王冠にかける恋

毬谷

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第四章

人類はまだ君の名前を知らない

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さすがというべき歴史のある建物。
絵画でしか見たことがない重厚な室内と、たっぷりの日差しを受ける緑が美しく広がる庭園も素晴らしいものだった。
こんな建物を貸切でパーティーに使うなんて通常ならありえない。個人の持ち物らしいが、Sクラスの誰かの関係者なのだろう。
真加はあたりを見回した。
大袈裟ではなく、Dクラスの集まりとはまったくもって違っていた。
広い庭は貸し切られ、立食形式でずらりと料理が立ち並ぶ。職人やシェフが一角ではその場で調理をしていた。おそらく普段はこんな子供たちを相手にはしていない高級店のプロの料理人たちに違いない。
調度類は一つ一つが真加が白目を剥いてしまうような金額であることが想像できた。
丸い白テーブルがポツポツと置かれ、そこに何人かのグループが散らばって楽しんでいる。
Sクラスは教室が離れているのでなかなか顔を見る機会は無いが、流石に中等部からメンツが変わるわけでもないので、顔を知っている者も多かった。真加と同じクラスの理人は、どこの会社の息子だのなんだのがかなり詳しいので、それを聞かされ続け、真加にも多少の知識があった。
にしても男子生徒はは揃いも揃ってブラックスーツやダークスーツを見に纏い、女子生徒はブランド物のワンピースやドレス、振袖なんかを着ている。
ただ、こんな日でもみんな首輪はしていた。
「……なあ、いっつもこんな感じなの?」
隣にいる夏理に話しかける。あれ以来、夏理とは少しだけ気まずいが、表面上はお互いなんともなかった。そしてまだ色々あったことは話せていない。
「…僕が知るわけないでしょう」
夏理はワイングラスに入ったノンアルコールのシャンパンを揺らしながら言った。
そもそもこんな会に夏理は滅多に顔を出さない。今日は真加が貸したスーツを着て髪も少しセットしている。やや真加より華奢だったが、スーツの袖や丈のあまりは気にならない程度だった。
「俺料理取ってくる」
「はい」
夏理から離れて料理が立ち並ぶコーナーへ行く。
多分そんなガツガツ食べる会ではないだろうが、せっかく来たので元は取らないといけない。(会費なんぞ取られてないが)
やたら美味しそうに見えたクリームパスタを取ろうと手を伸ばすと、隣にいたご令嬢が真加がいる方に寄ってきたので失礼、と避けた。
「……あれ、白川さん?」
「えっ、笠間くん!?」
総絞りの黄色の振袖を見に纏った子は、先日真加に告白してきた白川麗だった。
「きょきょ今日はどうしてっ……」
あわあわと手振り身振りで訴えてくる。ただ、さすがに先日ほどの慌てっぷりではない。
「今日は夏理の付き添いだよ」
「あー…ご同室でしたねっ!」
「白川さんは?」
「私も同じようなものですよ」
「へえ…すごいよね。Sクラスって。あっAもこんな感じ?」
「いやいやいや……!」
白川は大きく手を振る。長い袖が揺れた。
「もう少しおとなしいですよ」
真顔で言われた。白川も負けず劣らずのお嬢様だろうから、「普段よりちょっといいレベル」程度なのかもしれない。
つくづく俺のどこが良かったのかわからない。
ちらりと夏理の方を見ると、さっそく数人に取り囲まれていた。なんだかお上品そうな取り巻きだったので問題ないと判断して、そのまま白川とテーブルに行った。
よくよく考えれば先日自分をフッた男と喋るのは嫌なはずだが、真加がそれに気付いた時には時すでに遅し、タイミングが無くなった。
「白川さん、このパスタうまいよ」
真加が取ったクリームパスタは味に深みがあるが重すぎずつまりめちゃくちゃ美味かった。
「ふふ」
白川はなんだか名前のよくわからない前菜を載せた皿を持ちながら口に手を当てて笑った。
どこをどう見ても親から大事に育てられたご令嬢で、この人のどの成分が真加を好きになったのか不思議でしょうがない。
「俺のどこが好きなんですか?」って聞いちゃだめか。
やはり先日の様子がああだっただけで、普段は落ち着いたお嬢さんなのだろう。振袖にも関わらず綺麗に食事をしている。
「A組に乙川っているよね?」
「ええ」
