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あなたの声が好き
あなたの声が好き・・・その17
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直美が夏樹の言葉にうっとり?の時空に浮いている間に、夏樹は冴子の祖母に、直美を送っていくのに冴子と一緒に行って来る事を伝えて戻って来ると、冴子はクマのぬいぐるみと少しのお菓子といつもの絵本を持って夏樹の座っていた椅子にちょこんと座って待っていた。
「冴ちゃん、おばあちゃんに伝えてきたから大丈夫よ!」
「はいです!」
「途中に動物園があるから寄ってみようね!」
「クマさんもいるですか?」
「おっきなクマさんはいないと思うけどツキノワグマさんはいるわよ」
夏樹と冴子の会話を聞いていると、直美はやはりどこか寂しく感じてしまうのである。
冴子と話をしている夏樹はとても優しく、そして、とても幸せそうに見えてしまうから
その姿に京子と幼かった頃の亜晃や省吾と過ごしたはずの夏樹の面影を探してしまう。
まだ夏樹と京子が夫婦だった頃が遠い昔に終わりを告げた出来事なのだと分かってはいても・・・
まだ幼い冴子の人生の中に、優しさを抱きしめながら新しい記憶を刻みこもうとする夏樹。
夏樹の記憶の中に刻まれている夏樹と生きていた自分の記憶を消そうとしている京子。
夏樹と京子、二人はいつから歩く人生の道が違っていたのだろうか?
「ほら、行くわよ!」
ひとり妄想の中で溺れかけている直美の瞳の中に優しい笑みで入り込んでくる夏樹である。
直美が夏樹と冴子に送られて帰ってきたその夜、愛奈は裕子といつものレストランに来ていた。
夕方遅くになるのだが、愛奈が夏樹に連絡をしてみた時の会話の内容が内容だったので
とにかく急いで裕子に話しておかなければと思い、裕子に連絡をしてみたのである。
「でも、愛奈ちゃん、いつも夏樹さんと連絡を取り合ってるの?」
「いえ、そんな普通に電話が出来るようなお相手ではないですよ!」
「あら?どうして?」
「またまたまた~裕子さんったら・・・」
「ん・・・?」
「裕子さん・・・?」
「な~に?」
「今から夏樹さんに連絡してみます?」
「夏樹さんに・・・?」
「はい!裕子さんの方から・・・」
「えっ・・・?私?えっ?いえ・・・それはちょっと、というか、別にっていうか・・・」
「へへへっ・・・。ほ~ら、裕子さんだって」
「ん、もう~。愛奈ちゃんったら・・・」
裕子はテーブルに運ばれてきたコーヒーに軽く唇で触れながら笑みを浮かべてみる。
「でも、どうして愛奈ちゃんまで?私っていうのなら分かるけど」
「夏樹さんに・・・ですか?」
「そう・・・」
「でも、ちょっと、今でも信じられないですね!」
「信じられないって?何が信じられないの?お母さん?それとも夏樹さん?」
「違いますよ・・・。今、私の目の前で美味しそうにコーヒーを飲んでいる美人さんですよ」
「美人さんだなんて~ふふっ。ってか、えっ・・・?私・・・?」
「はい・・・そうですよ!」
「そうですよって・・・私の何が信じられないの?」
「またまた~・・・」
「ん・・・?」
「夏樹さんですよ!な・つ・き・さん!」
「へっ・・・?」
「まさか、裕子さんが夏樹さんと・・・だったなんて・・・」
愛奈の突然の奇襲に驚く事もなく、優しい笑みを浮かべながら視線を宙に浮かべている。
まるで、視線だけを過去にタイムスリップでもしているように懐かしんでいる裕子である。
「冴ちゃん、おばあちゃんに伝えてきたから大丈夫よ!」
「はいです!」
「途中に動物園があるから寄ってみようね!」
「クマさんもいるですか?」
「おっきなクマさんはいないと思うけどツキノワグマさんはいるわよ」
夏樹と冴子の会話を聞いていると、直美はやはりどこか寂しく感じてしまうのである。
冴子と話をしている夏樹はとても優しく、そして、とても幸せそうに見えてしまうから
その姿に京子と幼かった頃の亜晃や省吾と過ごしたはずの夏樹の面影を探してしまう。
まだ夏樹と京子が夫婦だった頃が遠い昔に終わりを告げた出来事なのだと分かってはいても・・・
まだ幼い冴子の人生の中に、優しさを抱きしめながら新しい記憶を刻みこもうとする夏樹。
夏樹の記憶の中に刻まれている夏樹と生きていた自分の記憶を消そうとしている京子。
夏樹と京子、二人はいつから歩く人生の道が違っていたのだろうか?
「ほら、行くわよ!」
ひとり妄想の中で溺れかけている直美の瞳の中に優しい笑みで入り込んでくる夏樹である。
直美が夏樹と冴子に送られて帰ってきたその夜、愛奈は裕子といつものレストランに来ていた。
夕方遅くになるのだが、愛奈が夏樹に連絡をしてみた時の会話の内容が内容だったので
とにかく急いで裕子に話しておかなければと思い、裕子に連絡をしてみたのである。
「でも、愛奈ちゃん、いつも夏樹さんと連絡を取り合ってるの?」
「いえ、そんな普通に電話が出来るようなお相手ではないですよ!」
「あら?どうして?」
「またまたまた~裕子さんったら・・・」
「ん・・・?」
「裕子さん・・・?」
「な~に?」
「今から夏樹さんに連絡してみます?」
「夏樹さんに・・・?」
「はい!裕子さんの方から・・・」
「えっ・・・?私?えっ?いえ・・・それはちょっと、というか、別にっていうか・・・」
「へへへっ・・・。ほ~ら、裕子さんだって」
「ん、もう~。愛奈ちゃんったら・・・」
裕子はテーブルに運ばれてきたコーヒーに軽く唇で触れながら笑みを浮かべてみる。
「でも、どうして愛奈ちゃんまで?私っていうのなら分かるけど」
「夏樹さんに・・・ですか?」
「そう・・・」
「でも、ちょっと、今でも信じられないですね!」
「信じられないって?何が信じられないの?お母さん?それとも夏樹さん?」
「違いますよ・・・。今、私の目の前で美味しそうにコーヒーを飲んでいる美人さんですよ」
「美人さんだなんて~ふふっ。ってか、えっ・・・?私・・・?」
「はい・・・そうですよ!」
「そうですよって・・・私の何が信じられないの?」
「またまた~・・・」
「ん・・・?」
「夏樹さんですよ!な・つ・き・さん!」
「へっ・・・?」
「まさか、裕子さんが夏樹さんと・・・だったなんて・・・」
愛奈の突然の奇襲に驚く事もなく、優しい笑みを浮かべながら視線を宙に浮かべている。
まるで、視線だけを過去にタイムスリップでもしているように懐かしんでいる裕子である。
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