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海道兎恋の日常
やはり一番の幸せとは日常を過ごすことではないのだろうか?
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兄妹とは、唯一血の繋がった近い世代の人のことで、「一番近い他人」とも呼ばれている。個人曰く「親しき仲にも礼儀あり」と、一番近くにいようとも血の繋がりがあろうとも、他人は他人なのだ、考えもわからなければ価値観だって違うはずなのだ。
~部室~
「お兄ちゃんこんなとこにいたんだ…」
目の前で俺に吐き捨てるように言うなよ…しょうがないだろ…
「私、独りで寂しかったんだけど」
「あーすまん」
俺の妹、海道兎恋は久々に再開したのに怒っていた…
「お兄ちゃんがいなくなっちゃったから心配で…でも警察に言うわけにもいかないし頑張って特別推薦でこの学校に転入して…」
なぜ、警察に言えないかと言うと…俺の家には親がいないからだ、厳密に言うと親が役に立たない。
特別推薦ってことは…、理事長が仕組みやがったな…
「で?お兄ちゃんは寮に住んでるの?」
この学校流石だな寮とかもあるのか…
「いや、一人暮らし」
「え?そんなお金どこにあるの?」
「まあ、いろいろな」
「というかなんで出てっちゃったの?」
いや、わかってるだろ…
「やっぱり、傑さん?」
「まあ、」
「お兄ちゃんいっつも無口だし、感情出さないのに…なんで?家出なんて…」
「あれ?」
兎恋と話してたら、部室の扉が空いた
「海道くんじゃない、」「おー仁君」「あっバカ」
うそ…だろ…
いや、今このメンバー来ちゃうの?てか昼休みじゃなかったっけ?この人たちいつもここなの?
「あなたは?」
「私は有村鈴音、隣にいるのは浅田すみれさん、ちっこいのが小泉まどかさんよ、」
「有村さん!ちっこいってのはないよ!?」
「すずね流石だよ!!まどか、まんまじゃん」
「それであなたは?新入部員?」
「私は海道兎恋、仁お兄ちゃんの妹です」
「「「…」」」
一瞬の静寂…やばい、逃げたい
「「「ええ!?」」」
3人とも空いた口が塞がらないというように、ビックリしている。
「お兄ちゃん?この人たちは?」
「まんまだよ、有村さんに浅田さん、そして……小泉ちゃん」
「おい!」
「何でここに小学生がいるの?お兄ちゃん?」
「おい!!」
「さあ?」
「いや、バカ!兎恋ちゃんもばかなの?私先輩なんだけど!」
「有村先輩に浅田先輩、小泉先輩、覚えました、で、お兄ちゃんこの人たちは?」
なんで問を返したのにまた同じ問が続くんだよ…
「私達は探偵部の部員よ?このテストに記入したのは兎恋さんかしら?」
有村さんの手にはあのテスト、探偵部の入部試験用紙がある、
「え!?これ…お、お兄ちゃんみたの?//」
「まあな、お前そんなもんが欲しかったのか?いくらでもあげてやるぞ?」
自然と兎恋の頭をなでなでしてやる、こういうのしたことないのに…自然と手が出しまった
「うわぁーシスコン…」
いやまて、冗談だろ?それぐらい普通だろ?
と言うより『お兄ちゃんの愛情が欲しい』なんて書いた妹が…兎恋が悪い、俺は悪くない
「バカって小さい人が好きなの?」
「なんでそうなるんですか、別に大人っぽい人だって好きですよ?」
「なるほど、あなた、女なら誰でもいいという事ね」
いや、なんでそうなるんだよ、
「お兄ちゃん…」
「ほら、みんなが変な事言ってるから兎恋がとまどってますよ?先輩は先輩らしく、この部活を説明してくだs…」
「お兄ちゃんってそんなに喋る人だっけ?」
「「「…」」」
本日2回目の静寂
「「「ええ?」」」
そして驚く、デジャヴかよ…
「兎恋ちゃん?仁くんって家じゃ喋らないの?」
「はい、と言うより学校でも喋りませんよ、中学生の途中まで一緒のクラスでしたし」
「バカの昔話聞きたーい」
おいまて、なんでそんな話に…させるかよ!!
