31 / 43
1. No pain, No gain.
30
しおりを挟む嗣乃とは高校生からの付き合いだ。クラスが一緒で、偶然隣の席になった私達は、自然に仲良くなっていった。彼女は記憶力が良く、そのせいか中学生の時は浮いた存在で友達もいないに等しかったという。嗣乃は自分が覚えていることを言っただけなのに、相手からすれば「何でそんなことまで知ってるの?」と怖がらせてしまうことが多々あった。
その相手は、嗣乃を含め複数人に対して自分の家族のことを話していた。彼女と嗣乃は、友達と呼べるほどの仲ではなかったため、悪く表現するなら嗣乃は眼中になかったのだろう。暗記系のテストでは全て満点を取り、それも周りが嗣乃を遠ざける理由になった。
私は中学同様、バレー部に入った。チームは弱小で顧問は素人の先生のみ。肩身の狭い私達は、体育館を使わせてもらえず、近場の小学校まで足を運び練習をしていた。大会に出ては、基本ストレート負け。安々と上手くなれるはずがなく、セットが取れれば奇跡だった。
顧問の先生は老齢で、夜遅く練習することは稀。だから私は、少しでも時間が空けば、嗣乃を誘って遊びに出かけた。時には、お互いの家に泊まったり、二人だけで遊園地へ遊びに行ったり。
高校3年生になり、どの大学へ進学したいか嗣乃に訊かれた。私は既にQ大学と決めていた。Q大学は、父の母校だから。すると嗣乃は「Q大学の特待生制試験を受けてみる」と言い出した。
彼女ならもっと相応しい大学があるのではないか。嗣乃は私の疑問を見透かすように言った。
「特待生制度を受けるのは、妹たちのため。それに、嗣乃とは一生の友達でいたい」
やがて時は過ぎ、二人は無事Q大学へ合格。嗣乃は演劇サークルへ入り、私はバレーを辞めて学業とバイトに専念することにした。働き先は、家から自転車で通える居酒屋を選んだ。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【R-18】クリしつけ
蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる