この世界で唯一『スキル合成』の能力を持っていた件

なかの

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第五十一話『三重炎突 - フレイムブレイカー』

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「やるしかないな」
と、言いながら僕は、両手を広げて、スキルを発動させた。
両手に『速突 - ラピッドスラスター』と『三重炎拳 - フレイムヘブン』のスキルをイメージする。

『スキル合成 - シンセサイズ』

<<『速突 - ラピッドスラスター』と『三重炎拳 - フレイムヘブン』を合成します>>

僕は、その2つのスキルを合成させた。
多分合成できる・・・はずだ!
そんなに変な組み合わせではない。

<<合成に成功しました>>

「よし、やった!」
と僕は呟いてすぐさまスキル確認をする。

「スキル確認!」
天に向かって叫ぶ!
すると、すぐに無機質な声が返答する。

<<『スキル合成 - シンセサイズ』>>
<<『速斬 - スピードスラッシュ』>>
<<『追尾投擲 - ホーミングスロー』>>
<<『三重炎突 - フレイムブレイカー』>>

あった!!
これだ!!
『三重炎突 - フレイムブレイカー』!!

「『三重炎突 - フレイムブレイカー』!!よしきた!!」
と僕は喜ぶ。

多分思った通りのものだ。
この土壇場で、変なものが出来たり、合成に失敗して、両方のスキルを失う、みたいな非常事態は避けられた。正直ラッキーと言える。その可能性は十分にあった。

「これで、勝てる・・・。いくぞ!」
と僕が言う。

そして、ナイフに持ち替えた。
この短剣で、キングゴーレムの胸に目掛けて『三重炎突 - フレイムブレイカー』を叩きこめば僕の勝ちだ。
その前に僕がダメージを受ければ負ける。

最後の勝負だ!

しかし、その間、キングゴーレムは何もしていなかったわけではなかった。

『土剣 - マッドソード』

キングゴーレムは新たな、スキルを発動した。

「え?うそ・・・だろ・・・?」
先ほど僕が『三重炎拳 - フレイムヘブン』を当てて、失ったはずの、腕から、土の剣が『生えてきた』!!
そう、巨大な剣が、新たに発生したのだ。

「それは、流石に反則じゃないか?」
次から次へとポンポンポンスキルを使ってくるキングゴーレム。ほんとに王様なんだな・・・と思ってしまう。

本当に強い。このモンスター。

そのまま、キングゴーレムは土の剣を振り上げる。
これが当たるとヤバイ。
当たれば確実に終わる。

この攻撃は避けられない。

そう思った瞬間。
別の場所からスキルが発動した。

『炎弾 - ファイヤーバレット』

そして、その炎の玉はキングゴーレムの顔に当たる。
「グゴオオオォォォォ」

そう、ニコが、力を振り絞って、スキルを発動させたのだ。

「アンタの相手はこっちよ!!」
と、キングゴーレムに向かって言った。
そして、ニコは一瞬こちらを見た。

そう、ニコが、キングゴーレムの注意をひいてくれたのだ。

「いまだ!」
僕は、ニコの合図を受けて走りだした。
次の一撃にすべてをかける!!
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