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繋がる刹那
繋がる刹那・・・その13
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「ふふっ・・・でも、愛奈ちゃんは、どうして夏樹さんにこだわるの?」
「えっ?別に、こだわってないですよ」
「もしかして、好きになっちゃったの?まだ、会ってもいないのに・・・ふふっ」
「違いますよ、そんなんじゃないですってば!」
でも、やっぱり不思議よね。というよりも、何かおかしいのよ。
母親の相手が誰であれ、突然、いなくなったのよ?
しかも、誰にも何も言わないで、離婚届を残したまま家を出て行ったわけじゃない?
普通なら、もっと違うんじゃないのかしら・・・。
「ねえ、愛奈ちゃん?本当のところ、お父さんのことをどう思ってるの?」
「どうしたんですか、急に?」
「いえ、ちょっとね。確かに、愛奈ちゃんが、お母さんのことを想う気持ちは分かるし、私としても、安心したっていうか、そんな風に、お母さんのことを想ってくれている愛奈ちゃんの気持ちは、正直、嬉しいとは思うんだけど、でもね・・・」
「やっぱり、おかしいですか?」
「ええ、まあ・・・普通に考えたら、ちょっとね」
「ですよね・・・」
「まあね、見方を変えたら、お母さんが、やっと、お父さんと離れる事が出来てよかったって感じにも見えるのよね。それで、愛奈ちゃんは、お父さんのことをどう思ってるのかなって?ちょっと思ったの」
「う~ん・・・お父さんより、お母さんの方がずっとずっと好き!・・・では、ダメですか?」
「愛奈ちゃんって、本当にお母さんに似てるわね」
「えっ?どうしてですか?」
「雪子もね、滅多に人の悪口は言わない性格なのよ・・・。意識の中ではだけど」
「意識の中では・・・?」
「大丈夫よ、気にしなくても。そんなところも似てるから」
「???」
「そろそろね・・・。そこを曲がった住宅街の一番奥の家だから」
「そうなんですか?」
「あら?愛奈ちゃんは来た事がないの?」
「はい。小さい頃は知らないけど、私の記憶では一度も」
「そうだったの・・・。あっ、ついでに、私の実家は雪子の家から東に3軒目なのよ」
「それじゃ、ホントのホントのご近所だったんですね」
「まあね・・・」
「でも、もし、お父さんが、何か余計な事でも言ってたら」
「ふふっ・・・その事なら、心配いらないわ」
「でも、あのお父さんの事だから、ある事、ない事、言ってるような気がするんです」
「ある事、ない事?・・・なるほどね。でも、大丈夫よ。愛奈ちゃんのお父さんが、雪子の事で何を言っても、たとえ、雪子が不利になるような事を言ったとしても、雪子のご両親は、それで雪子を責めたりしないわ」
「どうしてですか?だって、自分の娘が、ある日、突然、離婚届を残していなくなってしまったんですよ?」
「まあ、少しは、驚くかもしれないわね」
「あっ、それよりお母さん、実家の方に連絡とかしてないのかな?」
「ないわね・・・。連絡する事もしないだろうし。ましてや、実家にお顔を出すような事は絶対にありえないわね」
「あの・・・裕子さん、今、とんでもない事を、さらっと言ったような・・・」
「あら、そうお?」
そういうところって、変に大人びているのよね、雪子って。
子供でもあるまいし、50歳を回ったような、いい歳した大人が、
いちいち離婚したの何のって、実家に泣き入れたり頼ったりなんて・・・って。
雪子なら、きっと、そう考えると思うし、そういう性格だし。
違うわ・・・いえ、違わないけど、違うんだわ。
私ったら、どうして、今まで、気がつかなかったのかしら?
雪子が、今まで、ずっと、あの家庭で良き妻として暮らしていたのは、帰る場所がなかったから?
そうよ・・・?そうなんだわ!
雪子には、帰る場所がなかったんだわ・・・。私ったら、なんて馬鹿なのかしら。
たとえ、お盆とお正月にお顔を出していたとしも・・・出してないけど。
でも、それと、実家に帰る事や、泣きを入れる事とは違うのよね。
雪子の場合、特に、それは言えるし・・・だから・・・
だから、なのね。前に、愛奈ちゃんが言ってたのって。
同じ家に一緒に住んでいるのに、雪子が暮らしている形跡がないって。
雪子・・・あなた、やっぱり・・・あの日から・・・。
「えっ?別に、こだわってないですよ」
「もしかして、好きになっちゃったの?まだ、会ってもいないのに・・・ふふっ」
「違いますよ、そんなんじゃないですってば!」
でも、やっぱり不思議よね。というよりも、何かおかしいのよ。
母親の相手が誰であれ、突然、いなくなったのよ?
