いたずらはため息と共に

常森 楽

文字の大きさ
上 下
52 / 595
2.変化

52.初めて

しおりを挟む
ワンピースを避けるようにして、左の二の腕を甘噛みされる。
味わうように唇で何度も挟んで、チロチロと舌が這う。
くすぐったくて身動ぐと、両手首を掴んでいる手の力が強まる。
肘のほうまで移動して、脇まで戻っていく。
ワンピースの袖はまるで私を守る気がないみたいに捲れて、脇を舐められる。
匂いをスンスンと嗅がれながら、動物にされるみたいに、執拗に舐められた。
「永那ちゃん…」
必死に声を出すけど、彼女は止まらない。
右腕に移って、同じように舐められる。
熱があるみたいに全身が火照る。
「永那ちゃん、汚いよ」
もう外は既に夏日のような気温で、駅まで歩いただけで少し汗ばんだ。
「美味しいよ?」
彼女の唇が首元に戻ってきて、何度も噛まれる。
優しく、何度も、何度も。

ふいに彼女の手が私の胸の上に置かれる。
その分、私の手首に彼女の体重がかかる。
びっくりして、目を見開く。
「穂」
彼女が私の首から離れて、耳元で囁く。
「もう我慢できないんだけど、いいかな?」
「え?」
ハァ、ハァと息を切らしながら、私は状況の把握をしようとする。
「全部…全部、食べてもいい?」
ゾワリと鳥肌が立って、心臓が飛び出そうなほどに音を立てている。
「ねえ、穂?」
彼女の潤んだ瞳と目が合う。
レースのカーテンから洩れる太陽光に照らされて、彼女の髪がキラキラしている。
「だめ?」
私はゴクリと唾を飲む。
私はなんて答えればいいかわからず、ただ彼女を見つめることしかできない。
次第に彼女の瞳に不安の色が滲んでいく。

そんな顔、しないで。

「お仕置き」
「え?」
「お仕置き、するんでしょう?」
彼女の瞳が大きく開かれて、歯を見せて笑う。
「する!」
「…優しく、してよ」
「ハァ」と深く息を吐いて、彼女が私の肩に顔をうずめる。
「穂、好き。…大好き」
彼女の頭がどんどん下がっていき、胸で止まる。
服越しなのに、彼女のあたたかい息を肌に感じる。
手首が解放されても、私の両手は力が入らず、バンザイをした形で放置される。
自分の胸が、目一杯空気を肺に送り込むように上下する。
彼女の手が膝に触れた。
そのまま、まるで舐められているような感覚で撫でられ、太ももを揉まれる。
お腹の辺りまで手が伸びて、ワンピースが捲れる。
絶対ショーツまで見えてる…。
恥ずかしさが増して、右腕で目を覆う。

胸のあたたかみが消えて、触れられていなかったときよりも少し寒さを感じる。
「穂、可愛い」
腕のすき間から覗くと、片膝をベッドについて、優しく微笑む彼女がいた。
同時に、自分のへそとショーツが視界に入る。
また腕で目を隠した。

急に、体が浮く。
驚いて腕を取ると、既に体が90度回転した後で、気づけばいつも通りの寝る姿勢でベッドに寝転んでいる。
ワンピースがみぞおちまで捲られている。
体が浮いた隙に、彼女に捲られたのだとわかる。
彼女の頭が目の前にある。
臍から胸元まで舌を這わせ、彼女は私を上目遣いに見た。
くすぐったさと、恥ずかしさで、私は顔をそらす。

何度か肌を吸われて、ほんの少しの痛みを感じる。
吸われては舐められ、吸われては舐められる。
忍び込むように舌先が臍に触れる。
「んっ…」
触れられているのはお腹の中心だけなのに、全身がこそばゆい。
今触れられたら、どこだったとしても、ピクリと体が反応してしまいそう。
そう思っていたら、彼女のあたたかい手が、胸に触れた。
本当に体がピクリと動く。
濡れた臍が、エアコンの風に当たってヒンヤリする。
「穂のブラ、可愛いね」
伸縮性のないワンピースを手で少し押し上げて、彼女は覗き込んでいる。
「ショーツとお揃い」
「…言わなくていい」
彼女がフッと笑う。
「ねえ、穂もこういうこと・・・・・・するって、期待してた?」
そりゃあ、全く期待していなかったと言えば嘘になる。
でも本当に勉強をするつもりだったのも事実で、こんな早い展開になるとは思いもしなかった。
だから「…してない」と小さく答える。
「ふーん」
彼女は素っ気なく相槌を打って、私の上半身を起こす。

艶のある唇が弓なりになって、私を見下ろすような視線と視線が交わる。
「手、上げて」
言われた通りにすると、スルリと服を脱がされた。
「…っ!」
その慣れた手つきと、自分が下着姿であることから逃げたくて、目を瞑る。
ブラから覗く乳房の膨らみに、彼女がキスをして、押されるように倒れ込む。
「やわらかい…あったかい…」
吸い付かれ、チュパッと音を立てて離れる。
舌が力強く私の肌を押して、ブラの中に入ってくる。
「んぁっ」
乳房の真ん中にある粒に触れられ、声が出る。
慌てて腕で口を塞ぐ。
まるでずっとそこに触れられることを期待していたみたいで、恥ずかしい。
「可愛い」
しおりを挟む
感想 55

あなたにおすすめの小説

落ち込んでいたら綺麗なお姉さんにナンパされてお持ち帰りされた話

水無瀬雨音
恋愛
実家の花屋で働く璃子。落ち込んでいたら綺麗なお姉さんに花束をプレゼントされ……? 恋の始まりの話。

憧れの先輩とイケナイ状況に!?

暗黒神ゼブラ
恋愛
今日私は憧れの先輩とご飯を食べに行くことになっちゃった!?

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。 でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。 けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。 同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。 そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?

処理中です...