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伝わらない想い
伝わらない想い・・・その4
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直美が、あの人の事で、こんなに食い下がるなんて・・・。
いつもと違う直美の言い方に、京子は少し戸惑っていた。
「そう、私は、教えてもらってないの・・・。私のための、夏樹さんの連絡先は・・・」
「直美のための・・・?それって、どういう事なの?」
「本当はね、夏樹さんの引っ越し先も知ってるし、携帯の番号も教えてもらったの」
「でも・・・さっき、教えてもらってないって」
「そうよ。だって、それは私のために・・・じゃないんだもの。だから、私は知らないのと一緒なの」
「それじゃ、いったい誰のために教えてもらったのよ?」
「それを、私に、訊くの?」
「そんな事を言ったって、私だって、分からないわよ」
直美が窓の方へ視線を移してみると、小さな雪が、慣れない風に乗って小遊びをしていた。
「あっ・・・雪・・・」
直美の言葉に、京子も、窓の外に視線を移してみた。
それから、さっきの続きを話そうと戻した京子の視線の先には、
頬杖をつきながら、窓の外で小遊びをしている雪を、優しい瞳で眺めている直美が映っていた。
頬杖をついている直美なんて初めて見るけど、やっぱり、あの人と何かあったんじゃないかしら?
「直美?あの人と何かあったの?」
「愛し方って、人、それぞれ違うのよね。京子には京子の愛し方があるんだから、私が、どうのこうの言うのは違うのかもしれないけど」
「やっぱり、何かあったのね」
「何もないわよ・・・何も・・・」
「それじゃ、いったい、どうしたっていうの?今日の直美は、いつもの直美らしくないわよ?」
「京子はさ、愛し方に何を見ていたの?幸せな家庭を見ていたの?」
「それは・・・結婚したんだから、普通はそうなんじゃないの?」
「その幸せな家庭は、誰のための幸せな家庭なの?」
「誰のって、家族のためでしょ?」
「そうかな~・・・それって、京子のためだけの、幸せな家庭なんじゃないの?」
「何、言ってるのよ、そんなわけないでしょ?」
「それじゃさ、夏樹さんにとっての幸せって、何なのかな?」
「何なのって、そんなの、あの人に訊かなきゃ分かるわけないでしょ」
「夏樹さんに訊かないと分からないのに、どうして、幸せな家庭が、夏樹さんのための幸せになるの?」
「だから、それは・・・」
「京子はさ、京子のための幸せである、京子が望む幸せな未来を手に入れたくて、夏樹さんを利用していたんじゃないのかな?」
「あの人が、そう言ってたの?」
「夏樹さんは何も言ってないわ、私が、そう思っただけなの」
「直美が、そんな風に私を見ていたなんて、なんか、ちょっとショックだわ」
「思っていたんじゃなくて、最近になって、そう思えてきただけ」
「そんなの、どっちでも同じでしょ?」
「京子はさ、夏樹さんの事が心配にならないの?」
「心配って、何の心配よ?」
「だからさ、ちゃんとご飯食べているのかな?とか、お料理とかちゃんと作れているのかな?燃えるゴミと燃えないゴミをちゃんと分けれるてるのかな?お腹とか痛くなったりしていないかな?とかってさ」
「そんなの、離婚したんだから私が心配するような・・・」
「ね・・・分かったでしょ?でも、それが京子の愛し方なの?省吾君ね、すぐに分かったみたいなの。私ね、省吾君に、お父さんの引っ越し先とか連絡先を教えてもらってるから、何か、お父さんに伝えたい事とかある?って、訊いてみたの。そしたら、すぐには思いつかないって言ってたけど。でもね、夏樹さんが、どうして、私に、自分の連絡先とかを教えたのか、省吾君には、その意味がすぐに分かったみたい」
「省吾が・・・」
「でも、京子には分からない・・・どうして?」
「そんなの、急に訊かれたって・・・」
「京子は、夏樹さんとの家庭に幸せを求めていた。でも、夏樹さんは、京子だけを見つめ続けていた・・・。きっと、今も、そして、これからもずっと・・・ただし、(だけ)は、なくなると思うけど」
「そんな事を言ったら、雪子さんはどうなるの?雪子さんの気持ちはどうなるの?」
「きっと、雪子さんは、そんな夏樹さんが好きなんじゃないかな?」
「そんなわけないでしょ?」
「私も、好きよ。そんな夏樹さんが好き・・・」
いつもと違う直美の言い方に、京子は少し戸惑っていた。
「そう、私は、教えてもらってないの・・・。私のための、夏樹さんの連絡先は・・・」
「直美のための・・・?それって、どういう事なの?」
「本当はね、夏樹さんの引っ越し先も知ってるし、携帯の番号も教えてもらったの」
「でも・・・さっき、教えてもらってないって」
「そうよ。だって、それは私のために・・・じゃないんだもの。だから、私は知らないのと一緒なの」
「それじゃ、いったい誰のために教えてもらったのよ?」
「それを、私に、訊くの?」
「そんな事を言ったって、私だって、分からないわよ」
直美が窓の方へ視線を移してみると、小さな雪が、慣れない風に乗って小遊びをしていた。
「あっ・・・雪・・・」
直美の言葉に、京子も、窓の外に視線を移してみた。
それから、さっきの続きを話そうと戻した京子の視線の先には、
頬杖をつきながら、窓の外で小遊びをしている雪を、優しい瞳で眺めている直美が映っていた。
頬杖をついている直美なんて初めて見るけど、やっぱり、あの人と何かあったんじゃないかしら?
「直美?あの人と何かあったの?」
「愛し方って、人、それぞれ違うのよね。京子には京子の愛し方があるんだから、私が、どうのこうの言うのは違うのかもしれないけど」
「やっぱり、何かあったのね」
「何もないわよ・・・何も・・・」
「それじゃ、いったい、どうしたっていうの?今日の直美は、いつもの直美らしくないわよ?」
「京子はさ、愛し方に何を見ていたの?幸せな家庭を見ていたの?」
「それは・・・結婚したんだから、普通はそうなんじゃないの?」
「その幸せな家庭は、誰のための幸せな家庭なの?」
「誰のって、家族のためでしょ?」
「そうかな~・・・それって、京子のためだけの、幸せな家庭なんじゃないの?」
「何、言ってるのよ、そんなわけないでしょ?」
「それじゃさ、夏樹さんにとっての幸せって、何なのかな?」
「何なのって、そんなの、あの人に訊かなきゃ分かるわけないでしょ」
「夏樹さんに訊かないと分からないのに、どうして、幸せな家庭が、夏樹さんのための幸せになるの?」
「だから、それは・・・」
「京子はさ、京子のための幸せである、京子が望む幸せな未来を手に入れたくて、夏樹さんを利用していたんじゃないのかな?」
「あの人が、そう言ってたの?」
「夏樹さんは何も言ってないわ、私が、そう思っただけなの」
「直美が、そんな風に私を見ていたなんて、なんか、ちょっとショックだわ」
「思っていたんじゃなくて、最近になって、そう思えてきただけ」
「そんなの、どっちでも同じでしょ?」
「京子はさ、夏樹さんの事が心配にならないの?」
「心配って、何の心配よ?」
「だからさ、ちゃんとご飯食べているのかな?とか、お料理とかちゃんと作れているのかな?燃えるゴミと燃えないゴミをちゃんと分けれるてるのかな?お腹とか痛くなったりしていないかな?とかってさ」
「そんなの、離婚したんだから私が心配するような・・・」
「ね・・・分かったでしょ?でも、それが京子の愛し方なの?省吾君ね、すぐに分かったみたいなの。私ね、省吾君に、お父さんの引っ越し先とか連絡先を教えてもらってるから、何か、お父さんに伝えたい事とかある?って、訊いてみたの。そしたら、すぐには思いつかないって言ってたけど。でもね、夏樹さんが、どうして、私に、自分の連絡先とかを教えたのか、省吾君には、その意味がすぐに分かったみたい」
「省吾が・・・」
「でも、京子には分からない・・・どうして?」
「そんなの、急に訊かれたって・・・」
「京子は、夏樹さんとの家庭に幸せを求めていた。でも、夏樹さんは、京子だけを見つめ続けていた・・・。きっと、今も、そして、これからもずっと・・・ただし、(だけ)は、なくなると思うけど」
「そんな事を言ったら、雪子さんはどうなるの?雪子さんの気持ちはどうなるの?」
「きっと、雪子さんは、そんな夏樹さんが好きなんじゃないかな?」
「そんなわけないでしょ?」
「私も、好きよ。そんな夏樹さんが好き・・・」
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