ビッグデータ探偵

なかの

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第55話 ゲーミフィケーション

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「先生すごいです!」
高崎くんは走ってやってきた。彼女は警察とのやりとりを一任されていた。紙の資料を持ちながら、笑顔だった。

「うん、そうだね」
僕がモニタを見ながら答えた。
そして操作をして、もう一つ画面を出していた。

「まだ何も言ってませんよぉ!!」
高崎くんが、僕に突っ込む。そう彼女はまだ何も説明していない。しかし、彼女が喜んで帰ってきたことから何がおこってるのか把握することができた。

「うん、実はここで見れるようになってるんだ」
僕はモニタを指差してそういった。
いくつかのデータを表示していた。現在のリアルタイムの警察官の位置と、今日1日の捜査件数が表示されている。

「ええ!」
高崎くんは驚く。そう、彼女は今日の進捗の数字を本部から聞いてきたのだろう。実はあのアプリはそれをリアルタイムで把握できるシステムが入っていたのだ。

「めちゃくちゃ進んでるんだね」
僕が言う。
一人当たりの平均捜査件数も出ていて、ほとんどの人がずっと多くの監視カメラ設置場所に話を聞きに言っている。

「1日で200件ペースになったね」
僕が言う。
僕はグラフを出す。目標は全部で1000件今までは1日60件
今は200件。現実的な数字になってきたと言える。

「すごいんだよ!こないだまで1日60件だったのに」
ヒカルちゃんが喜ぶ。そう、紙でやっていたこないだまでは1日60件だったのに、今は1日200件のペースに進化していた。

「効率3倍になったね」
僕は計算する。正確には3.3倍。かなりの効率アップだ。データサイエンスでこのレベルの効率アップさせるのはかなり難しいことだ。

「素晴らしいですね」
大和くんもうんうん頷いている。

「すごいです!それだけじゃないんですよ!!」
高崎くんが言う。

「うん。モチベーションが上がった?」
僕は頷きながら聞いた。

「そうなんです、みんなのモチベーションがすごく上がったんですよ!」
高崎くんが目をキラキラさせながら言う。こう言う単純作業はモチベーション下がりがちだし、多分以前にも経験があって辛い思いをしたであろう高崎くんが驚いている。

「これがいわゆるゲーミフィケーションだね」
僕が説明する。生活や仕事の全てをゲーム化して楽しんでいくというのがゲーミフィケーションと言う考え方だ。

「げーみふぃけーしょん??」
高崎くんは聞きなれない言葉を聞き返した。

「うん、ゲーム化していくってことだね」
僕はざっくりと説明していく。

「あと可視化するとすべての効率は10パーセントアップするとも言われてるんだ」
僕は言った。これが今回大事なところで、常に自分の仕事量を確認できる仕組みがあればみんな自然と効率をあげて、仕事していく、と言われているのだ。

「それが今回は300パーセントアップだからね。うまく行きすぎだね」
僕は喜んだ。とんでもない効率化を達成したのだ。
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