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第4章 終幕戦編
第65話 二人はそれぞれで
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【キュールside】
「ふぅ~終わった!」
「終わりですね!」
たった今配給も片付けも終わりました。結構肉体仕事でもあるので、あまり体の強い方ではない私はあまり得意な仕事では無いです………
でも、クライトは私よりももっと大変な事をしているんです。将来のお嫁さんとしてこのくらい私も頑張らないとです!
「キュールちゃん、屋敷に戻ったら一回疲れたし休も~!」
「す、すみません。その、あまり早くに帰っては来れない用事があって………」
「あれ?あぁ、そういえばちょっと前に言ってたね!どこ行くの?僕が見てきた限り、隣領はもう今や実質的な廃土となってるし。王都だってクライトが一緒に居ないと歩いてじゃ行けないでしょ?」
「あ、それに関しては大丈夫です!………まぁ、走り回りはするんですけど」
「ん~?なんだろ、でもあんまり聞かれたくない内容だったらこれ以上僕は聞かないよ!」
えっと、別に聞かれたくない内容ではないのですけれど………説明とかする時間も惜しいので今回はクレジアントちゃんにはちょっとだけ内緒です。
「帰ってきたら話しますから!あ、でもその………結構帰ってくるのは遅くなると思います」
「どれくらいに帰って来る?」
「ええっと………分からないです。でも、クライトを万が一にも死なせないようにする為ですから!」
「えぇっ?それはどういう………」
クレジアントちゃんに疑問符を打たせないうちに腕輪の効果を発動します。
瞬きを強いられる眩い光が僅かな時間発生した後、目を開けた先には私は学園に着いていました。正確に言うと寮の私の部屋の中。
「ここに印をつけておいて良かったです!」
私の取り柄は何かあった時に備えて事前に選択肢を増やしておくことですからね!
実は学園戦技祭前にあの後何回かダンジョンに皆で潜ったのですが………この腕輪、もう一つ宝箱から出てきていました。その上で特に使い道が無かったのでバックアップ用にとこの部屋の中に保管していたのが功を奏しました。
「屋敷に帰れる用のストレージも確保していたので良かったです!」
今付けている腕輪には、『私の寮の部屋』『クライトの剣鞘』『屋敷の借りている自室』が登録されています。そして、私の寮の部屋に置いてあった腕輪には………三人の所有物に印をつけてあります。そして、それは基本的にそれぞれがいつも身に着けているものです。
「賭けですけれど………やるしかありませんっ!」
勿論、これが不法侵入になるという事は分かっています。
だから、出来るだけ長いしない様にある手紙を置いておくことにしてあります。
「躊躇っていて、クライトの身に何かあったら私一人じゃ守り切れないです………」
だから、やるしかないのです。
☆★☆★☆
【クレジアントside】
領に住む人たちにお昼ご飯を届けて、その上で片づけまで終わらせた。
「ふぅ~終わった!」
「終わりですね!」
いやぁ、中々に疲れちゃったな。でもこれの何倍も辛い仕事をクライトはしてるんだもんなぁ………いっそのこと、ボクもついていった方が良かったんじゃないかな?僕がクライトに追いつく実力かどうかは置いておいても、下級魔人程度なら楽に倒せるし。上級魔人はちょっと………何人も来られると厳しいけれど。
「キュールちゃん、屋敷に戻ったら一回疲れたし休も~!」
「す、すみません。その、あまり早くに帰っては来れない用事があって………」
「あれ?あぁ、そういえばちょっと前に言ってたね!どこ行くの?僕が見てきた限り、隣領はもう今や実質的な廃土となってるし。王都だってクライトが一緒に居ないと歩いてじゃ行けないでしょ?」
結構心配。キュールちゃんって、回復魔法とか、生活魔法の発展魔法はすっごく上手に使いこなせてるなと思うけれど直接的な戦闘をしている所は見たことないし。何か危険な目にあってもボクもクライトもついていない状況では戦えないと思うから。
「あ、それに関しては大丈夫です!………まぁ、走り回りはするんですけど」
「ん~?なんだろ、でもあんまり聞かれたくない内容だったらこれ以上僕は聞かないよ!」
こういうのは深追いしない方が良いって、長年の経験が言ってる。伊達にも幼少期に大人を味方につけなきゃいけないくらい弱い立場だったボクだからね。ちょっと無頓着な部分があると思われてるかもしれないけれど………意外とボク、意識的にベターな対応してるんだよ?
「帰ってきたら話しますから!あ、でもその………結構帰ってくるのは遅くなると思います」
「どれくらいに帰って来る?」
「ええっと………分からないです。でも、クライトを万が一にも死なせないようにする為ですから!」
「えぇっ?それはどういう………」
僕が言葉を最後まで紡ぐ暇もなく、キュールちゃんはいつの間にか居なくなってしまった。それと同時に、学園戦技祭でキュールちゃんが使っていたあの技について思い出す。あれはきっとダンジョン踏破の宝箱から出て来る品の筈。ダンジョン踏破って、低級でも結構難しいのに………キュールちゃん、ああ見えて意外と強いのかも?
「まぁ、それは冗談だけど」
あの練度の回復魔法が使える上に単騎踏破まで出来る実力の持ち主だったら怖すぎる。僕だって、初見では難しい所はあるし。
「ふぅ~じゃあボクはナイパーさんとか、使用人の皆と一緒に色々しようかな。あ、農業の手伝いとかもしてみたいしそれもいいかも………」
ドゴォン!!!!!!!!!!
「………良くない音がした」
僕は剣を持って外に飛び出る。
最近は最早見慣れた光景、そこには魔人が大人数居た。
「ふぅ~終わった!」
「終わりですね!」
たった今配給も片付けも終わりました。結構肉体仕事でもあるので、あまり体の強い方ではない私はあまり得意な仕事では無いです………
でも、クライトは私よりももっと大変な事をしているんです。将来のお嫁さんとしてこのくらい私も頑張らないとです!
「キュールちゃん、屋敷に戻ったら一回疲れたし休も~!」
「す、すみません。その、あまり早くに帰っては来れない用事があって………」
「あれ?あぁ、そういえばちょっと前に言ってたね!どこ行くの?僕が見てきた限り、隣領はもう今や実質的な廃土となってるし。王都だってクライトが一緒に居ないと歩いてじゃ行けないでしょ?」
「あ、それに関しては大丈夫です!………まぁ、走り回りはするんですけど」
「ん~?なんだろ、でもあんまり聞かれたくない内容だったらこれ以上僕は聞かないよ!」
えっと、別に聞かれたくない内容ではないのですけれど………説明とかする時間も惜しいので今回はクレジアントちゃんにはちょっとだけ内緒です。
「帰ってきたら話しますから!あ、でもその………結構帰ってくるのは遅くなると思います」
「どれくらいに帰って来る?」
「ええっと………分からないです。でも、クライトを万が一にも死なせないようにする為ですから!」
「えぇっ?それはどういう………」
クレジアントちゃんに疑問符を打たせないうちに腕輪の効果を発動します。
瞬きを強いられる眩い光が僅かな時間発生した後、目を開けた先には私は学園に着いていました。正確に言うと寮の私の部屋の中。
「ここに印をつけておいて良かったです!」
私の取り柄は何かあった時に備えて事前に選択肢を増やしておくことですからね!
実は学園戦技祭前にあの後何回かダンジョンに皆で潜ったのですが………この腕輪、もう一つ宝箱から出てきていました。その上で特に使い道が無かったのでバックアップ用にとこの部屋の中に保管していたのが功を奏しました。
「屋敷に帰れる用のストレージも確保していたので良かったです!」
今付けている腕輪には、『私の寮の部屋』『クライトの剣鞘』『屋敷の借りている自室』が登録されています。そして、私の寮の部屋に置いてあった腕輪には………三人の所有物に印をつけてあります。そして、それは基本的にそれぞれがいつも身に着けているものです。
「賭けですけれど………やるしかありませんっ!」
勿論、これが不法侵入になるという事は分かっています。
だから、出来るだけ長いしない様にある手紙を置いておくことにしてあります。
「躊躇っていて、クライトの身に何かあったら私一人じゃ守り切れないです………」
だから、やるしかないのです。
☆★☆★☆
【クレジアントside】
領に住む人たちにお昼ご飯を届けて、その上で片づけまで終わらせた。
「ふぅ~終わった!」
「終わりですね!」
いやぁ、中々に疲れちゃったな。でもこれの何倍も辛い仕事をクライトはしてるんだもんなぁ………いっそのこと、ボクもついていった方が良かったんじゃないかな?僕がクライトに追いつく実力かどうかは置いておいても、下級魔人程度なら楽に倒せるし。上級魔人はちょっと………何人も来られると厳しいけれど。
「キュールちゃん、屋敷に戻ったら一回疲れたし休も~!」
「す、すみません。その、あまり早くに帰っては来れない用事があって………」
「あれ?あぁ、そういえばちょっと前に言ってたね!どこ行くの?僕が見てきた限り、隣領はもう今や実質的な廃土となってるし。王都だってクライトが一緒に居ないと歩いてじゃ行けないでしょ?」
結構心配。キュールちゃんって、回復魔法とか、生活魔法の発展魔法はすっごく上手に使いこなせてるなと思うけれど直接的な戦闘をしている所は見たことないし。何か危険な目にあってもボクもクライトもついていない状況では戦えないと思うから。
「あ、それに関しては大丈夫です!………まぁ、走り回りはするんですけど」
「ん~?なんだろ、でもあんまり聞かれたくない内容だったらこれ以上僕は聞かないよ!」
こういうのは深追いしない方が良いって、長年の経験が言ってる。伊達にも幼少期に大人を味方につけなきゃいけないくらい弱い立場だったボクだからね。ちょっと無頓着な部分があると思われてるかもしれないけれど………意外とボク、意識的にベターな対応してるんだよ?
「帰ってきたら話しますから!あ、でもその………結構帰ってくるのは遅くなると思います」
「どれくらいに帰って来る?」
「ええっと………分からないです。でも、クライトを万が一にも死なせないようにする為ですから!」
「えぇっ?それはどういう………」
僕が言葉を最後まで紡ぐ暇もなく、キュールちゃんはいつの間にか居なくなってしまった。それと同時に、学園戦技祭でキュールちゃんが使っていたあの技について思い出す。あれはきっとダンジョン踏破の宝箱から出て来る品の筈。ダンジョン踏破って、低級でも結構難しいのに………キュールちゃん、ああ見えて意外と強いのかも?
「まぁ、それは冗談だけど」
あの練度の回復魔法が使える上に単騎踏破まで出来る実力の持ち主だったら怖すぎる。僕だって、初見では難しい所はあるし。
「ふぅ~じゃあボクはナイパーさんとか、使用人の皆と一緒に色々しようかな。あ、農業の手伝いとかもしてみたいしそれもいいかも………」
ドゴォン!!!!!!!!!!
「………良くない音がした」
僕は剣を持って外に飛び出る。
最近は最早見慣れた光景、そこには魔人が大人数居た。
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