[連載版] 龍の望み、翡翠の夢

石河 翠

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1.邂逅

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 大勢の人が行き交う西国の王都。

 東国人らしい象牙色の肌をした男が、とある宿を訪れた。後ろで軽く結った赤茶色の髪が、尻尾のように愉しげに揺れている。生粋の東国人らしく、物珍しそうに辺りを見渡していた。東国と西国の間の砂漠を越えてきたのだろうか、長旅に相応しい地味で簡素な服装をしている。

 けれど東国らしいその濃紺の装束は、よく見れば繊細で仕立てに使われた布地も上質なものだった。旅慣れていないものなら、盗賊の格好の餌食になりそうなものだが、無事に西国に着いたところを見ると男は腕も確かなようである。男が身につけている柳のような形をしたつるぎは、どうやらお飾りではないらしい。

 剣につけられた鮮やかな布飾りをゆらゆらと揺らしながら、男は宿を訪ね歩く。明らかに余所者の男は西国の街並みから浮きそうなものだが、顔貌かおかたちの整った男には問題ないらしい。むしろ東洋的オリエンタルな魅力に溢れていた。故郷の女とは違う、まろやかな胸元を露わにした西国の女たちに声をかけながら男はそぞろ歩く。

 故郷で胸元を露わにしているのは妓女くらいのものだ。それがここでは皆競い合うように豊かな胸や、折れそうなほどに細い腰を見せつけている。西国を訪れた田舎者の東国人が、いきなり街を歩くご婦人にむしゃぶりついて捕まったという有名な笑い話を思い出して、さもありなんと男はひとり納得した。

 眼福とはいえ、こうもあからさまだと服を脱がせる楽しみがないとご婦人に失礼なことを考えた罰が当たったのかもしれない。男は本日の宿を見つけることができずにいた。偉丈夫な男が、宿の店先で肩を落とす姿は少々滑稽でもある。今日はこの国の王の戴冠式で、祝賀の宴が催されるのだと宿屋の女将は誇らしげに話してくれた。その一環として、国王が山車だしに乗って都を練り歩くものだから、その姿を一目見ようと地方からも人が押し寄せたのだという。

 もっと早く予約していればいいものをと言わんばかりの女の眼差しに、男は何も言い返せない。旅から旅へ気ままに過ごしてきた男だが、いくら気ままとはいえ戴冠式の話くらいどこかで耳にしているはずなのだ。残念ながら、興味のない記憶はすぐに削除してしまう男ゆえ、結局のところ少しばかりも残っていないのであるが。

 宿側としては、この上客である男をみすみす手放すのが惜しかったのであろう、やかましい音をたてながら宿帳をひっくり返し始めた。何とかして部屋に押し込めやしないかと、算段しているらしい。すったもんだの末、男はこの宿屋の中でも上等な部類に入るであろう二階の一室を借りることとなった。一階ではあぶれた他の客が何やらわめいている。金の力で物を言わせる形になったのは、やはり如何ともしがたい。男は肩をすくめながら、あてがわれた二階の部屋の出窓に腰掛ける。居心地の悪さを押し隠すように外を行く行列に目を向けた。

 幻月王げんげつおうの再来か……。男は女将の話を思い出す。この西国の始祖王は、別名を幻月王げんげつおうと言ったのだという。彼が剣を交える時、必ず幻月げんげつが現れたのだとか。どんなに勝算の低い戦いでも勝ち残るその姿に、人々は幻月王と呼んで崇めたのだそうだ。今日即位した国王も、この世界に産声をあげた日に幻月が現れたのだという。国母となった女性も、前王との出会いの夜に幻月が現れたがゆえに、身分の差を超えて祝福されたという。

 より国を発展させてくれるだろう、いずれは大陸を統一することも夢ではないかもしれぬと瞳を輝かせていた女将。男は浮かれ気味の西国人を見て、内心肩をすくめる。もちろんおくびにもそんなことは表には出さないが。占いや託宣は男の故郷の十八番おはこだ。東と西の国それぞれに、大陸を統べるものの出現を匂わせる予言が下りていたことを、目の前の女は知らないだろう。男は大層滑稽に思い、皮肉げに口元を歪ませた。

 新しい国王の御披露目の時間となったらしい。華やかに飾り付けられた花々とひどい人いきれで、めまいがするようだ。こんなひどい人混みだというのに、なんと無防備な行進パレードだろう。王族の御幸みゆきともなれば、最大限の警備を払う東国とは大違いだ。東国の御輿とて安全とは言い難いが、大国の主があんな全方向からよく見える山車だしなどに乗って良いものだろうか。大陸を統べるということは、他国から言わせれば国を潰されるということだ。幻月王の再来という煽り文句は、到底看過できるものではない。

 男はてのひらの中の小さな瑠璃のさかずきもてあそぶ。例えば、遠く雪深い北の国で手に入れたこのショットグラス。強い酒を一息にあおるかの国で手に入れた匠の品だ。細やかな意匠もさることながら、特筆すべきはその重量だ。こんなものでも、勢いをつけてぶつければそこそこの威力を持つ。この国の連中はそれをわかって、国王を山車だしなぞに乗せているのだろうか。

 西国人以外の顔をちらほらと見かけて男は少しだけ憂鬱になる。例えば先ほどから妙な動きで彷徨うろつく浅黒い肌をした南国人。目立つ容姿で何かことを引き起こすとは思えないが、良い予感はしなかった。

 せんなきことかと男は結論付けて、ゆるりと酒を楽しむことにした。この国の警備について論じたところで、己には致し方ない話である。それならば美酒に酔う方が良い。男の故郷にある白酒バイジウよりも、西国の酒はうまいと思う。いくら東国と西国を結ぶ道があったとしても、酒はやはりそれが造られた国の気候の中で飲んでこその味わいだと男は考えている。琥珀色をしたとろりとした火酒ウィスキーに、金色の麦酒ビール、瑞々しい赤が鮮やかな葡萄酒ワイン。昼間から飲むという贅沢に、心は踊る。

 物思いにふける男は、色とりどりの花で飾られた巨大な山車だしの上から民衆に手を振る人影をとらえた。無駄に無防備な山車が役に立つこともあるものだと、男は苦笑する。ちらりとその人影を目で追いかけ、思わず息をのんだ。山車だしの上に座る年若い国王は、花のように美しかった。

 西国人らしい白い肌に、肩まで伸ばした黒髪が良く映える。宵闇を流したかのようなつやのある黒髪は、思わず撫でたくなるような光沢を放っていた。そして光の具合によって、まるで泉のように青にも緑にもみえる澄んだ瞳。冷たささえ感じさせる眼差しは、一瞬良くできた人形のように作り物めいてみえる。だが、きつく結ばれた薔薇色の唇が不意にほころぶと、そこにはえもいわれぬ色香が漂うのだ。白皙はくせきの麗人は、己の美貌の使い方をよく心得ているようだった。

 『国王』だと聞いていなければ、女だと思ったかもしれないその美貌。しかしこの国でも東国と同様に女児に王位継承権はなく、よって『女王』も存在しないと聞いている。つまり、目の前の山車だしに乗る相手は、自身と同じ男であるはずなのだった。女子おんなこどもが好んで読む御伽噺おとぎばなしに出てくる男装の麗人など、文字通り夢物語でしかないのだから。

 そこまで考えて、男はかぶりを振った。一体何を真剣に考えているというのか。一目見て、その美しさにときめいた自分が、男色ではないという言い訳か。女など飽きるほど抱いてきた。性来、女に好かれる性質タチなのか、柔らかい肢体に飢えた記憶などないというのに、なぜこうも気になるのか。男は苦い思いを抱きながら、あえて視線を遠くにずらした。あの国王が手を振る先に身を置きたいなど、何と幼い願望か。何とも面映おもはゆくて、あえて国王のずっと後ろを見つめてみる。

 だから男は一人だけ気づいた。ぎらぎらと魚の腹のように白く光る、妙に不安を掻き立てるその鈍い輝きに。それは、無防備に民衆に手を振る若き国王をほふらんとする兇刃きょうじんである。何故誰も気づかない! 衛兵も裏切っているというのか?

伏せろ!

 思わず東国語で叫んだ彼の言葉は、人混みの中に異質に響く。けれど耳馴れぬその言葉は誰の胸にも響かぬであろう、そう彼が思ったその時。この西国の王は美しいかんばせを一瞬歪めながら、するりと身を伏せた。

 故郷で龍のようだと評された、金色の目をすがめ、男は手に持っていたさかずきをちょうど国王が立っていた場所に鋭く投げた。一拍遅れて現れた不埒者ふらちものの後頭部に、それは直撃する。強固に作られていたさかずきが粉々に砕けるのと同時に、不届者ふとどきものは昏倒する。まあ運が良ければ、頭の骨が砕けていても生きてはいよう。

 ざわめく民衆の只中ただなかに、男は飛び降りる。二階から飛び降りたというのに、男はふわりと音もなく着地する。それはどこか人ならざるもののように不可思議な静けさだった。そのまま空を舞うように、水を泳ぐように柔らかな動きで剣を振るう。剣の布飾りが、花のように見事に咲き乱れていた。緩やかな動きとは裏腹に、鮮血が舞い散る。やはり衛兵の中に間者がいたのであろう、騎士らしからぬ動きをするものは容赦なく斬り伏せておいた。状況をつかめていないのか、此方を捕縛しようとする者についてはきつくみぞおちを蹴り上げるだけに留めておく。しばらくは胃が痛むであろうが、仕方なかろう。

 ぎらりと今度は向かいの建物から、何かが小さく光る。飛道具か?! 男は続けざまに叫ぶ。

跳べ!

 美しい国王は、かなりの高さがあるのにもかかわらず躊躇することなく、山車だしから飛び降りた。ふわりと舞い降りる国王は、東国に伝わる羽衣を着た天女のように儚げで美しい。そのくせ風をはらんだ豪奢な衣装からか細い手足がのぞくのが、妙になまめかしかった。同時に男も音もなく移動して、そのまま国王の身体を受け止める。遠目から見ても細身のその身体は、布ごしでもわかるほど華奢で、思った以上に柔らかいものだった。

 この柔らかさを男はよく知っていた。戦場ですれ違う人種の体としてではなく、甘やかな閨の中で喰らうものとしてであったが。悟られぬように触れてみれば、己の直感は確信へと変わる。この骨格で、男などあり得ぬ。普段の立ち姿などは姿勢で誤魔化せようが、本質は変えられぬ。この国の王は女である。

 男は西国の慣習を思い出していた。この国は、一夫一婦制なのだという。彼の故郷のように側室を数多く侍らせることもない。隠れて愛妾を囲ったとしても、その子どもには何の相続権も発生しないというのだ。妻を変えるには、正規の手続きで離縁するか、もしくは……死別するか。女に狂った貴族が、妻を殺し愛妾と結婚した例もいとま無いと聞く。病弱で早世したと言われる女たちが本当に病を得ていたのか、怪しいものである。この世の中には、病死にしか見えないように少しずつ身体を弱らせる薬も数多く存在するのだから。

 想像でしかないが、先の国王は妻子を心から大切に思っていたのであろう。離縁も良しとせず、さりとて男児にも恵まれなかった。そのために恐らくは娘の性別を偽ったと思われる。幻月王の故事は、利用したのかそれともまこと偶然が重なったのか。そしてその嘘が綻びたのか、それとも単に新しい国王の崩御を狙う輩がいるのかは、今回の件では判然とせぬ。言えるのは、先の国王は一国の主としては落第であるという点だけである。今娘が陥っている窮状を鑑みれば、父親としても愚策をとったと言えよう。

 だが、男はこの選択を一笑にふすことなどできなかった。もともと白いかんばせを、わずかに青ざめさせながらも、気丈に指揮を出すその姿。己の腕の中に確かにあった柔らかなあのぬくもりを手放すことなど、自分とてできそうになかった。

 騒動のうちに幕を閉じた祝賀行進パレードであったが、その混乱をおさめた若き国王の手腕は大したものだと評価された。あれだけの騒ぎの中、民間人に死傷者が出なかったことも幸いした。騒動を沈静化した男が必要以上にもてはやされたのは、西国の面子云々めんつうんぬんが大きかったのであろう。常ならば、まつりごとの場に出ることを嫌う男であったが、この時ばかりは政治的な思惑をありがたいと思わずにはいられなかった。男がもともと東国を出てきたのは、政治の中枢に引っ張り出されることを嫌ってのことだったのにである。故郷を出てきた十年近く前の日のことを思い出し、男は薄く笑った。

 助けた王に名を聞かれ、男はただ西国風にセイとだけ答えた。男には自信があった。この美しい国王が、きっと自分を必要としてくれると。あえて東国での身分も、名も伝えなかった。己の価値は、ただ彼女に決めてもらえれば良かった。低く見積もられたならば、ただ価値を上げるまで。高く評価してもらったならば、期待に添えるようそれに見合う働きをするまで。ただ自分の望みは、この新しい主人あるじの願いを叶えること。それだけである。

 どう考えても厄介ごとに飛び込んでいるのはよく理解している。けれどこのぞくりとするような予感めいたものに、身体は自然にそれを選びとっていた。何者にも縛られぬことを良しとする己が、である。膝を折ることが、これほどまでに甘美なものだとは思いもしなかった。美しい国王の瞳に自分が映るのを、彼は少年のように逆上のぼせあがって見つめていた。涼やかな声音で手柄を立てた褒美を問われ、男は目の前の麗人に士官の口を乞うた。

 一目見た瞬間に、惹きつけられた。貴女を探していたのだ。今日のこの日のために武術に励み、腕を磨き、何処の国にも止まることなく放浪を繰り返したのだと合点が行くほどに、一瞬であの瞳に囚われた。永遠に告げることなどないであろう想いを胸に抱いて、男は白皙はくせきの麗人に忠誠を誓った。

 西国の春を告げる木蓮の花。柔らかな風が、その紫の花弁を巻き上げながら一陣強く吹き抜けた。
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