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本章
21話
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-蓮side-
今日で約1週間、仕事に追われ特に大したお礼も考えることが出来ずにいた。
紬の体が細かったことからバイトが終わる時間まで待たせてもらって都合さえ良ければ一緒にご飯に付き合ってもらおうと考えながら店まで向かっていた。
入店して早々、受付の男が気づき俺を知っているのか少しぎこちない笑みでいらっしゃいませと頭を下げる。
「いつもお世話になっております。本日はご利用でよろしかったでしょうか…?」
「紬って子いるかな?」
言葉に詰まりながらも慌てて男は顔写真の名簿表を出した。
「ツムという名前で働いているのですがこちらでお間違えないですか?」
紬の顔写真を見せられ、あぁと言うと裏にいるやつとコソコソと話をし始めた。
「新川くんの所の息子さんかな?」
暫くして奥から店のオーナーの村田が出てきて、先ほどまでいた男が一礼してスッと裏に下がる。
「村田さん、お久しぶりです。」
「紬はさっき終えたみたいだから今一人手伝いに向かわせたよ。暫くは動けないと思うが…」
「そうですか。いえ、話すだけなので。お金はお支払いしますので紬くんの今日の予定全て買い取らせていただいてもいいですか?」
一瞬驚いた顔をしつつもわかった、と言われ部屋を案内された。
「少しの間ここで待っていてくれ。…あ、親父さんにまた飲みにでも行こうと伝えておいてくれ。」
思い出したようにドアからひょこっと顔だけ出して頼まれては微笑み会釈すると出ていった。
紬はいつになったら来るのだろうか。
動けないということは相当酷くされたのではないか。
この前出会ったばかりのただのオメガなはずなのに心配だけがひたすら募るばかりだった。
今日で約1週間、仕事に追われ特に大したお礼も考えることが出来ずにいた。
紬の体が細かったことからバイトが終わる時間まで待たせてもらって都合さえ良ければ一緒にご飯に付き合ってもらおうと考えながら店まで向かっていた。
入店して早々、受付の男が気づき俺を知っているのか少しぎこちない笑みでいらっしゃいませと頭を下げる。
「いつもお世話になっております。本日はご利用でよろしかったでしょうか…?」
「紬って子いるかな?」
言葉に詰まりながらも慌てて男は顔写真の名簿表を出した。
「ツムという名前で働いているのですがこちらでお間違えないですか?」
紬の顔写真を見せられ、あぁと言うと裏にいるやつとコソコソと話をし始めた。
「新川くんの所の息子さんかな?」
暫くして奥から店のオーナーの村田が出てきて、先ほどまでいた男が一礼してスッと裏に下がる。
「村田さん、お久しぶりです。」
「紬はさっき終えたみたいだから今一人手伝いに向かわせたよ。暫くは動けないと思うが…」
「そうですか。いえ、話すだけなので。お金はお支払いしますので紬くんの今日の予定全て買い取らせていただいてもいいですか?」
一瞬驚いた顔をしつつもわかった、と言われ部屋を案内された。
「少しの間ここで待っていてくれ。…あ、親父さんにまた飲みにでも行こうと伝えておいてくれ。」
思い出したようにドアからひょこっと顔だけ出して頼まれては微笑み会釈すると出ていった。
紬はいつになったら来るのだろうか。
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この前出会ったばかりのただのオメガなはずなのに心配だけがひたすら募るばかりだった。
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