「というかみんな昼ごはん食べに来たんでしょ?兎恋と俺は昼休みが終わる前に食べないといけないので…部室紹介しただけだし、そういうのは放課後聞きませんか?」
「まあそうだね」
「そうかしらね」
「ちっ逃げやがった」
「それでは失礼しました」
さすが兎恋、空気読めてる
「お兄ちゃん、今日家いくから?部活のあとついて行くから?白状してね?」
訂正、妹はどこまで行っても真実を追い詰める妹のまんまだ
~クラス~
「ガヤガヤ…」
クラスに戻ると何故か注目されてるんだけど…
「仁くん、妹いたの?」
「まあ、」
「それにしてもびっくりしたな…」
「海道の妹かわいいよな」
「何をしてたの?妹と2人で」
「おい、海道、まさか…」
「いや、」
丸山…まさかってなんだよ!?変なのこと想像してたら殴るぞ!
「部活紹介だよそれだけ」
「え?海道さん、部活探偵部なの?」
「試験、合格したから」
これを言えば何も言えまい
「あぁ、入学して初日のやつだろ?」
「僕でもわからなかったな…海道くんは相当頭いいんだね」
まあ、あんな無茶ぶりな問題、頭いい方とかじゃなくただの、IQテストみたいなものだろ…
「授業を始めるぞ」
先生が来たので、皆川と丸山は席に戻った
~部室~
今日は部室を休もうとした、けど休めなかった…なぜかと言うと
「お兄ちゃんなんで帰ろうとしてたのかな?部室の場所わからないから聞きに来て正解だったね?」
なんでニコニコしてるの、許してください、ごめんなさい…やはり妹だ俺の考えてることなんてお見通しなのだろう
「失礼します」
扉を開けるといつもの3人と理事長がいた…兎恋がいるからか?
「兎恋、あの人がこの学園の理事長、偉い人…」
「海道兎恋さん、探偵部にようこそ私は探偵部顧問の友坂結央です。」
お決まりだな、でもこの人名前以外は読めないからな…
「え!?理事長先生が顧問なの…」
「兎恋さん、待ってましたよ、存分に能力を使って下さいね」
なんで兎恋だと敬語なんだよ、俺のとき超ラフな言い方なのに、この理事長め
「兎恋さん、あなたの能力は」
「そうだよ、兎恋が能力持ってるなんて俺知らなかったよ…」
兎恋とこの方15年くらい過ごしてきて全く気づかなかった
「バカは、妹の能力も把握してないなんて…」
「はぁーお兄ちゃん以外の心を読めるんです。でも動物限定ですけど…無機物は何も考えてないんで無ですね」
「え?お兄ちゃん以外…仁くん以外のってこと?」
「はい、」
なんだよ人の心読めるって…この部活ほんとにチート祭りじゃねーか
「なるほどバカは動物じゃないってこと?」
いや、動物だろ考えて過ぎて読めないんだよ…多分
「お兄ちゃんは何考えてるか心は読めないですけど、予想はだいたい合うんで、大丈夫ですよ、お兄ちゃん捻くれてるし」
「おい、兎恋。捻くれてるはねーだろ」
「理事長、兎恋さんはどのように…」
まーた理事長いなくなってるし…
「そう言えば!兎恋ちゃん!仁くんの過去の話教えて?」
理事長、契約違反だろ、過去のことは無かったことにするっていう契約守られてませんよ…
「みんなはお兄ちゃんのことどう思ってるんですか?」
「説明不足」
「頭がいい」
「バカ」
まて、頭がいいとバカは対極に位置してるじゃねーか
「まあでも、力もあるし頼りになるわ…少しね少しだけよ」
なんで少しだけを強調するの、頼りだろーが、この部活俺いなかったらバカばっかだろーが!
「有言実行して、助けてくれるし、かっこいいと思わないこともないよ」
浅田さんややこしいわ
「バカはバカだな」
小泉さんだけ褒める気ねーのな…バカ一辺倒だな
「私のお兄ちゃんの印象は「捻くれてる」です」
あっ兎恋も褒めてくれないのね
「わからないんです。お兄ちゃんが何を考えて何を軸にいろんな行動をするのかが」
「兎恋さん…というと?」
「私はみんなの心が読める、お兄ちゃんだけ読めないから…怖いんです」
「兎恋、俺はお前のことなんとも思ってないから大丈夫だぞ?」
あれ?フォローしたのに何でみんな俺をゴミを見るような目で見てるの?
「ほら、お兄ちゃんはこれでご機嫌とったと思ってるんですよ?捻くれてるでしょ?」
「確かにね」
「兎恋ちゃーん!仁くんってぼっちだったの?」
その質問は直球すぎるだろ…
「はい、クラスではぼっちでしたね」
言い返せねー…
「でも部活に所属してたんですよ」
「バカが?何部に?」
「クラスでぼっちなのよ?ろくな部活でないのは確かだわ」
確かに…ってかあれ部活じゃなだろ
「……まあ…探偵やってましね」
「「「え?」」」
「仁君中学校で探偵部だったの!?」
でも、ここのとは本質的に違う。
権力も無ければただの暇つぶしだ…
「だから、推理が得意なのね」
「部員も2人だったし、赤星傑っていう私のお兄ちゃんみたいな人がお兄ちゃんと同じ部員でしたよ」
「傑くんって人がお兄ちゃん…仁くんどんまい」
いやドンマイって?傑なんかに負けてねーからな…多分
「兎恋ちゃん?バカはなんでここに来たの?」
「すいません、私もわからないです。」
「海道くん、なんでかしら?」
「なんとなくです。」
なんとなくとしか答えようがないでも、実際どこでも良かった。あの場所から離れられれば…
「皆さん?質問がバラバラ過ぎませんか?もっとまとまった質問しましょうよ、ってことで今日の…」
「あら、まだ終わらないわよ?」
なんでだよ…もうそんな時間だろ…
「じゃあせめて、1人一つずつして下さい、じゃないとらちがあかないでしょ?」
「お兄ちゃん…逃げたいだけでしょ…」
兎恋は本当に俺の心読めないの?読めてるよ?バッチリと…
「まあ、確かに何一つバカの過去解明してないもんね」
なに?過去解明とか歴史の授業?
「そうね、じゃあ人一づつじっくり聞きましょう」
じっくりの所が強調されてるのは気のせいですよね…
「じゃあまず私から行かせてもらうわ」
「基本的に俺が答えるんで、兎恋口出すなよ…」
「…善処するよ!」
いや絶対なんか口出すよねそれ、
でも有村さん俺に興味無さそうだし、意外と何も掘られずに言えるかもな
「海道くんはなぜぼっちで運動部にも所属していないのにも関わらず、体術が得意なのかしら」
「…才能です」
「多分、傑さんの影響ですかね?お兄ちゃん負けず嫌いだから、家で筋トレしてるのよく見ましたよ」
早速口出してるし…
「海道くん、私にも教えてくれないかしら?そのトレーニング」
「有村まだ春祭で負けたこと引きずってるんですか?」
まて、顔が怖い…
「海道くん?全身骨折したいのかしら?簡単よ、海道くんの体を粒子化して高度4000mから実体化そのままほっといたら…ふふっ面白そうね」
「次…次の質問行きましょう…浅田さんどーぞ!」
怖いよ、全身骨折どころか死亡だろ、高度4000mなんて富士山レベルじゃねーか!
「その、仁くんと傑くんって言うのは仲いいの?」
なんでそんな質問?もっと他にあっただろ…
「…」
「はぁー…お兄ちゃんの唯一の友達ですよ。私が入る余地ないくらい仲いいです。お兄ちゃんは認めませんけど」
傑の才能は認めるけど…けど…
「あいつは俺とは考え方が違うからな…まだ浅田さんの方が俺には合いますよ」
「仁くん今それ言ってもお世辞にしか聞こえないし」
褒めたつもりすら無かったけど…
「じゃあ次私だねー!」
「何ですか?小泉さん」
「バカの親ってどんな人なの」
「「…」」
「なんで二人黙ってるのかしら?」
俺が黙ってることを言わず2人ってもう兎恋から聞いたらいいんじゃないの?
「親か…いないってことにはならないですか?」
「お兄ちゃんなんでそん変なこと言ってるの?お仕事でいないことが多かったからなんとも言えないですよ…」
「え!?親、家にいないの!?」
「凄いね、料理とか兎恋ちゃんが?」
「わたし料理出来ますよ!」
「凄いのね、この部活は小泉さんと海道くん以外は''まともな''料理できるのね」
「なんで私できないみたいになってるの!?前のバカの家で料理した時美味しかったでしょ」
まあ確かに「まとも」とは言いにくかったな
「そう言えばお兄ちゃん一人暮らしなんだよね?ご飯どうしてるの?」
「コンビニ」
「即答なんだ!?」
いや、ビックリする所か?これしかないだろ
「みんな優しいですね、お兄ちゃんのこと心配してくれるなんて、お兄ちゃんいい人ばっかりじゃん!」
「「「うぐ…」」」
なに?心配してくれたの?兎恋の能力便利だな。
「まあ、餓死されては困るもの」
「そ、そーだよねー?鈴音?今度、料理教えてよ?」
「私もお邪魔して良いですか?」
「兎恋ちゃんも参加するなら私も料理するー!」
「小泉さん「まどかはダメ!」」
「ええー」
よし、百合やってるな、帰るか…
~マック~
「で?私からのプレゼント喜んで貰えたかな?」
前と同じように理事長とマックにいる…何のつもりなのか?
「あの、契約違反じゃないですか?」
確か、過去のことは秘密にする約束だったはずなのに…ってかやっぱり兎恋は理事長が引き込んだのか…
「契約違反にはなってないよ?過去はまだ秘密のままじゃないか」
いや、なんでだよ…
「あなたが兎恋を連れてきたせいで傑のことが…」
「誰も傑くんと君の過去を秘密にすると入ってないよ?私は君の過去を秘密にすると言ったんだ?」
どういうことだ?
「気付くのはさすがに無理だろーからヒントを上げるよ、仁くんの過去を秘密にする対象は私以外ってこと」
「つまり、僕にも秘密に…」
俺が知らない俺の過去を秘密にするということか…
「親のことですか?」
「さすが鋭いね、一つのヒントでそこまで辿り着くとは」
簡単な話である。俺にも秘密にするということは今現在俺が知らないことの一つだということである。自分の過去に全く記憶が無いのは親の事である。仕事で家にいないし。役に立たないし。しかしその親のことを隠さないといけないということは…
「何なんですか?俺隠し子かなんか何ですか?」
そうすると説明がつく、隠し子だからあまり会えないし、あってはならない、親が有名人だとかの場合だが、ほかの人に育てさせることだってある。
「まあ、秘密だよ?」
「はぁ、理事長秘密多いですよね?能力はいったいなんなんですか?」
「仁くんには言ったはずだよ?能力を見破る能力だって」
「それ以外ですよ」
「まあそのうち分かるよ」
兎恋が探偵部に入り、テストも終え夏休みの全国大会、親のこともあるし、実際俺は問題を解決するはずが問題がどんどん増えている現状である。
~部室~
「お兄ちゃんこんなとこにいたんだ…」
目の前で俺に吐き捨てるように言うなよ…しょうがないだろ…
「私、独りで寂しかったんだけど」
「あーすまん」
俺の妹、海道兎恋は久々に再開したのに怒っていた…
「お兄ちゃんがいなくなっちゃったから心配で…でも警察に言うわけにもいかないし頑張って特別推薦でこの学校に転入して…」
なぜ、警察に言えないかと言うと…俺の家には親がいないからだ、厳密に言うと親が役に立たない。
特別推薦ってことは…、理事長が仕組みやがったな…
「で?お兄ちゃんは寮に住んでるの?」
この学校流石だな寮とかもあるのか…
「いや、一人暮らし」
「え?そんなお金どこにあるの?」
「まあ、いろいろな」
「というかなんで出てっちゃったの?」
いや、わかってるだろ…
「やっぱり、傑さん?」
「まあ、」
「お兄ちゃんいっつも無口だし、感情出さないのに…なんで?家出なんて…」
「あれ?」
兎恋と話してたら、部室の扉が空いた
「海道くんじゃない、」「おー仁君」「あっバカ」
うそ…だろ…
いや、今このメンバー来ちゃうの?てか昼休みじゃなかったっけ?この人たちいつもここなの?
