オメガバース物語 ヤクザver.

本章

28話

-蓮side-

身につけてるものを脱がせていけば打撲痕、無数のキスマーク、背中の腰辺りにはここ2、3年のものではない古いタバコの押し付けられた痕などが散らばっている。
痛々しい痕ばかりが目の前に飛び込んできた。
数え切れないほどの傷痕に無性に腹が立った。
痣の数々を眺めていると不安そうに見上げてくる。
悟られてはいけない感情を持っている気がして微笑んで誤魔化す。

「よし、んじゃあ入るか。」

「蓮さんは？服脱がないの？」

「あぁ、さっき浴びたしな。体洗ってやるから座れ。」

少し残念そうに俯いてるのを顔を覗き込むようにする。

「背中見たかった…」

「そんなに気に入ったんか。後でいくらでも見せてやるよ。」

と撫でてやると少し気恥ずかしそうにする。
そしてボディーソープを泡立て始める。
擦り傷などの深い傷を避けて洗い流した。
でも打撲痕に手が触れてしまうと少し顔を歪めるくらいには痛いようだ。
髪も洗いすべて終わらせ、湯船に浸からせようと抱き抱えようとしたとき嫌がるように肩を押し返された。