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007 マジダリ―…
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オレはライルに相談に乗ってもらっていた。ゲオルギアの言う「足りないもの」のヒントでも掴めればと思ったのだ。
「ボウズに足りないものなぁ…」
「あぁ、何か思い当たるものはあるか?」
正直自分じゃ思いつかない。
「そりゃあるだろ」
ライルがあっさり言ってのける。マジかよ。流石はライルだ。やっぱり長年冒険者をやってるだけあるなぁ。これも経験の差か?観察眼ってやつか?
「何だ?何が足りない?」
オレはテーブルに身を乗り出してライルに問う。
「落ち着けって。オレは当たり前の話をしているだけだ。いいか、完全無欠の冒険者なんてのは居ないってことだ。ボウズにも分かるだろ?」
そんな言い方されても分かんねぇよ。
「どういうことだよ?」
「始めに言っておくと、ボウズが求めてる答えをオレは知らねぇぞ?」
そう言って語り出したのは、言われてみれば当たり前の事だった。
オレはヘンリーみたいに多彩な攻撃魔法を使えない。それは言い方を変えれば、オレには魔法攻撃力が足りないと言える。
オレはグレゴリオみたいに弓も使えなければ、罠の発見、解除もできない。それらもオレには不足しているものだ。
そういう考えでいけば、オレは確かに不足だらけだ。
「だからオレ達はパーティを組んで互いの不足を補い合うわけだ」
「いや、それはそうだけどよ……」
オレが聞きたいのはそういう話じゃないんだよなぁ……。確かにオレには足りないものだけど……なんて言えばいいんだ?
「分かってる。ボウズが聞きたいのは聖騎士として自分に不足してるものだろ?」
「そうだよ!それが聞きたい」
なんだよ、分かってるじゃないか。早く教えてくれ。オレに足りないものって何だ?
「最初にも言ったろ。オレは知らないって。あぁおい、何もそんなにしょげることないだろ?」
オレはライルの答えに机に突っ伏してしまった。なんだよ、期待させておいて、結果がこれかよ。
「マジダリー…」
「悪かったな。まぁ代わりと言っちゃなんだが、ボウズに良い事教えてやるよ。もしかしたらボウズの悩みも一気に解決するかもしれねぇ」
「ほーん?」
オレは期待せず、テーブルに突っ伏したまま顔を上げる。すると、ライルのおっさんフェイスが顔に近づいてきた。なんだよ?オレにその趣味はねぇぞ?オレは女が好きだ。
「これはまだ確定した情報じゃねぇが……」
ライルが耳元で囁く。体中がぞわぞわするのを堪えて、ライルの話に耳を傾ける。
「あの<不落城塞>が弟子を取るかもしれねぇ」
「はぁ!?」
<不落城塞>といえば特一級冒険者、この街の冒険者のトップのじゃないか!
特一級ってのは文字通り、特別な一級冒険者に与えられる名誉階級だ。普通は一級までしか上がらない。<不落城塞>は普通じゃない偉業を成し遂げた国の英雄だ。
その偉業、伝説は多岐に及ぶ。全てオレの生まれる前の出来事だから噂以上の事は知らないが、神話から甦った悪龍を討伐したり、不治の病に侵された王様を魔法で治したり、戦争で活躍したり、噂を全て信じるなら、もう3回は国を救っている国の英雄だ。噂では、もう与えられる恩賞が無くて、王様が困っているらしい。戦争に熱心な隣の大国が、この国にだけ攻めてこないのは<不落城塞>が居るからだという噂もあった。
ただ一つ確かなのは、<不落城塞>がダンジョンを88階層まで攻略しているということだ。これは歴代でもトップの記録で、この事実だけでも特一級冒険者を名乗るのに相応しい偉業だ。
その<不落城塞>が弟子を取る。
「シッ。声がでけぇぞ」
「あぁ、悪い悪い」
怒られちまった。察するにまだ内緒の話らしい。そうだな、本当ならもっと噂になっていてもおかしくないビックニュースだ。ライルの言っていた通り、まだ決定した話じゃないんだろう。それでも、その可能性があるってだけでも驚きだ。
「その話、どこまで信じられる?」
気が付けばオレも声を潜めて囁いていた。
「オレはあり得る話だと思うがな。あの爺さんもけっこうなご高齢だ。引退を視野に入れて弟子を取ったとしても不思議じゃねぇ」
確かにそうだ。<不落城塞>といえば、オレが生まれる前から冒険者をやっていた古強者。その噂が派手すぎて忘れそうになるが、引退ってのはあり得る話だ。
「でも、それがオレに良い事ってどういうことだ?」
確かにすごい話だと思うが、オレには関係の無い話に思える。
「忘れたのか?<不落城塞>は聖騎士だぜ?ボウズを弟子に取る可能性は十分にある」
オレを!?
「あのなぁ、お前はこの街でも指折りの聖騎士だぜ?まだ若ぇから将来性もある。弟子を取るなら、お前が一番の有力候補だぞ?なんでお前が驚くんだよ」
いや、驚くだろ。確かにオレは強いけど、マジか。オレは素行悪いから、そういうのとは無縁だと思い込んでいたな。急に身近な話になってビックリだ。
「その様子だと、まだ話は来てないんだな?」
「あぁ、弟子を取るなんて話も今知ったくらいだ」
「まだ決まった話じゃないがな」
そう言ってライルはオレから顔を離すと立ち上がる。もう行くみたいだ。
「じゃあな。50階層突破おめでとさん。良い二つ名が付くと良いな」
「おう。話蹴ってわりぃな」
ライルが苦笑いに肩を竦めて歩き出す。
「いいさ。ダメ元だったからな」
ライルが去ると、すぐに新たな人影が近づいてきた。男だ。まだ若い。誰だ?
「は、初めまして。『燃ゆる剣』のパーティリーダーのジョン・バースティンです」
「あぁ、アレクサン・マドリアルだ」
この感じ、まさかまた勧誘か?
どうやらオレとライルの会話が終わるまで待っていたらしい。ヒマな奴だな。
周りを見渡すと、こちらをチラチラと窺う奴らと目が合った。もしかして、コイツら全員勧誘しに来るつもりか?全部断るの時間かかりそうだな……。
「ボウズに足りないものなぁ…」
「あぁ、何か思い当たるものはあるか?」
正直自分じゃ思いつかない。
「そりゃあるだろ」
ライルがあっさり言ってのける。マジかよ。流石はライルだ。やっぱり長年冒険者をやってるだけあるなぁ。これも経験の差か?観察眼ってやつか?
「何だ?何が足りない?」
オレはテーブルに身を乗り出してライルに問う。
「落ち着けって。オレは当たり前の話をしているだけだ。いいか、完全無欠の冒険者なんてのは居ないってことだ。ボウズにも分かるだろ?」
そんな言い方されても分かんねぇよ。
「どういうことだよ?」
「始めに言っておくと、ボウズが求めてる答えをオレは知らねぇぞ?」
そう言って語り出したのは、言われてみれば当たり前の事だった。
オレはヘンリーみたいに多彩な攻撃魔法を使えない。それは言い方を変えれば、オレには魔法攻撃力が足りないと言える。
オレはグレゴリオみたいに弓も使えなければ、罠の発見、解除もできない。それらもオレには不足しているものだ。
そういう考えでいけば、オレは確かに不足だらけだ。
「だからオレ達はパーティを組んで互いの不足を補い合うわけだ」
「いや、それはそうだけどよ……」
オレが聞きたいのはそういう話じゃないんだよなぁ……。確かにオレには足りないものだけど……なんて言えばいいんだ?
「分かってる。ボウズが聞きたいのは聖騎士として自分に不足してるものだろ?」
「そうだよ!それが聞きたい」
なんだよ、分かってるじゃないか。早く教えてくれ。オレに足りないものって何だ?
