1 / 62
001 アリア視点 退学処分
しおりを挟む
「アリア・ハーシェ、君を退学処分にする」
あぁ……。
私は今朝から続いていた嫌な予感が見事的中したことを知った。全然嬉しくない。むしろハズレてほしかった……。
ここは王立魔道学院の学院長室。赤い絨毯の敷かれた大きな執務机の向こうで、ハゲで太ったおじさんが椅子に座りながら、机の上で指を組んで私を睨みつけてくる。額縁に飾られた歴代の学院長の肖像画も、まるで私を見下しているようで嫌な感じだ。
「我々も君には期待していたのだよ? 簡易魔力検査で21点もの点数を叩き出した君にはね」
そう。私は、生まれ故郷の村で実施された簡易魔力検査で、とんでもない高得点を出してしまった。今思えば、あの時から私の人生は狂ってしまったのだ。
「それが、放出口が1しかない欠陥品だとはな」
学院長が、フンッと鼻を鳴らして、私を見る目が更に厳しくなった。
魔術を扱う力である魔力は、3つの項目の総合得点で評価される。
魔術の源であるマナを体に取り込む能力:供給口
体内にマナを溜め込める量:魔力量
体内に溜めたマナを体の外に出す能力:放出口
それぞれが1~10の10段階で評価され、個人の持つ魔力の素養を計る目安となっている。
聞いたところによると、魔力の平均点は、10点ほどらしい。その倍以上の点数を持つ私は、たしかに学院長の言う通り、期待されていたのだろう。
しかし、期待はすぐに失望へと変わった。
学院に入学してから実施された精密魔力検査。その結果判明した私の魔力がこれだ。
供給口:10
魔力量:10
放出口:1
こんなに偏るのは珍しいらしい。嫌なレアを引いてしまった。放出口が1では、第一位階の魔術しか使えないことになる。第一位階の魔術なんて、実戦では使えない子ども騙しのような魔術ばかりしかない。
いくら高い魔力回復力と魔力量を持っていても、使える魔術が第一位階だけでは、宝の持ち腐れ……いいえ、魔力の持ち腐れね。
そのことが、今回の退学騒動とも関係している。
「それでも我々は君に期待して2年もの間教育を施してやった。万が一、億が一の可能性ではあるが、君が優秀な使い魔を召喚する可能性があったからだ。それがまさか、使い魔召喚の魔術陣すら起動できんクズとは……。我々はつくづく君には失望したよ」
使い魔契約の魔術陣は、今の技術では再現不可能という“失われた技術”で作られた巨大な魔術回路のことだ。その魔術回路は、放出口が1しかない私にとって、起動することもできないほど大き過ぎる代物だった。
それにしても、期待していたのは分かるけどクズって……。相変わらず上から目線でひどい言いようね……。
たしかに、私の魔力の素養は、使い魔召喚の魔術陣も起動できないようなポンコツだけど、魔力が高いからと、私を攫うように強制的に学院に連れてきたクセに。勝手に期待して、勝手に失望して、お貴族様って本当に自分勝手ね。
「よって、アリア・ハーシェ。君を退学処分とする。これまでかかった2年間分の学費を払い、速やかに学院から去るように」
「え……?」
退学処分は仕方ないと思っていた。でも、最後になんでもないように付け加えられた一言に、私は自分の耳を疑うほど驚いた。
「まったく、やはり平民なんぞに期待すること自体が愚かだったのだ……。何をしている? 君はもう当学院の生徒ではない。早くこの由緒正しい学院長室から出ていきたまえ」
「ちょちょ、ちょっと待ってください!」
お貴族様の言葉に異を唱えるなんて、普通じゃ考えられないほどの暴挙だ。だけど、今回ばかりは黙っていられなかった。
「学費……? そんなお金、家には……」
私は辺境の寒村の出だ。家族に金銭的な余裕なんてこれぽっちも無いことは分かっている。学院の授業料は、お貴族様が入学するのを諦めるほど高いなんて有名な話だ。絶対に払えっこない。
「必ず学費は回収する。絶対にだ。金が無いのならば、その身を奴隷にしてでも払ってもらう。粗野ではあるが、君なら高値で売れるかもしれんぞ?」
ハゲおやじの粘り気を帯びた視線が、ジロジロと私の体を上下するのを感じた。気持ち悪い。死ねこのハゲ。
「まぁ、君一人では不足だろうな。君の家族もまとめて売ってしまうか。それでも不足するだろうが……さて、どうするか……」
「そんな……」
私のせいで家族が……。お貴族様の都合で無理やり連れてこられて、勝手に期待されて、勝手に失望されて、いらなくなったら家族まとめて売り飛ばすって……。そんな……そんなの酷過ぎる。あんまりだ。
でも、お貴族様にただの平民が盾突くことなんてできない。そんなことしたら、家族まとめて死刑になっちゃう。どうしたら……どうしたらいいの……?
ハゲデブの姿が不意にぐにゃりと歪む。私、泣いてる。どうすればいいのか分からなくて、悔しくて、惨めで……。誰か助けて……助けてよ……!
「まぁまぁ、学院長。これまで2年もの歳月をかけて教育を施してきたことに比べれば、たった2度の失敗で廃棄するなど、もったいないにもほどがあります。」
助けは意外なところから飛んできた。私の背後から、落ち着いた低い声が聞こえる。振り向くと、背の高い白衣を着た男性の姿が見えた。私の担任の先生だ。
先生は私を助けてくれるの? 先生は、なにを考えているのか分からない、いつも無表情で冷たい印象の人であまり好きではなかったけど、私は先生を期待のまなざしで見てしまう。
先生は、私の視線に気づかないのか、学院長を真っすぐ見て口を開いた。
「従魔契約魔術陣の起動に失敗したからといって、なにか減るものでもありません。ここはハーシェ君が成功するまでやらせてみてはいかがでしょうか?」
まさか先生が学院長に異を唱えるとは思っていなかったのか、学院長の眉が不機嫌そうにピクリと上がるのが見えた。
「グエスタルト君、いいかね? 魔術陣というのは使えば劣化するのだ。これは常識だよ? 彼女は、その貴重な機会を2度も棒に振ったのだ。当然、罰があってしかるべきだろう?」
しかし、学院長の言葉に先生は頭を横に振って溜息を吐いてみせた。
「学院長、貴方の常識には間違いがあります。魔術陣の劣化が確認できるのは、魔術の発動に成功した場合のみです。当学院の長を名乗るのならば、このくらいの常識は弁えていただきたい」
「ぐっ……!」
学院長の顔が怒りに歪み、火が付いたように顔が赤くなった。学院長から鋭い視線が先生に向けられるけど、先生は平然としていた。
「相手は今の技術では再現不可能なアーティファクト。200年以上も正常に稼働してる我々の常識では測れないものです。魔術を発動した際の魔術回路の劣化もあるのかどうか……。あったとしても極小。もしくは、魔術回路の回復機能もあるやもしれません。どちらにしろ、貴方の心配など杞憂ですよ」
先生も学院長もお貴族様だ。私にはよく分からないことだけど、お貴族様の中にも上下があるらしい。普通は学院長の方が偉い気がするのだけど、もしかしたら、貴族としての地位は先生の方が上なのかもしれない。
そう思わせるほど、学院長を怒らせてしまったというのに、先生はいつも通り涼しい顔を浮かべていた。
「……いいだろう……。グエスタルト君がそこまで言うのなら、アリア・ハーシェの使い魔召喚の儀の再挑戦を認めてやろう……」
「ッ!?」
もうこれ以上怒りを顔で表現するのは不可能というほどに歪み切った学院長の顔から、低く地を這うような声が零れる。しかも、その内容に驚いてしまう。私の再挑戦を認める。確かに学院長はそう口にした。つまり、私にはまだチャンスがある!
