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02 召喚ドラゴン
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まるで神殿のような洞穴の前に広がる広大な草原で、パパママドラゴンが突然おかしなことを始めた。
『パパだぞー』
『ママですよー』
パパママドラゴンが、互い違いに僕の目の前に顔を出して、自己紹介している。たぶん、赤ちゃんドラゴンである僕をあやしてくれてるんだと思う。
『パパだぞー』
『ママですよー』
『ほら、パパって言ってごらん。パ、パ』
『ママですよ。マ、マ』
一応、喜んだフリしとくか?
僕はパパママドラゴンに手を振って、喜んだように声を上げる。
「クァクァ!」
『おお!すごいぞ!もうパパって言えるなんて!』
『いいえ!今のはママと言ったんです!ねールー?』
ルーというのは、僕の愛称らしい。ルシウスだからルーみたいだ。
『うーむ。まだ念話は難しいかな?』
『そうですね。まだ生まれたばかりですもの』
『コツさえ掴めば後は簡単なんだが……』
この頭の中に直接響くような声は、念話と呼ばれるものらしい。パパママドラゴンは、口を動かさずに会話している。たぶん魔法か超能力のような不思議な力の一種だと思う。
パパママドラゴンの話からすると、僕もこの念話を使えるらしいが……やり方が分からない。パパママドラゴンにやり方を教えてほしいけど、それを伝える術が無い。まるで“服屋に買いに行く服が無い”状態だ。言葉が使えないのは、こんなにも不便でもどかしいものなのか……。
『さて、そろそろ狩りに行くか』
しばらくの間ママドラゴンと一緒に僕をあやしていたパパドラゴンが立ち上がる。太陽の光を受けて白銀に輝くその姿は、とてもカッコイイ。
『そうですね。本当は転移して手早く済ませてしまいたいのですけど……』
ママドラゴンも、渋々といった様子で立ち上がる。転移って、ワープとか瞬間移動みたいなものだろうか? パパママドラゴンは、どうやら僕の想像以上にすごい力を持っているようだ。僕も成長したら使えるようになるかな?
『ダメだ。最初は空を飛ぶ姿を見せて、自分も空を飛べるのだと学習させると言っただろ?』
『それは、そうですけど……』
パパママドラゴンの間で、僕の学習計画の話し合いがあったようだ。最初は空を飛ぶところかららしい。難易度高くない?
『では、行ってくるよ』
『ちゃんと良い子にしてるんですよ』
パパママドラゴンが翼を羽ばたかせると、その巨体がふわりと浮かび上がる。何度見ても非現実的な光景だ。もしかしたら、これも念話のような不思議な力を使って空を飛んでいるのかもしれない。そうでなきゃ、翼であんな巨体が飛べるはずない。
『よく見てるんだよ、ルー。君も飛べるんだ』
『こうするのですよ』
そう言って優雅にお空を旋回するパパママドラゴン。正直めちゃくちゃカッコイイ。僕も飛びたくて翼を動かそうとするけど、これがなかなかうまく動かせない。例えるなら、背中にもう2本腕が新しく生えた感じなのだ。まだまだ手足のように自在に動かせない。ぎこちなくピクピク動かすのがやっとだ。人間だった時に在った部位なら自由に動かせるんだけど……翼や尻尾を動かすのはなかなか難しい。まだ慣れない。リハビリみたいに少しずつ動かす練習しないとダメだな。
◇
パパママドラゴンを見送る僕は、その背がだんだんと小さくなるにつれて、強烈な孤独感や寂しさを感じた。寂しい……? 僕はなぜこんなにも心を揺さぶられているのだろう?
立派かどうかはさておいて、僕はこれでも前世では成人した大人だった。大嫌いな上司や、意地悪な取引先の人とも本音を隠して笑顔で相対できるくらいには自分の感情をコントロールできていたはずだ。それなのに……。
「クゥー……」
自分の口からビックリするほど悲しそうな鳴き声が漏れる。視界はぐにゃりと歪み、目から一筋の涙が零れるのを感じた。泣いているのだ。
体の年齢に心が引っ張られているのか、僕の思考は幼稚になった気がする。感情のコントロールが上手くできない。喜怒哀楽が激しくなり、それにブレーキを掛けるはずの理性がどこかに吹っ飛んでしまったようだ。
仮にも23歳まで生きた男が、両親がちょっとお出かけするだけで泣き出すのだ。止めようと思っても、後から後から涙が溢れだしてくる。23歳ギャン泣きである。それほどまでに、僕はまるで本当に赤ちゃんに戻ってしまったかのように、自分の感情や心の制御ができなくなっていた。自分の心に思考が引きずられている感じだ。
思考が、寂しさ悲しさでいっぱいになって、まともに考えを纏めることもできない。
こうなってしまっては仕方がない。僕は考えるのを放棄して、このまま存分に泣くことにした。もうどうにでもなーれ。
◇
ようやく心が静まり泣き止んだ僕は、そのまま草原で翼や尻尾を動かす練習をしていた。なんだか泣いた後はすごくスッキリした気分になる。心晴れやかだ。泣くことでストレス発散になるというのは、本当かもしれないね。
「ググググ……!」
変な声が漏れてしまうくらい翼を動かすのは一苦労だ。しかし、その甲斐あって、ようやく翼を開くことに成功した。なんだか背中が攣っちゃいそうなくらいピクピクしているのを感じる。でも、翼を開くのはまだ第一段階に過ぎない。ここから翼を羽ばたかせて空を飛ぶのが最終目標だ。
自分が自由に空を飛び回る光景を想像しながら、翼を動かす練習を続けていると……。
『お願い致します。どうか、わたくしに力をお貸しください』
ママドラゴンではない女の子の声が聞こえてきた。とてもかわいらしい清純な声だ。声を聴いただけで分かる。美少女の声だと。しかも、なにか困っているようだ。
「クー」
僕は一も二も無く跳び付くように頷いた。だって、美少女のお願いは断れない。
その瞬間……!
「クァ!?」
突然、足元の草原に光が走る。
光は枝分かれするように広がり、折れ曲がり、直線を、曲線を大地に描いていく。そうして出来上がるのは、1つの巨大で緻密な紋様だ。これって、ひょっとして魔法陣!?
突然の出来事に驚いてフリーズする僕を置いて、事態は進行する。もしかして僕、何かやっちゃいました……?
魔法陣の光が一段と強くカッと輝き、そのあまりの眩しさに僕は目を瞑ってしまう。その後、僅かな浮遊感を感じた。
「ファ!?」
落ちてる!?
ペチンとお尻から地面に落ち、その衝撃で目を開くと、目の前にすっごい美少女が居た。
まるで金糸のような輝く金髪は綺麗にハーフアップに編み込まれている。整った眉の下には、空を思わせるライトブルーの瞳が僕を見つめている。スッと通った鼻筋に、つやつやの唇。頬、顎のラインは、未だ幼さを感じさせるが、美しいラインを描いていた。15歳くらいだろうか? もうちょっと幼いかもしれない。
着ている服は、薄いピンク色の豪華なドレスだ。まるで物語のお姫様みたいだな。よく見れば頭にティアラなんて着けてるし、本当にお姫様かも?
どこからどう見ても人間の少女だ、それもすっごい美少女。なんで、こんな子がいきなり目の前に?
「あなたが、わたくしの呼びかけに応えてくれたのですか?」
「クー」
美少女の問いに頷て返す。少女の声は、先程聞いた透き通った清純な声だった。声の主は、本当に美少女だった。僕は自分の予想が当たっていたことが嬉しくなる。
「くー? クーというお名前なのですか?」
「ウー…」
僕は首を振って否定を示しながら辺りを見渡す。
そこには見慣れた草原ではなく、真っ白な部屋だった。少女の足元に赤い丸が在るだけで壁も床も天井も全部真っ白。日の丸弁当みたいな部屋だ。ここはどこだろう? 僕は草原に居たはずなんだけど……。
「どうしてでしょう? あなたの言葉が分かりません」
少女が眉をハの字にして困った表情を見せる。そんな表情もかわいいよ!
「先生に相談してみましょう。でも、まずは名前が無いと不便ですね」
“どうしようかしら”と頬に手を当てて、困ったわのポーズをする少女。それだけでも絵になる美しさだ。
「ルー」
僕はできるかぎり自分の名前に近い鳴き声を出す。
「ルー? ルーというお名前なのですか?」
僕は頷く。僕の出せる鳴き声は少ないけど、ルーって鳴けて良かった。
「では、ルーとお呼びしますね。わたくしの名前はアンジェリカ・シド・ブリオスタ。これからよろしくお願い致します」
ドレスのスカートをちょっと持ち上げて、ちょこんとお辞儀する少女。その姿は洗練された美しさがあった。言葉遣いも丁寧だし、上品な少女だ。本当にお姫様とか? 少なくとも、良いところのお嬢様なのは間違いなさそうだ。
僕もアンジェリカのお辞儀に合わせてお辞儀を返す。
その様子がおかしかったのか、アンジェリカは花の咲くような可憐な笑みを見せるのだった。
『パパだぞー』
『ママですよー』
パパママドラゴンが、互い違いに僕の目の前に顔を出して、自己紹介している。たぶん、赤ちゃんドラゴンである僕をあやしてくれてるんだと思う。
『パパだぞー』
『ママですよー』
『ほら、パパって言ってごらん。パ、パ』
『ママですよ。マ、マ』
一応、喜んだフリしとくか?
