上 下
41 / 55

41 パラダイスドラゴン

しおりを挟む
「ルーさまー! こちらですよー!」
「ルー様、こちらにどうぞー!」
「こちらですよ、ルー様!」
「こっちよ、こっち!」
「どうぞ、こちらにいらしてくださーい!」

 温泉の中に、美少女たちの声が響き渡る。ここは温泉の浴槽の中。ぷかぷかとお湯に浮かぶ僕を丸く囲むようにして、8人の裸の美少女たちが僕のことを呼んでいる状況だ。皆、惜しげもなく裸体を露わにして、非常に眼福な状況である。

 僕としては、少しくらい恥じらってくれた方がそそるのだけど……こんな楽園みたいなパラダイスで文句を言うなんて天罰が下ってしまうね。

 僕がぐるりと周りを見渡しても、どこを向いても裸の美少女が目に入る状況なのだ。しかも、皆僕のことを呼んでいる。誰の所に行こうか迷っちゃうな。でへへ。

「ほーらルー様。ルー様のお好きなおっぱいですよー!」
「私の方が大きいですよ」
「いえいえ、私のおっぱいの方が大きいですよー!」

 なんていうかアレだね。日頃の自分の行動の結果なんだけど、メイドさんたちの間では、僕はすっかりおっぱい大好きのドラゴンとして認知されているみたいだ。なんだか恥ずかしいね。

「あの、私のも、よろしければ……」

 そう控えめに言っておっぱいをタプタプと揺らすのはアンネだ。アンネは控えめな性格だが、そのおっぱいの主張は激しい。メイドさんの中でも1,2を争うほど立派なお胸をお持ちだ。たわわなおっぱいをプルプルと震わせて僕を誘っている。

「「「………」」」

 さすがにアンネのおっぱいを前にして、自分のおっぱいの方が大きいと言えないのか、メイドさんたちが一瞬静かになる。

「た、大切なのは形ですよ……!」
「そ、そうです。形や色も評価すべきです!」

 メイドさんたちの中から、震えた声が上がるが……。

「ですが、大きさも重要ではありませんか…?」
「「「くっ…!」」」

 アンネの一言により叩き潰された。これが胸囲の格差社会か……。皆すっぽんぽんだからね。パッドで誤魔化すこともできない。素の胸の戦闘力が丸分かりだ。

「あの、ルー様。よろしければ……」

 周囲のメイドさんたちを黙らせたアンネがおっぱいを下からぽよんぽよんと弾ませる。僕はそれに誘われるようにアンネのおっぱいへとパシャパシャと犬かきで近づいていった。

「どうぞ、ルー様」

 僕はアンネの言葉に導かれるように目の前にあるおっぱいをペロンと舌を伸ばした。

「あんっ! ふふっ。こうしていると、ルー様への愛おしさが込み上げてきて、お腹の下の方がキュンキュンします…。これが母性なのでしょうか……?」

 アンネの頬が上気して、黒色の瞳をトロンと蕩かせながら呟く。

 それって感じてるだけでは?

「愛おしさが込み上げてきて、わたくし……もう……っ!」

 アンネが眉をハの字にして、瞳を涙で潤ませ、切なそうな、何かを求めるような表情で僕を見つめる。アンネが昇り詰めようとしているのを感じた。

 これ以上はさすがにマズイのでは?

 僕はアンネのおっぱいを舐めるのを止めると、Uターンするようにアンネから離れた。

「あぁ…ルー様。もう少し、もう少しだけ……」

 後ろでアンネが切なそうな声を上げるのを努めて気にしないようにする。これはアンネの為でもあるんだ。アンネのおっぱいを舐めた僕が言うのも変な話だけど、アンネに変な性癖とか付いちゃったら可哀想だし……。

「さあルー様。次に大きいのは私ですよ!」
「いいえ、私です!」
「あの、私も良かったら……」
「こっちよ、こっちだってば!」

 僕がアンネから離れたら、さっそくとばかりにメイドさんたちが僕を呼び込む声を上げる。最初におっぱいの一番大きなアンネを舐めたからか、なんだかおっぱいの大きい順に舐めるような空気ができあがっていた。