「しかし! 認めるのは1回だけだッ! 我が学院に無能に付き合っている時間は無いッ! そして、グエスタルト君。私の言葉に異を唱えたのだ。これは貴様への貸しだぞ?!」
学院長が先生に向ける視線は、もはや視線だけで人を殺せそうなほどだった。怖い。見られていない私でも背筋を這うような恐怖を感じるほどの鋭い視線。こんなに怒らせてしまって、先生は大丈夫なのかな……。
「私はただ貴方の間違いを正したに過ぎません。それを貴方がどう思おうと自由ですよ」
そう言って先生は滅多に浮かべない笑みを浮かべてみせた。怖っ! なんで笑えるのよ。助けてもらったのにこんなこと思うのも失礼だけど、先生イカレてる!
「コイツゥ……ッ! もう用は済んだだろう。私は気分が悪い。出ていけ! 今すぐに出ていけッ!」
「では、失礼します」
「し、失礼します……」
怒れる学院長の声に押されるように、先生と私は追い出されるように学院長室の外に出たのだった。
「あの……。先生、大丈夫なんですか……?」
あんなに学院長を怒らせても大丈夫なのだろうか。学院長はお貴族様だ。先生もお貴族様だけど、さすがにマズいんじゃあ……?
「ふんっ。問題あるまい。あんな能無しを学院長に据えている方が問題だ」
能無しって……。私にはお貴族様の事情はよく分からないけど、先生と学院長は仲が悪いことだけはしっかりと分かった。
あぁ……。
私は今朝から続いていた嫌な予感が見事的中したことを知った。全然嬉しくない。むしろハズレてほしかった……。
ここは王立魔道学院の学院長室。赤い絨毯の敷かれた大きな執務机の向こうで、ハゲで太ったおじさんが椅子に座りながら、机の上で指を組んで私を睨みつけてくる。額縁に飾られた歴代の学院長の肖像画も、まるで私を見下しているようで嫌な感じだ。
「我々も君には期待していたのだよ? 簡易魔力検査で21点もの点数を叩き出した君にはね」
そう。私は、生まれ故郷の村で実施された簡易魔力検査で、とんでもない高得点を出してしまった。今思えば、あの時から私の人生は狂ってしまったのだ。
「それが、放出口が1しかない欠陥品だとはな」
学院長が、フンッと鼻を鳴らして、私を見る目が更に厳しくなった。
魔術を扱う力である魔力は、3つの項目の総合得点で評価される。
魔術の源であるマナを体に取り込む能力:供給口
体内にマナを溜め込める量:魔力量
体内に溜めたマナを体の外に出す能力:放出口
それぞれが1~10の10段階で評価され、個人の持つ魔力の素養を計る目安となっている。
聞いたところによると、魔力の平均点は、10点ほどらしい。その倍以上の点数を持つ私は、たしかに学院長の言う通り、期待されていたのだろう。
しかし、期待はすぐに失望へと変わった。
学院に入学してから実施された精密魔力検査。その結果判明した私の魔力がこれだ。
供給口:10
魔力量:10
放出口:1
こんなに偏るのは珍しいらしい。嫌なレアを引いてしまった。放出口が1では、第一位階の魔術しか使えないことになる。第一位階の魔術なんて、実戦では使えない子ども騙しのような魔術ばかりしかない。
いくら高い魔力回復力と魔力量を持っていても、使える魔術が第一位階だけでは、宝の持ち腐れ……いいえ、魔力の持ち腐れね。
そのことが、今回の退学騒動とも関係している。
「それでも我々は君に期待して2年もの間教育を施してやった。万が一、億が一の可能性ではあるが、君が優秀な使い魔を召喚する可能性があったからだ。それがまさか、使い魔召喚の魔術陣すら起動できんクズとは……。我々はつくづく君には失望したよ」
