく撫でられると、擽ったいような、心地いいような、その2つの感覚が寄せては返す波のようにやってくる。
「穂、ずっとこうしたかった」
唇が離れて、耳元で囁かれる。
「穂が毎日普通に勉強して、普通に過ごしてるから、穂はどう思ってるんだろう?って不安だった」
彼女の息が擽ったい。
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