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繋がる刹那
繋がる刹那・・・その4
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しかし・・・いつもながら、否定はしないのね。雪子さんを、可愛いって言われても。
でも、まあ~、否定したら否定したで、なんか嫌味っぽいっていうかなんていうか。
「あやつって、可愛いでしょ?」
おおお===い!
否定ではなくて、肯定しちゃうんですか===?
「でも、どうして、あんなにも可愛いんですか?」
「ん?それを、あたしに訊く?」
「ははは・・・もしかして恋をしてるから?なんちって!」
「あんたも恋をすれば、とっても綺麗になれるわよ!」
「そうでしょうか?私の場合は原型が原型なだけに・・・ははは」
「京子にも、今のあんたの想いを、少しでも理解しようという気持ちがあればいいんだろうけど」
「えっ・・・?」
「京子はね、薄っぺらなのよ」
「それは・・・」
「あの子はね、自分が汚れたくなくて、いつも逃げてたの。だから薄っぺらなの」
「でも、それは・・・」
「みんなそうだから別に気にするような事でもないんだけど。時として、それではダメな人もいるのよ、あたしみたいにね」
「何となく、分かるような・・・」
「どうしたらいいのか分からないのなら、あんたに訊けばいいだけの話。それさえ出来ないから一人で苦しむような毎日になっちゃうの。あんたってノー天気だから、京子にとっては最高のパートナーなのよね」
「ノー天気って・・・あのですね?」
「あはは、ノー天気の心情は、あんたが一番分かってるでしょ?」
「・・・」
「あら?また、あたしに魅かれちゃうような事を言っちゃったかしら?」
「もう~、夏樹さんってば!」
「あはは・・・」
「そうそう、あのですね、さっき、雪子さんとお話をしていた時に変な声が聞こえたんですよ?」
「変な声・・・?」
「ええ、そうなんです。何とも、この世のものとは思えないような、地の底から聞こえてくるようなみたいな感じの低い低音だったんですよ?」
「もしかして、あんた、何か連れてきたんじゃないの?」
「えっ?・・・そんな・・・まさか?」
「で、その低い声って、何て言ってたの?」
「それがですね、あの、たわけが・・・って・・・。とっても低い声で聞こえてきたんです」
「ふ~ん・・・それで、その声が聞こえる前に、あんた何か言ってたの?」
「ええ、夏樹さんは、いつも雪子さんのお話をする時は、とっても嬉しそうに話すんですよ!って言ったら聞こえてきたんです・・・。あの、たわけがって。私、びっくりしちゃって!」
「あははっ!それって、雪子の照れ隠しよ。照・れ・隠・し!」
「えええ===っ?」
「あははっ。でも、あんただからそれくらいで済んだのよ、あたしがそんな事を言った日にゃ、すかさず飛んでくるわよ!ビンタが!しかも、ケラケラ笑いながら!」
「う~ん・・・ちょっと信じられない、っていうか。だって、それまで雪子さんとっても物静かに話していたんですよ」
「あやつって、面白いでしょ?」
夏樹さん、嬉しそう・・・。
スマホから聞こえてくる夏樹さんの声からでも伝わってきちゃう。
雪子さんと、京子・・・いったい、どこで、こんなにも違ってしまったんだろう?
夏樹さんと夫婦だった頃の京子と、今の京子・・・。
あまりに違い過ぎるから、どうして?って、思わずにはいられないんだけど・・・。
「京子が可哀そう・・・今、そう思ったわね?」
「ええ・・・でも、どうして、それを?」
「感情の反比例ってやつよ。誰かの幸せは誰かの不幸、誰かの嬉しさは誰かの悲しみ、今のあんたなら分かるでしょ?」
「何となくですけど・・・」
「そして、あんたは、あたしに魅かれちゃうのよね?」
「だから・・・それを言っちゃダメですってば!夏樹さんって、せっかくのシリアスをいつもすぐに台無しにしちゃうんだから、もう~」
「あはは・・・そんな事より、二番目が待ってるじゃなかったの?」
「あっ、そうだった!」
「それじゃ、気を付けて行くのよ」
「あっ、はい。あっ、おそらく雪子さんは夏樹さんの元へ向かったかと思われますです。はい!」
「了解よ・・・。それじゃ、またね!」
しかし、まあ、この子ったら、ますます、あたしの下僕みたいになってきてるわね?
