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伝わらない想い
伝わらない想い・・・その16
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「あやつが選んだ行為はね、少なくても一人の人間の人生を台無しにしていまうような行為なの」
「お父さん・・・?」
「そうよ・・・。だからね、決して許されるような行為じゃないの」
「でも、その事は、お父さんも薄々は分かっていたみたいです」
「うすうす・・・ちょっと、懐かしいわね」
すると、夏樹の、その言葉に裕子がクスッと笑った。
でも、愛奈には裕子の笑いが理解出来ないらしく、二人を交互に見ながら(?)の瞳である。
「自分が、誰かの代わりかもしれないって?」
「どうして分かるんですか?」
ところが、夏樹の言葉に、裕子は、また、クスッと笑ってしまう。
「ちょっと、裕子?」
「だって、何もなかったみたいに真面目に話すんですもの」
(?)(?)・・・愛奈の瞳に、またまた(?)が点灯したらしく、
キョトンとした顔で、夏樹の方を見つめている。
「あら?愛奈ちゃんって意外と奥手なのね?」
「えっ・・・?」
「愛奈ちゃんは、いくつになったの?」
「今年、20歳になりました」
「そう・・・。ほんと!あやつに似なくて良かったわ。もし、そこまであやつに似てたら、あたしとしては思いっきりショックだったかもね」
「・・・?どうして夏樹さんがショック?というか、いったい何のお話なんですか?」
「何、言ってるのよ。んなの、どこの父親だって最上級の落ち込みの嵐に見舞われちゃうわよ!」
「えっ・・・?」
「あはは・・・!まあ、それはあとで裕子に訊いてみるといいわ」
「はあ・・・」
「ほら?あの子が、みかんちゃん」
そう言うと、夏樹は、窓のところの台の上に、外を見ているようにウサギのぬいぐるみと並んで座っている白いクマのぬいぐるみを見ながら愛奈に教えた。
「えっ・・・?」
さっきもそうだったのだが、何度も同じような事が起きるので、愛奈は真面目に驚いていた。
「いつもの事だから、そんなに真面目に驚かなくてもいいわよ」
「でも・・・だって、今さっきまでピョンちゃんは夏樹さんの腕に」
「あそこの白いクマがみかんちゃん。さっきのクマの妹なのよ」
「妹・・・ですか?」
「まあね、最初の頃のピョンちゃんは、なかなか心を開かなくてね」
「はあ・・・」
「みかんちゃんってね、とっても優しい子でね、気がつくと、いつもピョンちゃんに寄り添ってるの。きっと、ピョンちゃんが寂しくならないように。なのかもしれないわね」
「そう・・・なの・・・ですか?」
「でもね、最初に、そんなピョンちゃんの心を開いたのが、さっきのクマなのよ・・・意外でしょ?」
「さっきのって、お庭にいる?」
「そうなのよ!あのクマって、おバカなんだけど、そういう不思議なところがあるのよね」
「はあ・・・」
知らない人が聞いたら、どこか頭がおかしいのでは?と思うような事を、
当たり前のように話す夏樹を、愛奈が、普通に受け入れている。
といえば、それは、正直言って無理があるのは明白なのでもあるのだが・・・。
それでも、優しい表情で、ぬいぐるみの様子を話す夏樹の言葉を聞いているうちに、
もし夏樹が言ってるように、本当に、ここのぬいぐるみたちが動いているのなら、
どんなに素敵な世界なのだろう・・・そんな風に愛奈は思っていた。
「愛奈ちゃん、この先、きっと、いつか愛奈ちゃんがあやつを恨む時が来ると思うの。その時は、あやつではなくあたしを恨むのよ・・・忘れないでね!」
「お父さん・・・?」
「そうよ・・・。だからね、決して許されるような行為じゃないの」
「でも、その事は、お父さんも薄々は分かっていたみたいです」
「うすうす・・・ちょっと、懐かしいわね」
すると、夏樹の、その言葉に裕子がクスッと笑った。
でも、愛奈には裕子の笑いが理解出来ないらしく、二人を交互に見ながら(?)の瞳である。
「自分が、誰かの代わりかもしれないって?」
「どうして分かるんですか?」
ところが、夏樹の言葉に、裕子は、また、クスッと笑ってしまう。
「ちょっと、裕子?」
「だって、何もなかったみたいに真面目に話すんですもの」
(?)(?)・・・愛奈の瞳に、またまた(?)が点灯したらしく、
キョトンとした顔で、夏樹の方を見つめている。
「あら?愛奈ちゃんって意外と奥手なのね?」
「えっ・・・?」
「愛奈ちゃんは、いくつになったの?」
「今年、20歳になりました」
「そう・・・。ほんと!あやつに似なくて良かったわ。もし、そこまであやつに似てたら、あたしとしては思いっきりショックだったかもね」
「・・・?どうして夏樹さんがショック?というか、いったい何のお話なんですか?」
「何、言ってるのよ。んなの、どこの父親だって最上級の落ち込みの嵐に見舞われちゃうわよ!」
「えっ・・・?」
「あはは・・・!まあ、それはあとで裕子に訊いてみるといいわ」
「はあ・・・」
「ほら?あの子が、みかんちゃん」
そう言うと、夏樹は、窓のところの台の上に、外を見ているようにウサギのぬいぐるみと並んで座っている白いクマのぬいぐるみを見ながら愛奈に教えた。
「えっ・・・?」
さっきもそうだったのだが、何度も同じような事が起きるので、愛奈は真面目に驚いていた。
「いつもの事だから、そんなに真面目に驚かなくてもいいわよ」
「でも・・・だって、今さっきまでピョンちゃんは夏樹さんの腕に」
「あそこの白いクマがみかんちゃん。さっきのクマの妹なのよ」
「妹・・・ですか?」
「まあね、最初の頃のピョンちゃんは、なかなか心を開かなくてね」
「はあ・・・」
「みかんちゃんってね、とっても優しい子でね、気がつくと、いつもピョンちゃんに寄り添ってるの。きっと、ピョンちゃんが寂しくならないように。なのかもしれないわね」
「そう・・・なの・・・ですか?」
「でもね、最初に、そんなピョンちゃんの心を開いたのが、さっきのクマなのよ・・・意外でしょ?」
「さっきのって、お庭にいる?」
「そうなのよ!あのクマって、おバカなんだけど、そういう不思議なところがあるのよね」
「はあ・・・」
知らない人が聞いたら、どこか頭がおかしいのでは?と思うような事を、
当たり前のように話す夏樹を、愛奈が、普通に受け入れている。
といえば、それは、正直言って無理があるのは明白なのでもあるのだが・・・。
それでも、優しい表情で、ぬいぐるみの様子を話す夏樹の言葉を聞いているうちに、
もし夏樹が言ってるように、本当に、ここのぬいぐるみたちが動いているのなら、
どんなに素敵な世界なのだろう・・・そんな風に愛奈は思っていた。
「愛奈ちゃん、この先、きっと、いつか愛奈ちゃんがあやつを恨む時が来ると思うの。その時は、あやつではなくあたしを恨むのよ・・・忘れないでね!」
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