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(9)夫の親友は擬態がうまいらしい−4
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「ううん」
お酒を飲んだらしばらくはぐっすりのはずの夫が、むくりと起き上がってこちらを見つめている。今の会話をどこまで聞かれていたのか。それが問題だ。
正直なところ夫はチョロインのけがある。うっかりこんな色男に想われていると知ったら、なし崩し的に意識し始めてしまうかもしれない。優しくされるとすぐに落ちる夫。可愛いではないか。
「旦那さま、どうなさいましたか」
「ベス、どうしてとなりにいないんだ?」
「少し、用事がありましたのよ。すぐに戻りますわ」
「ベスがいっしょでないと、ねむれない」
「それでは、旦那さま。ゴkbリー卿に予定していた挨拶を済ませてしまったら、ゆっくりお休みしましょうね」
私は対人能力にやや難アリの夫を、でろでろに甘やかすことに決めている。バブみを感じておぎゃればよいのだ。
まあ、前世でこの類のことはしっかり履修していなかったので、この使い方で正しいのかははなはだ疑問なところではあるが。
普段は緊張しいで、自分から手を握ってくることもない夫だが、酒に酔っているときだけは非常に素直になる。この状態で一緒にいたいと言われて、断る馬鹿がどこにいるだろう。夫を狙う夫の親友になどかまけている暇はない。
「ベス、くるしい」
「ごめんなさい。お洒落にしたつもりだったけれど、やっぱり苦しいわよね。お客さまをお見送りしたら、脱がせてあげるわ」
身体の線にそった細身の福は夫を美しく見せているけれど、着慣れない分窮屈で仕方がないようだ。
まあ、脱がせるだけで済ませるつもりはないのだが。夢うつつでとろんとした目をしている夫は、とてもかわいい。おほほほほ、ゴkbリー卿よ、ぽやぽやな夫を目に焼き付けてお帰りあそばせ。
こちらをガン見しているゴkbリー卿に、夫の肌を見せるつもりはない。首元を少しだけ緩めてやれば、生唾を飲む音が聞こえた。このむっつりスケベめ。
だが、この親友には手を出せない夫に、私は触れ放題だというのは何とも優越感がある。
夫に想いを伝えることは許さないが、夫をおかずにすることはまあギリギリ許してやろうではないか。
存分に目に焼きつけて帰りたまえ。
***
「本日は、ゴドフリー卿に体験してほしいものがありましたの」
「やっとちゃんと名前を呼んでくれた」
「それが、こちらですわ!」
じじゃーん!!!
効果音付きで出したのは、懐かしい鬼の面である。
「これは?」
「実家が東の島国との交易を始めましたの。それで、今の時期に豆まきという行事をすると耳にしたので、ぜひゴドフリー卿にも体験していただきたいと思いまして」
「ま、まさか、わたしが鬼の役を?」
東の島国は閉鎖的で、つてがあるひとは少なく、慣習も有名ではないはずなのだが。まったく察しがいい。だが、ここで断られてなるものか。
「ねえ、ゴドフリー卿。夫も今日の茶会を楽しみにしておりましたの。ぜひ、鬼役を引き受けてくださいませ。お願いですわ♡」
「ゴドフリー、おねがい」
「くっ、わ、わかりました」
どうやらゴドフリー卿の気質もチョロいらしい。チョロインとして可愛いのは、夫だけだ。色男がチョロくても、何となく腹立たしいだけだということがよくわかった。
ちなみにこちらの世界の大豆は、ココナッツのような大きさでとんでもなくかたい殻に覆われている。それを全力でゴドフリー卿に投げつけて、本日のお茶会は終了した。部屋の中は荒れないように結界魔法をかけていたし、ドッジボールのようでとても楽しかったと侍女や家令にも大層評判がよかったことは特筆すべき点だろう。
なお夫の酔いがさめ、正気を取り戻したのは翌朝のことである。
「あれ、ゴドフリ―は?」
「昨日は、お茶会の途中で旦那さまが寝てしまいましたので、早めにお帰りいただきましたの」
「せっかく茶会に招待したのに、全然おもてなしできないままで、申し訳ないことをしてしまったな。嫌われてないといいんだけれど……」
「それは大丈夫そうでしたわよ。今度は自分の家に遊びに来てほしいとしつこくおっしゃっていましたし」
「そうなのか。本当にいい友人だなあ、ゴドフリーは」
どうやら、地獄のドッジボール大会のことなど忘れた夫には、何の恨み言も言っていないらしい。まったく、親友に擬態することがお上手なこと。
敵もさるもの。夫の親友への信頼度が高過ぎる。私は唇をとがらせたくなるのを抑えつつ、夫に口酸っぱく注意をした。
「旦那さま、いくらゴドフリ―卿に勧められたからといって、何でも口にしてはいけませんよ。今回、旦那さまが寝てしまったのも、ゴドフリー卿のいたずらのせいなのですから」
「うん、わかっているよ。ゴドフリーも僕がここまでお酒に弱いとは思ってもいなかったんだよ。きっと」
「そうですわね。それならよろしいのですけれど」
知らないひとが危ないのではない。身近なひとであろうが、男は狼なのである。
旦那さまが望むのであれば致し方ないが、無理やりから始める関係など私は認めない。ゴドフリ―卿はよだれを垂れ流して、待てをしていればよろしい。
「それにしても、お酒で酔っ払った旦那さまは可愛らしゅうございましたわ」
「え、僕、ゴドフリーの前で酔っ払ってたの? 酔いつぶれて寝ちゃったわけじゃなくて?」
「いっぱい甘えていただきましたのよ」
「ああああああああ」