使い魔契約の魔術陣は、今の技術では再現不可能という“失われた技術”で作られた巨大な魔術回路のことだ。その魔術回路は、放出口が1しかない私にとって、起動することもできないほど大き過ぎる代物だった。
それにしても、期待していたのは分かるけどクズって……。相変わらず上から目線でひどい言いようね……。
たしかに、私の魔力の素養は、使い魔召喚の魔術陣も起動できないようなポンコツだけど、魔力が高いからと、私を攫うように強制的に学院に連れてきたクセに。勝手に期待して、勝手に失望して、お貴族様って本当に自分勝手ね。
「よって、アリア・ハーシェ。君を退学処分とする。これまでかかった2年間分の学費を払い、速やかに学院から去るように」
「え……?」
退学処分は仕方ないと思っていた。でも、最後になんでもないように付け加えられた一言に、私は自分の耳を疑うほど驚いた。
「まったく、やはり平民なんぞに期待すること自体が愚かだったのだ……。何をしている? 君はもう当学院の生徒ではない。早くこの由緒正しい学院長室から出ていきたまえ」
「ちょちょ、ちょっと待ってください!」
お貴族様の言葉に異を唱えるなんて、普通じゃ考えられないほどの暴挙だ。だけど、今回ばかりは黙っていられなかった。
「学費……? そんなお金、家には……」
私は辺境の寒村の出だ。家族に金銭的な余裕なんてこれぽっちも無いことは分かっている。学院の授業料は、お貴族様が入学するのを諦めるほど高いなんて有名な話だ。絶対に払えっこない。
「必ず学費は回収する。絶対にだ。金が無いのならば、その身を奴隷にしてでも払ってもらう。粗野ではあるが、君なら高値で売れるかもしれんぞ?」
ハゲおやじの粘り気を帯びた視線が、ジロジロと私の体を上下するのを感じた。気持ち悪い。死ねこのハゲ。
「まぁ、君一人では不足だろうな。君の家族もまとめて売ってしまうか。それでも不足するだろうが……さて、どうするか……」
「そんな……」
私のせいで家族が……。お貴族様の都合で無理やり連れてこられて、勝手に期待されて、勝手に失望されて、いらなくなったら家族まとめて売り飛ばすって……。そんな……そんなの酷過ぎる。あんまりだ。
でも、お貴族様にただの平民が盾突くことなんてできない。そんなことしたら、家族まとめて死刑になっちゃう。どうしたら……どうしたらいいの……?
ハゲデブの姿が不意にぐにゃりと歪む。私、泣いてる。どうすればいいのか分からなくて、悔しくて、惨めで……。誰か助けて……助けてよ……!
「まぁまぁ、学院長。これまで2年もの歳月をかけて教育を施してきたことに比べれば、たった2度の失敗で廃棄するなど、もったいないにもほどがあります。」
助けは意外なところから飛んできた。私の背後から、落ち着いた低い声が聞こえる。振り向くと、背の高い白衣を着た男性の姿が見えた。私の担任の先生だ。
先生は私を助けてくれるの? 先生は、なにを考えているのか分からない、いつも無表情で冷たい印象の人であまり好きではなかったけど、私は先生を期待のまなざしで見てしまう。
先生は、私の視線に気づかないのか、学院長を真っすぐ見て口を開いた。
「従魔契約魔術陣の起動に失敗したからといって、なにか減るものでもありません。ここはハーシェ君が成功するまでやらせてみてはいかがでしょうか?」
まさか先生が学院長に異を唱えるとは思っていなかったのか、学院長の眉が不機嫌そうにピクリと上がるのが見えた。