「俺、あいつと部屋隣でさ。よく喋るけどめちゃくちゃ字汚いよな?知ってる?前にノート見せてもらってびっくりした」
「あら、そうなんですか?全く知らなかったです」
「えっクラスだとどんな感じなの?」
「ああ…あまり女子と話しているイメージはありませんね」
まじか。真加は寮で男子のおちゃらけ具合をこれでもかと思い知ってるが、クラスでは大人しくしていたのかもしれない。
「あっそうなんだ…。やべ、ネガティブキャンペーンしちゃった。忘れて」
同じクラスのご令嬢にミミズみたいな字を書くことを知られたくはないだろう。
「いえ……今度、こっそり見てみます」
白川はお茶目に笑った。
共通の話題もなく、あまり家のことに言及するのもはばかられたのでA組の生徒の話をしたが裏目に出た。
「ごめんね。こんな話してもつまんないよな」
「いいえ。……ちっとも」
そう言って真加を見上げた白川の顔を見ると、目元が優しく下がっていた。
(この人、本当に俺のこと好きなんだな…)
こんな眼差しと態度で、もしかしたら白川はずっと真加を見ていたのかもしれない。
それでもあのハルの激しい揺れる瞳を少し思い出して、種類こと違えど同じ2人は「好き」だったんだなと思った。





白川と話をしていたが、ふいに夏理が心配なって確認すると、また違うグループ2、3人と話していた。確か1人は今回の幹事だ。
夏理がもらったばかりのノンアルコールシャンパンを一旦テーブルに置いた。
そのまま料理の載った皿を持ちながら1人と話している。
夏理が飲み物に背を向けて話している隙に、幹事の男が夏理のグラスに何かの粉末を入れた。
(あれ、何だ……!?)
見張り役らしき1人にバレないよう真加は目を逸らした。
確かに何かを入れられていた。夏理にバレないようにしているなら、後ろめたいものに決まっている。
しかし、Sクラスの人間に面と向かって疑いをかけても、なかなか信じてもらえないだろう。
どうする?どうする…?真加の脳が焦りでいっぱいになる。
すると、会話が一区切りした夏理がグラスに手をかけた。
それを見つめる男が心なしか下劣にニヤついたのを見た瞬間、真加は動き出した。
「白川さん、ごめんちょっと夏理のところ行ってくる」
「えっ…?え、ええ…」
「ごめんね」
夏理の方へ小走りへ向かう。
「っ夏理!」
「真加くん。なんですか」
不審げな声とは裏腹に夏理の顔が少し安心したように緩んだ。
「それ、くれよ」
そう言って無理やり夏理のグラスを奪った。
「えっちょっと何なんですか」
さすがの夏理も不審がる。
「なんか美味しそうじゃん。ほら、これあげる。まだ口つけてないし」
代わりに自分のグラスを夏理に押しやった。
夏理はしぶしぶと言った感じで受け取る。真加がこんな横暴なのは珍しく思っているだろうが、まさか何かが入ってるとまでは思わないだろう。
周りの男たちはそれを呆然と見ていた。育ちが良すぎて、作戦を立てたはいいが、イレギュラーな事態には弱いらしい。
とにかく真加はこれが毒だったらとかもっと上手い立ち回りだとかは考えられず、夏理から奪ったグラスを飲み干した。
男たちは真加が見ていたとは気付いていないのか、何も言わなかった。
多分、真加の強引さや下品さに言葉を失っていたようなのでその隙に夏理を連れ出した。
「真加くん、本当なんだったんですか?」
違うテーブルに行っている間に夏理が小声で聞いた。
「いや、マジで飲みたかっただけ。夏理もなんかあの人たち苦手そうだったし」
草を踏む音が瑞々しく鳴る。日差しはあるものの、緑に遮られてて不快感はない。
スーツを着ているせいで結構暑い。誰もクールビズを知らないのか我慢比べをしているのか脱いでいる人がいないせいで脱ぎづらい。
「まあ確かにそうですけど…すごくグイグイくるんですよね」
夏理の大きな瞳が本当に嫌そうに細まった。
「そういえば、あっちにあったお寿司すごく美味しいですよ」
「俺まだ食べてないや」
「じゃあ取りに行きましょう」
「うん」
ほったらかしにしてしまった白川さんの方を見ると、他の女の子と談笑していた。
とりあえず寿司を取って、あそこに混ぜてもらおうと決め、歩いていると、急に体をぎゅんと電撃が走ったみたいに貫かれた。
(あ、れ………?この感覚…)
一旦どこか座れるところかトイレ…と真加が思った時には腰が砕けてしまって地面にぺたりと座り込んでしまった。
「あ………?」
先月終わったばかりの発情期の感覚にかなり近い。
(強制発情剤か………)
「真加くん…?」
夏理が何事か心配して真加に話しかける。
その声が真加には脳の遠くに響いた。
真加は自分の荒いと吐息だけがぜえはあと耳に強烈に届いていた。
あいつら、あれを入れていたのか……。
オメガを強制的に発情させる薬は、法律で調薬も所持・販売も禁止されている。
おもちゃみたいなその場を盛り上げるための薬は売ってはいたが、効き目なんて本人の乗り気次第でしかなかった。
しかし『本物』は闇のルートであるとかないとか高価で売買されているとか…どちらにせよ副作用もひどく学校では「いけないこと」として教育を受ける。
無理矢理体が疼いてくる感覚が不快でたまらない。
それでも後ろがじゅくじゅくと濡れて前も兆しているのがわかる。
自分が今アルファを受け入れる体にされていく感覚をこんなところで感じていることがつらくてたまらない。
真加は甘い吐息が溢れないように口を抑えた。もう片方の手は体をギュッと抱きしめる。
体の生理現象としてある発情期と比べて、かなりのだるさがある。
体はもう立つことはおろか腕一本動かすこともままならない。
「な、つり……」
「真加くん!どうしたんですか!?」
夏理がしゃがみ込んで真加の背中を撫でる。それにゾワゾワと感じて体が跳ねた。
この薬は、嫌がるオメガを無理矢理犯すためのものだ。だから、体が動けなく成分が入っているのかもしれない。
周りの生徒たちも異変に気付いたのか真加の方をチラチラと見る。聡いアルファは匂いで何事か気付いているようだ。しかし、誰も近づいてくる者はいない。
公衆の面前でのオメガの醜態は、動物的だとして、上流社会ではかなり強く非難される行為だ。これで真加は学園という社会からの追放となってもしょうがないくらいの。
とにかく必死に夏理に訴える。会場は騒然としていた。
「なつりの、の、のみものに……あいつら何か入れて、んっ…」
「まさか……!?そんな、…すみません、誰か来てくれませんか!」
夏理が真加の姿が周りから見えないようにかばう。
周りから小声でヒソヒソと喋る声がした。
「……まあなに?みっともない」
「汚らわしい」
「動物だな」
「匂いますわ」
真加の目から涙がぼろっと溢れる。何でこんなことを言われなきゃいけない?
触られたい。触りたい。挿れられたい。出したい。つらい。
しかし、オメガが発情してフェロモンを撒き散らしている状態で、給仕すらも来てくれない。
「…真加くん、真加くん…!」
夏理は祈るように真加に呼びかける。すると、遠くから女性が叫ぶ声がした。
「ちょ、通してくださいっ…!」
真加が必死に理性と本能の狭間で闘っていると、人の波をかいくぐる白川の姿が見える。
「っ…!来るなっ!!」
それを見た真加は大きく叫んだ。白川はそれを聞いて怯み、来ないように目でも制すと大人しく体を止めた。
ここで白川が来ると彼女まで非難されることになる。それは避けないといけない。
「真加くん、さっきの飲み物に何か入っていたということですよね?」
夏理の問いかけに必死に頷く。
「あいつらか……」
彼にしては汚い口調だった。
もう腹が疼いてたまらなかった。誰か、誰でもいいから無茶苦茶にしてほしい。発情期の時よりも強い衝動だった。とにかく乱してほしい。真加は己の手が下肢に伸びないよう必死に体を抱きしめる。爪を立てて痛みで疼きを和らげるようとする。
ここが公衆の面前でなかったのなら、真加はすぐさま後孔に指を挿れ、自らを慰めていただろう。どく、どく、と心臓の音が身体中に鳴り響く。肩が震えて、腰には甘い痺れが走った。
「っ…ぁ、」
「真加くん、僕が肩を貸します…!立てますか」
誰も手を貸さないことに苛立った夏理は、どうにか真加の腕を取る。
それにすら真加は感じてしまい、また視界が涙で滲んだ。夏理は黙って背中をさする。
だが、普段から体力があるわけではない夏理が力の抜け切った真加を支えることは出来ず、中々体が立ち上がれない。
この状況に戸惑いながらも、幹事の男は笑みを隠さず真加に近付こうとした。
オメガにしか効かない薬のはずだから、ベータだと思っていたこの男はオメガだったのか。幹事は考えた。夏理でないのは残念だが、せっかく薬まで仕込んだのだから、自分が『介抱』してあげればいいのではないかと。
この薬を手に入れるのは中々苦労した。おかげで一回分しか持っておらず、また手に入る確証もない。
そうした下劣な考えを持って幹事が一歩踏み出そうとした時だった。
