どうやら悪役令嬢のようですが、興味が無いので錬金術師を目指します(旧:公爵令嬢ですが錬金術師を兼業します)

水神瑠架

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全く休めない国境門での一時(2)

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 殿下達に呼ばれてついていった先は応接室、というよりも会議室のような場所だった。
 隊長さんが何かの前に向かうのを見送るとあまり露骨にならない程度に辺りを見回す。
 机と椅子が置いてあるなど普通の会議室っぽいけど、窓は無く、砦内部を把握は出来ないけど、どうも奥まった位置付けにある気がする。
 きっと帝国と戦争などになった場合はココで軍議を開き、前線基地の最重要拠点として活躍する場所なんじゃないかとあたりを付ける。
 って、そんな場所に一般人を入れて良いんだろうか?

「(まぁ現時点で休戦中でもないし、帝国との関係も良好。この部屋がそういった使われ方がする事はないだろうけど)」

 だからこそ子供である私達でも簡単に通したんだろうしね。
 というか、この部屋に私達を通したのは意味があるみたいだし。
 隊長さんは一見壁のような場所の前に立つと壁をコツコツと数回叩いた。
 すると何かが壁から浮かび上がるように現れたのだ。

「<……通信用魔道具か?>」
「<んー。流石ファンタジーの世界って所かなぁ>」

 丸く縁どられた何かが刻まれた枠のつなぎ目と見られる場所に大きな魔石が組み込まれたアレはどう見てもただのインテリアには見えなかった。

「(隠してあったみたいだし)」

 案の定、近衛の隊長さんが魔石に魔力を流し込むと枠の表面が波立ち、壁しか見えなかった光景が変わる。

「<水鏡でやり取りしている、と考えれば問題ない?>」
「<ってかこの距離で映像のやり取りって相当魔力を喰いそうだな>」

 言われてみればクロイツの言った事も最もだ。
 あの魔石はきっと一級品だろうし、魔道具としてランクは相当高いんだろうなと思う。
 流す魔力も相当必要と見た。

「<つまり、それを使いこなせる隊長さんもただ者じゃないって事だよね>」
「<ま。あんなおっさんばっかりじゃねーんだろーよ>」
「<もしあんな風なのばっかりだったら今度は私が陛下の治世を疑うから>」

 不穏な言葉なのは承知だけど、クロイツしか聞いてないし、本音だ。
 あと、そんな事は起こらないからという理由もあるけど。
 幾ら復讐に意識を割いていたとしても国政はしっかりしていたはずなのだ。
 だからこそ国王陛下は賢君と謳われているのだから。

「<何にせよ。見掛けに騙されたら痛い眼を見るタイプって事か>」

 なんとも嫌そうに言ったクロイツの言った通り、目の前で魔力を注いでいる隊長さんはぱっと見優男風である。
 騎士よりも文官が似合う風貌だけど、身のこなしは隙がない……ように見える。
 こう表現するとビルーケリッシュさんも似たような感じだけど、隊長さんの方は自分がどう見られているかをしっかり自覚した上で利用すう事に躊躇しなさそうな印象を受けるのだ。

「<ってかオマエのオトーサマの同類だろ。どう考えても>」
「<お父様は腹黒じゃないから! ……多分>」
「<おい。言い切れよ、そこは>」
「<いや。だって。お父様は宰相だし貴族だし>」

 咄嗟に否定しといてなんだけど、宰相って多少腹黒くないとやっていけない地位だと思うんだよね。
 しかもあのブリザードを経験した身としては……ね?

「<……うん。私達には優しいお父様だから問題なし!>」
「<考えるの辞めるなよな>」

 クロイツさん、考えれば考える程お父様腹黒説が肯定されそうだから無理です。
 でもいいの、腹黒でも。
 私人としてのお父様は私達を愛してくれている優しい人だから。

「<それ、結局腹黒否定してねーよな?>」

 クロイツの突っ込みを無視してようやく発動した魔道具に目を向ける。
 魔力の注がれた魔道具は王都に繋がっているらしく、向こう側に陛下とお父様が現れた。

「陛下。殿下達が到着した事を報告致すために【水鏡】を使用致しました」
≪ご苦労。……と言いたい所なんだが、此処に息子達が居るという事は何か問題が起こったのか?≫

 どうやら事前の予定では到着の報告は隊長さんだけで行われる事だったらしい。
 なのに此処に殿下達だけではなく私達までいれば問題が起こった事は考えずとも分かるよね? って話だ。
 訝し気な国王陛下に隊長さんは真顔と、いうよりは何処か怒りや呆れを感じた表情になる。

「残念ながら頭の痛い問題が数点」
≪報告を聞きたくなるなる言葉だな。……息子達とキースダーリエ嬢、アールホルン殿に怪我などは?≫
「それは御座いません。が、どうやら幸いにも、のようですが」

 隊長さんの報告に国王陛下とお父様――宰相の目が剣呑に細められる。
 どうやらこれからなされる報告が相当の厄介事である事が分かったらしい。
 空気の変わった陛下達を見た後、隊長さんは淡々と道中での事を説明を始めた。

 まず、元王妃派の貴族が放った私兵が捕まった事。
 これに関しては首魁を捕縛しているので、もう貴族の方は特定されている。
 今は断定はしていないが、王都に私兵達が送還された後、その貴族は取り調べを受け、処罰される事だろう。
 自暴自棄としか言いようのない蛮行に国王陛下は頭が痛そうだったが、元王妃の一派が減らせるのプラスと考える事にしたらしい。
 最後には獰猛な笑みを浮かべて報告を受けていた。

 けど、次の報告が問題だった。
 道中、殿下達を含めた私達を護衛するために選抜された近衛隊隊長のまさかの職務放棄と傷害未遂である。
 これは報告を聞いた途端陛下とお父様も顔色が変わり、私達に無事かと身を乗り出して問われた程だ。
 公人である事を放り出して私人の側面が出てしまうぐらいの衝撃的な報告だったらしい。
 けど、それは私達を愛して下さっているという事でもあるので、私達にとっては少し嬉しい事でもあった。

「父上。落ち着いてください。私たちは傷一つありません」
「そうです。だいじょうぶです、父上」
「問題はありません、父上。……今回もダーリエに助けられてしまいましたが」

 お兄様の言葉に陛下とお父様の視線が私に集まる。
 私は「やらかしたのもワタクシですが」と苦笑した。

「盗賊団に扮した私兵に攻撃された時、そのどさくさであの男に襲い掛かられましたが、クロイツに助けてもらい傷一つ御座いませんわ。むしろワタクシの方こそ、そのあと周囲の騎士の方々諸共、心をへし折ってしまいましたし」
≪心をへし折った?≫

 陛下の不思議そうな顔に何故か殿下達がその時の事を説明しだした。
 ついでに例の録音魔道具の出番である。
 全てを聞いた後陛下はとても珍妙な表情になってしまった。
 私のやり過ぎを咎めれば良いのか、自分の任命した近衛の失態を謝罪すれば良いのか、皆が無事で良かったと喜べは良いのか。
 貴族として、王族として表情を取り繕う事も出来るはずの陛下の何とも言えない顔に私も苦笑する事しか出来なかった。
 お父様は後ろでとても満足そうに笑っているんだけどね。

≪家族を馬鹿にされたんだ。その程度で済んで良かったと思うべきだね≫
≪それは……あーうん。キースダーリエ嬢は本当にオマエの娘だな。そういう所がそっくりだ≫

 何とも言えない顔をしていたが、最後には苦笑している所、私の性格はどうやらお父様に似ていて、陛下はお父様のそういった側面を見た事があるのだろう。
 場合によっては一番知っているかもしれない。

「(お父様が家族思い……貴族らしかぬ程の親バカだというのは有名な話らしいし。そこを攻撃してきた相手の心をへし折ったりしてそうだもんね)」

 陛下はそんなお父様を間近で見た事があるんじゃないかな?
 苦笑していた国王陛下だったが、表情を改めると≪本来ならば双方の意見を聞き審議するのだが……――≫と話を切り出した。
 
