思ったよりも楽しいです♪

rikuro

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第1章

かいもののじかん

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先日はギルドとご飯しか移動していない。この街の家の改造して帰ってきたので、買い物するのを楽しみにしていた。

「あ!ミミー!あしょこあしょこ!かわいいー」
「はわっ!あ、主さま……。こんな可愛らしい小動物と可愛らしすぎる主さまが戯れる姿を見せていただけるなんてぇ!!」
「み、ミミ、落ち着いて。可愛いのは分かるけど、騒ぐとせっかくのこの姿を堪能できないよ?いいの?」
「そうですわね。目に焼きつけなくてわ!」

家が街の大通りにあり、周辺には色々なお店がところ狭しと軒を連ねている。
外に出て、家から比較的近い場所に愛玩動物を扱うお店があった。可愛らしい小動物が店頭にケージに入れて出ているのが見えたので思わず駆け寄ってしまう。
店頭には数種類の小動物が並んでおり、ウサギや子猫、ハムスターに似た手乗りサイズの子達から腕で抱えるサイズなど大きさも一通りある。どの子も可愛いので、自分たち以外にも覗き込んで見ている人たちがちらほらといる。
ケージにはウサギに『ラビ』、子猫に『キート』、ハムスターに『スーム』と書かれている。どの子も可愛い。

「……んぅ?」
視線を感じてその視線の先に目を向けると、手乗りサイズの仔キツネがいる。ちょっと薄汚れた茶色の毛皮に青い目をしたキツネだ。展示されてるんだと思うんだけど、奥まったところにいるため近くで見ることが出来ない。
ちょうど近くまで来た店員さんに聞いてみた。
「ああ、そいつは一応売り物として仕入れたんだが、誰に対しても威嚇が酷くてなぁ。店内に入れとくと店内の動物に威嚇するし、周りを小動物で埋めれば威嚇しなくてすむからそこに置いてんだが、次は埋もれて目立たねぇんだよなぁ。良かったら見てってくれ」
店員さんが、仔キツネの近くの動物達をどけて近づけるようにしてくれたので、遠慮なく見に行くことにした。

「……」
仔キツネが入っているケージの前に来るとしゃがみこみ、静かに見ることにした。どうやら、仔キツネもこちらを観察している。
暫く見ていると仔キツネがケージの手前まできてお座りし、此方に向かって鳴いた。
「キュンッ」
「!てんいんしゃーん!」
「お?おう、どした?威嚇でもされたのか?」
「んーん。このこくだしゃい!」
「「「え?!主(さま/さん)!?」」」
「え?買うの?ほんとに?」
「あいっ!」
「じゃあ、用意するから少し待っててくれ。会計は…」
「ミミ」
「わ、わかりましたわ。行ってまいります」
ミミに会計をお願いし、自分はこのまま仔キツネを見る。

「……、きみのなまえはこんい金威だよ。よろしくね」
「キュンッ!」
「あ、主さま?何故いきなり、フォースクを…?」
「んぅ?こんのこちょ?ふぉーしゅくって?」
「…、もう名前もつけられたのですね…。この仔の種族がフォースクって言うんですよ」
へぇ、キツネっぽいのはフォースクって言うのね。
「あのにぇ、このこをね…。かわにゃいといけないの」
「…どういうことだ?主」
「…んー。このこ…、あかたちよりつよいの」
「「「「「!!」」」」」
「主さん?それは本当かの?…このなりで赫さん達より強いのか…?」
赫は赫威で、鳥系の契約獣だ。他にも白威、黒威、蒼威がいる。それぞれ狼系、猫系、魚系だ。それぞれ大型で、とても強く、サンやユエとも互角に闘うのだ。
「主、その大きさで赫達より強いとは思えないが…」
「…、おおきしゃはかえてるみちゃい。しろとくりょみたいに、ほんちょはおおきい…とおもうよ」
「大きさを変えれる?…フォースクに似た形で大きさを変えれるのって…まさかな…?」
あれ?ユエが何かブツブツと言い出した。何を言っているのかよく聞こえないけど…。ま、いっか。




「主さま。お会計もおわりましたわ。もう、連れて行ってもいいそうです。此方が購入の証明ですわ。お渡ししておきますわね」
「あいがと、ミミ」
ミミも店員を伴って戻ってきた。購入の証明も渡されたので金威をケージから出すべく近く。
「しゃぁ、こんおいで。いっしょにいこ?」
「キュンッ」
ケージの蓋を開けると金威はピョンっと自分の肩に乗った。その状態を見て、店員は驚きに目を見開いて言葉も出ないようだ。
「ねぇ、こん?きれいにしちぇもいい?」
「キュンキュンッ」
「ん。じょうか」
綺麗に汚れも落ちるように浄化を唱えると、金威の姿が劇的に変わった。薄汚れた茶色い毛皮はツヤツヤとした輝く黄金色の毛皮に変わり尻尾も含めてふわふわととても綺麗になった。
「こん、きれいになっちゃよ!かわいいねぇ」
「キュキュウッ」
ウリウリと方に乗っている金威に顔をすり付ける。金威も綺麗になったのを喜んでくれたのか一緒にスリスリとしてくれた。
「はわわわわ。主さま…可愛いすぎますわ…」


まさかの金威との出会いにびっくりしたが、再度買い物の続きに戻ることにした。次は何をみようかなぁ。


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