いたずらはため息と共に

常森 楽

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2.変化

53.初めて

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彼女がベッドと背中の間に手を忍び込ませて、ブラのホックを取った。
「待って…!」
言っても時既に遅く、私の胸が露わになる。
一瞬でも目を開けてしまったことに後悔して、瞼に力を込める。
「ハァ」と永那ちゃんが深く息を吐く。
そのあたたかい息が胸にかかる。
両手で包み込むように触れられる。
微かに膝が当たる局部がジンジンと熱をおび始める。
突起を避けるように、彼女が舌を這わせる。
もどかしくて、太ももに力が入る。
彼女の膝が押し込まれて、ジンジンしている場所にトンと当たる。
「んん…」
息が溢れる。
乳房を優しく揉まれながら、じっくりと味わうように肌を舐められ続ける。

痛みにも似た感覚、ずっと求めていた場所に与えられた刺激で、体が大きく仰け反る。
「ぁあっ」
永那ちゃんが乳首を吸って、あいているほうは指で摘まれる。
口の中で転がされる。
「んゥ…っ、あっ」
聞いたこともないような声が自分から発せられる。
それがまた羞恥心を生んで、全身から熱が放出される。
汗が滲み出て、エアコンの風が強く感じられた。

乳首を口に含ませたまま、彼女の両手が胸から離れていく。
彼女のぬくもりが消えても、まだ触れられているかのような感覚が残る。
お腹の辺りにモソモソと何かが当たったから、薄く目を開く。
チュパッと音を立てて、唇も離れた。
「ん…っ」
彼女が起き上がって、目が合う。
ニヤリと笑みを浮かべて、彼女は自分のTシャツを脱いだ。
彼女の上半身が露わになって、思わず目を見開いた。
「穂の声聞いてたら、私もされたくなっちゃった」
控えめな胸の膨らみ。
線の細い体。
私の手を取って、永那ちゃんは自分の胸に当てた。
「さわって?」
心臓の音がドクドクとうるさく鳴る。
永那ちゃんの心臓も、激しく脈を打っているのがすぐにわかった。
ゆっくり指を動かすと「気持ちいい」と囁かれる。
「ハァ」と息を吐き、私に覆いかぶさるように四つん這いになる姿が艶めかしい。

彼女の乳首がぷっくりと硬くなって、触れてほしいと主張しているみたいだった。
指と指で挟むと、ビクッと彼女の体が反応する。
その姿を見て、下腹部がキュゥッと締め付けられる。
「んぁっ…穂、気持ちいい」
私の息はどんどん荒くなるばかりで、そのうち過呼吸になりそうなほどだった。
私はベッドに肘をついて少し起き上がる。
永那ちゃんが潤んだ瞳をこちらに向ける。
私は彼女の突起に吸い付いた。
「…ッハァ」
甘噛みすると、「だめ…っ」という声が聞こえて、彼女が背を反る。

2人で上半身を起こして、座る。
彼女の左膝は相変わらず、私の太ももの間を占領している。
自然と私の膝も彼女の太ももの間におさまっていて、足が交互になるように座っていた。
永那ちゃんが抱きしめてくれる。
私も手を背中に回して、彼女の肩に頬を乗せる。
彼女の肩が上下するたび、私の視界が揺れる。
「好き、穂」
「私も、永那ちゃんが好きだよ」
ギュッと強く抱きしめられる。
少し苦しい。
でも、お互いの肌が直に触れ合っているのが心地良い。

彼女が少し離れて、座ったまま私の胸を吸った。
彼女の髪がふわふわと肌に触れてくすぐったい。
私は永那ちゃんの頭を撫でた。
さっきは目を瞑っていて気づかなかったけど、全身に発疹ができていた。
さっき永那ちゃんにたくさん吸われたことを思い出して、一気に顔が火照る。
その瞬間、彼女が私の突起を甘噛みするから、体が反応した勢いでベッドに倒れ込んだ。

彼女がくびれの辺りをさすってから、ゆっくりと降下していく。
股関節に触れ、ショーツを撫でる。
私はゴクリと唾をのんで、視線をそらす。
割れ目の辺りをそっと撫でられ「穂、濡れてる」と言われる。
恥ずかしさで奥歯を噛みしめる。
息をするのも忘れそうなくらい、頭が真っ白になって、恥ずかしくて、逃げ出したくなる。
掠る程度に、ジンジンと主張を続ける部分に彼女の手が触れる。
ただそれだけで体がピクッと反応するから自分が嫌になる。
指を上下に動かされ、その優しい手つきに意地の悪さを感じる。
もっと、強く…。強く触れてほしい。
そう願うと、願いを叶えるように、ほんの少し強く押される。
それは本当に少しだけで、私の気持ちいいところをクルクルと円を描くように触れられた。
そんなふうにされたら、もっと強くと願ってしまう。

私はギュッとベッドのシーツを握りしめる。
フッと彼女が笑う。
「穂、もっと激しくしてほしい?イきたい?」
彼女の瞳が細くなり、私を試すような笑みを浮かべている。
…イく?
私は顔を強張らせながらも、小さく頷いた。
永那ちゃんは満面の笑みを浮かべた。
私はそっと目を閉じる。
彼女の指先の力が少しずつ強まって、足が痙攣するように震え始める。
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