4 / 5
(4)
しおりを挟む
目を開ければそこは、薄暗い建物の中だった。日が当たらないのか、ひんやりとしていてどことなくかび臭い。アンナを連れてきたはずの男の姿はそこにはなかった。
「やはりダメだったか」
座り込んでいたアンナが慌てて顔をあげると、いつの間にか外套で全身を隠した怪しげなやからがいた。声から察するに相手は男だろう。
「……先ほどのひとは?」
「魔力を持たない人間は、転移に耐えられないらしい。目的地に到着する前に、消えうせてしまう」
「……っ、なんてことを」
鳥肌のたった腕で、自分自身を強く抱き締める。
(私も消滅していたかもしれないというの!)
「ところでお前、あいつと寝たのか?」
「な、何を」
「お前の両手首に、あいつの『魔力痕』がついている。どれだけ肌を重ねれば、これだけ破廉恥なマーキングを残せるんだ。その魔力がなければ、お前もここに辿り着くことはなかっただろうよ。一か八かでやってみたが、やはり生き残ったか」
(マーキング? え、まさかあのときの?)
アンナがラザラスと触れあったのは、食堂で腕を強く握られたときのみだ。逃げられないように拘束されただけかと思っていたが、まさか魔力を譲渡していたのだろうか?
(共に夜を過ごしたと思われるほどの、濃密な魔力を私に?)
こんなときだというのに嬉しさと驚きで、頭が混乱した。頬が赤く染まっているのが、鏡を見ずともわかるくらいに熱い。そんなアンナの姿をどう判断したのか、男が馬鹿にしたように鼻を鳴らした。
「お前もかわいそうなヤツだよ。あいつに関わらなければ、『惚れ薬』の犯人にされることもなかっただろうに」
「それはどういう」
「あいつは、昔からひとにもものにも執着しない。大切にしたものは、僕に取り上げられるか壊されるだけだと知っているからだ。それがどうだ、あいつはお前のためにすべてを賭けてみせたじゃないか。おかしくてたまらないよ。あいつがすべてを失って泣くのを見るのが楽しみだな」
「それだけ、ですか?」
「なんだ?」
「たったそれだけのために、依存性の高い薬を、『惚れ薬』と称して流通させたのですか」
「……その髪、その瞳、東部地方の魔女か」
アンナは唇を噛む。アンナの故郷の住人たちは、かつて魔女と揶揄されてきた。髪や瞳の色に加えて、王都の人間が食べない物もまた口にしていたからだ。幾多の飢饉を乗り越えるための工夫だったが、王都ではまだその感覚が根強く残っている。だからこそアンナは、料理人として王都で働くことを幼い頃から目標にしていた。
「そこいらの医者よりも薬草に詳しい私たちでさえ、『惚れ薬』なんて作れません。それならば、精神に影響を及ぼす薬……いいえ毒が出回っていると考えるのが自然です」
「もともと頭がお花畑の人間に対して、ますます頭がお花畑になる薬を使って、何が問題になる?」
とんでもないことを堂々とのたまわれる状況に、めまいがする。アンナは、自分を奮い立たせるようにこぶしをにぎった。
「顔も体もいまいちだが、魔力を受け入れる器としての才能はあるようだな。頭もまあ悪くない。いいだろう、お前は僕のものだ。それなりに可愛がってやるよ」
「お断りします」
「黙れ」
横っ面を叩かれる。倒れこめば、口の中に鉄の味が広がった。男は一歩も動いていないところを見ると、これもまた何かの魔法によるものなのだろう。
(魔女と呼ばれる私たちは魔法なんて使えないのに。どうして、こんな横暴な人間は魔法を使うことができるの?)