「あなたは?」
「私は有村鈴音、隣にいるのは浅田すみれさん、ちっこいのが小泉まどかさんよ、」
「有村さん!ちっこいってのはないよ!?」
「すずね流石だよ!!まどか、まんまじゃん」
「それであなたは?新入部員?」
「私は海道兎恋、仁お兄ちゃんの妹です」
「「「…」」」
一瞬の静寂…やばい、逃げたい
「「「ええ!?」」」
3人とも空いた口が塞がらないというように、ビックリしている。
「お兄ちゃん?この人たちは?」
「まんまだよ、有村さんに浅田さん、そして……小泉ちゃん」
「おい!」
「何でここに小学生がいるの?お兄ちゃん?」
「おい!!」
「さあ?」
「いや、バカ!兎恋ちゃんもばかなの?私先輩なんだけど!」
「有村先輩に浅田先輩、小泉先輩、覚えました、で、お兄ちゃんこの人たちは?」
なんで問を返したのにまた同じ問が続くんだよ…
「私達は探偵部の部員よ?このテストに記入したのは兎恋さんかしら?」
有村さんの手にはあのテスト、探偵部の入部試験用紙がある、
「え!?これ…お、お兄ちゃんみたの?//」
「まあな、お前そんなもんが欲しかったのか?いくらでもあげてやるぞ?」
自然と兎恋の頭をなでなでしてやる、こういうのしたことないのに…自然と手が出しまった
「うわぁーシスコン…」
いやまて、冗談だろ?それぐらい普通だろ?
と言うより『お兄ちゃんの愛情が欲しい』なんて書いた妹が…兎恋が悪い、俺は悪くない
「バカって小さい人が好きなの?」
「なんでそうなるんですか、別に大人っぽい人だって好きですよ?」
「なるほど、あなた、女なら誰でもいいという事ね」
いや、なんでそうなるんだよ、
「お兄ちゃん…」
「ほら、みんなが変な事言ってるから兎恋がとまどってますよ?先輩は先輩らしく、この部活を説明してくだs…」
「お兄ちゃんってそんなに喋る人だっけ?」
「「「…」」」
本日2回目の静寂
「「「ええ?」」」
そして驚く、デジャヴかよ…
「兎恋ちゃん?仁くんって家じゃ喋らないの?」
「はい、と言うより学校でも喋りませんよ、中学生の途中まで一緒のクラスでしたし」
「バカの昔話聞きたーい」
おいまて、なんでそんな話に…させるかよ!!
「というかみんな昼ごはん食べに来たんでしょ?兎恋と俺は昼休みが終わる前に食べないといけないので…部室紹介しただけだし、そういうのは放課後聞きませんか?」
「まあそうだね」
「そうかしらね」
「ちっ逃げやがった」
「それでは失礼しました」
さすが兎恋、空気読めてる
「お兄ちゃん、今日家いくから?部活のあとついて行くから?白状してね?」
訂正、妹はどこまで行っても真実を追い詰める妹のまんまだ
~クラス~
「ガヤガヤ…」
クラスに戻ると何故か注目されてるんだけど…
「仁くん、妹いたの?」
「まあ、」
「それにしてもびっくりしたな…」
「海道の妹かわいいよな」
「何をしてたの?妹と2人で」
「おい、海道、まさか…」
「いや、」
丸山…まさかってなんだよ!?変なのこと想像してたら殴るぞ!