「グエスタルト君、いいかね? 魔術陣というのは使えば劣化するのだ。これは常識だよ? 彼女は、その貴重な機会を2度も棒に振ったのだ。当然、罰があってしかるべきだろう?」
しかし、学院長の言葉に先生は頭を横に振って溜息を吐いてみせた。
「学院長、貴方の常識には間違いがあります。魔術陣の劣化が確認できるのは、魔術の発動に成功した場合のみです。当学院の長を名乗るのならば、このくらいの常識は弁えていただきたい」
「ぐっ……!」
学院長の顔が怒りに歪み、火が付いたように顔が赤くなった。学院長から鋭い視線が先生に向けられるけど、先生は平然としていた。
「相手は今の技術では再現不可能なアーティファクト。200年以上も正常に稼働してる我々の常識では測れないものです。魔術を発動した際の魔術回路の劣化もあるのかどうか……。あったとしても極小。もしくは、魔術回路の回復機能もあるやもしれません。どちらにしろ、貴方の心配など杞憂ですよ」
先生も学院長もお貴族様だ。私にはよく分からないことだけど、お貴族様の中にも上下があるらしい。普通は学院長の方が偉い気がするのだけど、もしかしたら、貴族としての地位は先生の方が上なのかもしれない。
そう思わせるほど、学院長を怒らせてしまったというのに、先生はいつも通り涼しい顔を浮かべていた。
「……いいだろう……。グエスタルト君がそこまで言うのなら、アリア・ハーシェの使い魔召喚の儀の再挑戦を認めてやろう……」
「ッ!?」
もうこれ以上怒りを顔で表現するのは不可能というほどに歪み切った学院長の顔から、低く地を這うような声が零れる。しかも、その内容に驚いてしまう。私の再挑戦を認める。確かに学院長はそう口にした。つまり、私にはまだチャンスがある!
「しかし! 認めるのは1回だけだッ! 我が学院に無能に付き合っている時間は無いッ! そして、グエスタルト君。私の言葉に異を唱えたのだ。これは貴様への貸しだぞ?!」
学院長が先生に向ける視線は、もはや視線だけで人を殺せそうなほどだった。怖い。見られていない私でも背筋を這うような恐怖を感じるほどの鋭い視線。こんなに怒らせてしまって、先生は大丈夫なのかな……。
「私はただ貴方の間違いを正したに過ぎません。それを貴方がどう思おうと自由ですよ」
そう言って先生は滅多に浮かべない笑みを浮かべてみせた。怖っ! なんで笑えるのよ。助けてもらったのにこんなこと思うのも失礼だけど、先生イカレてる!
「コイツゥ……ッ! もう用は済んだだろう。私は気分が悪い。出ていけ! 今すぐに出ていけッ!」
「では、失礼します」
「し、失礼します……」
怒れる学院長の声に押されるように、先生と私は追い出されるように学院長室の外に出たのだった。
「あの……。先生、大丈夫なんですか……?」
あんなに学院長を怒らせても大丈夫なのだろうか。学院長はお貴族様だ。先生もお貴族様だけど、さすがにマズいんじゃあ……?
「ふんっ。問題あるまい。あんな能無しを学院長に据えている方が問題だ」
能無しって……。私にはお貴族様の事情はよく分からないけど、先生と学院長は仲が悪いことだけはしっかりと分かった。
1
お気に入りに追加
46
あなたにおすすめの小説
騎士団寮のシングルマザー
古森きり
恋愛
夫と離婚し、実家へ帰る駅への道。
突然突っ込んできた車に死を覚悟した歩美。
しかし、目を覚ますとそこは森の中。
異世界に聖女として召喚された幼い娘、真美の為に、歩美の奮闘が今、始まる!
……と、意気込んだものの全く家事が出来ない歩美の明日はどっちだ!?
※ノベルアップ+様(読み直し改稿ナッシング先行公開)にも掲載しましたが、カクヨムさん(は改稿・完結済みです)、小説家になろうさん、アルファポリスさんは改稿したものを掲載しています。
※割と鬱展開多いのでご注意ください。作者はあんまり鬱展開だと思ってませんけども。
私はお母様の奴隷じゃありません。「出てけ」とおっしゃるなら、望み通り出ていきます【完結】
小平ニコ
ファンタジー
主人公レベッカは、幼いころから母親に冷たく当たられ、家庭内の雑務を全て押し付けられてきた。
他の姉妹たちとは明らかに違う、奴隷のような扱いを受けても、いつか母親が自分を愛してくれると信じ、出来得る限りの努力を続けてきたレベッカだったが、16歳の誕生日に突然、公爵の館に奉公に行けと命じられる。
それは『家を出て行け』と言われているのと同じであり、レベッカはショックを受ける。しかし、奉公先の人々は皆優しく、主であるハーヴィン公爵はとても美しい人で、レベッカは彼にとても気に入られる。
友達もでき、忙しいながらも幸せな毎日を送るレベッカ。そんなある日のこと、妹のキャリーがいきなり公爵の館を訪れた。……キャリーは、レベッカに支払われた給料を回収しに来たのだ。
レベッカは、金銭に対する執着などなかったが、あまりにも身勝手で悪辣なキャリーに怒り、彼女を追い返す。それをきっかけに、公爵家の人々も巻き込む形で、レベッカと実家の姉妹たちは争うことになる。
そして、姉妹たちがそれぞれ悪行の報いを受けた後。
レベッカはとうとう、母親と直接対峙するのだった……
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢は逃げることにした
葉柚
恋愛
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢のレイチェルは幸せいっぱいに暮らしていました。
でも、妊娠を切っ掛けに前世の記憶がよみがえり、悪役令嬢だということに気づいたレイチェルは皇太子の前から逃げ出すことにしました。
本編完結済みです。時々番外編を追加します。
【完結】婚約破棄されたので、引き継ぎをいたしましょうか?
碧桜 汐香
恋愛
第一王子に婚約破棄された公爵令嬢は、事前に引き継ぎの準備を進めていた。
まっすぐ領地に帰るために、その場で引き継ぎを始めることに。
様々な調査結果を暴露され、婚約破棄に関わった人たちは阿鼻叫喚へ。
第二王子?いりませんわ。
第一王子?もっといりませんわ。
第一王子を慕っていたのに婚約破棄された少女を演じる、彼女の本音は?
彼女の存在意義とは?
別サイト様にも掲載しております
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
転生嫌われ令嬢の幸せカロリー飯
赤羽夕夜
恋愛
15の時に生前OLだった記憶がよみがえった嫌われ令嬢ミリアーナは、OLだったときの食生活、趣味嗜好が影響され、日々の人間関係のストレスを食や趣味で発散するようになる。
濃い味付けやこってりとしたものが好きなミリアーナは、令嬢にあるまじきこと、いけないことだと認識しながらも、人が寝静まる深夜に人目を盗むようになにかと夜食を作り始める。
そんななかミリアーナの父ヴェスター、父の専属執事であり幼い頃自分の世話役だったジョンに夜食を作っているところを見られてしまうことが始まりで、ミリアーナの変わった趣味、食生活が世間に露見して――?
※恋愛要素は中盤以降になります。
時き継幻想フララジカ
日奈 うさぎ
ファンタジー
少年はひたすら逃げた。突如変わり果てた街で、死を振り撒く異形から。そして逃げた先に待っていたのは絶望では無く、一振りの希望――魔剣――だった。 逃げた先で出会った大男からその希望を託された時、特別ではなかった少年の運命は世界の命運を懸ける程に大きくなっていく。
なれば〝ヒト〟よ知れ、少年の掴む世界の運命を。
銘無き少年は今より、現想神話を紡ぐ英雄とならん。
時き継幻想(ときつげんそう)フララジカ―――世界は緩やかに混ざり合う。
【概要】
主人公・藤咲勇が少女・田中茶奈と出会い、更に多くの人々とも心を交わして成長し、世界を救うまでに至る現代ファンタジー群像劇です。
現代を舞台にしながらも出てくる新しい現象や文化を彼等の目を通してご覧ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる