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第4章 終幕戦編
第79話 セカンドベストタイミング
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【スタグリアンside】
「少しずつではあるけれど、結構進んできたね」
「そうだな。休み休み、少しづつ魔人を追い詰めていけば二人掛かりだとそこまで大変では無いな。それにキュールも来ると言っていたし、怪我はその時にキュールに直してもらおう」
「そうだね!」
今、俺達は前回魔人による占領からクライトが解放したルートとは逆方向に向かって魔人を倒している。正直、そこまで速く攻略しようとはしていない。今は速さよりも正確性といかに怪我を負わないかの方が大事だ。
魔人の何人かに奇襲を仕掛けて、その近くにいた魔人達を葬る。このサイクルを繰り返すことで、速さは無くても安全に魔人を滅却することが出来ている。今は一つ目の領が終わって二つ目の領に移動している最中だ。
「それにしても、クライトがあんなやられ方してるの見たことないよ」
「そうだな。クライトが寝ている所なら何度か見たことはあったが………驚いたな」
「今の俺達でも少しずつ進めていけば怪我はしない程度だから、相当無理して速いペースで進んでたんだろうね。だってさ、キュールはクライトが出発してからそこそこ早くに俺達に会いに来たんでしょ?それなのに、クライトはレンメル領とほぼ反対側の領までたどり着いてるから」
「そう思うと、やはりクライトには私は敵わないことが実感できるな………ううむ、入学当初と比べると遥かに戦闘経験も積んで強くなったと思うのだが………」
「うん。そう思うよ」
純粋に、マリスタンはかなり戦闘の才能があると思う。魔法はあまり得意としていないみたいだけれど、大剣を扱いながら大剣の弱点である隙をカバーするために短剣まで扱えるし。武器として、扱い方が全然違うはずなのに凄い事だ。
その上今回は遺物を使って新たな戦法を使っていたり、大剣に魔素を纏わせて魔素障壁を破れるようにしていたりと戦闘の幅が広い。相当強いとは思うけれど、ただ単純にクライトが強すぎるだけなんだ。
「はは、ありがとう。スタグリアンは優しいな」
「そんなことない。本当に思ってるからそう言っただけだよ」
「………私も、スタグリアンカッコいいと思うぞ。ひたむきに努力出来るし、仲間思いだ。さっき、クライトが魔人になりかけてた時も………優柔不断な私には出来ない選択を自ら取ってくれた」
「………でも、あれは」
「それは結果的に最適解じゃなかったかもしれないけれど、私達が最終的に納得できるセカンドベストではあった。今はクライトが落ち着いて本当に良かったけれど、あのまま落ち着かなかったとして………そのまま大虐殺を行うよりも、スタグリアンに倒されることを人間のクライトは望んだはずだ」
………そんなに褒められると調子が狂う。別に、俺は凄い事なんて一つもしてないのに。
俺は本当に仲間に恵まれているなと、実感できる。マリスタンを始め、クライトには本当にお世話になってるし、キュールだっていつも気遣ってくれる。ユーリアは理知的でありながらパッションもあって、今回はそれで助けられた。
「俺は、本当にこの学園に入ってマリスタン達に出会えて幸せだと思ってる」
「………どうした急に」
「………何でもない。あ、ほら。次の領に着いた」
まだ俺は未熟だけれど、そんな俺にだって色々と出来る。
あの時、クライトを助ける選択肢を取れなかった償いを今ここで果たそう。
「なぁ、マリスタン」
「ん?なんだ」
………今まで思っていたことを、伝えてしまおう。
「あのさ………俺」
「きゃぁっ!」
「「っ!?」」
眩い光が広がったかと思うと、キュールがワープしてきたようだ。今は次の領に突入する直前。先の戦いで負った少しの傷を治療するのにはベストタイミングだけれど………
はぁ、まあいい。