≪――……今回に限りは、簡単に話を聞いただけでも、非は全面的にナルーディアスにあると判断できるな。あの魔道具があれば証言もいらないだろう。此方に送還され次第取り調べを行う事になるだろう≫
「証言は要らないという事ですが、殿下達の遊学は中止なさいますか?」
≪場合によってはそれも必要だったが、証言が要らないのならば、そう簡単にはいかぬな。彼方には既に話を通してあるからな。それは難しい。……が、ヴァイディーウスとロアベーツィア、そしてキースダーリエ嬢やアールホルン殿が帰国を望むならそうとりはかろう≫

 ≪今回は其方等の意志が重要だからな≫と言った陛下の言葉に私達は顔を見合わせると小さくうなずく。

「今回のようなきかいはそうめぐってはこないでしょう。私はこのまま帝国に行きたいとおもいます」
「俺……私も兄上と同じ気持ちです」
「私もこのまま帝国に行きたいと思います」
≪そうか。……今回の件で一番被害を被ったのはキースダーリエ嬢な訳だが、其方はどうしたい?≫

 陛下の問いかけに私は微笑む。

「ワタクシもこのまま帝国に赴きたいと思っております。折角の機会を無駄にしたくは御座いませんから」
≪分かった。ならば予定のまま変更無しで帝国に向かってくれ。――すまなかったな、ヴァイディーウス、ロアベーツィア≫
≪ダーリエ、アール。此方の落ち度で大変な事になってすまない。帝国では楽しんでおいで≫

 陛下達は私達にそう言い残すと魔道具の起動を停止した。
 最後まで余裕のある様子だったけど、実際向こう側がどうなっているかを考えると内心苦笑しかでなかった。
 向こうではきっと大慌てだろう。
 何せ今回の一連の事件は近衛隊隊長によって起こされた事件なのだ

「(理由も理由だしね)」

 さぞかし頭の痛い事だろうと同情しない訳でもない。
 とはいえ、此処まできてしまったら私達にはもはやどうにも出来ない事だ。
 お父様の仕事が増えた事には文句の一つも言いたい所だけど、お父様の地位を考えれば、忙しくなるのも仕方ないとも思う。
 ただ、少しばかりあの男に対しての怒りが一つばかり増えるだけだ。
 と言ってもお父様や陛下の手に事件が渡った事でなぁなぁで済まされる事はないという事も分かっているので、そんな怒りもすぐに忘れてしまうだろうけど。
 取り敢えず私達はこれからの帝国王都への道中の事を考えないといけない。
 あの男の事で何時までも時間を取られたくは無いのだ。

「<今度は問題なければいいんだけどなー>」
「<今回は殿下達も信頼している方のようだし大丈夫じゃない?>」
「<ま、そうだな>」

 私はいつの間にか出てきていたクロイツを撫ぜると、視線を感じて上を向いた。
 すると何故か何かに驚いている感じの隊長さんと目が合ってしまい首を傾げる。

「(え? 私何かしましたか?)」

 まだ何もしていないと思うんですけど?
 今度は不思議そうな顔になった隊長さんに私も小首を傾げて返すと、最後には苦笑されてしまった。

「いえ。……キースダーリエ嬢はとても賢い方なのですね」
「……あ」

 しまった!
 そうだよ、この人初対面だった!
 今度こそ外見年齢相応の対応をしようと思ってたのに!
 素全開で対応してどるするのさ、私!
 内心は慌てまくっている状態だけど、彼方此方から猫を引っ張り出して表面上はニッコリ笑いながら私は目の前の隊長さんをどう誤魔化そうか考える。