恥ずかしい、申し訳ないとベッドにもぐりこみ、べそべそと落ち込む夫を私は慰めつつ、また美味しくいただくのだった。
お酒を飲んだらしばらくはぐっすりのはずの夫が、むくりと起き上がってこちらを見つめている。今の会話をどこまで聞かれていたのか。それが問題だ。
正直なところ夫はチョロインのけがある。うっかりこんな色男に想われていると知ったら、なし崩し的に意識し始めてしまうかもしれない。優しくされるとすぐに落ちる夫。可愛いではないか。
「旦那さま、どうなさいましたか」
「ベス、どうしてとなりにいないんだ?」
「少し、用事がありましたのよ。すぐに戻りますわ」
「ベスがいっしょでないと、ねむれない」
「それでは、旦那さま。ゴkbリー卿に予定していた挨拶を済ませてしまったら、ゆっくりお休みしましょうね」
私は対人能力にやや難アリの夫を、でろでろに甘やかすことに決めている。バブみを感じておぎゃればよいのだ。
まあ、前世でこの類のことはしっかり履修していなかったので、この使い方で正しいのかははなはだ疑問なところではあるが。
普段は緊張しいで、自分から手を握ってくることもない夫だが、酒に酔っているときだけは非常に素直になる。この状態で一緒にいたいと言われて、断る馬鹿がどこにいるだろう。夫を狙う夫の親友になどかまけている暇はない。
「ベス、くるしい」
「ごめんなさい。お洒落にしたつもりだったけれど、やっぱり苦しいわよね。お客さまをお見送りしたら、脱がせてあげるわ」
身体の線にそった細身の福は夫を美しく見せているけれど、着慣れない分窮屈で仕方がないようだ。
まあ、脱がせるだけで済ませるつもりはないのだが。夢うつつでとろんとした目をしている夫は、とてもかわいい。おほほほほ、ゴkbリー卿よ、ぽやぽやな夫を目に焼き付けてお帰りあそばせ。
こちらをガン見しているゴkbリー卿に、夫の肌を見せるつもりはない。首元を少しだけ緩めてやれば、生唾を飲む音が聞こえた。このむっつりスケベめ。
だが、この親友には手を出せない夫に、私は触れ放題だというのは何とも優越感がある。
夫に想いを伝えることは許さないが、夫をおかずにすることはまあギリギリ許してやろうではないか。
存分に目に焼きつけて帰りたまえ。
***
「本日は、ゴドフリー卿に体験してほしいものがありましたの」
「やっとちゃんと名前を呼んでくれた」
「それが、こちらですわ!」
じじゃーん!!!
効果音付きで出したのは、懐かしい鬼の面である。
「これは?」
「実家が東の島国との交易を始めましたの。それで、今の時期に豆まきという行事をすると耳にしたので、ぜひゴドフリー卿にも体験していただきたいと思いまして」
「ま、まさか、わたしが鬼の役を?」
東の島国は閉鎖的で、つてがあるひとは少なく、慣習も有名ではないはずなのだが。まったく察しがいい。だが、ここで断られてなるものか。
「ねえ、ゴドフリー卿。夫も今日の茶会を楽しみにしておりましたの。ぜひ、鬼役を引き受けてくださいませ。お願いですわ♡」
「ゴドフリー、おねがい」
「くっ、わ、わかりました」
どうやらゴドフリー卿の気質もチョロいらしい。チョロインとして可愛いのは、夫だけだ。色男がチョロくても、何となく腹立たしいだけだということがよくわかった。
ちなみにこちらの世界の大豆は、ココナッツのような大きさでとんでもなくかたい殻に覆われている。それを全力でゴドフリー卿に投げつけて、本日のお茶会は終了した。部屋の中は荒れないように結界魔法をかけていたし、ドッジボールのようでとても楽しかったと侍女や家令にも大層評判がよかったことは特筆すべき点だろう。
なお夫の酔いがさめ、正気を取り戻したのは翌朝のことである。
「あれ、ゴドフリ―は?」
「昨日は、お茶会の途中で旦那さまが寝てしまいましたので、早めにお帰りいただきましたの」
「せっかく茶会に招待したのに、全然おもてなしできないままで、申し訳ないことをしてしまったな。嫌われてないといいんだけれど……」
「それは大丈夫そうでしたわよ。今度は自分の家に遊びに来てほしいとしつこくおっしゃっていましたし」
「そうなのか。本当にいい友人だなあ、ゴドフリーは」
どうやら、地獄のドッジボール大会のことなど忘れた夫には、何の恨み言も言っていないらしい。まったく、親友に擬態することがお上手なこと。
敵もさるもの。夫の親友への信頼度が高過ぎる。私は唇をとがらせたくなるのを抑えつつ、夫に口酸っぱく注意をした。
「旦那さま、いくらゴドフリ―卿に勧められたからといって、何でも口にしてはいけませんよ。今回、旦那さまが寝てしまったのも、ゴドフリー卿のいたずらのせいなのですから」
「うん、わかっているよ。ゴドフリーも僕がここまでお酒に弱いとは思ってもいなかったんだよ。きっと」
「そうですわね。それならよろしいのですけれど」
知らないひとが危ないのではない。身近なひとであろうが、男は狼なのである。
旦那さまが望むのであれば致し方ないが、無理やりから始める関係など私は認めない。ゴドフリ―卿はよだれを垂れ流して、待てをしていればよろしい。
「それにしても、お酒で酔っ払った旦那さまは可愛らしゅうございましたわ」
「え、僕、ゴドフリーの前で酔っ払ってたの? 酔いつぶれて寝ちゃったわけじゃなくて?」
「いっぱい甘えていただきましたのよ」
「ああああああああ」
恥ずかしい、申し訳ないとベッドにもぐりこみ、べそべそと落ち込む夫を私は慰めつつ、また美味しくいただくのだった。
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