Rabbit foot

Suzuki_Aphro

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1. No pain, No gain.

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 過失運転致死罪の公訴時効は、10年。壱歩の話だと、飲酒運転の可能性もある。飲酒をしてい事実が認められれば、危険運転致死罪になるような記事を読んだ。だが、酒を飲んでいたことは否定するだろうし、壱歩の証言だけで認められるかどうか分からない。

 とにかく、後10年―どうかこの平穏な生活が続いてくれればいい。



―ごめん、嗣乃。明日バイト入っちゃって行けなくなっちゃった。チケット代払うから…

―大丈夫、大丈夫!気にしないでよ

 図書館で調べ物をしていたら、佐環からの連絡に気づかなかった。午後から佐環とミュージカルを観る予定だったのに、暇になってしまった。手持ち無沙汰になった私は、大学構内の食堂へ向かった。ピーク時間が過ぎたおかげで、席に座っている人たちは、まばらだった。混みすぎず騒がしすぎずでちょうどいい。

 これから推しに会いに行くのだから、匂いの強い食べ物は避けたい。だけどカレーの誘惑に負けそうになる。

 メニューを見上げどれにしようか迷っていると、「あの、もしかして、古味山こみやまさん?」と誰かに呼ばれ、振り返る。

「やっぱり古味山さんだ。俺のこと覚えてる?」

「覚えてるよ!確か名前は…耳塚くん」

「よかった、覚えていてくれて。あ、名字じゃなくて壱歩って呼んでよ。同期でしょ?」

 Tシャツに、黒のズボンとくれば、すぐに壱歩だって分かった。今日のTシャツの柄は"自分らしくあれ"と英語の筆記体がプリントされたシャツ。

 壱歩とは演劇サークル新歓の時知り合った。彼は、俳優を志望しているからではなく、演劇を観るのが好きでそのサークルに入ったと聞いて、意気投合した。
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