「部活紹介だよそれだけ」
「え?海道さん、部活探偵部なの?」
「試験、合格したから」
これを言えば何も言えまい
「あぁ、入学して初日のやつだろ?」
「僕でもわからなかったな…海道くんは相当頭いいんだね」
まあ、あんな無茶ぶりな問題、頭いい方とかじゃなくただの、IQテストみたいなものだろ…
「授業を始めるぞ」
先生が来たので、皆川と丸山は席に戻った
~部室~
今日は部室を休もうとした、けど休めなかった…なぜかと言うと
「お兄ちゃんなんで帰ろうとしてたのかな?部室の場所わからないから聞きに来て正解だったね?」
なんでニコニコしてるの、許してください、ごめんなさい…やはり妹だ俺の考えてることなんてお見通しなのだろう
「失礼します」
扉を開けるといつもの3人と理事長がいた…兎恋がいるからか?
「兎恋、あの人がこの学園の理事長、偉い人…」
「海道兎恋さん、探偵部にようこそ私は探偵部顧問の友坂結央です。」
お決まりだな、でもこの人名前以外は読めないからな…
「え!?理事長先生が顧問なの…」
「兎恋さん、待ってましたよ、存分に能力を使って下さいね」
なんで兎恋だと敬語なんだよ、俺のとき超ラフな言い方なのに、この理事長め
「兎恋さん、あなたの能力は」
「そうだよ、兎恋が能力持ってるなんて俺知らなかったよ…」
兎恋とこの方15年くらい過ごしてきて全く気づかなかった
「バカは、妹の能力も把握してないなんて…」
「はぁーお兄ちゃん以外の心を読めるんです。でも動物限定ですけど…無機物は何も考えてないんで無ですね」
「え?お兄ちゃん以外…仁くん以外のってこと?」
「はい、」
なんだよ人の心読めるって…この部活ほんとにチート祭りじゃねーか
「なるほどバカは動物じゃないってこと?」
いや、動物だろ考えて過ぎて読めないんだよ…多分
「お兄ちゃんは何考えてるか心は読めないですけど、予想はだいたい合うんで、大丈夫ですよ、お兄ちゃん捻くれてるし」
「おい、兎恋。捻くれてるはねーだろ」
「理事長、兎恋さんはどのように…」
まーた理事長いなくなってるし…
「そう言えば!兎恋ちゃん!仁くんの過去の話教えて?」
理事長、契約違反だろ、過去のことは無かったことにするっていう契約守られてませんよ…
「みんなはお兄ちゃんのことどう思ってるんですか?」
「説明不足」
「頭がいい」
「バカ」
まて、頭がいいとバカは対極に位置してるじゃねーか
「まあでも、力もあるし頼りになるわ…少しね少しだけよ」
なんで少しだけを強調するの、頼りだろーが、この部活俺いなかったらバカばっかだろーが!
「有言実行して、助けてくれるし、かっこいいと思わないこともないよ」
浅田さんややこしいわ
「バカはバカだな」
小泉さんだけ褒める気ねーのな…バカ一辺倒だな
「私のお兄ちゃんの印象は「捻くれてる」です」
あっ兎恋も褒めてくれないのね
「わからないんです。お兄ちゃんが何を考えて何を軸にいろんな行動をするのかが」
「兎恋さん…というと?」
「私はみんなの心が読める、お兄ちゃんだけ読めないから…怖いんです」
「兎恋、俺はお前のことなんとも思ってないから大丈夫だぞ?」
あれ?フォローしたのに何でみんな俺をゴミを見るような目で見てるの?
「ほら、お兄ちゃんはこれでご機嫌とったと思ってるんですよ?捻くれてるでしょ?」
「確かにね」
「兎恋ちゃーん!仁くんってぼっちだったの?」
その質問は直球すぎるだろ…
「はい、クラスではぼっちでしたね」
言い返せねー…
「でも部活に所属してたんですよ」
「バカが?何部に?」
「クラスでぼっちなのよ?ろくな部活でないのは確かだわ」
確かに…ってかあれ部活じゃなだろ
「……まあ…探偵やってましね」
「「「え?」」」
「仁君中学校で探偵部だったの!?」
でも、ここのとは本質的に違う。
権力も無ければただの暇つぶしだ…
「だから、推理が得意なのね」
「部員も2人だったし、赤星傑っていう私のお兄ちゃんみたいな人がお兄ちゃんと同じ部員でしたよ」
「傑くんって人がお兄ちゃん…仁くんどんまい」
いやドンマイって?傑なんかに負けてねーからな…多分
「兎恋ちゃん?バカはなんでここに来たの?」
「すいません、私もわからないです。」
「海道くん、なんでかしら?」
「なんとなくです。」
なんとなくとしか答えようがないでも、実際どこでも良かった。あの場所から離れられれば…
「皆さん?質問がバラバラ過ぎませんか?もっとまとまった質問しましょうよ、ってことで今日の…」
「あら、まだ終わらないわよ?」
なんでだよ…もうそんな時間だろ…
「じゃあせめて、1人一つずつして下さい、じゃないとらちがあかないでしょ?」
「お兄ちゃん…逃げたいだけでしょ…」
兎恋は本当に俺の心読めないの?読めてるよ?バッチリと…
「まあ、確かに何一つバカの過去解明してないもんね」
なに?過去解明とか歴史の授業?
「そうね、じゃあ人一づつじっくり聞きましょう」
じっくりの所が強調されてるのは気のせいですよね…
「じゃあまず私から行かせてもらうわ」
「基本的に俺が答えるんで、兎恋口出すなよ…」
「…善処するよ!」
いや絶対なんか口出すよねそれ、
でも有村さん俺に興味無さそうだし、意外と何も掘られずに言えるかもな
「海道くんはなぜぼっちで運動部にも所属していないのにも関わらず、体術が得意なのかしら」
「…才能です」
「多分、傑さんの影響ですかね?お兄ちゃん負けず嫌いだから、家で筋トレしてるのよく見ましたよ」
早速口出してるし…
「海道くん、私にも教えてくれないかしら?そのトレーニング」
「有村まだ春祭で負けたこと引きずってるんですか?」
まて、顔が怖い…
「海道くん?全身骨折したいのかしら?簡単よ、海道くんの体を粒子化して高度4000mから実体化そのままほっといたら…ふふっ面白そうね」
「次…次の質問行きましょう…浅田さんどーぞ!」
怖いよ、全身骨折どころか死亡だろ、高度4000mなんて富士山レベルじゃねーか!
「その、仁くんと傑くんって言うのは仲いいの?」
なんでそんな質問?もっと他にあっただろ…
「…」
「はぁー…お兄ちゃんの唯一の友達ですよ。私が入る余地ないくらい仲いいです。お兄ちゃんは認めませんけど」
傑の才能は認めるけど…けど…
「あいつは俺とは考え方が違うからな…まだ浅田さんの方が俺には合いますよ」
「仁くん今それ言ってもお世辞にしか聞こえないし」
褒めたつもりすら無かったけど…
「じゃあ次私だねー!」
「何ですか?小泉さん」
「バカの親ってどんな人なの」
「「…」」
「なんで二人黙ってるのかしら?」
俺が黙ってることを言わず2人ってもう兎恋から聞いたらいいんじゃないの?
「親か…いないってことにはならないですか?」
「お兄ちゃんなんでそん変なこと言ってるの?お仕事でいないことが多かったからなんとも言えないですよ…」
「え!?親、家にいないの!?」
「凄いね、料理とか兎恋ちゃんが?」
「わたし料理出来ますよ!」
「凄いのね、この部活は小泉さんと海道くん以外は''まともな''料理できるのね」
「なんで私できないみたいになってるの!?前のバカの家で料理した時美味しかったでしょ」
まあ確かに「まとも」とは言いにくかったな
「そう言えばお兄ちゃん一人暮らしなんだよね?ご飯どうしてるの?」
「コンビニ」
「即答なんだ!?」
いや、ビックリする所か?これしかないだろ
「みんな優しいですね、お兄ちゃんのこと心配してくれるなんて、お兄ちゃんいい人ばっかりじゃん!」
「「「うぐ…」」」
なに?心配してくれたの?兎恋の能力便利だな。
「まあ、餓死されては困るもの」
「そ、そーだよねー?鈴音?今度、料理教えてよ?」
「私もお邪魔して良いですか?」
「兎恋ちゃんも参加するなら私も料理するー!」
「小泉さん「まどかはダメ!」」
「ええー」
よし、百合やってるな、帰るか…
~マック~
「で?私からのプレゼント喜んで貰えたかな?」
前と同じように理事長とマックにいる…何のつもりなのか?
