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対価の罪
対価の罪・・・その16
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「どうして、お母さんに別れた父親を憎んでもらわないと困るの?」
「だって、そうじゃないと、母さんの悪口の矛先が、僕や、省吾に向いちゃうでしょ?」
「まさか、それはないと思うけど・・・」
「それは、おやじの悪口を言ってる時の母さんを知らないからだよ」
「そんなにひどいの?」
「ひどいなんてもんじゃないよ。何かにつけてクズだのカスだのってさ。だから、僕も省吾も母さんの言う悪口にはうんざりしているんだよ」
確かに、京子が夏樹さんの悪口を言ってるのは知ってるし、私の前でも悪口を言ってるけど。
亜晃君が言うくらい、ひどい悪口だとは思わなかったけどな・・・。
あっ・・・もしかして、これが夏樹さんの言っていた、尾ひれや背びれってやつかしら?
もしそうだとしたら、京子の時と同じで、亜晃君が言ってるのも尾ひれや背びれが付いているって事?
私が、夏樹さんと話をしていなかったら気が付かなかったかもしれないわ。
まあ、ちょっと大げさかな?くらいにしか思わなかったかもしれないもんね。
私が、気が付かなかったかもしれないっていうのは亜晃君の言葉。
さっきから聞いていると、亜晃君の言葉からは、自分も悪かったところがあるって言葉がひとつも出てこない。
それどころか、悪いのは夏樹さんであり、京子であって、
自分は被害者なんだっていう印象を与えようとするような言葉ばかりが、次から次へと並べられていく。
自分は悪くない、悪いのは、全部、誰かれであり、
だから、これくらいはしてもらわないとっていう言い分って・・・。
もしかして、この考え方って、夏樹さんに対しての京子そのものじゃないの?
それに、さっき言ってたけど、夏樹さんにはお金がないのだから、
この先、もう一度、親子として付き合っても、自分が損をするだけだなんて・・・。
もし、今の夏樹さんにお金が沢山あるなら、夏樹さんに会いに行くかもしれないし、
昔の親子のような付き合いをしてもいいっていう言い分よね?
なんかショックだわ・・・。
だって、全部、夏樹さんの言っていた通りなんだもの。
直美は、亜晃には気づかれないように、亜晃との会話をゆっくり終わりの方向へいくようにした。
そして(それじゃ、また・・・。)と言って、亜晃との会話を終わらせると、
コンビニで飲み物を買ってから帰るからと、最後まで亜晃に対して慎重に言葉を口にした。
直美は、コンビニで飲み物なんて、スーパーの38円コーヒーよりも高いのにと思いながらも、
飲み物を買ってから帰るって言ってしまった手前、買わないわけにもいかず、
渋々、高い缶コーヒー買ってコンビニから出てきた。
直美は、コンビニから出て車を走らせながら、夏樹の言う通りだったと妙に納得していた。
でも、まあ、尾ひれや背びれが付いているんじゃ、あれ以上話をしていたって仕方がないし。
とりあえずは、亜晃君と話が出来たんだから、それはそれで良しとしないとね。
でも、省吾君の方も、亜晃君と同じように思ってるのかしら?
そういえば、省吾君はコンビニでバイトをしてるって言ってたわよね?
直美は、省吾に会うのは出来れば早い方がいいと思い、すぐに京子に電話をしてみた。
「あっ、京子・・・・?」
「あら、直美。というか、私、以外に誰が出るのよ?」
「あはは、それはそうだ・・・。でさ、省吾君ってコンビニでバイトしているのよね?」
「そうよ、それがどうかしたの?」
「今日もバイトしているの?」
「だと思うわよ・・・。でも、省吾がどうかしたの?」
「ううん、私ってよくコンビニで買い物とかするんだけど、せっかくなら省吾君がバイトしているコンビニの方がいいかなって?思って」
「何、言ってるのよ。コンビニって高いのよ?それに、いつもスーパーの値引きを狙ってる直美が、何、言ってるのよ」
いや~、何もそんな変なところを覚えていなくても・・・。
「そうかな・・・ははは」
「まあ、いいわ。省吾なら、私が行ってる県立病院の近くの〇〇っていうコンビニでバイトしているわよ」
「そうなんだ、ありがとう。今度、行ってみるわね!」
そういって通話を終えると、とりあえず行ってみようと思い、省吾のバイト先へと車を走らせる。
県立病院なら、ちょっと遠回りになるけど、こっちの道路からも行けるわよね。
せっかくだから、つい最近まで夏樹さんが住んでいた家の前を通って行ってみようかしら?
「だって、そうじゃないと、母さんの悪口の矛先が、僕や、省吾に向いちゃうでしょ?」
「まさか、それはないと思うけど・・・」
「それは、おやじの悪口を言ってる時の母さんを知らないからだよ」
「そんなにひどいの?」
「ひどいなんてもんじゃないよ。何かにつけてクズだのカスだのってさ。だから、僕も省吾も母さんの言う悪口にはうんざりしているんだよ」
確かに、京子が夏樹さんの悪口を言ってるのは知ってるし、私の前でも悪口を言ってるけど。
亜晃君が言うくらい、ひどい悪口だとは思わなかったけどな・・・。
あっ・・・もしかして、これが夏樹さんの言っていた、尾ひれや背びれってやつかしら?
もしそうだとしたら、京子の時と同じで、亜晃君が言ってるのも尾ひれや背びれが付いているって事?
私が、夏樹さんと話をしていなかったら気が付かなかったかもしれないわ。
まあ、ちょっと大げさかな?くらいにしか思わなかったかもしれないもんね。
私が、気が付かなかったかもしれないっていうのは亜晃君の言葉。
さっきから聞いていると、亜晃君の言葉からは、自分も悪かったところがあるって言葉がひとつも出てこない。
それどころか、悪いのは夏樹さんであり、京子であって、
自分は被害者なんだっていう印象を与えようとするような言葉ばかりが、次から次へと並べられていく。
自分は悪くない、悪いのは、全部、誰かれであり、
だから、これくらいはしてもらわないとっていう言い分って・・・。
もしかして、この考え方って、夏樹さんに対しての京子そのものじゃないの?
それに、さっき言ってたけど、夏樹さんにはお金がないのだから、
この先、もう一度、親子として付き合っても、自分が損をするだけだなんて・・・。
もし、今の夏樹さんにお金が沢山あるなら、夏樹さんに会いに行くかもしれないし、
昔の親子のような付き合いをしてもいいっていう言い分よね?
なんかショックだわ・・・。
だって、全部、夏樹さんの言っていた通りなんだもの。
直美は、亜晃には気づかれないように、亜晃との会話をゆっくり終わりの方向へいくようにした。
そして(それじゃ、また・・・。)と言って、亜晃との会話を終わらせると、
コンビニで飲み物を買ってから帰るからと、最後まで亜晃に対して慎重に言葉を口にした。
直美は、コンビニで飲み物なんて、スーパーの38円コーヒーよりも高いのにと思いながらも、
飲み物を買ってから帰るって言ってしまった手前、買わないわけにもいかず、
渋々、高い缶コーヒー買ってコンビニから出てきた。
直美は、コンビニから出て車を走らせながら、夏樹の言う通りだったと妙に納得していた。
でも、まあ、尾ひれや背びれが付いているんじゃ、あれ以上話をしていたって仕方がないし。
とりあえずは、亜晃君と話が出来たんだから、それはそれで良しとしないとね。
でも、省吾君の方も、亜晃君と同じように思ってるのかしら?
そういえば、省吾君はコンビニでバイトをしてるって言ってたわよね?
直美は、省吾に会うのは出来れば早い方がいいと思い、すぐに京子に電話をしてみた。
「あっ、京子・・・・?」
「あら、直美。というか、私、以外に誰が出るのよ?」
「あはは、それはそうだ・・・。でさ、省吾君ってコンビニでバイトしているのよね?」
「そうよ、それがどうかしたの?」
「今日もバイトしているの?」
「だと思うわよ・・・。でも、省吾がどうかしたの?」
「ううん、私ってよくコンビニで買い物とかするんだけど、せっかくなら省吾君がバイトしているコンビニの方がいいかなって?思って」
「何、言ってるのよ。コンビニって高いのよ?それに、いつもスーパーの値引きを狙ってる直美が、何、言ってるのよ」
いや~、何もそんな変なところを覚えていなくても・・・。
「そうかな・・・ははは」
「まあ、いいわ。省吾なら、私が行ってる県立病院の近くの〇〇っていうコンビニでバイトしているわよ」
「そうなんだ、ありがとう。今度、行ってみるわね!」
そういって通話を終えると、とりあえず行ってみようと思い、省吾のバイト先へと車を走らせる。
県立病院なら、ちょっと遠回りになるけど、こっちの道路からも行けるわよね。
せっかくだから、つい最近まで夏樹さんが住んでいた家の前を通って行ってみようかしら?
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