悪役になりたかったのに!

rikuro

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かわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいい・・・・・・・・・

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・・・・あぁ、かわいい・・!可愛くて可愛くて、・・・・止まらない・・・・

「・・・っ!・・やぁっ・・・、ぁあ!・・・ぁ、っあ、んやぁっ!」






※※※※※※※※※※




ーーー「かわいい」と、言われるのが嫌いだった。

「可愛いんだから、剣なんて握らなくて守られていればいいのよ?」
「いいよなぁ、可愛い顔してれば自分で戦わなくても守って貰えて」
「下がってて欲しいよな。あの顔に傷つけたら何言われるか堪ったもんじゃねえよ・・・」

・・・・・・どうして、顔で判断されないといけない!自分が強くなりたいから剣を握ったのに。





ーーー「小さい」と、言われるのが大嫌いだった。

「小さいと得だよな。・・・今日も体術の授業免除されていたぜ」
「あなた様は小さいので、剣は向いていないかと。・・・・魔術を鍛えるのはいかがです?」

誰も免除して欲しいと頼んでいない!体格で向き不向きを決めるな!私のことを周りが決めつけるな!!




勝手に決めつけ、押し付ける周りが嫌いだった。日々、周りに媚びを売る者たちが溢れ、勝手に理想を押し付けていく。自分たちの想像と違うと揚げ足を取り、理想通りだと褒め称える。明らかにゴマをすり、機嫌をとりにかかり、殿下への足掛けを願う言葉を発し、自分を含めた高位貴族へ自身を売りつけ始める。そんな周囲が煩わしくてたまらなかった。
そして何よりも一番嫌いだったのは自分自身だった。小さい体に整っている顔。周りとの差が余計に自分の小ささを実感し、思うままに意思を通せず、イイ子でいる自分にイラつきを隠せなかった。


そんな日々の中、彼に出会った。


自分より小さい同学年の子に驚き、安堵した。自分より下がいるんだと。・・・、そう思った自分に次の瞬間また、嫌悪感が増えた。
が、その後の彼の対応には自分の目が覚める思いだった。
他と同じように、謝罪を口実に近づくために現れたのかと思えば、純粋に謝罪と詫びの品を渡しただけで去っていったのだ。目が曇っていたのは周りだけではなく、自分もだと気づかされた。
特に特別な事をされたわけではないのだろうが、自分を見つめ直す切っ掛けになった。

その後は、周りをよく観察し見極めその結果を利用するようになった。悪意のある者には悪意ある対応を、善意の者には特になにもせず、ただ周りに流されている者は誘導しこちらの優位となるように扱った。時と場合とこちらの都合によるが。

周りを観察するようになって気づいたことがある。
彼が、かわいいということを。顔も可愛いが、行動も可愛いのだ。多いのは笑顔、滅多にない怒った顔、たまにある拗ねた表情。心情を表現するように体も同じように動くのだ。どれを取っても可愛くて、目が離せなくなった。可愛くてかわいくて、愛でて愛でまくって、溺愛して、縋らせて啼かせたいと思う自分の気持ちにも気づいた。殿下たちに言ったら引かれたが、気にしない。

それからは陰から見守ることにした。こんなに可愛いのだ、危ない奴がいるかもしれない。自分の経験から言うと不本意だが、幼い少年趣味の変態は多いのだ。ましてや、周りに比べ明らかに小さいとそれだけで庇護欲にそそられ、穢したい欲求に囚われるのだから。変態は撲滅するべきだ。うん。
同時に自信を鍛えることにした。彼を守れるぐらいに強くならないと、変態から守れない。そのため、残りの小等部生活と中等部生活は変態の排除という名の見守りと自信を鍛え、理想の身体を作るまではと彼に近づくことが出来なかった。成長していく彼を間近で、つぶさに舐めるように見たかったのに。まあその憤りの分は、変態どもを排除するときにぶつけたが。殿下たちに止められるのも日常茶飯事になった。

高等部に上がる頃には高身長と言われるぐらいには高くなり、可愛いと言われていた顔は精悍な顔つきへと変化した。やっと理想の身体を手に入れたのだ、これで堂々と彼に近づけると毎日挨拶することから始めた。殿下たちにあれは挨拶という名のセクハラだと言われたが。どこがセクハラなのか不明だ。

彼に毎日挨拶し、彼の匂いや声など、普段の彼を十分に堪能しながら、あとは誰よりも近いトコロで愛でるためにこの腕に囲むだけと、着々と準備を行っていった。その時、殿下たちは何故かドン引きし頭を抱えていた。

準備に時間はかかったが、我ながら完璧に行えたと思う。まあ、高等部入学時にウィリアムズが連れてきた女子のおかげで思ったよりも早く対応出来た。彼女がいなければ、途中で我慢の限界を迎えていたかもしれない。中途半端な状態で彼を娶っても苦労させるだけだから本当に助かった。感謝を伝えたら、見せて欲しいと言われた。ナニを。了承すれば、彼女は喜び、殿下たちはドン引きしていた。



「私はあなたを全力で愛でて溺れるほど溺愛して、縋らせて全身を隈なく舐めわしてこれでもかと啼かせたい。と言うわけで、私と結婚して私を愛して頂けますか?」
「…はぃ?」
「あぁ!了承頂けるなんてとても嬉しいですよ!」
あぁ!これであなたを…ディーレンを全力でこの腕の中に囲える!この日をどれだけ待ちわび夢見ていたか!もう、我慢出来ない。今すぐにディーレンを愛でるために一刻も早くあの場所へ。

「…ぇっ?あ、あの……もういち……」
「では、早速!行きましょう!!」
「……ど……!?」
「!?!?」
「あぁ!驚いた顔も(抱き潰したいほど)可愛いですね♪」

後ろで何故か殿下たちが頭を抱えているがいつもの事なので放置でいいだろう。とにかく今は、目の前のディーレンの事だけを考えなくては!!









ーーーーーーーーーーー

次回。R18予定!苦手な方はご注意ください。長くなっちゃったので、次に繰越します!ごめんなさい!

ーーーーーーーーーーー
お久しぶりです。お久しぶり過ぎてすみません。
えっと、言い訳になるんですが、書くときに使用していたメモを自分が機能をよく知らず利用したため消えてしまい、大切なメモだったので、書く気になれませんでした…。
今回も、途中まで書いたのが、全部消えたんです!操作ミスをして、全選択後に上書きで文字が…!保存してなかったのにぃ…。
次回は初めて書くR18なので、少し時間ください。そんなに遅くはならないはずです。
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みんなの感想(1件)

える
2019.09.19 える

主人公の生家が侯爵家と伯爵家の2つ出てきています。統一した方がよろしいかと。2歳になった所の自己紹介では侯爵家、兄の紹介時には伯爵家となっています。兄弟で生家の爵位が違うことは無いはずなので、もう一度見返すことをおすすめします。

rikuro
2019.09.20 rikuro

ご指摘ありがとうございました。訂正しました(* ´ ▽ ` *)

解除

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