いたずらはため息と共に

常森 楽

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2.変化

55.初めて

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永那ちゃんはわざと私に見えるように中指をしゃぶる。
「甘くて、美味しい」
全身の脈がドクドクと鳴っていて、視界さえも揺らぎそうだ。
彼女は、私に見せつけるように黒色のシンプルなボクサーショーツを脱いだ。
脱ぐとき、ショーツと陰部の間に糸が引いた。
彼女の毛は全て剃られていて、地肌が丸見えだった。
へへっと彼女は笑って「私も気持ちよくなりたいなあ」と呟いた。
「穂、舐めてくれる?」
私の返事を聞かずに、彼女が膝立ちになって、私の顔に近づいてくる。
彼女の割れ目が私の口元に近づいてきて、唇に触れた。
私はゴクリと唾を飲んで、舌を出した。
恐る恐る舐めると、永那ちゃんの体がピクッと反応する。
少ししょっぱくて、苦い。

割れ目の中に舌を忍び込ませると「ッハァ」と、永那ちゃんが息を溢した。
出し入れして、硬くなっている蕾を舐める。
彼女の腰が上下に揺れる。
「ハァ、ハァ」と息が荒くなっている。
彼女の蜜の味がクセになる。
味わうように、蜜を掻き出すように、私は舌を動かす。
「っぁあッ、穂」
彼女に髪を掴まれる。

少し首が辛くなってきたとき、永那ちゃんが「だめだ、我慢できない」と言った。
私の唇から陰部が離され、彼女は私の上に倒れ込む。
「ちょっと、待ってね」
そう潤んだ瞳で見つめて言った。
彼女は片腕をベッドについて、私の唇に唇を重ねた。
2人の体液が、口内で混ざり合う。
彼女はあいている片手で自分の陰部に触れる。
激しく手を動かす。
唇が離され、彼女の息が荒くなる。
その姿があまりに綺麗で、瞬きさえ惜しいと思えてしまう。
「ッア、あぁ…ハァッ」
小さく喘いで、全身を私に乗せた。
ハァ、ハァと大きく呼吸している。
私が抱きしめると、彼女の全身にも汗が滲んでいた。
2人の肌はピッタリと重なって、熱くなった彼女の体温が全身で感じられた。

彼女の呼吸が落ち着いてきてから、私達は唇を重ねた。
啄むようにキスをしていると、彼女が私の胸に手を当てる。
優しく揉まれて、ピクリと肩が上がる。
もう片方の手が下に伸びていき、茂みから蕾を探し当てる。
最初は優しく触れる程度だったのに、次第に気持ちいい強さになる。
クルクルと円を描くように触れていたのを、左右に動かし始める。
硬くなったそれ・・は、その行為を求めていたかのように反応して、腰が浮く。
唇が重なっているから、息がし難い。
酸素が薄くなって、不思議と感覚が鋭くなる。
「っん…ッン」
ピクピクと痙攣して、全身に電流が走った。
一気に力が抜ける。

でも彼女の手は止まらない。
舌はずっと絡まっていて、どれだけ彼女の唾液が流れ込んできたかわからないほど。
唇を重ねたままでも、私の声は出続ける。
「ん、ん…ッハァアァ」
たまに彼女の指の動きが遅くなる。
それがまた焦れったさを生んで、速くなるのと同時にイッてしまう。
自ら開脚するように、私は足を彼女の足に絡ませた。

何度イッたのか、わからない。
もう何も考えられなくなって、呼吸も浅くなって、意識が朦朧とする。
彼女の唇が糸を引いて離れて、体が離れる。
ようやく深く呼吸ができて、冷たい空気が全身を巡っていく。
彼女が私の顔を見て、フフッと笑う。
動けなくて目だけ彼女に向けると、頭をポンポンと撫でてくれた。
彼女が裸のまま立ち上がって、お茶を取る。
(私もほしい)
そう思っていたら、彼女が振り向く。
手を上げようと思うのに、思うように動かない。
彼女は私のそばに座って、ゴクゴクとお茶を飲んだ。
その様子を見つめていたら、急に振り向いて、唇を重ねられた。
液体が流れ込んでくる。
私はゴクゴクとそれを飲む。
「もっとほしい?」と聞かれて、小さく頷いた。
彼女はお茶を口に含んで、また私の中に流し込んでくれる。

コップのお茶が全部なくなる。
彼女が私のそばに寝転ぶ。
「“食べられた”感想はどうですか?」
彼女が優しく微笑む。
「…動けない」
「えぇっ?感想、それ?」
そう、楽しげに笑う。
「優等生として、委員長として…副生徒会長として、その感想はどうなんですかねえ?」
「うるさい」
いちいちそんなこと強調しなくていい。
学校のことを話題に出されて、一気に現実に引き戻される。
顔から火が噴きそうなくらい恥ずかしくなってくる。
体を隠そうと、敷かれていた布団に包まる。
でも永那ちゃんも寝てるから、上手く全身を隠せなかった。
「テストの成績は良いはずなんですけどねえ」
ツンツンとお腹を指でさされる。
…うぅ。期末テスト。
もう明後日からだよ?…こんなことしてて本当に良かったのかなあ?

壁に掛かっている時計を見ると、もう12時になろうとしていた。
…3時間も経ってる。
ちょうどお腹がグゥと鳴った。
永那ちゃんがお腹を抱えて笑い始めるけど、彼女のお腹も唸り声をあげた。
だから2人で笑った。

「ご飯の前にお風呂入る?」
私が聞くと、彼女が「いいの?」と目を輝かせた。
私は頷いて、体を起こす。
「永那ちゃん、先に入っていいよ」
「え?一緒に入るでしょ?」
「え!?…いや、それは」
永那ちゃんが不服そうに目を細める。
「もうお互いの裸見てるんだから、一緒に入っても何も問題ないでしょ?」
「えー…洗ってるところを見られたくないんだけど」
「なにそれ?」
もう全部見られたというのに、私は胸元と恥部を隠すように手で押さえた。
永那ちゃんにジトーっと見られる。
「お風呂、こっちだから」
そう言って立ち上がろうとした。
立ち上がろうとしたのだけれど、立ち上がった瞬間に世界がひっくり返って、気づけば永那ちゃんに抱きかかえられていた。

永那ちゃんはニヤリと笑いながら「そんな体で、どうやって1人で入るのかな?」と言った。
私の顔は思い出したかのように熱をおびた。
そのままお姫様だっこされる。
「ちょっ…永那ちゃん!?」
2人とも生まれたままの姿で、こんなに恥ずかしいお姫様だっこなんてこの世の中に存在するのだろうか?と両手で顔を隠した。
「穂、危ないから首に手を回して」
まともな注意に、渋々顔を晒す。
そのままリビングに出て、廊下に向かう。
扉が2つあって「どっち?」と聞かれたから「右」と答える。
彼女は肘で器用に扉を開けて、お風呂場の椅子に座らせてくれた。
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