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玩具
また
しおりを挟む高校のとき、好きだった先輩が活動していたバンド名なんて覚えてはなかった。
だけど。
ポスターの中の、男にも女にも見える、中性的な綺麗な男性に目を奪われて、胸がギューッの締め付けられるような気持ちになった。
ーーー美徳先輩だ。間違いない。
本当にプロデビューしていた。
8年の間に、更に磨きをかけて美しくなった初恋の人。
とても人気のあるバンドらしく、ライヴチケットはどの会場もソールドアウト。
……先輩は、きっと、私のことなんて覚えてもいないだろう。
彼女でも、セフレでもなく、ただ、先輩にオモチャのように扱われただけだった。
ーーーだけども。
また、出会ってしまうんだ。
冷たくて、謎で。
本当は、さみしがりやで、純粋な心を持った、美しき獣に……。
ーーーーそんな彼とのお話は、また、いつか。
°.。°.・。°.・。°.。°.・。°.・。°.。END°.・。
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