 普段は礼儀正しく楚々としたメイドさんたちが、おっぱいをぷるんぷるん揺らして僕を誘惑する姿は、とても興奮するものがある。僕は恥じらう女の子が性癖なのだけど、こういうオープンな誘惑もすごく魅力的だ。

 僕は、メイドさんたちが描く円の中心まで犬かきで戻ると、その場でクルクルと泳いで回ってメイドさんたちのおっぱいの戦闘力を見分していく。

「ルー様、2番目に大きなおっぱいはこちらですよ!」
「いえいえ、私ですよ!」
「さあ、ルー様。こちらへどうぞ」
「こっち見なさいよ!」

 次に大きいのは……あの子かな?

 僕は狙いを定めるとパシャパシャと犬かきでおっぱいへと向かうのだった。


 ◇


「んんっ…!」

 目の前の小さく尖ったおっぱいを舐め上げると、クレアの口から熱い息が漏れる。クレアは眉をハの字に寄せて目を固く瞑り、まるで何かに耐えているかのような表情だ。しかし……。

「ぁ……んっ……あ……」

 その吐息には、どうしようもなく艶が混じっている。何かに耐えるようだった表情は次第に力が抜けて綻び、崩れていく。

「ぁ……なに、か、き、来ちゃ……え…?」

 そこで僕はクレアのおっぱいを舐めるのを止めて、真ん中へと泳いで戻るのだった。

「えぇー……!?」

 クレアの戸惑うような声を聞き流し、僕は次なる目標へと向かおうとしたのだが……。

「ええ、ええ、分かってたわよ。私が最後だって」

 そこには不貞腐れたヴィオが居た。

 さっき舐めたクレアが7人目。そしてメイドさんたちの人数は8人。次がラストの8人目になるのだが……ヴィオかぁ……。

 べつにヴィオに不満があるわけじゃない。ヴィオは気の強そうな綺麗系の端正な顔立ちをしていて、将来美女になることが約束されたような美少女だ。でも……。

「ほら、ルー様。次は私の番でしょ?来なさい」

 ヴィオが胸を張って両手で胸を寄せて上げる仕草をする。でも、全然胸が無い。ヴィオはちっぱいを通り越して無乳なのだ。ヴィオは幼すぎるのである。

 ヴィオの見た目は10歳ほど。整った容姿のメイドさんたちの中にあっても、ハッと目を引くほど頭一つ抜けた美少女だけど、さすがに幼すぎる。

 とにかくヴィオは魅力的な美少女だ。それだけに怖い。一度でもヴィオに手を出してしまったら、戻れなくなりそうで怖い。ヴィオはそういう危ない魅力を持った美少女なのだ。僕はロリコンではないはずなんだけど……ヴィオを前にすると自信が無くなってくる。

「ほーら、おいでー」

 僕は断腸の思いでヴィオの甘い誘惑を断ち切ると、アンネに向かって泳ぎ出した。

「なんで!?」

 後ろでヴィオの悲鳴のような声が上がる。

「ヴィオはその……幼すぎるのでは?」
「クレアとは2つしか違わないでしょ!」

 クレアの言葉に咬みつくように吠えるヴィオ。10代の2歳差はけっこう大きいと思うよ?

「ふふっ。ヴィオはおっぱいが無いので男だと思われているのではないですか?」
「それ酷すぎない!?」

 ティアのからかう声に、ヴィオが怒ったように水飛沫を上げて立ち上がるのが視界の端に映った。

「ルー様! ほら! 見なさいよ!」

 ヴィオの声にそちらを向くと、ヴィオが脚を開いて股間を前に突き出すようにして立っていた。

「私は女よ! お! ん! な!」

 いや、その恰好は女の子としてはアウトなんじゃないかな?
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

