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伝わらない想い
伝わらない想い・・・その2
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愛され過ぎていた・・・?
誰が・・?私が・・?誰に・・・?あの人に?
「ねえ、直美、それって、どういう意味よ?」
「どういうって、読んで字の如く、聞いて、言葉の如くよ」
「だから、どういう意味で言ってるのよ?」
「私なんかからしたら、羨まし過ぎる人生なんだけどな~」
「どこがよ?」
「な~んだ、京子も、分かっていたんじゃないの」
「そうじゃないわよ。それに、愛され過ぎていたなんて、冗談にもならないわ!」
「だから、愛され過ぎていたって言ってるの・・・。京子、自分で分からない?」
「分からないから、訊いているんでしょ?」
「だから、さっきから言ってるでしょ?京子は、夏樹さんに愛され過ぎていたって」
「それは、絶対にないわ!」
「それじゃ、言葉を変えてみるわね?京子は、過保護にされ過ぎていた。これなら、分かるでしょ?」
「何よ、それ?」
「夏樹さんは、家族のためにお金を作り、家族のためにお金を使い、家族のために借金に手を染めた」
「借金は別としても、旦那が家族のためにお金を作ったり使ったりって当たり前のことでしょ?家族を養うのが旦那の務めなんだから」
「それで、京子は、どうしたの?」
「どうって、別に、普通に家庭を切り盛りしていたわよ」
「違うでしょ?卵を産まなくなったニワトリみたいに、いらなくなった不要物みたいに、お金を生まなくなった夏樹さんを捨てた・・・違う?」
「ちょっと、直美、いくら直美でも、言っていい事と悪い事があるわよ!」
「京子のお父さんは知っていたのね・・・きっと」
「父が?父が、何を知っていたっていうの?」
「夏樹さんが、家庭を誰よりも大切に守ろうとしていた。たとへ、借金に手を染めようとも、それが、その先にどんな未来が待ち受けているのか、知っていたとしても」
「何、それ?」
「借金をする事を言わなかったんじゃない、言えなかっただけ」
「何、それじゃ、直美も、私が悪いって言いたいの?」
「離婚した夏樹さんは、色んな人たちに、こう言われ続けていた。結婚する相手を間違えたからだって・・・。それでも、夏樹さんは、ただの一言も、京子の悪口を言わなかった。それなのに、京子はどうだったの?」
「それは・・・」
「夏樹さんは、私と話をしている時も、一度だって、京子の悪口を言った事がないのよ。これって、京子にとっては当たり前の事なの?夏樹さんが、京子の悪口を言わないのは当たり前で、当然であり、夏樹さんには、京子の悪口を言う資格もない・・・そういう事なの?」
「誰も、そんな事は言ってないでしょ?」
「夏樹さんに甘やかされて育てられた子供・・・それが、京子なの・・・。そんな事、私に言われる筋合いはないって言いたい?それとも、私に厳しい事を言われて、涙の一つも、こぼしたくなった?」
「別に・・・」
「別に?何?今度は、ふてくされたくなった?」
「さっきから一方的に、いったい、何なの?」
「ちょっと、厳しい事を言っちゃった・・・。っていうか、言い過ぎちゃったけど、京子なら分かると思うの。今は、私の言葉にカチンときちゃってて分からなくても、時間が経てば、きっと分かるはず、夏樹さんに愛されていた京子なのだから・・・」
さっきまでの、有無も言わせないような言葉の強さではなく
優しく語り掛けるように、妬ましくも、羨ましくもあるような、力なく言葉を口にする直美。
それまでは、何とか、言い返す言葉を探していた京子だったが・・・。
「京子、夏樹さんに、さよならを言えないんでしょ?」
「それは・・・」
「でも、それは、それでいいのかもしれない。きっと、私が、京子の立場だったら、きっと、言えないと思うし」
「ねえ?直美。どうしたの急に?さっきまでもそうだけど、今日の直美は、ちょっと変よ?」
「そうかな?」
「そうよ。いつもの直美の言葉とも思えないような話を急に話し始めるし、また、あの人に会ったの?」
「会えるわけないよ。だって、どこに引っ越したのか分からないし、携帯の番号も変えちゃったみたいだし」
「直美、教えてもらってないの?」
「そ、教えてもらってないの」
直美は、寂しそうに呟きながら、二杯目のミルクティーに口をつけた。
誰が・・?私が・・?誰に・・・?あの人に?
