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第1章 失われた青春の半分、アヴェックの成立

第13話 極刑デス①

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「あ、もう2人いる」

という事で、今日はタカを問い詰めに来た
今日来るのは俺(啓介けいすけ)、すぐる良哉りょうや康孝やすたか美紀みきの5人だ
取り敢えず集まる場所はどこかのファミレスにでも集まろうかという話をしていた
んで、集合時間の15分前に来たのだけど先客がいるようだ

良哉りょうやと・・・みっきーか」
「あ、啓介けいすけくん。おはよ~」
「ケー遅い、私達30分前には来てんだからね」
「いや早すぎ~」

30分はやりすぎかも
小学校で習うのって大体5分前行動みたいな、そんな感じじゃないか?
流石に30分前行動させる小学校は無いだろう
何を食べたらそんなに優良な少年少女に育つんだ・・・

「何なら先に中入ってもらっても良いのに」
「いやぁ、僕達だけが先に入ってるのも悪いかなって」
「そうそう、せっかく久しぶりに5人で会うから」

あーそっか
俺はどちらともよく会ってるけど、この5人で集まるのは久しぶりだな

「まぁ確かに、良哉りょうやとみっきーが会うのって何か月ぶりだ?」
「大体1年半くらいかな?前に会ったのが中三の始め頃だったからね」
「うん、丁度1年と6か月と13日前」
「え・・・?何でそんなに正確に・・・?」

何で覚えてるの?
良哉りょうやが凄いのはもう何回も感じているけど
みっきーも大概に凄いんだよな、特に記憶力

「あ、あそこにいるのってすぐる?」
すぐる君?確かにそうかも」
すぐるくんってあの前回会った時、おどおどしてた子?」
「そうそう」

前提条件として、俺らは前に何度か会っている
確か今日来るメンバーで集まるのはこれで3回目だ
すぐるは前々回、前回どちらとも割と挙動不審だった

別に、なにかやましい事があるわけではないのだろう
単純にすぐるは初対面の人間と話すのは苦手なんだろう
仲良くなると驚くほど饒舌になるけど

「あ、来た来た」
啓介けいすけ、おはよう。良哉りょうやもおはよう。あと、美紀みきさん。おはようございます」
「おはよう、すぐるくん。今日は緊張してない?」
「あーいや、ちょっと・・・まあ、前回よりは緊張してないです」
「同い年なんだし、別にため口で良いよ」
「あーえっと、な、慣れたらため口にします」
「ん~おっけー」

相変わらず慣れてはいないようだ
だけど受け答えは出来てるみたいだし、成長を感じる
前回は「あ、えー、あ、えっと・・・」というワンフレーズを何度聞いたことか
人には得意不得意があるし、別にいいとは思うけど
普段の姿を知ってる俺からすると、あれはちょっと面白い

「あとは康孝やすたか君だけだね」
「タカあいつ当事者でしょ?何で関係ない私たちの方が早く来てるのよ」
「俺達が早いだけな気が・・・」

すぐるがまともなことを言っている
いつものしょうもないけどちょっと面白いボケを言ってくれよ
こんなのすぐるじゃない!

「あ、きたっぽい」
「ごめんごめん、遅れたわ」
「集合時刻の5分前、別に全く遅れていないんだよなぁ」
「それじゃ入ろうか」

タカが到着したのでファミレスに入店する
席について、各々頼みたいものを注文する
俺は取り敢えずカルボナーラを頼んだ

「それじゃあ、第3回。会合を始める」
「その合図いる?」
「言うならせめて会合の名前くらい決めとこうぜ」
「そこまで言わなくていいじゃん・・・」

タカとみっきーに開始早々責められる
ん?おかしくね?
今日タカに質問する日だよね?

「そんじゃまずはさ、タカ。経緯を説明してくれよ」
「え?聞きたい?聞きたい?んも~しょうがないな~!欲しがりさんなんだから」
「え、何こいつ」

急にキモイじゃん
なんだその欲しがりさんって、お前が報告してきたんだろ
確かにちょっと気になってはいるけど

「よし、じゃあまずは彼女が出来た経緯を聞こう」
「え?え?聞きたいんだ?あ~そっかそっか!君たちはそのために集まってきたんだもんね!そりゃあ聞きたいに決まってるよな!納得納得~」
「ねぇ、私別にそんなに興味なかったんだけどさ。ムカつくから殴っていい?」
「ごめんごめん、殴らないで・・・イテッ」

みっきーがコツンと本の背表紙で軽くタカの頭を叩く
ちょっと痛いところをセレクトしているあたり、本気でイラっときたんだろう

「まぁ、事の経緯はこうだよ」

タカは今までのことを嬉々として話す
出会い、今までの学校での日々、遠足、遊園地・・・
息継ぎできているのか心配なくらいにタカは捲し立てる

すぐるには刺激が強かったのか、気が付くと白目をむいていた
俺を含めたほか三人は割と真面目に聞いていた

「というわけだ、どうだ?」
「うん、頑張ったんだなおめでとう」
「タカは根性あるからね」
康孝やすたか君、凄いね~!」
「そ、そんな~、褒めても何も出ないぞ!」

友達として、タカが好きな人と付き合えたのは嬉しい
だけどこれだけは言いたい

「何故、わざわざ男子校の俺に送ってきたんだ?」
「ゑ?いや、そんなん自明でしょ」
「言ってみ?」
「自慢だよ、じ・ま・ん♡」

はい、お前東京湾な
コンクリートでガッチガチに固めてやろう

「さぁ!何とでも言い給え!敗北者の言葉は最早甘美にすら聞こえる!」
「や、康孝やすたかさん、流石に極刑です・・・」

え、今言ったのって・・・

「ぇぇぇえええ!?すぐるく~ん!?」
すぐる~!?」
すぐる君!?」
「いいね~すぐるくん」

あ、顔隠しちゃった
すぐる!よく頑張ったな!
調子乗ってる時の康孝やすたかにはある程度なら何言ってもいいからな!

「ご、ごめんなさい」
「いや全然良いよ、ちょっと驚いたけど」
「ほら、よしよししてあげて!すぐる頑張ったんだから!」
「いや、極刑下されたのに!?」

確かに
タカの代わりに良哉りょうやがヨシヨシしてる

お、料理が来たみたいだ

「こちら、カルボナーラです」
「あ、自分です。ありがとうございます」

それぞれに料理が運ばれる
すぐるはオムライス
良哉りょうやとみっきーはハンバーグ
タカは・・・焼きそば、何で?

「不思議そうな顔してるな」
「うん、だってタカ普段そんなの頼まないじゃん」
「そもそもファミレスに焼きそばってあったんだね、僕初めて見るかも」
「理由聞きたい?」
「え~まぁ一応」
「この前言った遊園地で俺と彼女が一緒に食べた昼食、焼きそばでーす」

こいつ、だる~
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