「最初にも言ったろ。オレは知らないって。あぁおい、何もそんなにしょげることないだろ?」
オレはライルの答えに机に突っ伏してしまった。なんだよ、期待させておいて、結果がこれかよ。
「マジダリー…」
「悪かったな。まぁ代わりと言っちゃなんだが、ボウズに良い事教えてやるよ。もしかしたらボウズの悩みも一気に解決するかもしれねぇ」
「ほーん?」
オレは期待せず、テーブルに突っ伏したまま顔を上げる。すると、ライルのおっさんフェイスが顔に近づいてきた。なんだよ?オレにその趣味はねぇぞ?オレは女が好きだ。
「これはまだ確定した情報じゃねぇが……」
ライルが耳元で囁く。体中がぞわぞわするのを堪えて、ライルの話に耳を傾ける。
「あの<不落城塞>が弟子を取るかもしれねぇ」
「はぁ!?」
<不落城塞>といえば特一級冒険者、この街の冒険者のトップのじゃないか!
特一級ってのは文字通り、特別な一級冒険者に与えられる名誉階級だ。普通は一級までしか上がらない。<不落城塞>は普通じゃない偉業を成し遂げた国の英雄だ。
その偉業、伝説は多岐に及ぶ。全てオレの生まれる前の出来事だから噂以上の事は知らないが、神話から甦った悪龍を討伐したり、不治の病に侵された王様を魔法で治したり、戦争で活躍したり、噂を全て信じるなら、もう3回は国を救っている国の英雄だ。噂では、もう与えられる恩賞が無くて、王様が困っているらしい。戦争に熱心な隣の大国が、この国にだけ攻めてこないのは<不落城塞>が居るからだという噂もあった。
ただ一つ確かなのは、<不落城塞>がダンジョンを88階層まで攻略しているということだ。これは歴代でもトップの記録で、この事実だけでも特一級冒険者を名乗るのに相応しい偉業だ。
その<不落城塞>が弟子を取る。
「シッ。声がでけぇぞ」
「あぁ、悪い悪い」
怒られちまった。察するにまだ内緒の話らしい。そうだな、本当ならもっと噂になっていてもおかしくないビックニュースだ。ライルの言っていた通り、まだ決定した話じゃないんだろう。それでも、その可能性があるってだけでも驚きだ。
「その話、どこまで信じられる?」
気が付けばオレも声を潜めて囁いていた。
「オレはあり得る話だと思うがな。あの爺さんもけっこうなご高齢だ。引退を視野に入れて弟子を取ったとしても不思議じゃねぇ」
確かにそうだ。<不落城塞>といえば、オレが生まれる前から冒険者をやっていた古強者。その噂が派手すぎて忘れそうになるが、引退ってのはあり得る話だ。
「でも、それがオレに良い事ってどういうことだ?」
確かにすごい話だと思うが、オレには関係の無い話に思える。
「忘れたのか?<不落城塞>は聖騎士だぜ?ボウズを弟子に取る可能性は十分にある」
オレを!?
「あのなぁ、お前はこの街でも指折りの聖騎士だぜ?まだ若ぇから将来性もある。弟子を取るなら、お前が一番の有力候補だぞ?なんでお前が驚くんだよ」
いや、驚くだろ。確かにオレは強いけど、マジか。オレは素行悪いから、そういうのとは無縁だと思い込んでいたな。急に身近な話になってビックリだ。
「その様子だと、まだ話は来てないんだな?」
「あぁ、弟子を取るなんて話も今知ったくらいだ」
「まだ決まった話じゃないがな」
そう言ってライルはオレから顔を離すと立ち上がる。もう行くみたいだ。
「じゃあな。50階層突破おめでとさん。良い二つ名が付くと良いな」
「おう。話蹴ってわりぃな」
ライルが苦笑いに肩を竦めて歩き出す。
「いいさ。ダメ元だったからな」
ライルが去ると、すぐに新たな人影が近づいてきた。男だ。まだ若い。誰だ?
「は、初めまして。『燃ゆる剣』のパーティリーダーのジョン・バースティンです」
「あぁ、アレクサン・マドリアルだ」
この感じ、まさかまた勧誘か?
どうやらオレとライルの会話が終わるまで待っていたらしい。ヒマな奴だな。
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