「面倒だから、その口は閉じておいてもらおうかな。興が削がれる」
ラザラスと過ごして、もう十分に幸せだと思っていた。けれど今さらながら、想いを伝えたいと願ってしまった。
(ラザラスさまに、会いたい)
「アンナ、大丈夫か!」
「……どうして、ここに」
「助けに行くと約束しただろう?」
驚いたのは、外套を着た男も同じだったらしい。明らかにうろたえている。
「そんなバカな、どうしてお前がここにいる!」
「アンナにつけた目印を辿った。一度転移陣で繋がった空間だからな。もう一度繋ぎなおすくらい、難しくはない」
「転移陣の書き方も知らないくせに!」
「必要なら、それくらいできる」
「そんな、嘘だ! 嘘だ!」
激昂した男が、外套を脱ぎ捨てた。怒りにまかせて踏みつける姿は、駄々をこねた幼児のよう。
アンナには、貴族の爵位などわからない。服装も高価そうだとしか判断できない。そんなアンナにもわかることがひとつだけあった。
(このひと、ラザラスさまによく似ているわ。ラザラスさまがあと10年経てば、こんな風になるのかも。けれど、ラザラスさまは平民出身とおっしゃっていたはず……)
貴族や王族にありがちな複雑な家族関係が頭をよぎったが、アンナは考えるのをやめた。
「だが、それが現実だ」
「今まで実力を出さなかった卑怯者が何を言う! 平民として第二部隊などに在籍せずとも、堂々と高貴な血をひくものとして名乗りをあげることだってできただろう!」
「興味がないと言ったはずだ」
「ならば、なぜ今さら歯向かう!」
「俺だって、粛々と生きていく気でいた。波風を立てず、異母兄の横暴にも目をつぶって。彼女に手を出さなければね」
「たかが女ひとりのために、立ち上がっただと?」
「冤罪をかけ、彼女の名誉を汚したことは、しっかり償ってもらう」
ラザラスが腰から剣をとる。光が射さないはずの部屋の中で、刃が白く清浄な輝きを放った。
「僕のことを殺す気か。恥知らずの平民あがりめ!」
「残念ながら、殺す価値もないよ」
魔法が使えることを隠し、ただの平民として騎士団でのし上がってきたラザラスが、体術で負けることなどない。魔力の使い方ひとつとっても、高慢な異母兄よりも長けている。苦手だったことは、政治的なかけひきだけ。
ラザラスは、異母兄を一瞬で気絶させどこかへ送りつけると、二度と離さないと宣言するかのように、アンナを強く抱きしめた。
「やはりダメだったか」
座り込んでいたアンナが慌てて顔をあげると、いつの間にか外套で全身を隠した怪しげなやからがいた。声から察するに相手は男だろう。
「……先ほどのひとは?」
「魔力を持たない人間は、転移に耐えられないらしい。目的地に到着する前に、消えうせてしまう」
「……っ、なんてことを」
鳥肌のたった腕で、自分自身を強く抱き締める。
(私も消滅していたかもしれないというの!)
「ところでお前、あいつと寝たのか?」
「な、何を」
「お前の両手首に、あいつの『魔力痕』がついている。どれだけ肌を重ねれば、これだけ破廉恥なマーキングを残せるんだ。その魔力がなければ、お前もここに辿り着くことはなかっただろうよ。一か八かでやってみたが、やはり生き残ったか」
(マーキング? え、まさかあのときの?)
アンナがラザラスと触れあったのは、食堂で腕を強く握られたときのみだ。逃げられないように拘束されただけかと思っていたが、まさか魔力を譲渡していたのだろうか?
(共に夜を過ごしたと思われるほどの、濃密な魔力を私に?)