僕はパパママドラゴンに手を振って、喜んだように声を上げる。
「クァクァ!」
『おお!すごいぞ!もうパパって言えるなんて!』
『いいえ!今のはママと言ったんです!ねールー?』
ルーというのは、僕の愛称らしい。ルシウスだからルーみたいだ。
『うーむ。まだ念話は難しいかな?』
『そうですね。まだ生まれたばかりですもの』
『コツさえ掴めば後は簡単なんだが……』
この頭の中に直接響くような声は、念話と呼ばれるものらしい。パパママドラゴンは、口を動かさずに会話している。たぶん魔法か超能力のような不思議な力の一種だと思う。
パパママドラゴンの話からすると、僕もこの念話を使えるらしいが……やり方が分からない。パパママドラゴンにやり方を教えてほしいけど、それを伝える術が無い。まるで“服屋に買いに行く服が無い”状態だ。言葉が使えないのは、こんなにも不便でもどかしいものなのか……。
『さて、そろそろ狩りに行くか』
しばらくの間ママドラゴンと一緒に僕をあやしていたパパドラゴンが立ち上がる。太陽の光を受けて白銀に輝くその姿は、とてもカッコイイ。
『そうですね。本当は転移して手早く済ませてしまいたいのですけど……』
ママドラゴンも、渋々といった様子で立ち上がる。転移って、ワープとか瞬間移動みたいなものだろうか? パパママドラゴンは、どうやら僕の想像以上にすごい力を持っているようだ。僕も成長したら使えるようになるかな?
『ダメだ。最初は空を飛ぶ姿を見せて、自分も空を飛べるのだと学習させると言っただろ?』
『それは、そうですけど……』
パパママドラゴンの間で、僕の学習計画の話し合いがあったようだ。最初は空を飛ぶところかららしい。難易度高くない?
『では、行ってくるよ』
『ちゃんと良い子にしてるんですよ』
パパママドラゴンが翼を羽ばたかせると、その巨体がふわりと浮かび上がる。何度見ても非現実的な光景だ。もしかしたら、これも念話のような不思議な力を使って空を飛んでいるのかもしれない。そうでなきゃ、翼であんな巨体が飛べるはずない。
『よく見てるんだよ、ルー。君も飛べるんだ』
『こうするのですよ』
そう言って優雅にお空を旋回するパパママドラゴン。正直めちゃくちゃカッコイイ。僕も飛びたくて翼を動かそうとするけど、これがなかなかうまく動かせない。例えるなら、背中にもう2本腕が新しく生えた感じなのだ。まだまだ手足のように自在に動かせない。ぎこちなくピクピク動かすのがやっとだ。人間だった時に在った部位なら自由に動かせるんだけど……翼や尻尾を動かすのはなかなか難しい。まだ慣れない。リハビリみたいに少しずつ動かす練習しないとダメだな。
◇
パパママドラゴンを見送る僕は、その背がだんだんと小さくなるにつれて、強烈な孤独感や寂しさを感じた。寂しい……? 僕はなぜこんなにも心を揺さぶられているのだろう?
立派かどうかはさておいて、僕はこれでも前世では成人した大人だった。大嫌いな上司や、意地悪な取引先の人とも本音を隠して笑顔で相対できるくらいには自分の感情をコントロールできていたはずだ。それなのに……。
「クゥー……」
自分の口からビックリするほど悲しそうな鳴き声が漏れる。視界はぐにゃりと歪み、目から一筋の涙が零れるのを感じた。泣いているのだ。
体の年齢に心が引っ張られているのか、僕の思考は幼稚になった気がする。感情のコントロールが上手くできない。喜怒哀楽が激しくなり、それにブレーキを掛けるはずの理性がどこかに吹っ飛んでしまったようだ。
仮にも23歳まで生きた男が、両親がちょっとお出かけするだけで泣き出すのだ。止めようと思っても、後から後から涙が溢れだしてくる。23歳ギャン泣きである。それほどまでに、僕はまるで本当に赤ちゃんに戻ってしまったかのように、自分の感情や心の制御ができなくなっていた。自分の心に思考が引きずられている感じだ。
思考が、寂しさ悲しさでいっぱいになって、まともに考えを纏めることもできない。
こうなってしまっては仕方がない。僕は考えるのを放棄して、このまま存分に泣くことにした。もうどうにでもなーれ。
◇
ようやく心が静まり泣き止んだ僕は、そのまま草原で翼や尻尾を動かす練習をしていた。なんだか泣いた後はすごくスッキリした気分になる。心晴れやかだ。泣くことでストレス発散になるというのは、本当かもしれないね。
「ググググ……!」
変な声が漏れてしまうくらい翼を動かすのは一苦労だ。しかし、その甲斐あって、ようやく翼を開くことに成功した。なんだか背中が攣っちゃいそうなくらいピクピクしているのを感じる。でも、翼を開くのはまだ第一段階に過ぎない。ここから翼を羽ばたかせて空を飛ぶのが最終目標だ。
自分が自由に空を飛び回る光景を想像しながら、翼を動かす練習を続けていると……。
『お願い致します。どうか、わたくしに力をお貸しください』
ママドラゴンではない女の子の声が聞こえてきた。とてもかわいらしい清純な声だ。声を聴いただけで分かる。美少女の声だと。しかも、なにか困っているようだ。
「クー」
僕は一も二も無く跳び付くように頷いた。だって、美少女のお願いは断れない。
その瞬間……!
「クァ!?」
突然、足元の草原に光が走る。
光は枝分かれするように広がり、折れ曲がり、直線を、曲線を大地に描いていく。そうして出来上がるのは、1つの巨大で緻密な紋様だ。これって、ひょっとして魔法陣!?
突然の出来事に驚いてフリーズする僕を置いて、事態は進行する。もしかして僕、何かやっちゃいました……?
魔法陣の光が一段と強くカッと輝き、そのあまりの眩しさに僕は目を瞑ってしまう。その後、僅かな浮遊感を感じた。
「ファ!?」
落ちてる!?
ペチンとお尻から地面に落ち、その衝撃で目を開くと、目の前にすっごい美少女が居た。
まるで金糸のような輝く金髪は綺麗にハーフアップに編み込まれている。整った眉の下には、空を思わせるライトブルーの瞳が僕を見つめている。スッと通った鼻筋に、つやつやの唇。頬、顎のラインは、未だ幼さを感じさせるが、美しいラインを描いていた。15歳くらいだろうか? もうちょっと幼いかもしれない。
着ている服は、薄いピンク色の豪華なドレスだ。まるで物語のお姫様みたいだな。よく見れば頭にティアラなんて着けてるし、本当にお姫様かも?
どこからどう見ても人間の少女だ、それもすっごい美少女。なんで、こんな子がいきなり目の前に?
「あなたが、わたくしの呼びかけに応えてくれたのですか?」
「クー」
美少女の問いに頷て返す。少女の声は、先程聞いた透き通った清純な声だった。声の主は、本当に美少女だった。僕は自分の予想が当たっていたことが嬉しくなる。
「くー? クーというお名前なのですか?」
「ウー…」
僕は首を振って否定を示しながら辺りを見渡す。
そこには見慣れた草原ではなく、真っ白な部屋だった。少女の足元に赤い丸が在るだけで壁も床も天井も全部真っ白。日の丸弁当みたいな部屋だ。ここはどこだろう? 僕は草原に居たはずなんだけど……。
「どうしてでしょう? あなたの言葉が分かりません」
少女が眉をハの字にして困った表情を見せる。そんな表情もかわいいよ!
「先生に相談してみましょう。でも、まずは名前が無いと不便ですね」
“どうしようかしら”と頬に手を当てて、困ったわのポーズをする少女。それだけでも絵になる美しさだ。
「ルー」
僕はできるかぎり自分の名前に近い鳴き声を出す。
「ルー? ルーというお名前なのですか?」
僕は頷く。僕の出せる鳴き声は少ないけど、ルーって鳴けて良かった。
「では、ルーとお呼びしますね。わたくしの名前はアンジェリカ・シド・ブリオスタ。これからよろしくお願い致します」
ドレスのスカートをちょっと持ち上げて、ちょこんとお辞儀する少女。その姿は洗練された美しさがあった。言葉遣いも丁寧だし、上品な少女だ。本当にお姫様とか? 少なくとも、良いところのお嬢様なのは間違いなさそうだ。
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旧版を基に再編集しています。
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この作品は、ノベルアップ+にも投稿しています。
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