368 / 386
あなたの声が好き
あなたの声が好き・・・その7
しおりを挟む
「そして、あんたは、また、あたしに会いにここへ来るの・・・」
「それを京子が望んでいるのだから・・・なのですね?」
夏樹は直美の表情が変わっていくのを、素っ気なくも楽しみながら確認している。
「人の心模様や性格ってさ、ドラマの配役のように単純じゃないのよね。ドラマなんかだと、こういう性格でこういう感じの考え方をする人でって感じでストーリーを作っていくんだろうけど、現実は違うのよね。人の性格なんてころころ変わる。季節に応じても変わるし、季節に関係なくその日その日のお天気模様でも、朝起きた時の目覚めの気分でも、その人その人が感じる何かしらの環境に応じて適応するように、人の心なんていくらでも変わるものなの。」
「京子も、そうなんでしょうか?」
「どうして、そう思うの?」
「とりあえず京子とは、それなりに長いお付き合いの仲なので私なりに思うんですけど、私の中にある京子って、こういう性格みたいなひとつのモデルっていうかタイプっていうか、そんな感じに・・・」
「整理されている・・・?」
「あっ、はい。そんな感じなんですけど・・・それって違うんでしょうか?」
「間違っていないと思うわよ。それは固定されている性格。それとは別に固定されていない性格があるのよ。」
「固定されていない性格・・・?」・・・う~ん・・・新しい夏樹さん語録?
「猫が好き。犬が好き。これが固定されている性格ね。で、この猫可愛い。このわんちゃん可愛い。こっちは固定されていない性格になるわね」
わんちゃん?犬がわんちゃんになっちゃった・・・。もしかして、夏樹さん語録の五段活用?
「あの・・・固定されている場合は犬で、固定されていない場合はわんちゃんなのですか?」
「何、言ってるのよ?わんちゃん!わんわん!って言わない?」
「はい・・・?」・・・いえ、あの・・・普通は言わないと思うんですけど・・・はい。
「あら?やっぱり、あたしだけなのかしら?わんちゃん!わんわん!って言うのって」
「たぶん・・・はは・・・は。」
「やっぱり、あたしの表現の仕方ってちょっと変わってるのかもしれないわね?京子も、よく、そんな風に言っていたから。」
「京子も・・・?」
「そうなのよ。あたしの言葉が変わってるとか、面白いとかって」
「面白い・・・言葉?」
「例えばね、あれ?時計がトントンしなくなってきたけど電池さんがなくなってきたのかな?とかって。あっ、そん時はまだ男だから言葉も男だけど」
「時計がトントン・・・?」・・・なぜに時計がトントン・・・?
「あら?言わない・・・?」
「いや~・・・普通は言わないような・・・でも、気にシマウマさんだけではなかったんですね」
「あら?よく覚えていたわね?」
「へへっ、一度聞いたら忘れないですよ。あっ、でも、京子も覚えていたみたいですよ」
「それが、今の京子とあんたの違いなのね?・・・きっと・・・」
「えっ・・・?」
「あたしの言葉で遊んでいる今のあんた・・・そして、遠い想い出の中でしか遊べない京子」
「・・・確かに・・・」
「でもね、あんたがいれば大丈夫かもしれないわね?」
「へっ・・・?どうしてですか?」
「ふふっ・・・。それは、宿題にした方がいいかもよ。あんたなら、きっとその答えをすぐに見つけてくれると思うから。・・・ね!」
ね!って・・・あの・・・すみなせん・・・私、今、男性とお話していると思うんですけど・・・
あっ、間違った・・・。すみません。の方だったわん。・・・わん?・・・ん?
あれ?もしかして、夏樹さんの、わんちゃん!わんわん!って、ここから来てるのかも?
「それを京子が望んでいるのだから・・・なのですね?」
夏樹は直美の表情が変わっていくのを、素っ気なくも楽しみながら確認している。
「人の心模様や性格ってさ、ドラマの配役のように単純じゃないのよね。ドラマなんかだと、こういう性格でこういう感じの考え方をする人でって感じでストーリーを作っていくんだろうけど、現実は違うのよね。人の性格なんてころころ変わる。季節に応じても変わるし、季節に関係なくその日その日のお天気模様でも、朝起きた時の目覚めの気分でも、その人その人が感じる何かしらの環境に応じて適応するように、人の心なんていくらでも変わるものなの。」
「京子も、そうなんでしょうか?」
「どうして、そう思うの?」
「とりあえず京子とは、それなりに長いお付き合いの仲なので私なりに思うんですけど、私の中にある京子って、こういう性格みたいなひとつのモデルっていうかタイプっていうか、そんな感じに・・・」
