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繋がる刹那
繋がる刹那・・・その8
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「まあ、後でゆっくり考えてみるといいわ!」
「はあ・・・」
「それからね、余計な事を言わないという性格は、人として成長しないわよ」
「えっ・・・?」
「省吾君は、お母さんに似たみたいだから言うんだけどさ。余計な事を言わなければ、言い換えれば、無口はボロが出ないって言う事になるんだろうけど。それと同時に言葉で失敗をしないから、言葉の失敗から学ぶ事もないってなるのよね。それってさ、伝えるべき時に、伝えなければならない時に、その伝えるべき言葉を、そして伝える術も学ばないまま成長しちゃうから、残るのは後悔だけ・・・」
ん・・・?
なんか、私って、少し夏樹さんが入っちゃってるかも!
「ねえ?省吾君。お父さんに会ってみる?」
「えっ・・・?」
「ん、会う気がないみたいね?」
「それは・・・」
「それとも、会う必要がない・・・かしら?まあ、どっちでもいいけど」
「別に、そういうわけじゃ・・・」
「まあ、いいわ。それじゃ、最初にも訊いたけど、省吾君は、お父さんに何か伝えたい事はある?ない?」
「それって、急に訊かれても・・・」
「いつも、自分が損をしない言葉ばっかり選んで話そうとするからそうなるのよ。な~んてね!省吾君からしたら、こんな私って、うるさい、ばばぁだなって思ってるんでしょ?」
「いえ、そんな事は、別に・・・」
「いいわよ、無理しなくても。私も、今日の私って、うるさい、ばばぁだなって!自分でも思ってるんだから」
「あの・・・」
「な~に?」
「直美さんは、父さんの引っ越し先とかって知ってるんですか?」
「どうして・・・?」
「さっき、父さんに伝えたい事があればって言ってたから、もしかして、父さんの引っ越し先とか連絡先とか知ってるのかなって?」
「そうね・・・省吾君としては、私は、何て答えたらいいと思う?」
「何てって、訊かれても・・・」
「まあ、どっちみち、京子には教えるんだろうから言わないわ!」
「母さんに教えるって、どうして、それを?」
「京子からの電話ってそういう事でしょ?私と、どんな話をしたかとか、何を訊かれたかとかって、教えて欲しいって・・・違う?」
「どうして、分かるんですか?」
あれ?・・・あれれ?
これって・・・やっぱ、今日の私って夏樹さんが入ってるみたいなんだわ。
「何、言ってるのよ。京子とは長い付き合いなのよ。それくらい、すぐに察しが付くわよ!」
「はあ・・・でも、母さんには、何も言わないつもりです」
「あら?どうして?」
「下手な事を言うと、後が怖いので」
「たとえ、それが真実でも・・・でしょ?」
「ええ・・まあ、というか、本当の事なんて話したら何言われるかわかんないし」
「自分の前では正直でいて欲しいと望んでいても、どこかで噓をついている言葉を求めている・・・。やっぱり、そうなのね」
「あの・・・それって?」
「ああ、今の言葉ね。いつだったか、夏樹さんが言ってたの」
う~ん・・・ちょっと前にとは、さすがに言えないもんね。
「父さんが言ってたって、直美さんは、父さんと会ってるんですか?」
「ん?気になる?」
「いえ、そういうわけじゃないけど」
「まあ、いいわ。それよりも、ちゃんと伝えるべき言葉は、ちゃんと伝える事が出来るような人になりなさい!っていうか、今日の私って、ちょっと偉そうよね?う~ん、いつもは、違うんだけどな~」
「今日の直美さんって、どこか父さんに似ているような気がします」
「私が?夏樹さんに?」
「はい、だから、何となく、父さんと話しているみたいです」
省吾にそう言われて悪い気がしない。
と、いうよりも、どこか嬉しくなってしまう直美であった。
「はあ・・・」
「それからね、余計な事を言わないという性格は、人として成長しないわよ」
「えっ・・・?」
「省吾君は、お母さんに似たみたいだから言うんだけどさ。余計な事を言わなければ、言い換えれば、無口はボロが出ないって言う事になるんだろうけど。それと同時に言葉で失敗をしないから、言葉の失敗から学ぶ事もないってなるのよね。それってさ、伝えるべき時に、伝えなければならない時に、その伝えるべき言葉を、そして伝える術も学ばないまま成長しちゃうから、残るのは後悔だけ・・・」
ん・・・?
なんか、私って、少し夏樹さんが入っちゃってるかも!
「ねえ?省吾君。お父さんに会ってみる?」
「えっ・・・?」
「ん、会う気がないみたいね?」
「それは・・・」
「それとも、会う必要がない・・・かしら?まあ、どっちでもいいけど」
「別に、そういうわけじゃ・・・」
「まあ、いいわ。それじゃ、最初にも訊いたけど、省吾君は、お父さんに何か伝えたい事はある?ない?」
「それって、急に訊かれても・・・」
「いつも、自分が損をしない言葉ばっかり選んで話そうとするからそうなるのよ。な~んてね!省吾君からしたら、こんな私って、うるさい、ばばぁだなって思ってるんでしょ?」
「いえ、そんな事は、別に・・・」
「いいわよ、無理しなくても。私も、今日の私って、うるさい、ばばぁだなって!自分でも思ってるんだから」
「あの・・・」
「な~に?」
「直美さんは、父さんの引っ越し先とかって知ってるんですか?」
「どうして・・・?」
「さっき、父さんに伝えたい事があればって言ってたから、もしかして、父さんの引っ越し先とか連絡先とか知ってるのかなって?」
「そうね・・・省吾君としては、私は、何て答えたらいいと思う?」
「何てって、訊かれても・・・」
「まあ、どっちみち、京子には教えるんだろうから言わないわ!」
「母さんに教えるって、どうして、それを?」
「京子からの電話ってそういう事でしょ?私と、どんな話をしたかとか、何を訊かれたかとかって、教えて欲しいって・・・違う?」
「どうして、分かるんですか?」
あれ?・・・あれれ?
これって・・・やっぱ、今日の私って夏樹さんが入ってるみたいなんだわ。
「何、言ってるのよ。京子とは長い付き合いなのよ。それくらい、すぐに察しが付くわよ!」
「はあ・・・でも、母さんには、何も言わないつもりです」
「あら?どうして?」
「下手な事を言うと、後が怖いので」
「たとえ、それが真実でも・・・でしょ?」
「ええ・・まあ、というか、本当の事なんて話したら何言われるかわかんないし」
「自分の前では正直でいて欲しいと望んでいても、どこかで噓をついている言葉を求めている・・・。やっぱり、そうなのね」
「あの・・・それって?」
「ああ、今の言葉ね。いつだったか、夏樹さんが言ってたの」
う~ん・・・ちょっと前にとは、さすがに言えないもんね。
「父さんが言ってたって、直美さんは、父さんと会ってるんですか?」
「ん?気になる?」
「いえ、そういうわけじゃないけど」
「まあ、いいわ。それよりも、ちゃんと伝えるべき言葉は、ちゃんと伝える事が出来るような人になりなさい!っていうか、今日の私って、ちょっと偉そうよね?う~ん、いつもは、違うんだけどな~」
「今日の直美さんって、どこか父さんに似ているような気がします」
「私が?夏樹さんに?」
「はい、だから、何となく、父さんと話しているみたいです」
省吾にそう言われて悪い気がしない。
と、いうよりも、どこか嬉しくなってしまう直美であった。
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