38 / 71
第三十八話『スキル上げ』
しおりを挟む
「となると、次にやるのは、モンスター討伐だよね?」
と僕が言う。
ヒカルは、なにも言わずに、メガネを上げキラーンと光らせて笑った。
どうやら正解のようだ。
モンスター討伐というのは、正確ではなかいかもしれない。
どちらかと言うと『レベル上げ』だ。
そして、それもあまり正確ではない。
『スキル上げ』だ!
こんな単語があるのかは知らないけれど・・・。
幸いな事に、ここしばらくは、モンスターが襲ってこなかったので、必然的にモンスターと戦う機会もなかった。
しかし、いつ強い敵がくるか分からないという現状がある以上、簡単な敵を倒して、スキルを増やしておくというのが、この場合定石になるだろう。
僕もスキル一つでは、安心感がたりない。
「明日から、少し、森の奥まで行ってモンスターを倒しに行きましょう。タカシくんのスキルも増やしたいし!」
「そうだよね」
僕は理解した。ヒカルも同様の事を思っていたらしい。
さすがリーダーだ。
ここ最近の訓練は、最低限のモンスターを倒すための訓練でもあったのだろう。付け焼き刃の訓練とはいえ、やる前と今では、僕にとってはかなりの差がある。
しっかりと、わずかではあるが成長しているはずだ。
「いいわね!私も新しいスキルがほしいわ!」
とニコが言った。
もっともっとつよくなりたいし、と付け加えて。
「私も楽しみ。タカシに考えてもらった新しい『氷剣 - アイスソード』の使い方も試したい」とリオンが言う。
僕が考えたというのは、アイスソードを出してから振り回すのではなく、当ててからアイスソードを出して突き刺すというやり方の方がリオンにあっているのではないか、という提案のことだった。
そのやり取りをみて、ヒカルも『スキルの特性を見抜く』のが得意だと思ったのだろう。
「僕も『三重炎拳 - フレイムヘブン』をモンスターにためしてみないと、当てられればだけど・・・」
そう、修行の成果と、スキルの効果を同時に確認できるのだ。以前の僕とは違うはず。それが明日わかる。
「明日は深入りしないで、手前のモンスターだけ倒すつもり」とヒカルが言う。
「オッケー!」とニコが微笑む。
「わかった」とリオンが答える。
森の奥にいけば行くほど、見たことがない強いモンスターがいるとのことだった。
この街にはたまに、そういう強いモンスターがわざわざやってくることがあって、その度に、ニコたちがやっつけているようだった。
いつもどおり、部屋に戻り。
しっかりと身支度をして、ベッドに入って寝た。
ここの所体力がついてきたのか、いきなり寝落ちしてしまうということはかなりなくなった。
そして、ニコが来る前に起きた。
いつもガラガラ、とドアを開けて入ってくる。
ほんとに、幼なじみみたいだな、と思っていると。
開口一番
「さ!いくわよ!」
とニコが言う。
ハードな遠足が始まる!
と僕が言う。
ヒカルは、なにも言わずに、メガネを上げキラーンと光らせて笑った。
どうやら正解のようだ。
モンスター討伐というのは、正確ではなかいかもしれない。
どちらかと言うと『レベル上げ』だ。
そして、それもあまり正確ではない。
『スキル上げ』だ!
こんな単語があるのかは知らないけれど・・・。
幸いな事に、ここしばらくは、モンスターが襲ってこなかったので、必然的にモンスターと戦う機会もなかった。
しかし、いつ強い敵がくるか分からないという現状がある以上、簡単な敵を倒して、スキルを増やしておくというのが、この場合定石になるだろう。
僕もスキル一つでは、安心感がたりない。
「明日から、少し、森の奥まで行ってモンスターを倒しに行きましょう。タカシくんのスキルも増やしたいし!」
「そうだよね」
僕は理解した。ヒカルも同様の事を思っていたらしい。
さすがリーダーだ。
ここ最近の訓練は、最低限のモンスターを倒すための訓練でもあったのだろう。付け焼き刃の訓練とはいえ、やる前と今では、僕にとってはかなりの差がある。
しっかりと、わずかではあるが成長しているはずだ。
「いいわね!私も新しいスキルがほしいわ!」
とニコが言った。
もっともっとつよくなりたいし、と付け加えて。
「私も楽しみ。タカシに考えてもらった新しい『氷剣 - アイスソード』の使い方も試したい」とリオンが言う。
僕が考えたというのは、アイスソードを出してから振り回すのではなく、当ててからアイスソードを出して突き刺すというやり方の方がリオンにあっているのではないか、という提案のことだった。
そのやり取りをみて、ヒカルも『スキルの特性を見抜く』のが得意だと思ったのだろう。
「僕も『三重炎拳 - フレイムヘブン』をモンスターにためしてみないと、当てられればだけど・・・」
そう、修行の成果と、スキルの効果を同時に確認できるのだ。以前の僕とは違うはず。それが明日わかる。
「明日は深入りしないで、手前のモンスターだけ倒すつもり」とヒカルが言う。
「オッケー!」とニコが微笑む。
「わかった」とリオンが答える。
森の奥にいけば行くほど、見たことがない強いモンスターがいるとのことだった。
この街にはたまに、そういう強いモンスターがわざわざやってくることがあって、その度に、ニコたちがやっつけているようだった。
いつもどおり、部屋に戻り。
しっかりと身支度をして、ベッドに入って寝た。
ここの所体力がついてきたのか、いきなり寝落ちしてしまうということはかなりなくなった。
そして、ニコが来る前に起きた。
いつもガラガラ、とドアを開けて入ってくる。
ほんとに、幼なじみみたいだな、と思っていると。
開口一番
「さ!いくわよ!」
とニコが言う。
ハードな遠足が始まる!
0
お気に入りに追加
177
あなたにおすすめの小説


のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

転生テイマー、異世界生活を楽しむ
さっちさん
ファンタジー
題名変更しました。
内容がどんどんかけ離れていくので…
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
ありきたりな転生ものの予定です。
主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。
一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。
まっ、なんとかなるっしょ。


生活魔法しか使えない少年、浄化(クリーン)を極めて無双します(仮)(習作3)
田中寿郎
ファンタジー
壁しか見えない街(城郭都市)の中は嫌いだ。孤児院でイジメに遭い、無実の罪を着せられた幼い少年は、街を抜け出し、一人森の中で生きる事を選んだ。武器は生活魔法の浄化(クリーン)と乾燥(ドライ)。浄化と乾燥だけでも極めれば結構役に立ちますよ?
コメントはたまに気まぐれに返す事がありますが、全レスは致しません。悪しからずご了承願います。
(あと、敬語が使えない呪いに掛かっているので言葉遣いに粗いところがあってもご容赦をw)
台本風(セリフの前に名前が入る)です、これに関しては助言は無用です、そういうスタイルだと思ってあきらめてください。
読みにくい、面白くないという方は、フォローを外してそっ閉じをお願いします。
(カクヨムにも投稿しております)
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる