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あなたの声が好き
あなたの声が好き・・・その20
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「裕子さんは、(が)ではなく、(は)という言葉を使うんですね」
「ふふっ・・・。(が)は夏樹さんの目線、(は)は雪子の目線・・・違う?」
「それじゃ、その表現を使ったのは私じゃなくて夏樹さんだって事も?」
「だから敵わないの。夏樹さんにその言葉を言わせる雪子には・・・」
「お母さんが・・・?」
「そうよ・・・。もしかして、私に急いで知らせたかった事って?」
「あっ、はい・・・。でも、裕子さんがもうすでに知っていたなんてちょっとびっくりです」
「ううん、知っていたわけじゃないのよ。なんとなくそう思っていただけ・・・」
「あっ、あの・・・それじゃ、これはどうですか?」
「ん・・・?もしかして、雪子と、どこで会うかって事?」
「あのですね・・・もしかし・・・なくても知ってたりして?」
「きっと、夏樹さんは知ってるじゃないかしら?・・・違う?」
「正解です・・・。やっぱり裕子さんはすごいです」
「ふふっ、そうじゃないのよ」
「へっ・・・?」
「雪子がよく行く喫茶店のマスターに教えられたの。夏樹さんの性格上、もし、本当に雪子の行き先が分からなかったなら探すのではないかと思われます。って」
「喫茶店のマスターに・・・?」
「ええっ・・・。でも、その時はまだそこまでは分からなかったけど、今の愛奈ちゃんの話を聞いてね、それでなの。そして、そこから連想するとね、もしかしたら夏樹さんは雪子と会う日も、会う場所も、そして、雪子と会う時間さえも、きっと知ってるんじゃないのかな?ってね。そんな風に思ったのよ」
「えええ===っ?」
「ふふっ、そんなに驚かなくてもいいわよ」
「だ~って~!」
「でも、愛奈ちゃんが教えに来てくれたので、ひとつは安心したわ」
「ひとつは・・・?それじゃ、まだ何か他にもあるんですか?」
「ええ・・・まあ。あるといえばあるんだけど・・・」
「あるといえばある?・・・ですか?」
「ええ・・・。でも、これは二人の問題だから、私がどうこう心配するような・・・でもね」
「う~ん・・・なにかあるんですね?」
「まあね・・・。それよりも、夏樹さん、他にも何か言ってなかった?」
「他にはっていうと・・・。あっ、今度の休日に冴ちゃんと動物園に行くのよ!って言ってました」
「動物園・・・?」
「はい。それで、動物園にクマさんたちに会いに行くのよ!って、もち、女言葉で」
「女言葉・・・ふふっ。でも、まさか、あの夏樹さんが女装家になっていたなんてね。正直、今でも信じられないわね」
「夏樹さんが女装している事に、お母さんはびっくりしなかったんですか?」
「それが全然・・・。やっぱ!そこいったんだ~って!」
「そこいったんだ~?・・・ですか?」
「あっ、そっか。愛奈ちゃんは知らないのよね?雪子の話し方っていうか言葉遣いって」
「言葉遣い?・・・何か違うんですか?」
「ええ・・・全然、違うわね。特に夏樹さんといる時の雪子はね」
全然、違う・・・?お母さんも裕子さんみたいに、違うお母さんがもう一人存在している?