「あの、契約違反じゃないですか?」
確か、過去のことは秘密にする約束だったはずなのに…ってかやっぱり兎恋は理事長が引き込んだのか…
「契約違反にはなってないよ?過去はまだ秘密のままじゃないか」
いや、なんでだよ…
「あなたが兎恋を連れてきたせいで傑のことが…」
「誰も傑くんと君の過去を秘密にすると入ってないよ?私は君の過去を秘密にすると言ったんだ?」
どういうことだ?
「気付くのはさすがに無理だろーからヒントを上げるよ、仁くんの過去を秘密にする対象は私以外ってこと」
「つまり、僕にも秘密に…」
俺が知らない俺の過去を秘密にするということか…
「親のことですか?」
「さすが鋭いね、一つのヒントでそこまで辿り着くとは」
簡単な話である。俺にも秘密にするということは今現在俺が知らないことの一つだということである。自分の過去に全く記憶が無いのは親の事である。仕事で家にいないし。役に立たないし。しかしその親のことを隠さないといけないということは…
「何なんですか?俺隠し子かなんか何ですか?」
そうすると説明がつく、隠し子だからあまり会えないし、あってはならない、親が有名人だとかの場合だが、ほかの人に育てさせることだってある。
「まあ、秘密だよ?」
「はぁ、理事長秘密多いですよね?能力はいったいなんなんですか?」
「仁くんには言ったはずだよ?能力を見破る能力だって」
「それ以外ですよ」
「まあそのうち分かるよ」
兎恋が探偵部に入り、テストも終え夏休みの全国大会、親のこともあるし、実際俺は問題を解決するはずが問題がどんどん増えている現状である。
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『奇なる姓に妙なる名』その人は『四天王寺ロダン』。
彼はのっぽ背にちじれ毛のアフロヘアを掻きまわしながら、小さな劇団の一員として、日々懸命に舞台芸を磨いている。しかし、そんな彼には不思議とどこからか『謎』めいた話がふわりふわりと浮かんで、彼自身ですら知らない内に『謎』へと走り出してしまう。人間の娑婆は現代劇よりもファナティックに溢れた劇場で、そこで生きる人々は現在進行形の素晴らしい演者達である。
そんな人々の人生を彩る劇中で四天王寺ロダンはどんな役割を演じるのだろうか?
――露と落ち 露と消えにし 我が身かな 浪速のことは 夢のまた夢、秀吉が辞世で詠んだ現代の難波で、四天王寺ロダンは走り出す。
本作は『嗤う田中』シリーズから、一人歩き始めた彼の活躍を集めた物語集です。
@アルファポリス奨励賞受賞作品
https://www.alphapolis.co.jp/prize/result/682000184
@第11回ネット大賞一次通過作品
その乾いた青春は
T
青春
どこか変な物語を集めた短編集にするつもりです。
乾いた青春を集めます・・・
一作目 「飛び降りた天使」
二人の自殺願望者の恋物語
二作目 「意味がわかると愛しい話」
あの時、意味がわかっていたなら…
三作目 「恋に落ちない殺人未遂」
名探偵(自称)夕月雛が学校で起こった事件を解決する…?
完結
後悔と快感の中で
なつき
エッセイ・ノンフィクション
後悔してる私
快感に溺れてしまってる私
なつきの体験談かも知れないです
もしもあの人達がこれを読んだらどうしよう
もっと後悔して
もっと溺れてしまうかも
※感想を聞かせてもらえたらうれしいです
片翼のエール
乃南羽緒
青春
「おまえのテニスに足りないものがある」
高校総体テニス競技個人決勝。
大神謙吾は、一学年上の好敵手に敗北を喫した。
技術、スタミナ、メンタルどれをとっても申し分ないはずの大神のテニスに、ひとつ足りないものがある、と。
それを教えてくれるだろうと好敵手から名指しされたのは、『七浦』という人物。
そいつはまさかの女子で、あまつさえテニス部所属の経験がないヤツだった──。
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