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087 神様とおもちゃ②
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私、リリム、ディアネットの3人がやっとテーブルの席に着く。私の右隣がリリムで、左隣がディアネットだ。
私が遠隔操作の大人のおもちゃのボタンを押すのを止めると、2人は強張っていた肩の力を抜き、安堵の表情を浮かべていた。
「今アリスさんたちの残した手記を読んでいたのですが……」
エレオノールが話し始めた途端に、私はもう一度ボタンを押す。
「「…っ!?」」
リリムとディアネットが、同時に体をビクリとさせる。2人とも声を出すことは堪えられたようだが、2人の息を呑む音が聞こえてきた。私は一度ボタンから手を離す。
「?リリムとディアはどうかしたのですか?」
エレオノールが、急に体をビクリと震わせたリリムとディアネットを不思議に思ったのか、2人に声をかける。私はもう一度手元のボタンを押し込んだ。
「なっ!?んでも、ない、よ」
「んっ…!?ちょっと、寒気、が…」
「そう!ちょっと、寒気が、ね…ぁ…」
私はボタンから手を離す。
「そうですか?風邪でしょうか?体調には気を付けてくださいね」
エレオノールの質問を凌いだからか、大人のおもちゃの振動が止まったからか、再び安堵の表情を見せるリリムとディアネット。
私は2人を観察しつつ思った。これは想像していたよりもはるかに面白い!
私は遠隔操作の大人のおもちゃの魅力に惹かれ始めていた。
◇
その後も、私は何度も大人のおもちゃのボタンを押したり離したりする。その度にリリムとディアネットは、新鮮な反応を示してくれた。
ビクリッと大きく体を震わせてしまったディアネットは、椅子に座り直すフリをして誤魔化したり、リリムは漏れ出てしまった嬌声を咳払いで誤魔化したりしていた。
「第十六階層ですが、新しい情報がいくつもありました。まず……」
エレオノールがダンジョンについて新たに分かった情報を共有してくれるが、リリムとディアネットの耳に届いているかどうか……。2人とも、どうしようもなく込み上げてくる快楽に翻弄されつつも、なんとか快楽を押し留めようと必死だ。
リリムは顔どころか耳まで真っ赤にして、太ももをもじもじと擦り合わせて、なんとか堪えている。その藍色の瞳はとろんと蕩け、目尻には涙まで浮かんでいる。体は小刻みに震え、彼女のトレードマークになっている赤毛のポニーテールがプルプルと震えていた。
ディアネットの顔は一見リリムに比べればまだ余裕がありそうに見える。その頬は薄くピンクに上気しているだけだ。しかし、その漆黒の瞳はリリム同様に、もしくはそれ以上に蕩けて潤んでいる。彼女は、その脚を大きく広げ、微かに腰を振っている。普段の姿からは想像もできない程はしたない姿だ。ディアネットの限界がいよいよ近いことを感じさせた。
「リリムとディアは大丈夫ですか?顔が真っ赤ですが……」
「ぁん!だいじょブらからぁ……」
「ヘイ、き…ぁ…」
呂律が回らず、嬌声も隠しきれないリリムとディアネット。明らかに様子がおかしい2人に、エレオノールは心配している。
「そうですか?無理だけはしないでくださいね」
エレオノールには、リリムとディアネットが大人のおもちゃで遊ばれているなど想像の埒外なのだろう。2人の様子に心配や困惑の表情を浮かべるだけで、その真実にはたどり着けそうにない。根が初心なのだ。エレオノールは、こうした性愛に対して心配になるほど知識に乏しい。ピュアとも言える。
「おはよー」
ガチャリと扉が開き、リビングにミレイユが姿を現した。まだ眠いのか、眼を擦りながらこちらにやって来る。
「おはよう、ミレイユ」
「おはようございます」
「ぉはょ」
「おは、ょぅ…」
皆で挨拶を交わすが、リリムとディアネットの声は震え、熱い吐息混じりのものだった。
ミレイユはそんな2人の様子に気付かずに私の方へと向かって来た。
「んー」
ミレイユがおでこを私に向けて突き出す。頭突きではない。ミレイユは『おはようのちゅー』をご所望だ。皆の目があるので、唇ではなくおでこにキスを求めている。
「ちゅっ」
私はミレイユの前髪を掻き上げると、おでこに軽くキスをした。
「えへへ…」
ミレイユが蕩けそうな幸せそうな顔を浮かべて笑う。この笑顔だけで、私は今日も一日がんばれそうだ。
「ところで、それ何?」
ミレイユは、おでこを突き出すために下を向いたからだろう。私が手元に持っているボタンに気が付いた。
「これはね、押すと良い事が起きるボタンだよ。ミレイユも押してみるといい」
私の言葉に、リリムとディアネットがビクリと体を震わせる。
「へぇー。押せばいいの?」
そう言ってボタンを押すミレイユ。
「…?何も起きないけど?」
ミレイユはポチポチとボタンを連打した。そんなに連打したら……。ミレイユは、ピクピクと体を震わせるリリムとディアネットには気が付いていないようだ。
無知とは恐ろしいな。ミレイユの容赦のない連打によって、リリムとディアネットはもう……。
◇
「ルールーはひどいと思う…」
「鬼畜…」
部屋に戻ったらリリムとディアネットに詰られたが、私は知っている。
「でも意外と良かっただろ?」
「「………」」
私は、何も言えなくなってしまった2人をニヤニヤと眺めるのだった。
私が遠隔操作の大人のおもちゃのボタンを押すのを止めると、2人は強張っていた肩の力を抜き、安堵の表情を浮かべていた。
「今アリスさんたちの残した手記を読んでいたのですが……」
エレオノールが話し始めた途端に、私はもう一度ボタンを押す。
「「…っ!?」」
リリムとディアネットが、同時に体をビクリとさせる。2人とも声を出すことは堪えられたようだが、2人の息を呑む音が聞こえてきた。私は一度ボタンから手を離す。
「?リリムとディアはどうかしたのですか?」
エレオノールが、急に体をビクリと震わせたリリムとディアネットを不思議に思ったのか、2人に声をかける。私はもう一度手元のボタンを押し込んだ。
「なっ!?んでも、ない、よ」
「んっ…!?ちょっと、寒気、が…」
「そう!ちょっと、寒気が、ね…ぁ…」
私はボタンから手を離す。
「そうですか?風邪でしょうか?体調には気を付けてくださいね」
エレオノールの質問を凌いだからか、大人のおもちゃの振動が止まったからか、再び安堵の表情を見せるリリムとディアネット。
私は2人を観察しつつ思った。これは想像していたよりもはるかに面白い!
私は遠隔操作の大人のおもちゃの魅力に惹かれ始めていた。
◇
その後も、私は何度も大人のおもちゃのボタンを押したり離したりする。その度にリリムとディアネットは、新鮮な反応を示してくれた。
ビクリッと大きく体を震わせてしまったディアネットは、椅子に座り直すフリをして誤魔化したり、リリムは漏れ出てしまった嬌声を咳払いで誤魔化したりしていた。
「第十六階層ですが、新しい情報がいくつもありました。まず……」
エレオノールがダンジョンについて新たに分かった情報を共有してくれるが、リリムとディアネットの耳に届いているかどうか……。2人とも、どうしようもなく込み上げてくる快楽に翻弄されつつも、なんとか快楽を押し留めようと必死だ。
リリムは顔どころか耳まで真っ赤にして、太ももをもじもじと擦り合わせて、なんとか堪えている。その藍色の瞳はとろんと蕩け、目尻には涙まで浮かんでいる。体は小刻みに震え、彼女のトレードマークになっている赤毛のポニーテールがプルプルと震えていた。
ディアネットの顔は一見リリムに比べればまだ余裕がありそうに見える。その頬は薄くピンクに上気しているだけだ。しかし、その漆黒の瞳はリリム同様に、もしくはそれ以上に蕩けて潤んでいる。彼女は、その脚を大きく広げ、微かに腰を振っている。普段の姿からは想像もできない程はしたない姿だ。ディアネットの限界がいよいよ近いことを感じさせた。
「リリムとディアは大丈夫ですか?顔が真っ赤ですが……」
「ぁん!だいじょブらからぁ……」
「ヘイ、き…ぁ…」
呂律が回らず、嬌声も隠しきれないリリムとディアネット。明らかに様子がおかしい2人に、エレオノールは心配している。
「そうですか?無理だけはしないでくださいね」
エレオノールには、リリムとディアネットが大人のおもちゃで遊ばれているなど想像の埒外なのだろう。2人の様子に心配や困惑の表情を浮かべるだけで、その真実にはたどり着けそうにない。根が初心なのだ。エレオノールは、こうした性愛に対して心配になるほど知識に乏しい。ピュアとも言える。
「おはよー」
ガチャリと扉が開き、リビングにミレイユが姿を現した。まだ眠いのか、眼を擦りながらこちらにやって来る。
「おはよう、ミレイユ」
「おはようございます」
「ぉはょ」
「おは、ょぅ…」
皆で挨拶を交わすが、リリムとディアネットの声は震え、熱い吐息混じりのものだった。
ミレイユはそんな2人の様子に気付かずに私の方へと向かって来た。
「んー」
ミレイユがおでこを私に向けて突き出す。頭突きではない。ミレイユは『おはようのちゅー』をご所望だ。皆の目があるので、唇ではなくおでこにキスを求めている。
「ちゅっ」
私はミレイユの前髪を掻き上げると、おでこに軽くキスをした。
「えへへ…」
ミレイユが蕩けそうな幸せそうな顔を浮かべて笑う。この笑顔だけで、私は今日も一日がんばれそうだ。
「ところで、それ何?」
ミレイユは、おでこを突き出すために下を向いたからだろう。私が手元に持っているボタンに気が付いた。
「これはね、押すと良い事が起きるボタンだよ。ミレイユも押してみるといい」
私の言葉に、リリムとディアネットがビクリと体を震わせる。
「へぇー。押せばいいの?」
そう言ってボタンを押すミレイユ。
「…?何も起きないけど?」
ミレイユはポチポチとボタンを連打した。そんなに連打したら……。ミレイユは、ピクピクと体を震わせるリリムとディアネットには気が付いていないようだ。
無知とは恐ろしいな。ミレイユの容赦のない連打によって、リリムとディアネットはもう……。
◇
「ルールーはひどいと思う…」
「鬼畜…」
部屋に戻ったらリリムとディアネットに詰られたが、私は知っている。
「でも意外と良かっただろ?」
「「………」」
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