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本章
3話
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-紬side-
朦朧とした意識の中ゆらゆらと体が揺さぶられている。
誰かに抱き抱えられているらしい。
相手の心臓の鼓動が耳元で感じられ妙に落ち着く。
そしてまた安心したように眠りに落ちた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
モゾっと寝返りを打てば、ふと目が覚め自宅じゃないことに気づく。
足元には幼い顔つきの青年が寝息を立てながら布団に伏せて寝ている。
この人が介抱してくれたのかと思いながらも、そのあまりに綺麗で透き通った白髪に見惚れ思わず手を伸ばす。
触る度ピクッと反応する彼を見てはクスッと笑ってつい起こしてしまった。
「んっ…ふぁ…あ、起きました?体調は大丈夫です?あ、自分はベータなんで安心してくださいね。」
彼が起き上がると触っていたことを悟られないように、すぐに手を引っ込め布団の中に戻した。
「あの…抑制剤飲ませてくれたんですよね…?すごく楽になりました。介抱していただきありがとうございました。」
布団から上半身だけ起き上がり深々と頭を下げた。
「いえいえ、助けたのは自分じゃないんです! あ、ちょっと待っててくださいね!」
何かを思い出したかのように勢いよく部屋から出ていけば、パタパタとスリッパを鳴らしながら白髪の彼はどこかへ行ってしまった。
朦朧とした意識の中ゆらゆらと体が揺さぶられている。
誰かに抱き抱えられているらしい。
相手の心臓の鼓動が耳元で感じられ妙に落ち着く。
そしてまた安心したように眠りに落ちた。
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モゾっと寝返りを打てば、ふと目が覚め自宅じゃないことに気づく。
足元には幼い顔つきの青年が寝息を立てながら布団に伏せて寝ている。
この人が介抱してくれたのかと思いながらも、そのあまりに綺麗で透き通った白髪に見惚れ思わず手を伸ばす。
触る度ピクッと反応する彼を見てはクスッと笑ってつい起こしてしまった。
「んっ…ふぁ…あ、起きました?体調は大丈夫です?あ、自分はベータなんで安心してくださいね。」
彼が起き上がると触っていたことを悟られないように、すぐに手を引っ込め布団の中に戻した。
「あの…抑制剤飲ませてくれたんですよね…?すごく楽になりました。介抱していただきありがとうございました。」
布団から上半身だけ起き上がり深々と頭を下げた。
「いえいえ、助けたのは自分じゃないんです! あ、ちょっと待っててくださいね!」
何かを思い出したかのように勢いよく部屋から出ていけば、パタパタとスリッパを鳴らしながら白髪の彼はどこかへ行ってしまった。
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