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第三十三話『太刀筋の精度』
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当てても死なないけど、太刀筋の訓練には使えるといった感じの道具なのだろう。剣道の竹刀は、防具無しで打ち合うとかなり危険だし。
その柔らかい竹刀を、僕とニコは構えた。
「かかってきなさい!」
ニコは笑顔で言った。
新たな訓練が始まる。
「とう!」
と、あまり締まらない掛け声を出して、僕は上段からニコの頭に目掛けて柔らかい竹刀を振った。
その瞬間、ニコは視界から、消え。
僕はお腹に衝撃を受けた。
そう、ニコが僕の剣を颯爽と避け、僕に水平の剣戟を加えていたのだ。
「おっそーい!!」
とニコが笑う。
「まじか・・・」
あまりの一瞬の出来事に、理解が追いつかなかった。
「真剣だったら、死んでるわよ!」
とニコが言う。
全くだ。
こんなに差があるのか・・・。
と、更に実感した。
リオンの時のことも合わせて、より強く思った。
武道というのはこんなに差がつくのかと・・・。
「ほらほら!ぼけっとしてないの!ドンドンいくわよ!」
「望むところだ!」
と、僕も、しっかりとニコの構えを見て真似してみた。
心なしか力が入りやすくなった気がする。
「あ、いい構えになったじゃない!頭はいいのよねタカシは!」とニコが言う。
褒められているのか、貶されているのか、よくわからなかった。
「お褒めに預かり光栄です!」
と、言いながら、ニコに斬りかかった。
しかし、その太刀筋をギリギリ、見切って、バックステップで避ける。
「まじすか・・・」
そんなこと出来るの??
と、僕は思った。
そして、ニコはそのまま、剣を僕の手先に振り下ろした。
その衝撃で、剣を落とした。
そして、流れるように、僕の喉元に柔らかい竹刀をスッと、突きつけた。
「はい、本物なら二回死んだわよ!」
と、ニコが笑う。
「ほんとだよ・・・」
と僕は思った。
しかし、訓練で擬似的なものですむのならそれで、体験すべきことだ。本番で死ぬよりずっといい。
いままでの、やりとりでわかっていたことがある。
僕の動きは無駄が多いのだ。
逆にニコの動きは、ほんとに、無駄がない。
狙ったところに、ピタッと、届かせているし、ミリ単位で避けている。
それはもはや人間業なのかわからなかったが。
僕の動きは精度が悪い、狙ったところから数センチ位はずれている。そのレベルで済んでいればいいが、ヘタすればもっとだろう。
意識を集中して、精度を高める。
「いくぞ!」
と、今度は、ニコの腕、目掛けて斬りかかる。
そもそも、いままでは、狙った所を最後まで見る、ということすらできていなかった。だから、狙ったところに当たったかどうかすら、わかっていないのだった。
こんどは、集中して、ニコの手首のみを狙う。
「すごい、いいわね!動きがいきなり良くなったわ!でも、今度は、勢いが減ったわね!」
と、僕の剣を軽やかによけて、僕の手首に真っ直ぐ、剣を振り下ろした。
僕はその衝撃で、また、剣を落とした。
これはなかなか悔しい。
「いやぁ、ニコ、強いね!」
と僕は笑って言った。
ふふ、そうでしょ!
とニコは満面の笑みで笑っていた。
その柔らかい竹刀を、僕とニコは構えた。
「かかってきなさい!」
ニコは笑顔で言った。
新たな訓練が始まる。
「とう!」
と、あまり締まらない掛け声を出して、僕は上段からニコの頭に目掛けて柔らかい竹刀を振った。
その瞬間、ニコは視界から、消え。
僕はお腹に衝撃を受けた。
そう、ニコが僕の剣を颯爽と避け、僕に水平の剣戟を加えていたのだ。
「おっそーい!!」
とニコが笑う。
「まじか・・・」
あまりの一瞬の出来事に、理解が追いつかなかった。
「真剣だったら、死んでるわよ!」
とニコが言う。
全くだ。
こんなに差があるのか・・・。
と、更に実感した。
リオンの時のことも合わせて、より強く思った。
武道というのはこんなに差がつくのかと・・・。
「ほらほら!ぼけっとしてないの!ドンドンいくわよ!」
「望むところだ!」
と、僕も、しっかりとニコの構えを見て真似してみた。
心なしか力が入りやすくなった気がする。
「あ、いい構えになったじゃない!頭はいいのよねタカシは!」とニコが言う。
褒められているのか、貶されているのか、よくわからなかった。
「お褒めに預かり光栄です!」
と、言いながら、ニコに斬りかかった。
しかし、その太刀筋をギリギリ、見切って、バックステップで避ける。
「まじすか・・・」
そんなこと出来るの??
と、僕は思った。
そして、ニコはそのまま、剣を僕の手先に振り下ろした。
その衝撃で、剣を落とした。
そして、流れるように、僕の喉元に柔らかい竹刀をスッと、突きつけた。
「はい、本物なら二回死んだわよ!」
と、ニコが笑う。
「ほんとだよ・・・」
と僕は思った。
しかし、訓練で擬似的なものですむのならそれで、体験すべきことだ。本番で死ぬよりずっといい。
いままでの、やりとりでわかっていたことがある。
僕の動きは無駄が多いのだ。
逆にニコの動きは、ほんとに、無駄がない。
狙ったところに、ピタッと、届かせているし、ミリ単位で避けている。
それはもはや人間業なのかわからなかったが。
僕の動きは精度が悪い、狙ったところから数センチ位はずれている。そのレベルで済んでいればいいが、ヘタすればもっとだろう。
意識を集中して、精度を高める。
「いくぞ!」
と、今度は、ニコの腕、目掛けて斬りかかる。
そもそも、いままでは、狙った所を最後まで見る、ということすらできていなかった。だから、狙ったところに当たったかどうかすら、わかっていないのだった。
こんどは、集中して、ニコの手首のみを狙う。
「すごい、いいわね!動きがいきなり良くなったわ!でも、今度は、勢いが減ったわね!」
と、僕の剣を軽やかによけて、僕の手首に真っ直ぐ、剣を振り下ろした。
僕はその衝撃で、また、剣を落とした。
これはなかなか悔しい。
「いやぁ、ニコ、強いね!」
と僕は笑って言った。
ふふ、そうでしょ!
とニコは満面の笑みで笑っていた。
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