「整理されている・・・?」
「あっ、はい。そんな感じなんですけど・・・それって違うんでしょうか?」
「間違っていないと思うわよ。それは固定されている性格。それとは別に固定されていない性格があるのよ。」
「固定されていない性格・・・?」・・・う~ん・・・新しい夏樹さん語録?
「猫が好き。犬が好き。これが固定されている性格ね。で、この猫可愛い。このわんちゃん可愛い。こっちは固定されていない性格になるわね」
わんちゃん?犬がわんちゃんになっちゃった・・・。もしかして、夏樹さん語録の五段活用?
「あの・・・固定されている場合は犬で、固定されていない場合はわんちゃんなのですか?」
「何、言ってるのよ?わんちゃん!わんわん!って言わない?」
「はい・・・?」・・・いえ、あの・・・普通は言わないと思うんですけど・・・はい。
「あら?やっぱり、あたしだけなのかしら?わんちゃん!わんわん!って言うのって」
「たぶん・・・はは・・・は。」
「やっぱり、あたしの表現の仕方ってちょっと変わってるのかもしれないわね?京子も、よく、そんな風に言っていたから。」
「京子も・・・?」
「そうなのよ。あたしの言葉が変わってるとか、面白いとかって」
「面白い・・・言葉?」
「例えばね、あれ?時計がトントンしなくなってきたけど電池さんがなくなってきたのかな?とかって。あっ、そん時はまだ男だから言葉も男だけど」
「時計がトントン・・・?」・・・なぜに時計がトントン・・・?
「あら?言わない・・・?」
「いや~・・・普通は言わないような・・・でも、気にシマウマさんだけではなかったんですね」
「あら?よく覚えていたわね?」
「へへっ、一度聞いたら忘れないですよ。あっ、でも、京子も覚えていたみたいですよ」
「それが、今の京子とあんたの違いなのね?・・・きっと・・・」
「えっ・・・?」
「あたしの言葉で遊んでいる今のあんた・・・そして、遠い想い出の中でしか遊べない京子」
「・・・確かに・・・」
「でもね、あんたがいれば大丈夫かもしれないわね?」
「へっ・・・?どうしてですか?」
「ふふっ・・・。それは、宿題にした方がいいかもよ。あんたなら、きっとその答えをすぐに見つけてくれると思うから。・・・ね!」
ね!って・・・あの・・・すみなせん・・・私、今、男性とお話していると思うんですけど・・・
あっ、間違った・・・。すみません。の方だったわん。・・・わん?・・・ん?
あれ?もしかして、夏樹さんの、わんちゃん!わんわん!って、ここから来てるのかも?
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説

【完結】貴方の後悔など、聞きたくありません。
なか
恋愛
学園に特待生として入学したリディアであったが、平民である彼女は貴族家の者には目障りだった。
追い出すようなイジメを受けていた彼女を救ってくれたのはグレアルフという伯爵家の青年。
優しく、明るいグレアルフは屈託のない笑顔でリディアと接する。
誰にも明かさずに会う内に恋仲となった二人であったが、
リディアは知ってしまう、グレアルフの本性を……。
全てを知り、死を考えた彼女であったが、
とある出会いにより自分の価値を知った時、再び立ち上がる事を選択する。
後悔の言葉など全て無視する決意と共に、生きていく。


白い結婚は無理でした(涙)
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。
明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。
白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。
小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。
現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。
どうぞよろしくお願いいたします。

セレナの居場所 ~下賜された側妃~
緑谷めい
恋愛
後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。


【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる