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第四十九話『一対一』

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キングゴーレムは僕の『三重炎拳 - フレイムヘブン』の炎のエネルギーを探知して、完全にこっちに集中してる。
そう、この熱量は決して無視できるようなものではない。

「うおおおおぉぉぉぉぉ」
僕は、右腕を燃え上がらせて、キングゴーレムに向かっていった。

この『三重炎拳 - フレイムヘブン』は、『炎拳 - ファイヤーパンチ』3つ分の能力を持つ。
つまり、さっきの、ヒカルの『速炎投擲 - ファイヤースロー』の炎の三倍の能力はある。
当てれば、燃やし尽くせるはずだ。

そう『当たれ』ばだ!

できれば、胸に当てたい。
そうすれば倒せるはずだ。
この能力で倒してしまいたい。

「うおおおおぉぉぉぉぉ」
そう言いながら、僕は、走る。走る。走る。
キングゴーレムの巨体に向かって走っていく。
恐怖がないと言えば嘘になる。

僕より強い、ニコ、ヒカル、リオンの三人がこんなにボロボロになってしまう相手だ。

この攻撃が当たらずに、殴られたら、次こそぼくも終わりかもしれない。

しかし、ここは走らずにはいられない。
いままでのただの帰宅部の僕では、こんなにスピードはでなかった。皆のおかげでここまでこれた。
ここ数日の特訓の成果をすべてこの瞬間に『ぶつける』!!

キングゴーレムは、僕を待ち構えている。

この炎の熱量がタダ事ではないことは理解しているらしい。
ただ一人僕に向かって視線を向けている。
そう一対一の戦いだ。

そして、僕のダッシュのタイミングに合わせて、向こうも、拳を振るおうとしている。つまりカウンターだ。でかいのになかなか器用なことをしようとしている。

「おおおおおおお」
キングゴーレムの胸に向かって、『三重炎拳 - フレイムヘブン』をぶつけようと、僕は飛んだ!!

「くらえ!!」
と、すべての力を込めて、胸に向かってパンチを放った!!

「タカシ!!いけーーーー!!」
と見ていたニコが叫ぶ。

「うおおおおぉぉぉぉ」
僕の右のパンチが当たる・・・

・・・と思った瞬間。
キングゴーレムの右腕が僕に突き刺さる!!

「と、届かなかった・・・!」
とヒカルが言う。

そう、僕の『三重炎拳 - フレイムヘブン』はギリギリ、胸に届かなかったのだ。

「ぐおおおぉぉぉ!!」
そのキングゴーレムの攻撃で吹き飛ばされようとした瞬間、僕は、胸から、腕に『目標を変えた』!!

そう、それも計算済みだ!!

「これでもくらえ!!」
と僕は、『キングゴーレム』の右腕に『三重炎拳 - フレイムヘブン』をぶつけたのだ。

ボオオォォォォォォォ!!
と大きな音が鳴り
その瞬間、キングゴーレムの右腕が『まるまる消滅』した!

「グオオオォォォ」とキングゴーレムが唸る。
僕は攻撃を当てる前のパンチの衝撃で吹き飛ばされた。

「ぐはっ」と地面に倒れるが、その後すぐキングゴーレムを確認する。

右腕を失ったキングゴーレムは吠えている。
「グオオオオオォォォ」と吠えている。

「どうだ!キングゴーレム!」
と僕は言った。
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