薄幸華族令嬢は、銀色の猫と穢れを祓う

文乃は大和の国の華族令嬢だが、家族に虐げられている。

ある日文乃は、「曰くつき」と呼ばれる品から溢れ出た瘴気に襲われそうになる。絶体絶命の危機に文乃の前に現れたのは、美しい銀色の猫だった。

彼は古びた筆を差し出すと、瘴気を墨代わりにして、「曰くつき」の穢れを祓うために、彼らの足跡を辿る書を書くように告げる。なんと「曰くつき」というのは、さまざまな理由で付喪神になりそこねたものたちだというのだ。

猫と清められた古道具と一緒に穏やかに暮らしていたある日、母屋が火事になってしまう。そこへ文乃の姉が、火を消すように訴えてきて……。

穏やかで平凡な暮らしに憧れるヒロインと、付喪神なヒーローの恋物語。

ハッピーエンドです。

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