「もしかして、裕子さんみたいに、もう一人のお母さんがいるんですか?」
「ふふっ・・・。私の場合は、もう一人というのではなくて、女性なら誰でも持っている、もう一人の女性の顔みたいなものなのよ」
「お母さんは違うんですか?」
「そうね・・・違うとか別の顔とかというのではなくて・・・。う~ん、何て言ったらいいのかしら?」
どこか懐かしむように、遠い日を愛しむように、裕子は優しい笑みを言葉に添わせてみる。
「う~ん・・・そうね~。・・・そう!ペンギン!雪子はペンギンに変身してしまうの!」
「あい・・・?」
「ふふっ・・・。それで、他には何か言ってなかった?」
「他に・・・あの・・・もしかして、さっき言ってたひとつは安心した以外の・・・?」
「ええ・・。夏樹さん、何か言ってなかった?」
「何かって言われましても、お母さんの居場所とか会う日とか以外にはこれと言っては」
「そう・・・」
「ただ・・・」
「ただ・・・なに?」
「ちょっと変な事をっていうか、何ていうか・・・」
「ふふっ・・・。(が)は夏樹さんの目線、(は)は雪子の目線・・・違う?」
「それじゃ、その表現を使ったのは私じゃなくて夏樹さんだって事も?」
「だから敵わないの。夏樹さんにその言葉を言わせる雪子には・・・」
「お母さんが・・・?」
「そうよ・・・。もしかして、私に急いで知らせたかった事って?」
「あっ、はい・・・。でも、裕子さんがもうすでに知っていたなんてちょっとびっくりです」
「ううん、知っていたわけじゃないのよ。なんとなくそう思っていただけ・・・」
「あっ、あの・・・それじゃ、これはどうですか?」
「ん・・・?もしかして、雪子と、どこで会うかって事?」
「あのですね・・・もしかし・・・なくても知ってたりして?」
「きっと、夏樹さんは知ってるじゃないかしら?・・・違う?」
「正解です・・・。やっぱり裕子さんはすごいです」
「ふふっ、そうじゃないのよ」
「へっ・・・?」
「雪子がよく行く喫茶店のマスターに教えられたの。夏樹さんの性格上、もし、本当に雪子の行き先が分からなかったなら探すのではないかと思われます。って」
「喫茶店のマスターに・・・?」
「ええっ・・・。でも、その時はまだそこまでは分からなかったけど、今の愛奈ちゃんの話を聞いてね、それでなの。そして、そこから連想するとね、もしかしたら夏樹さんは雪子と会う日も、会う場所も、そして、雪子と会う時間さえも、きっと知ってるんじゃないのかな?ってね。そんな風に思ったのよ」
「えええ===っ?」
「ふふっ、そんなに驚かなくてもいいわよ」
「だ~って~!」
「でも、愛奈ちゃんが教えに来てくれたので、ひとつは安心したわ」
「ひとつは・・・?それじゃ、まだ何か他にもあるんですか?」
「ええ・・・まあ。あるといえばあるんだけど・・・」
「あるといえばある?・・・ですか?」
「ええ・・・。でも、これは二人の問題だから、私がどうこう心配するような・・・でもね」
「う~ん・・・なにかあるんですね?」
「まあね・・・。それよりも、夏樹さん、他にも何か言ってなかった?」
「他にはっていうと・・・。あっ、今度の休日に冴ちゃんと動物園に行くのよ!って言ってました」
「動物園・・・?」
「はい。それで、動物園にクマさんたちに会いに行くのよ!って、もち、女言葉で」
「女言葉・・・ふふっ。でも、まさか、あの夏樹さんが女装家になっていたなんてね。正直、今でも信じられないわね」
「夏樹さんが女装している事に、お母さんはびっくりしなかったんですか?」
「それが全然・・・。やっぱ!そこいったんだ~って!」
「そこいったんだ~?・・・ですか?」
「あっ、そっか。愛奈ちゃんは知らないのよね?雪子の話し方っていうか言葉遣いって」
「言葉遣い?・・・何か違うんですか?」
「ええ・・・全然、違うわね。特に夏樹さんといる時の雪子はね」
全然、違う・・・?お母さんも裕子さんみたいに、違うお母さんがもう一人存在している?
「もしかして、裕子さんみたいに、もう一人のお母さんがいるんですか?」
「ふふっ・・・。私の場合は、もう一人というのではなくて、女性なら誰でも持っている、もう一人の女性の顔みたいなものなのよ」
「お母さんは違うんですか?」
「そうね・・・違うとか別の顔とかというのではなくて・・・。う~ん、何て言ったらいいのかしら?」
どこか懐かしむように、遠い日を愛しむように、裕子は優しい笑みを言葉に添わせてみる。
「う~ん・・・そうね~。・・・そう!ペンギン!雪子はペンギンに変身してしまうの!」
「あい・・・?」
「ふふっ・・・。それで、他には何か言ってなかった?」
「他に・・・あの・・・もしかして、さっき言ってたひとつは安心した以外の・・・?」
「ええ・・。夏樹さん、何か言ってなかった?」
「何かって言われましても、お母さんの居場所とか会う日とか以外にはこれと言っては」
「そう・・・」
「ただ・・・」
「ただ・・・なに?」
「ちょっと変な事をっていうか、何ていうか・・・」
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