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1. No pain, No gain.
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しおりを挟むほとぼりが冷めるまでの我慢だ。犯人が捕まるまで、あるいは、数多の未解決事件の一つとして埋もれていくまで。そして昨日、私の中で区切りを打つ出来事があった。
「結婚する気ないなら、別れよう」
大学生3年生から付き合っていた彼から言われた。夜中に寂れた公園のベンチに座って、お互い正面を向いたままだった。
「やっとその気になってくれたんだね」
「うん。それじゃ」
二言じゃべって、彼は私の元から去って行った。周りには私しかいなくなり、風すら吹かない状況に見放された気分になった。本来なら、私から彼を振ってやるところだった。
早く別れたいと思っていた相手だだったから、未練はない。あの事が影響しているというより、彼に対して愛想が尽きたことが大きい。私が別れたいと言うと、彼は別れたくないと泣きじゃくるから説得するのに苦労していた。どういう訳か、彼からあっさりと別れを告げられた。別れたい理由をオブラートに包んで伝えていたため、彼の言葉を聞いて、はっきりと結婚する気がないと言えばよかったのかと腑に落ちた。4年間を無駄にした。
彼に「私の好きなところは?」と訊くと、常に「顔」と即答する。その瞬間、この人との結婚はないなと思った。小さい頃は「お母さんに似て美人ですね」と言われ、悪い気はしなかった。成長してから鏡と向き合う度、その褒め言葉が滑稽に思えてきた。
次に付き合う人を探す気にはなれない。私達には、人生において一番大事な時期を犠牲にすることと引き換えに、守らなければいけないものがある。
月明りを辿って空を見た。都心と違って、星が燦燦と輝いている。大学時代に聴いたAnywhereのバラードが、頭の中で再生された。
夜空の虚しさを満たすため、生まれてくる星がある。
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