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繋がる刹那
繋がる刹那・・・その3
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今、聞こえたような・・・確かに聞こえたような・・・(あの、たわけが・・・)って。
でも、いったい、どこから聞こえたのかしら?
まさか、雪子さんじゃないわよね・・・?
だって、声が、全然、違ってたし・・・。
まるで地の底から聞こえるような低い声っていうか低音っていうか・・・あっ、同じ意味だった。
「あ・・・あの・・・」
「はい・・・?」
あっ、やっぱり違ったわ・・・。
さっき聞こえた声とは全然違う声だわ、きっと私の勘違いね。
「あっ、それで、あの、どうして夏樹さんが住んでいた家の前に・・・?あっ、余計なお世話でしたね」
「うふっ・・・」
うふって・・・あの・・・それでは、回答になっていないような・・・。
「それでは、私は、これで・・・」
そう言って、軽く会釈をして立ち去ろうとする雪子に直美は慌てて声をかけた。
「あの・・・最後に一つだけ教えて欲しいんですが・・・」
「はい・・・?」
「あの・・・雪子さんと京子とでは、いったい何が違うんですか?」
「えっ・・・?」
「いえ、あの・・・どうしても、その事が分からなくて。それに、夏樹さんに訊いても、ちゃんと答えてくれないっていいますか、なんといいますか・・・です。はい!」
「ふふっ・・・あなたも同じ事を訊くんですね?」
「同じ事をって、他にも・・・」
「ええ・・・でも、それは、知らなくてもよろしいかと思われますよ」
「でも、という事は、やっぱり、雪子さんと京子では何かが違うんですね?」
雪子は、少し考えてから、静かに言葉を口にする。
「あの人に気遣いをさせ過ぎたら、きっと、あの人は、自分の何かをすり減らしながら季節を過ごしてしまうのかもしれません」
「えっ・・・?」
「何か、お心当たりがありそうな?」
お心当たりと(お)を付けなくても、十分にあり過ぎるような・・・。
とはいっても、確かに、あり過ぎるくらいあるのかもしれない・・・。
雪子さんと京子の違いって、夏樹さんに気遣いをさせないか?それとも気遣いをさせてしまうか?
そういえば、夏樹さん言ってたわ。
仲が良いという間柄は、どちらかが、どちらかに合わせているからなんだって。
「すみれ・・・あの人が好きなお花さんなんですよ」
すみれ・・・夏樹さんが好きな花・・・?
「それでは、これで・・・」
雪子は、また軽く会釈をすると、丁字路の手前にある郵便局の駐車場へと歩いていく。
すみれ・・・夏樹さんが好きな花・・・
すみれ・・・すみれ・・・、あっ・・・雪子さんが行っちゃった。
雪子さん、郵便局の駐車場の方へ歩いていったけど、もしかして車で来たのかしら?
だけど、確か、夏樹さんは、雪子さんは車の運転はものすごく苦手だって・・・。
直美は、雪子が口にした(すみれの名前)の意味を考えながら、駐車場の方を見ていると、
まもなくして、一台の黒塗りのタクシーが出入り口から出てきた。
後部座席の方を見てみると、雪子が、直美の方をチラッと見ながら軽く会釈をしてくれた。
直美も慌てて会釈をすると、タクシーはそのまま丁字路を右折して走り過ぎていった。
直美は雪子を見送ると、慌ててスマホを取り出して画面をタッチした。
「あの、夏樹さん、お話しました!というより、お話が出来ました!」
「ん・・・?」
「でも、やっぱり物静かでおしとやかで優しくて、それで、それで、どうして、あんなに可愛いんですか?」
「あんた、また主語を忘れてるわよ?」
「あっ、そうですた!」
「そうですた?・・・あはは、その分だと雪子とでも、お話が出来たのかしら?」
「あっ、分かります?そうなんですよ、たった今、たった今ですよ!」
「ふふっ、その話し方だと、あんたの一番知りたかった事がやっと分かったって感じね?」
「えっ・・・?」
っていうか、どうして、それが分かっちゃうのかしら?
私は、まだ何も言ってないんですけど・・・
相変わらず、不思議な能力っていうか超能力っていうか。
「あら?当たっちゃったみたいね!」
おおお===い!
今のは、ただの勘だったんですか===?
ちょっと待ってよ。
私は、まだ、何を訊いたのかって、夏樹さんには言ってなかったはずよね?
という事は、もしかして、私にカマをかけていたりして・・・。
「雪子と京子の違いって、あんただけでなく、おそらく、京子自身が一番知りたかったんじゃないかしら?」
あっ・・・
やっぱり、当たってた・・・。
でも、いったい、どこから聞こえたのかしら?
まさか、雪子さんじゃないわよね・・・?
だって、声が、全然、違ってたし・・・。
まるで地の底から聞こえるような低い声っていうか低音っていうか・・・あっ、同じ意味だった。
「あ・・・あの・・・」
「はい・・・?」
あっ、やっぱり違ったわ・・・。
さっき聞こえた声とは全然違う声だわ、きっと私の勘違いね。
「あっ、それで、あの、どうして夏樹さんが住んでいた家の前に・・・?あっ、余計なお世話でしたね」
「うふっ・・・」
うふって・・・あの・・・それでは、回答になっていないような・・・。
「それでは、私は、これで・・・」
そう言って、軽く会釈をして立ち去ろうとする雪子に直美は慌てて声をかけた。
「あの・・・最後に一つだけ教えて欲しいんですが・・・」
「はい・・・?」
「あの・・・雪子さんと京子とでは、いったい何が違うんですか?」
「えっ・・・?」
「いえ、あの・・・どうしても、その事が分からなくて。それに、夏樹さんに訊いても、ちゃんと答えてくれないっていいますか、なんといいますか・・・です。はい!」
「ふふっ・・・あなたも同じ事を訊くんですね?」
「同じ事をって、他にも・・・」
「ええ・・・でも、それは、知らなくてもよろしいかと思われますよ」
「でも、という事は、やっぱり、雪子さんと京子では何かが違うんですね?」
雪子は、少し考えてから、静かに言葉を口にする。
「あの人に気遣いをさせ過ぎたら、きっと、あの人は、自分の何かをすり減らしながら季節を過ごしてしまうのかもしれません」
「えっ・・・?」
「何か、お心当たりがありそうな?」
お心当たりと(お)を付けなくても、十分にあり過ぎるような・・・。
とはいっても、確かに、あり過ぎるくらいあるのかもしれない・・・。
雪子さんと京子の違いって、夏樹さんに気遣いをさせないか?それとも気遣いをさせてしまうか?
そういえば、夏樹さん言ってたわ。
仲が良いという間柄は、どちらかが、どちらかに合わせているからなんだって。
「すみれ・・・あの人が好きなお花さんなんですよ」
すみれ・・・夏樹さんが好きな花・・・?
「それでは、これで・・・」
雪子は、また軽く会釈をすると、丁字路の手前にある郵便局の駐車場へと歩いていく。
すみれ・・・夏樹さんが好きな花・・・
すみれ・・・すみれ・・・、あっ・・・雪子さんが行っちゃった。
雪子さん、郵便局の駐車場の方へ歩いていったけど、もしかして車で来たのかしら?
だけど、確か、夏樹さんは、雪子さんは車の運転はものすごく苦手だって・・・。
直美は、雪子が口にした(すみれの名前)の意味を考えながら、駐車場の方を見ていると、
まもなくして、一台の黒塗りのタクシーが出入り口から出てきた。
後部座席の方を見てみると、雪子が、直美の方をチラッと見ながら軽く会釈をしてくれた。
直美も慌てて会釈をすると、タクシーはそのまま丁字路を右折して走り過ぎていった。
直美は雪子を見送ると、慌ててスマホを取り出して画面をタッチした。
「あの、夏樹さん、お話しました!というより、お話が出来ました!」
「ん・・・?」
「でも、やっぱり物静かでおしとやかで優しくて、それで、それで、どうして、あんなに可愛いんですか?」
「あんた、また主語を忘れてるわよ?」
「あっ、そうですた!」
「そうですた?・・・あはは、その分だと雪子とでも、お話が出来たのかしら?」
「あっ、分かります?そうなんですよ、たった今、たった今ですよ!」
「ふふっ、その話し方だと、あんたの一番知りたかった事がやっと分かったって感じね?」
「えっ・・・?」
っていうか、どうして、それが分かっちゃうのかしら?
私は、まだ何も言ってないんですけど・・・
相変わらず、不思議な能力っていうか超能力っていうか。
「あら?当たっちゃったみたいね!」
おおお===い!
今のは、ただの勘だったんですか===?
ちょっと待ってよ。
私は、まだ、何を訊いたのかって、夏樹さんには言ってなかったはずよね?
という事は、もしかして、私にカマをかけていたりして・・・。
「雪子と京子の違いって、あんただけでなく、おそらく、京子自身が一番知りたかったんじゃないかしら?」
あっ・・・
やっぱり、当たってた・・・。
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