「ーーーーこれは何の騒ぎかな?」
決して静かではなかったはずなのに、その声はよく響いた。
建物の方からスーツを見にまとった王子が棗を連れて優美に歩いてくる。この世のものとは思えない美しさだった。
Sクラスの面々は王子が来るとは知らされておらず、大層驚いている。
「ごっ、五鳳院くんどうしてっ…!?来られないって聞いていたけどっ…」
誰かが投げかけた。
「時間が空いたから少し顔を出しに来た」
その声は氷のように冷たく鋭かった。普段の温厚な喋り方とはあまりに違っていて、皆ただごとではないとすぐに気付いた。王子はまっすぐと真加の元へ行った。
王子のあまりの威圧感に圧倒されて、アルファ揃いのSクラスなのに誰も声が出せない。
「雨沢くん、退きなさい」
「は、はいっ」
夏理も圧倒的なアルファのオーラに思わず真加から離れた。
「……五鳳院くん!その人はこんな場所で発情しているんですよっ!近づいてはだめです!」
「そうですよ!そんな汚らわしい……!」
集団の中から命知らずの何者かが叫んだ。
王子はそんな声届いていないかのように反応しない。
ようやく何が起こっているのか朧気にわかりはじめた真加が王子の姿を見上げた。
「け、い………?」
「そうだよ。真加」
王子はしゃがみ込んだ。体格がかなりいい王子の影になり、人々から真加の姿が隠された。
真加は最上級のアルファを前に、また一段階、体の熱がむせかえるように上がったのを感じた。
「ごめんね。遅くなって」
「景、景っ……!」
真加は王子の姿を見て感情が溢れてきて涙をこぼした。僅かな理性の糸がだんだんと切れていく。
王子は真加の背中と膝裏に腕を通し、横抱きにして立ち上がった。真加はぐったりとして王子に体を預けきる。
夏理は先ほどかなり重いように感じた真加の体が、いとも簡単に持ち上げられたのに驚いた。
王子がオメガを助けている。その光景に僅かに悲鳴が上がった。
そして王子は集団の方へ振り返り声をかけた。
「彼が、好き好んで、こんな場所で、こんな状態になるものかな?」
ゆっくりと落ち着いた声で王子より投げかけられた問いに、誰も答えない。
真加は王子の体温を感じ、少し意識が遠のいた。先ほどから瞼が重たくてしょうがない。アルコールで泥酔した時もこんな感覚に違いないと思った。
「景………!」
真加は何も考えられずただ王子の名前を呼ぶ。王子は、こんな甘い響きで自分の名前を呼ばれたことはなく、内心動揺した。
しかし、その動揺を一ミリも表には出さず王子は真加にだけ聞こえるように囁いた。
「目を閉じて。あとは私がやっておくから大丈夫だよ」
それを聞くと真加は安心しきったように意識を手放した。脳の制御を失った腕がだらんと垂れ下がる。
それを見届けて王子はクラスメイトの顔を見渡した。
とにかく驚いている者、真加を非難する目で見る者様々だったが、3人ばかり顔を真っ青にして震えているものがいた。
この3人が何かしら絡んでいるということはすぐにわかった。
王子がその3人をひと睨みすると、第一王子でありアルファである景のあまりの風格に当事者たちは腰が抜けて悲鳴を上げた。
「ひぃっ………!」
「ご、五鳳院くん…!これには、訳があって!」
聞いてもいないのに釈明を始めようとしたのに王子はついに確信を得た。
「事情は聞かせてもらおう。処分は追って」
男たちは真っ青な顔からさらに血の気が引いた心地がした。王子が続ける。
「そして皆、このことは口外しないこと。必ずだ。いいね?これは私からの命令だ」
3人だけでない、他の者も皆震え上がった。王子がこんなふうに人を威圧するところなど、今まで誰も見たことがなかった。
棗はただ真顔で近くに控えているが、内心では珍しいなと面白がっていた。景は、王族として高圧的な態度は普段決してしないからだ。
「棗。あとは頼むよ」
「承知しました」
普段からおちゃらけている棗が神妙に応えたことで、より事の重大さを周りは理解した。
花が咲き誇る庭園は色彩豊かで天気もいいのに、物々しい雰囲気に包まれた。
その中を王子は真加を抱き上げたまま突っ切る。
王子の壮絶な美貌も相まって、宗教画のようになっていた。
そのまま王子は建物の中へ消え、あたりには驚きと沈黙と絶望のみが残された。


















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