【モブ魂】~ゲームの下っ端ザコキャラに転生したオレ、知識チートで無双したらハーレムできました~なお、妹は激怒している模様

くーねるでぶる(戒め)

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147 半年

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 首の下でチェーンに通した二つの指輪が鳴る。

 クラウディアとの結婚から約半年。オレは一つの結論を導き出した。

 この世界の邪神の復活は遅れている。

 本来なら、ゲームの主人公であるリーンハルトの十五歳の誕生日に邪神が復活するはずなのだが、リーンハルトの誕生日を過ぎた今でも邪神の復活はない。

 まぁ、この世界ではクレーメンスが邪神の封印の要石を割っていない。

 それが影響しているのはたしかだろう。

 オレもドラゴンの力を強化するために邪教徒をたくさん狩ったしな。

 そのあたりも影響しているのかもしれない。

 クレーメンスといえば、ヒューブナー辺境伯家はもう存在しない。

 どうやらオレが活躍するにつれて、王国内でのオレの重要性が上がるにつれて、ヒューブナー辺境伯家に厳しい目が向けられ、ついには調査のメスが入り、ヒューブナー辺境伯家の罪や杜撰《ずさん》な領地運営が明るみになった。

 これを問題視した王家は、ヒューブナー辺境伯家の降格と特権の取り上げを決定した。

 今あるのはヒューブナー辺境伯家ではなく、ただのヒューブナー伯爵家だ。

 その代わりにあるのがバウムガルテン辺境伯家である。

 王国の東の守りを疎かにするわけにはいかないという理由もあり、今勢いのあるオレが急遽辺境伯になった。

 なんだか陰謀のような作為的なものを感じるけど、我が家に不利益があったわけじゃないし、いいか。クレーメンスくんはドンマイだけど。

 もちろん、いいことばかりじゃない。

 急遽辺境伯になっても、突然辺境伯にふさわしい軍事力が生まれるわけじゃない。

 現在急ピッチで軍事力の拡大をしている。まぁ、王家や他の貴族からも支援はもらっているので、かなりスムーズに軍拡できている。

 オレもお爺ちゃん将軍に用兵の基礎を叩き込まれたりもした。

 兵を鍛える鍛錬場として近くにモンスターの出る森があるから助かるね。おかげで今まで以上のペースで領地が拡大している。

 他にも町の要塞化や、武器の製造なども急激に進み、少々不格好ながらもなんとか辺境伯を名乗れるほどの領地にはなったと思う。

 そういえば、かなり初期からオレたちを支えてくれていた領民の教育派遣制度だが、この度ついに破綻したため終了となった。

 その代わりにできたのが、バウムガルテン軍学校だ。ここで将来のための人材を育てる予定である。

 まぁ、領地に関してはこんなところかな。まだまだ不十分なところが多々あるので随時改修していくつもりだ。

 というか、半年で三千の兵を集めてまがりなりにも軍隊に仕立て上げたんだから褒めてほしいところだ。

 まぁ、辺境伯が持てる軍の上限は五千らしいから限界まで増やすけどさ……。邪神も復活するかもしれないし。

 邪神か……。このまま復活しなければいいのになぁ……。

 そうすればこんなに思い悩むことはないのに。

 邪神といえば、その決戦兵力であるリーンハルトは問題なく力を溜めているらしい。今では王都の冒険者として頭角を現しているようだ。

 リーンハルトのパーティの名前は『霹靂《へきれき》』。まぁ、雷という意味だね。リーンハルトは剣術と雷の魔法を同時に扱えるからそこからきてるんだろう。

 ビアンカのギフトも無事に聖女に進化したし、リーンハルトも魔剣を一本手に入れたみたいだし、まさに順調といえる。

 リーンハルトには邪神を倒してもらわないといけないし、がんばってもらわないとな。そのためならば援助は惜しまない。

 そういえば、教会のこともあったな。

 ビアンカのギフトが無事に進化したので、オレはビアンカとの約束通り、オレは呪われたアイテムを解呪することで治癒のギフトが成長することをヨハンネス教皇に教えた。

 その際に教会と交渉し、優秀なヒーラーをバウムガルテン領軍に配属してもらったし、感謝の印としていろいろと融通してもらった。

 そのうちの一つが、聖槍ゲイレルルだ。ゲームでは面倒くさいクエストをいくつもクリアしてやっと貰える最強の槍である。

 クラウディアは槍使いだし、貰ってもいいよねということで貰ってきた。

 まぁ、呪われたアイテムを使ったギフトの育成は、いずれ公表するつもりだったし、そろそろヒーラー全体の底上げが必要だと思っていたので、ちょうどいいタイミングだっただろう。

 そのおかげで、今や市場の呪われたアイテムはかなり高騰しているらしい。

 高騰する前にベンノを通じて集めておいてよかったね。

「旦那様、ズザナ様が参りましたが、いかがなさいますか?」
「通してくれ」

 王都の新しくできたバウムガルテン邸の広い執務室でボーっと空を見ていると、クラウスから声がかけられた。

 視線をドアにへと向けると、小柄な黒髪の少女が入ってくる。元冒険者パーティ『深紅の誓い』のメンバーの一人、斥候のズザナだ。

 『深紅の誓い』のメンバーたちは冒険者を辞め、今やバウムガルテン領軍をまとめる騎士の立場にある。ズザナは双子の妹であるズザネと共に斥候部隊を指揮している。

「領主様、王宮より緊急の招集がかかりました」
「緊急? なんだか嫌な予感がするな……」

 ともあれ、呼ばれたのなら行くしかないか……。
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