「ありとうございます、騎士様」

 取り敢えず、出来るだけ相応にちょと幼げな風に微笑みながらお礼を言うと、隊長さんの反応よりも早く、後ろの方から盛大噴き出す音が部屋に響いた。
 誰かは見なくても分かる。
 内心怒りを感じつつもゆったりと振り向くと案の定、そこにはタンネルブルクさんが無音で大爆笑している姿があった。
 実は居たんですよね、冒険者のお二人も。
 一応証言者兼護衛だったんだろうけど。
 ただ一言も話す事が無かったから意識してなかっただけで。
 本人達も相手が国王陛下となれば無言を貫き存在感も出さないように控えていたのだろう。
 今は存在感バリバリだして大笑いしてますけどねぇ。

「<あらあら。随分器用です事。ねぇクロイツ。あれなら空気など無くとも生きていけると思いません?>」
「<落ち着け、リーノ。遠まわしに殺害予告をするな。大体、アイツがああなるのは仕方ねーだろーが>」

 確かにね?
 外見年齢相応の貴族令嬢の猫被りは本性を知っている人にとっては詐欺に近いかもしれいけどね。
 だからってああやってこんな場所で大笑いされれば普通に腹は立つんですよ!
 大体これからの道中この「猫」は必要なのだ。
 特に帝国で本性全開で対応したら、どれだけお父様達に迷惑が掛かる事か!
 そのためなら猫かぶりの一つや二つ私は完璧に被って見せる。
 覚悟を決めて再びおっとりと困ったように微笑む私にお兄様に苦笑されながらも重大なミスを指摘される。

「ダーリエ。君のしたいことはわかるし、必要かもしれないと思うよ? けれど考えてごらん? この方はさきほど録音魔道具を一緒にきいていらしたんだ。それも賢いといわれた理由の一つなんじゃないかな?」
「……はっ!」

 ああー!!
 そういえばそうでした。
 この人一緒に聞いてたよ。
 私が思い切り嫌味と皮肉交じりであの男を叩きのめす言葉を。
 しかも意味が分かっていると言わんばかりに解説までつけて!
 
「……もしかして手遅れだったり致します?」

 全員に無言で頷かれた。……泣きたい。
 もう壁に懐きたい衝動に全力で抗いつつ、微笑む。
 けど絶対口元引き攣ってるし、笑顔になっている自信がさっぱりない。

「(うん。笑顔だったらいいなぁ)」

 もはや諦観すら浮かべてそんな事を考えているとタンネルブルクさんは今度こそ遠慮なく大爆笑するし、ビルーケリッシュさんとヴァイディーウス様には苦笑され、ロアベーツィア様には「何時ものそなたでいいのではないか?」と本気で分からないといった感じで言われるし、お兄様もフォローしてくれなかった。
 クロイツ? アイツがこの状況で笑わないはずがない。
 予想を全く裏切らず、私の肩で大爆笑してくれやがりましたよ。
 思わず叩き落とした私は悪くない。
 クロイツも床に着地後払抱えて笑ってるし大丈夫でしょう。

 そんな私にとってとても悲しい空間で隊長さんは私を一瞬観察するような眼差しを向けて来たが、直ぐに引っ込め、そこそこ警戒心をといたであろう微笑みを浮かべた。……それが苦笑に近い事は私にとって更なるダメージが来るだけなんですけどね。

「どうやら貴女なら大丈夫のようですね。――――帝国までの道中、皆さまをお護りする事になりましたマクシノーエと申します。元近衛隊隊長の愚行故信頼して頂く事は難しいとは存じますが、職務を放棄する事だけは無いと理解していただけるように努力させて頂きます。キースダーリエ嬢、アールホルン殿、遊学中と言う短い期間とはなりますがよろしくお願いいたしますね」

 最初の方で何を言ったかは聞こえなかったけど、その後優雅に一礼した隊長さん、もといマクシノーエさんは顔を上げると完璧ともいえる笑みを湛えてそう言った。
 
 ――どうやら帝国王都までの道中、どころか、帝国内でもそうそうに気は抜けないらしい。

 中々ハードな遊学になりそうな予感に私はひっそりと溜息をつくのだった。


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