「お疲れ、キュール」
機会は幾らでもある。
それまでは、しっかりと自分の役目を果たそう。
「少しずつではあるけれど、結構進んできたね」
「そうだな。休み休み、少しづつ魔人を追い詰めていけば二人掛かりだとそこまで大変では無いな。それにキュールも来ると言っていたし、怪我はその時にキュールに直してもらおう」
「そうだね!」
今、俺達は前回魔人による占領からクライトが解放したルートとは逆方向に向かって魔人を倒している。正直、そこまで速く攻略しようとはしていない。今は速さよりも正確性といかに怪我を負わないかの方が大事だ。
魔人の何人かに奇襲を仕掛けて、その近くにいた魔人達を葬る。このサイクルを繰り返すことで、速さは無くても安全に魔人を滅却することが出来ている。今は一つ目の領が終わって二つ目の領に移動している最中だ。
「それにしても、クライトがあんなやられ方してるの見たことないよ」
「そうだな。クライトが寝ている所なら何度か見たことはあったが………驚いたな」
「今の俺達でも少しずつ進めていけば怪我はしない程度だから、相当無理して速いペースで進んでたんだろうね。だってさ、キュールはクライトが出発してからそこそこ早くに俺達に会いに来たんでしょ?それなのに、クライトはレンメル領とほぼ反対側の領までたどり着いてるから」
「そう思うと、やはりクライトには私は敵わないことが実感できるな………ううむ、入学当初と比べると遥かに戦闘経験も積んで強くなったと思うのだが………」
「うん。そう思うよ」
純粋に、マリスタンはかなり戦闘の才能があると思う。魔法はあまり得意としていないみたいだけれど、大剣を扱いながら大剣の弱点である隙をカバーするために短剣まで扱えるし。武器として、扱い方が全然違うはずなのに凄い事だ。
その上今回は遺物を使って新たな戦法を使っていたり、大剣に魔素を纏わせて魔素障壁を破れるようにしていたりと戦闘の幅が広い。相当強いとは思うけれど、ただ単純にクライトが強すぎるだけなんだ。
「はは、ありがとう。スタグリアンは優しいな」
「そんなことない。本当に思ってるからそう言っただけだよ」
「………私も、スタグリアンカッコいいと思うぞ。ひたむきに努力出来るし、仲間思いだ。さっき、クライトが魔人になりかけてた時も………優柔不断な私には出来ない選択を自ら取ってくれた」
「………でも、あれは」
「それは結果的に最適解じゃなかったかもしれないけれど、私達が最終的に納得できるセカンドベストではあった。今はクライトが落ち着いて本当に良かったけれど、あのまま落ち着かなかったとして………そのまま大虐殺を行うよりも、スタグリアンに倒されることを人間のクライトは望んだはずだ」
………そんなに褒められると調子が狂う。別に、俺は凄い事なんて一つもしてないのに。
俺は本当に仲間に恵まれているなと、実感できる。マリスタンを始め、クライトには本当にお世話になってるし、キュールだっていつも気遣ってくれる。ユーリアは理知的でありながらパッションもあって、今回はそれで助けられた。
「俺は、本当にこの学園に入ってマリスタン達に出会えて幸せだと思ってる」
「………どうした急に」
「………何でもない。あ、ほら。次の領に着いた」
まだ俺は未熟だけれど、そんな俺にだって色々と出来る。
あの時、クライトを助ける選択肢を取れなかった償いを今ここで果たそう。
「なぁ、マリスタン」
「ん?なんだ」
………今まで思っていたことを、伝えてしまおう。
「あのさ………俺」
「きゃぁっ!」
「「っ!?」」
眩い光が広がったかと思うと、キュールがワープしてきたようだ。今は次の領に突入する直前。先の戦いで負った少しの傷を治療するのにはベストタイミングだけれど………
はぁ、まあいい。
「お疲れ、キュール」
機会は幾らでもある。
それまでは、しっかりと自分の役目を果たそう。
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