しかも、誰にも何も言わないで、離婚届を残したまま家を出て行ったわけじゃない?
普通なら、もっと違うんじゃないのかしら・・・。
「ねえ、愛奈ちゃん?本当のところ、お父さんのことをどう思ってるの?」
「どうしたんですか、急に?」
「いえ、ちょっとね。確かに、愛奈ちゃんが、お母さんのことを想う気持ちは分かるし、私としても、安心したっていうか、そんな風に、お母さんのことを想ってくれている愛奈ちゃんの気持ちは、正直、嬉しいとは思うんだけど、でもね・・・」
「やっぱり、おかしいですか?」
「ええ、まあ・・・普通に考えたら、ちょっとね」
「ですよね・・・」
「まあね、見方を変えたら、お母さんが、やっと、お父さんと離れる事が出来てよかったって感じにも見えるのよね。それで、愛奈ちゃんは、お父さんのことをどう思ってるのかなって?ちょっと思ったの」
「う~ん・・・お父さんより、お母さんの方がずっとずっと好き!・・・では、ダメですか?」
「愛奈ちゃんって、本当にお母さんに似てるわね」
「えっ?どうしてですか?」
「雪子もね、滅多に人の悪口は言わない性格なのよ・・・。意識の中ではだけど」
「意識の中では・・・?」
「大丈夫よ、気にしなくても。そんなところも似てるから」
「???」
「そろそろね・・・。そこを曲がった住宅街の一番奥の家だから」
「そうなんですか?」
「あら?愛奈ちゃんは来た事がないの?」
「はい。小さい頃は知らないけど、私の記憶では一度も」
「そうだったの・・・。あっ、ついでに、私の実家は雪子の家から東に3軒目なのよ」
「それじゃ、ホントのホントのご近所だったんですね」
「まあね・・・」
「でも、もし、お父さんが、何か余計な事でも言ってたら」
「ふふっ・・・その事なら、心配いらないわ」
「でも、あのお父さんの事だから、ある事、ない事、言ってるような気がするんです」
「ある事、ない事?・・・なるほどね。でも、大丈夫よ。愛奈ちゃんのお父さんが、雪子の事で何を言っても、たとえ、雪子が不利になるような事を言ったとしても、雪子のご両親は、それで雪子を責めたりしないわ」
「どうしてですか?だって、自分の娘が、ある日、突然、離婚届を残していなくなってしまったんですよ?」
「まあ、少しは、驚くかもしれないわね」
「あっ、それよりお母さん、実家の方に連絡とかしてないのかな?」
「ないわね・・・。連絡する事もしないだろうし。ましてや、実家にお顔を出すような事は絶対にありえないわね」
「あの・・・裕子さん、今、とんでもない事を、さらっと言ったような・・・」
「あら、そうお?」
そういうところって、変に大人びているのよね、雪子って。
子供でもあるまいし、50歳を回ったような、いい歳した大人が、
いちいち離婚したの何のって、実家に泣き入れたり頼ったりなんて・・・って。
雪子なら、きっと、そう考えると思うし、そういう性格だし。
違うわ・・・いえ、違わないけど、違うんだわ。
私ったら、どうして、今まで、気がつかなかったのかしら?
雪子が、今まで、ずっと、あの家庭で良き妻として暮らしていたのは、帰る場所がなかったから?
そうよ・・・?そうなんだわ!
雪子には、帰る場所がなかったんだわ・・・。私ったら、なんて馬鹿なのかしら。
たとえ、お盆とお正月にお顔を出していたとしも・・・出してないけど。
でも、それと、実家に帰る事や、泣きを入れる事とは違うのよね。
雪子の場合、特に、それは言えるし・・・だから・・・
だから、なのね。前に、愛奈ちゃんが言ってたのって。
同じ家に一緒に住んでいるのに、雪子が暮らしている形跡がないって。
雪子・・・あなた、やっぱり・・・あの日から・・・。
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