通話を終えた夏樹は、微笑みながら、つぶやく言葉を冬の香りの中で遊ばせていた。
でも、まあ~、否定したら否定したで、なんか嫌味っぽいっていうかなんていうか。
「あやつって、可愛いでしょ?」
おおお===い!
否定ではなくて、肯定しちゃうんですか===?
「でも、どうして、あんなにも可愛いんですか?」
「ん?それを、あたしに訊く?」
「ははは・・・もしかして恋をしてるから?なんちって!」
「あんたも恋をすれば、とっても綺麗になれるわよ!」
「そうでしょうか?私の場合は原型が原型なだけに・・・ははは」
「京子にも、今のあんたの想いを、少しでも理解しようという気持ちがあればいいんだろうけど」
「えっ・・・?」
「京子はね、薄っぺらなのよ」
「それは・・・」
「あの子はね、自分が汚れたくなくて、いつも逃げてたの。だから薄っぺらなの」
「でも、それは・・・」
「みんなそうだから別に気にするような事でもないんだけど。時として、それではダメな人もいるのよ、あたしみたいにね」
「何となく、分かるような・・・」
「どうしたらいいのか分からないのなら、あんたに訊けばいいだけの話。それさえ出来ないから一人で苦しむような毎日になっちゃうの。あんたってノー天気だから、京子にとっては最高のパートナーなのよね」
「ノー天気って・・・あのですね?」
「あはは、ノー天気の心情は、あんたが一番分かってるでしょ?」
「・・・」
「あら?また、あたしに魅かれちゃうような事を言っちゃったかしら?」
「もう~、夏樹さんってば!」
「あはは・・・」
「そうそう、あのですね、さっき、雪子さんとお話をしていた時に変な声が聞こえたんですよ?」
「変な声・・・?」
「ええ、そうなんです。何とも、この世のものとは思えないような、地の底から聞こえてくるようなみたいな感じの低い低音だったんですよ?」
「もしかして、あんた、何か連れてきたんじゃないの?」
「えっ?・・・そんな・・・まさか?」
「で、その低い声って、何て言ってたの?」
「それがですね、あの、たわけが・・・って・・・。とっても低い声で聞こえてきたんです」
「ふ~ん・・・それで、その声が聞こえる前に、あんた何か言ってたの?」
「ええ、夏樹さんは、いつも雪子さんのお話をする時は、とっても嬉しそうに話すんですよ!って言ったら聞こえてきたんです・・・。あの、たわけがって。私、びっくりしちゃって!」
「あははっ!それって、雪子の照れ隠しよ。照・れ・隠・し!」
「えええ===っ?」
「あははっ。でも、あんただからそれくらいで済んだのよ、あたしがそんな事を言った日にゃ、すかさず飛んでくるわよ!ビンタが!しかも、ケラケラ笑いながら!」
「う~ん・・・ちょっと信じられない、っていうか。だって、それまで雪子さんとっても物静かに話していたんですよ」
「あやつって、面白いでしょ?」
夏樹さん、嬉しそう・・・。
スマホから聞こえてくる夏樹さんの声からでも伝わってきちゃう。
雪子さんと、京子・・・いったい、どこで、こんなにも違ってしまったんだろう?
夏樹さんと夫婦だった頃の京子と、今の京子・・・。
あまりに違い過ぎるから、どうして?って、思わずにはいられないんだけど・・・。
「京子が可哀そう・・・今、そう思ったわね?」
「ええ・・・でも、どうして、それを?」
「感情の反比例ってやつよ。誰かの幸せは誰かの不幸、誰かの嬉しさは誰かの悲しみ、今のあんたなら分かるでしょ?」
「何となくですけど・・・」
「そして、あんたは、あたしに魅かれちゃうのよね?」
「だから・・・それを言っちゃダメですってば!夏樹さんって、せっかくのシリアスをいつもすぐに台無しにしちゃうんだから、もう~」
「あはは・・・そんな事より、二番目が待ってるじゃなかったの?」
「あっ、そうだった!」
「それじゃ、気を付けて行くのよ」
「あっ、はい。あっ、おそらく雪子さんは夏樹さんの元へ向かったかと思われますです。はい!」
「了解よ・・・。それじゃ、またね!」
しかし、まあ、この子ったら、ますます、あたしの下僕みたいになってきてるわね?
通話を終えた夏樹は、微笑みながら、つぶやく言葉を冬の香りの中で遊ばせていた。
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