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本章
14話
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-蓮side-
ほんの少し唇に違和感と温もりを感じてうっすら目を開けると鞄を持った紬の背中が見える。
去ろうとするの腕を掴み、引き寄せる。
パシッバフッ
「んわっ…え、起きてたの?!もしかして…寝たふりしてた?」
足にあまり力が入らないのか後ろに倒れ込むも案外すっぽりと自分の中に座り収まってくれた。
「いや、今起きた。何も言わずに勝手に出てくつもりだったのか?」
「うん、これからバイトもあるし…」
「そんなふらふらしてる体で?」
「発情期中のオメガはさ、結構高いお金払ってくれる人が多くて、まぁその分多少荒くされたりとかはあるんだけど…女みたいにすぐ壊れないから重宝されるんだ。」
後ろから顔を覗き込むも全然目を合わせようとしない。
「あ、でも気持ちいいの好きだし痛いのも割と平気だし、時給もいいからちゃんとした生活はさせてもらってるし…」
「ちゃんとした生活しててどうしてこんなに軽くて細いんだ?」
本当に男の身体なのかってくらい軽くて骨張った指先を触りながらも不安が募る。
「だから大丈夫だってば…!」
紬はパシッと手を払いのけ立ち上がる。
「あ…ごめん、なさい…お礼に何かしたいと思ってたんだけど大金は持ち合わせてないし…出来ることなら何でもする、から。決まったらお店に来てください、待ってます。お世話になりました…」
申し訳なさそうな顔をして名刺を手渡しては、そそくさと若干ふらつく足取りで帰っていった。
ほんの少し唇に違和感と温もりを感じてうっすら目を開けると鞄を持った紬の背中が見える。
去ろうとするの腕を掴み、引き寄せる。
パシッバフッ
「んわっ…え、起きてたの?!もしかして…寝たふりしてた?」
足にあまり力が入らないのか後ろに倒れ込むも案外すっぽりと自分の中に座り収まってくれた。
「いや、今起きた。何も言わずに勝手に出てくつもりだったのか?」
「うん、これからバイトもあるし…」
「そんなふらふらしてる体で?」
「発情期中のオメガはさ、結構高いお金払ってくれる人が多くて、まぁその分多少荒くされたりとかはあるんだけど…女みたいにすぐ壊れないから重宝されるんだ。」
後ろから顔を覗き込むも全然目を合わせようとしない。
「あ、でも気持ちいいの好きだし痛いのも割と平気だし、時給もいいからちゃんとした生活はさせてもらってるし…」
「ちゃんとした生活しててどうしてこんなに軽くて細いんだ?」
本当に男の身体なのかってくらい軽くて骨張った指先を触りながらも不安が募る。
「だから大丈夫だってば…!」
紬はパシッと手を払いのけ立ち上がる。
「あ…ごめん、なさい…お礼に何かしたいと思ってたんだけど大金は持ち合わせてないし…出来ることなら何でもする、から。決まったらお店に来てください、待ってます。お世話になりました…」
申し訳なさそうな顔をして名刺を手渡しては、そそくさと若干ふらつく足取りで帰っていった。
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