「ねえ、直美、それって、どういう意味よ?」
「どういうって、読んで字の如く、聞いて、言葉の如くよ」
「だから、どういう意味で言ってるのよ?」
「私なんかからしたら、羨まし過ぎる人生なんだけどな~」
「どこがよ?」
「な~んだ、京子も、分かっていたんじゃないの」
「そうじゃないわよ。それに、愛され過ぎていたなんて、冗談にもならないわ!」
「だから、愛され過ぎていたって言ってるの・・・。京子、自分で分からない?」
「分からないから、訊いているんでしょ?」
「だから、さっきから言ってるでしょ?京子は、夏樹さんに愛され過ぎていたって」
「それは、絶対にないわ!」
「それじゃ、言葉を変えてみるわね?京子は、過保護にされ過ぎていた。これなら、分かるでしょ?」
「何よ、それ?」
「夏樹さんは、家族のためにお金を作り、家族のためにお金を使い、家族のために借金に手を染めた」
「借金は別としても、旦那が家族のためにお金を作ったり使ったりって当たり前のことでしょ?家族を養うのが旦那の務めなんだから」
「それで、京子は、どうしたの?」
「どうって、別に、普通に家庭を切り盛りしていたわよ」
「違うでしょ?卵を産まなくなったニワトリみたいに、いらなくなった不要物みたいに、お金を生まなくなった夏樹さんを捨てた・・・違う?」
「ちょっと、直美、いくら直美でも、言っていい事と悪い事があるわよ!」
「京子のお父さんは知っていたのね・・・きっと」
「父が?父が、何を知っていたっていうの?」
「夏樹さんが、家庭を誰よりも大切に守ろうとしていた。たとへ、借金に手を染めようとも、それが、その先にどんな未来が待ち受けているのか、知っていたとしても」
「何、それ?」
「借金をする事を言わなかったんじゃない、言えなかっただけ」
「何、それじゃ、直美も、私が悪いって言いたいの?」
「離婚した夏樹さんは、色んな人たちに、こう言われ続けていた。結婚する相手を間違えたからだって・・・。それでも、夏樹さんは、ただの一言も、京子の悪口を言わなかった。それなのに、京子はどうだったの?」
「それは・・・」
「夏樹さんは、私と話をしている時も、一度だって、京子の悪口を言った事がないのよ。これって、京子にとっては当たり前の事なの?夏樹さんが、京子の悪口を言わないのは当たり前で、当然であり、夏樹さんには、京子の悪口を言う資格もない・・・そういう事なの?」
「誰も、そんな事は言ってないでしょ?」
「夏樹さんに甘やかされて育てられた子供・・・それが、京子なの・・・。そんな事、私に言われる筋合いはないって言いたい?それとも、私に厳しい事を言われて、涙の一つも、こぼしたくなった?」
「別に・・・」
「別に?何?今度は、ふてくされたくなった?」
「さっきから一方的に、いったい、何なの?」
「ちょっと、厳しい事を言っちゃった・・・。っていうか、言い過ぎちゃったけど、京子なら分かると思うの。今は、私の言葉にカチンときちゃってて分からなくても、時間が経てば、きっと分かるはず、夏樹さんに愛されていた京子なのだから・・・」
さっきまでの、有無も言わせないような言葉の強さではなく
優しく語り掛けるように、妬ましくも、羨ましくもあるような、力なく言葉を口にする直美。
それまでは、何とか、言い返す言葉を探していた京子だったが・・・。
「京子、夏樹さんに、さよならを言えないんでしょ?」
「それは・・・」
「でも、それは、それでいいのかもしれない。きっと、私が、京子の立場だったら、きっと、言えないと思うし」
「ねえ?直美。どうしたの急に?さっきまでもそうだけど、今日の直美は、ちょっと変よ?」
「そうかな?」
「そうよ。いつもの直美の言葉とも思えないような話を急に話し始めるし、また、あの人に会ったの?」
「会えるわけないよ。だって、どこに引っ越したのか分からないし、携帯の番号も変えちゃったみたいだし」
「直美、教えてもらってないの?」
「そ、教えてもらってないの」
直美は、寂しそうに呟きながら、二杯目のミルクティーに口をつけた。
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