スキル【僕だけの農場】はチートでした~辺境領地を世界で一番住みやすい国にします~

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
旧題:スキル【僕だけの農場】はチートでした なのでお父様の領地を改造していきます!! 僕は異世界転生してしまう 大好きな農場ゲームで、やっと大好きな女の子と結婚まで行ったら過労で死んでしまった 仕事とゲームで過労になってしまったようだ とても可哀そうだと神様が僕だけの農場というスキル、チートを授けてくれた 転生先は貴族と恵まれていると思ったら砂漠と海の領地で作物も育たないダメな領地だった 住民はとてもいい人達で両親もいい人、僕はこの領地をチートの力で一番にしてみせる ◇ HOTランキング一位獲得! 皆さま本当にありがとうございます! 無事に書籍化となり絶賛発売中です よかったら手に取っていただけると嬉しいです これからも日々勉強していきたいと思います ◇ 僕だけの農場二巻発売ということで少しだけウィンたちが前へと進むこととなりました 毎日投稿とはいきませんが少しずつ進んでいきます

転生幼女具現化スキルでハードな異世界生活

高梨
ファンタジー
ストレス社会、労働社会、希薄な社会、それに揉まれ石化した心で唯一の親友を守って私は死んだ……のだけれども、死後に閻魔に下されたのは願ってもない異世界転生の判決だった。 黒髪ロングのアメジストの眼をもつ美少女転生して、 接客業後遺症の無表情と接客業の武器営業スマイルと、勝手に進んで行く周りにゲンナリしながら彼女は異世界でくらします。考えてるのに最終的にめんどくさくなって突拍子もないことをしでかして周りに振り回されると同じくらい周りを振り回します。  中性パッツン氷帝と黒の『ナンでも?』できる少女の恋愛ファンタジー。平穏は遙か彼方の代物……この物語をどうぞ見届けてくださいませ。  無表情中性おかっぱ王子?、純粋培養王女、オカマ、下働き大好き系国王、考え過ぎて首を落としたまま過ごす医者、女装メイド男の娘。 猫耳獣人なんでもござれ……。  ほの暗い恋愛ありファンタジーの始まります。 R15タグのように15に収まる範囲の描写がありますご注意ください。 そして『ほの暗いです』

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

理学療法士だった俺、異世界で見習い聖女と診療所を開きました

burazu
ファンタジー
理学療法士として病院に勤めていた宮下祐一はある日の仕事帰りに誤ってマンホールより落下するが、マンホールの先はなんと異世界であり、異世界で出会った聖女見習のミミと出会い、道行く怪我人を彼女の治癒魔法で救うが、後遺症が残ってしまう、その時祐一(ユーイチ)はなんとかリハビリができればと考えるが。その時彼のスキルである最適化≪リハビリ≫が開花し後遺症を治してしまう。 今後の生活の為ユーイチとミミは治療とリハビリの診療所を開く決意をする。 この作品は小説家になろうさん、エブリスタさんでも公開しています。

憧れのスローライフを異世界で?

さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。 日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。

異世界あるある 転生物語  たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?

よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する! 土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。 自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。 『あ、やべ!』 そして・・・・ 【あれ?ここは何処だ?】 気が付けば真っ白な世界。 気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ? ・・・・ ・・・ ・・ ・ 【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】 こうして剛史は新た生を異世界で受けた。 そして何も思い出す事なく10歳に。 そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。 スキルによって一生が決まるからだ。 最低1、最高でも10。平均すると概ね5。 そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。 しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。 そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。 追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。 だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。 『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』 不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。 そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。 その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。 前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。 但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。 転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。 これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな? 何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが? 俺は農家の4男だぞ?

若返ったおっさん、第2の人生は異世界無双

たまゆら
ファンタジー
事故で死んだネトゲ廃人のおっさん主人公が、ネトゲと酷似した異世界に転移。 ゲームの知識を活かして成り上がります。 圧倒的効率で金を稼ぎ、レベルを上げ、無双します。

異世界転生雑学無双譚 〜転生したのにスキルとか貰えなかったのですが〜

芍薬甘草湯
ファンタジー
エドガーはマルディア王国王都の五爵家の三男坊。幼い頃から神童天才と評されていたが七歳で前世の知識に目覚め、図書館に引き篭もる事に。 そして時は流れて十二歳になったエドガー。祝福の儀にてスキルを得られなかったエドガーは流刑者の村へ追放となるのだった。 【カクヨムにも投稿してます】

処理中です...