こんなときだというのに嬉しさと驚きで、頭が混乱した。頬が赤く染まっているのが、鏡を見ずともわかるくらいに熱い。そんなアンナの姿をどう判断したのか、男が馬鹿にしたように鼻を鳴らした。
「お前もかわいそうなヤツだよ。あいつに関わらなければ、『惚れ薬』の犯人にされることもなかっただろうに」
「それはどういう」
「あいつは、昔からひとにもものにも執着しない。大切にしたものは、僕に取り上げられるか壊されるだけだと知っているからだ。それがどうだ、あいつはお前のためにすべてを賭けてみせたじゃないか。おかしくてたまらないよ。あいつがすべてを失って泣くのを見るのが楽しみだな」
「それだけ、ですか?」
「なんだ?」
「たったそれだけのために、依存性の高い薬を、『惚れ薬』と称して流通させたのですか」
「……その髪、その瞳、東部地方の魔女か」
アンナは唇を噛む。アンナの故郷の住人たちは、かつて魔女と揶揄されてきた。髪や瞳の色に加えて、王都の人間が食べない物もまた口にしていたからだ。幾多の飢饉を乗り越えるための工夫だったが、王都ではまだその感覚が根強く残っている。だからこそアンナは、料理人として王都で働くことを幼い頃から目標にしていた。
「そこいらの医者よりも薬草に詳しい私たちでさえ、『惚れ薬』なんて作れません。それならば、精神に影響を及ぼす薬……いいえ毒が出回っていると考えるのが自然です」
「もともと頭がお花畑の人間に対して、ますます頭がお花畑になる薬を使って、何が問題になる?」
とんでもないことを堂々とのたまわれる状況に、めまいがする。アンナは、自分を奮い立たせるようにこぶしをにぎった。
「顔も体もいまいちだが、魔力を受け入れる器としての才能はあるようだな。頭もまあ悪くない。いいだろう、お前は僕のものだ。それなりに可愛がってやるよ」
「お断りします」
「黙れ」
横っ面を叩かれる。倒れこめば、口の中に鉄の味が広がった。男は一歩も動いていないところを見ると、これもまた何かの魔法によるものなのだろう。
(魔女と呼ばれる私たちは魔法なんて使えないのに。どうして、こんな横暴な人間は魔法を使うことができるの?)
「面倒だから、その口は閉じておいてもらおうかな。興が削がれる」
ラザラスと過ごして、もう十分に幸せだと思っていた。けれど今さらながら、想いを伝えたいと願ってしまった。
(ラザラスさまに、会いたい)
「アンナ、大丈夫か!」
「……どうして、ここに」
「助けに行くと約束しただろう?」
驚いたのは、外套を着た男も同じだったらしい。明らかにうろたえている。
「そんなバカな、どうしてお前がここにいる!」
「アンナにつけた目印を辿った。一度転移陣で繋がった空間だからな。もう一度繋ぎなおすくらい、難しくはない」
「転移陣の書き方も知らないくせに!」
「必要なら、それくらいできる」
「そんな、嘘だ! 嘘だ!」
激昂した男が、外套を脱ぎ捨てた。怒りにまかせて踏みつける姿は、駄々をこねた幼児のよう。
アンナには、貴族の爵位などわからない。服装も高価そうだとしか判断できない。そんなアンナにもわかることがひとつだけあった。
(このひと、ラザラスさまによく似ているわ。ラザラスさまがあと10年経てば、こんな風になるのかも。けれど、ラザラスさまは平民出身とおっしゃっていたはず……)
貴族や王族にありがちな複雑な家族関係が頭をよぎったが、アンナは考えるのをやめた。
「だが、それが現実だ」
「今まで実力を出さなかった卑怯者が何を言う! 平民として第二部隊などに在籍せずとも、堂々と高貴な血をひくものとして名乗りをあげることだってできただろう!」
「興味がないと言ったはずだ」
「ならば、なぜ今さら歯向かう!」
「俺だって、粛々と生きていく気でいた。波風を立てず、異母兄の横暴にも目をつぶって。彼女に手を出さなければね」
「たかが女ひとりのために、立ち上がっただと?」
「冤罪をかけ、彼女の名誉を汚したことは、しっかり償ってもらう」
ラザラスが腰から剣をとる。光が射さないはずの部屋の中で、刃が白く清浄な輝きを放った。
「僕のことを殺す気か。恥知らずの平民あがりめ!」
「残念ながら、殺す価値もないよ」
魔法が使えることを隠し、ただの平民として騎士団でのし上がってきたラザラスが、体術で負けることなどない。魔力の使い方ひとつとっても、高慢な異母兄よりも長けている。苦手だったことは、政治的なかけひきだけ。
ラザラスは、異母兄を一瞬で気絶させどこかへ送りつけると、二度と離さないと宣言するかのように、アンナを強く抱きしめた。
13
お気に入りに追加
46
あなたにおすすめの小説
氷のメイドが辞職を伝えたらご主人様が何度も一緒にお出かけするようになりました
まさかの
恋愛
「結婚しようかと思います」
あまり表情に出ない氷のメイドとして噂されるサラサの一言が家族団欒としていた空気をぶち壊した。
ただそれは田舎に戻って結婚相手を探すというだけのことだった。
それに安心した伯爵の奥様が伯爵家の一人息子のオックスが成人するまでの一年間は残ってほしいという頼みを受け、いつものようにオックスのお世話をするサラサ。
するとどうしてかオックスは真面目に勉強を始め、社会勉強と評してサラサと一緒に何度もお出かけをするようになった。
好みの宝石を聞かれたり、ドレスを着せられたり、さらには何度も自分の好きな料理を食べさせてもらったりしながらも、あくまでも社会勉強と言い続けるオックス。
二人の甘酸っぱい日々と夫婦になるまでの物語。
もふもふに変身できる先祖返りの平民侍女は、罠にかけられた不器用な生真面目令息を救いたい。
石河 翠
恋愛
親に捨てられ孤児として生きてきた、訳あり主人公ポーラ。侍女として働いている彼女は、お屋敷の坊っちゃんに恋をしている。しかし、身分差と種族差ゆえに想いを伝えることさえ叶わないと思っていた。
そんなある日、坊っちゃんが横領の罪で逮捕されたという。あの堅物坊っちゃんがそんなことをするはずがない。怪しいにおいを感じ取ったポーラは、坊っちゃんが閉じ込められている監獄に単身で乗り込む。
そこでこの逮捕劇が、第二王子の策略だったことを告げられる。さらに堅物坊っちゃんには、添い遂げたい大切な相手がいることを知り……。
気持ちを伝えられなくてもいいから一生そばにいたいと思っている、アホに見えて実は健気なヒロインと、頭はいいのに四角四面で無駄に敵を作る、不器用一途なヒーローの恋物語。
この作品は、小説家になろう及びエブリスタにも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
私に一目惚れしたなどと初対面のイケメンが言うので、詐欺師かと思い、金づるとして塩対応するつもりでいたら、できなかった上に外堀を埋められていた
石河 翠
恋愛
街で陶磁器のお直し屋として働いている主人公。彼女はある日、見惚れるような美青年に告白される。一目惚れだという彼を一蹴した主人公だが、不本意にもときめいてしまった。
翌日、彼女の仕事場に再び謎の美青年が現れる。壊れた皿を直してほしいと依頼してきた彼。一時は金づるとして扱おうと思うものの、誠実な彼の言葉に彼女は通常のお客さまとして対応することを決める。そして修繕期間をともに過ごすうちに、彼への恋心が生まれてしまうのだった。
身分の差から自分たちの恋に望みはないと、あくまで店員とお客さまとの関係を崩さない彼女だったが、納品の日に彼の祖父母に結婚したい女性だと紹介されて……。
真面目で地に足ついた生活を望むヒロインと、夢を叶えるために猪突猛進するヒーローとの恋物語。ハッピーエンドです。
舞台は架空の異世界です。陶磁器についての記述は、歴史的事実とは別にふんわりざっくりお楽しみください。
小説家になろう、エブリスタにも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
婚約者に好きな人ができたらしい(※ただし事実とは異なります)
彗星
恋愛
主人公ミアと、婚約者リアムとのすれ違いもの。学園の人気者であるリアムを、婚約者を持つミアは、公爵家のご令嬢であるマリーナに「彼は私のことが好きだ」と言われる。その言葉が引っかかったことで、リアムと婚約解消した方がいいのではないかと考え始める。しかし、リアムの気持ちは、ミアが考えることとは違うらしく…。
ヘビは意外と怖がりの臆病者でした~ヤンデレ神官は聖女の愛を信じない~
石河 翠
恋愛
「運命の恋」とやらを見つけた第二王子のせいで、婚約を解消されてしまった主人公。当て馬はもう勘弁と、新しい婚約者候補の紹介を断り、教会で余生を過ごすことに決める。ところが突然聖女っぽい力に目覚めてしまい、再び注目を浴びることになってしまった。しかも教会のお偉方は、金の亡者で聖女を都合良く使う始末。
不本意に過ごしていたある日、教会は暴徒の襲撃を受ける。作物が不作で村人たちが飢えに苦しんでいるにもかかわらず、いつも通り贅沢に過ごす、教会上層部の姿勢が怒りを買ったのだ。
もはやここまでと覚悟を決めたのもつかの間、今度は側仕えの神官にさらわれてしまう。実は彼の正体は、ヘビ族の王子さまで長年彼女に恋い焦がれていたのだという。実は聖女自身も彼のことを憎からず思っていて……。口が悪く気が強い聖女さまと、乱暴なようでいて自己評価が低い臆病者でヤンデレなヘビのおはなし。
この作品は、小説家になろうにも投稿しております。
扉絵は、あっきコタロウさんが配布されているフリーイラストを使用しています。
王子好きすぎ拗らせ転生悪役令嬢は、王子の溺愛に気づかない
エヌ
恋愛
私の前世の記憶によると、どうやら私は悪役令嬢ポジションにいるらしい
最後はもしかしたら全財産を失ってどこかに飛ばされるかもしれない。
でも大好きな王子には、幸せになってほしいと思う。
潜入捜査中の少女騎士は、悩める相棒の恋心に気がつかない。~男のふりをしているのに、メイド服を着て捜査とかどうしたらいいんですか。~
石河 翠
恋愛
平民の孤児でありながら、騎士団に所属するフィンリー。そのフィンリーには、大きな秘密があった。実は女であることを隠して、男として働いているのだ。
騎士団には女性も所属している。そのため性別変更は簡単にできるのだが、彼女にはどうしてもそれができない理由があった。友人であり、片思いの相手であり、何より大切な相棒でもあるローガンと離れたくなかったのだ。
女性にモテるローガンだが、誰かひとりに肩入れすることはない。自分が女であるとわかれば、彼は自分を相棒としてふさわしくないと認識するだろう。
そう考えたフィンリーは相棒として隣に立つことを望んでいたのだが、ある日厄介な任務を受けることになる。それは、男として暮らしているフィンリーが、メイドとして潜入捜査を行うというものだった。
正体と恋心がバレないように必死に男らしく振る舞おうとするフィンリーだったが、捜査相手にさらわれてしまい……。
男として振る舞うちょっと鈍感なヒロインと、彼女を大切に思うあまり煙草が手放せなくなってしまったヒーローのお話。
この作品は、小説家になろう及びエブリスタにも投稿しております。
扉絵は、相内充希さまに作成していただきました。
借金のカタとして売り飛ばされそうな貧乏令嬢です。結婚相手が誰になるのか天使様に尋ねてみたら、天使様もとい小悪魔と結婚することになりました。
石河 翠
恋愛
祖父の死後、借金の返済に追われるようになった主人公。借金のカタに売り飛ばされそうになった彼女は、覚悟を決めるためにある呪いに手を出す。その呪いを使えば、未来の結婚相手がわかるというのだ。
ところが呼び出したはずの「天使さま」は、結婚相手を教えてくれるどころか、借金返済のアドバイスをしてきて……。借金を返済するうちに、「天使さま」に心ひかれていく主人公。
けれど、「天使さま」がそばにいてくれるのは、借金を返済し終わるまで。しかも借金返済の見込みがたったせいで、かつての婚約者から再度結婚の申し込みがきて……。
がんばり屋で夢みがちな少女と、天使のように綺麗だけれど一部では悪魔と呼ばれている男の恋物語。
この作品は、アルファポリス、エブリスタにも投稿しております。
扉絵は、exaさまに描いていただきました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる