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求めない願い
求めない願い・・・その18
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そんな直美とは正反対に、京子は少しの戸惑いが生まれてくるのを感じていた。
私の未来・・・?
私の未来が、いったい何だっていうの?
京子が、直美の言葉に少しの戸惑いを覚えるのに理由があった。
それは、夏樹が意味のない事を言う人ではないという事を知っていたからである。
確かに夏樹は、昔からオカルトとか霊的な事とか、それに超能力とかが好きなのは知っている。
だからといって、京子の未来などという言葉を、そうそう軽々しく口にするだろうか?
それに、京子とはもう10年くらい前に離婚しているわけだし、
ましてや、ただの冗談などで直美に話すとは、夏樹の性格上それはありえないと京子には分かるのである。
きっと、何かあるはず・・・
私が見落としているもので、あの人が見落としていないものが・・・。
もしくは、私が忘れている事で、あの人は忘れていない事とか・・・きっと、何かあるはずだわ。
それに、あの人は、私にとっての初めての思い出の場所を忘れていなかった。
あの人はきっと忘れているはず、そう思っていたのに・・・。あの人は覚えていた。
去年でも来年でもない、今年の10月31日を、そして、約束の時間さえも、あの人は忘れていなかった。
あの人と離婚をして、もう10年も過ぎているというのに、あの人は忘れていなかった。
あの日、二人で交わした約束を、離婚しても、尚、あの人は忘れていなかった。
そして、あの人は、ついさっきまでここにいた・・・。ここに、この場所に・・・。
まるで、私が、今日、ここに来ることを知っていたかのように・・・。
もし、ここで京子が、直美の言った京子の未来の話をするなり、
夏樹が、何を言っていたのを、もっとしつこく訊くなりしたのなら、
京子の、この先の未来も少しは変わっていたのかもしれないが、京子にはそれが出来なかった。
おそらく、京子の性格がそれをさせなかったのだろう。
そんな訳の分からない夏樹の話を直美に訊いたりしたら、
まるで、自分が、夏樹に、まだ未練があるみたいに思われてしまうことが、
今の、京子には、我慢出来なかったのかもしれない。
「それで、あの人がもういないって、何処かに引っ越したって事?」
ふふっ・・・やっぱり、夏樹さんの言ってた通りだわ。
(京子が自分の未来を訊いてきたらどうしたらいいんですか?)って、訊いたら。
(あいつは絶対に訊いてこないわよ)って・・・当たり前だけど女言葉で・・・ふふっ。
(でも、どうして京子が訊いてこないって分かるんですか?)って訊いたら。
(んな事を訊いたりしたら、まるで京子があたしに未練でもあるみたいに思われちゃうじゃない?)
(いや、あの、普通はそうならないと思うんですけど・・・)
(京子がそういう性格だったら、あたしと離婚なんてしてなかったわよ)、って、女言葉で・・・。
(でも、それじゃ伝える意味がないような気がしますけど?)
(あいつの記憶の中に留めるだけでいいのよ!)
(留める前に忘れちゃうんじゃないですか?)
(あいつの性格上それはありえないわ。きっと、一人になった時にでも必死に考えるはずよ!)
(でも、その京子の未来ってどういう事なんですか?京子の未来に何が起きるんですか?)
(ごめんなさいね。たとえあんたでも、今はまだ、その答えは教えられないのよ!)
(どうしてですか?私だって気になりますよ?)
(ふふっ、大丈夫、きっと、あなたはその答えにたどり着くはずだから)
・・・と、全然、違和感のない女言葉で・・・。
京子は、その事にはまるで関心がないみたいに、
そして、余計なお世話みたいな態度で答えるけど、
夏樹さんがいなくなったという事に関しては、絶対に訊いてくるからって・・・。
う~ん、その通りだったかも・・・。
でも、どうして夏樹さんには分かるのかしら?不思議だわ!
「そうみたいよ・・・」
「ふ~ん・・・それで、どこに行くって言ってたの?」
おおお===っ!
夏樹さんの言ってた通り!まさしくビンゴだわ!ってか、嘘みたい!
私の未来・・・?
私の未来が、いったい何だっていうの?
京子が、直美の言葉に少しの戸惑いを覚えるのに理由があった。
それは、夏樹が意味のない事を言う人ではないという事を知っていたからである。
確かに夏樹は、昔からオカルトとか霊的な事とか、それに超能力とかが好きなのは知っている。
だからといって、京子の未来などという言葉を、そうそう軽々しく口にするだろうか?
それに、京子とはもう10年くらい前に離婚しているわけだし、
ましてや、ただの冗談などで直美に話すとは、夏樹の性格上それはありえないと京子には分かるのである。
きっと、何かあるはず・・・
私が見落としているもので、あの人が見落としていないものが・・・。
もしくは、私が忘れている事で、あの人は忘れていない事とか・・・きっと、何かあるはずだわ。
それに、あの人は、私にとっての初めての思い出の場所を忘れていなかった。
あの人はきっと忘れているはず、そう思っていたのに・・・。あの人は覚えていた。
去年でも来年でもない、今年の10月31日を、そして、約束の時間さえも、あの人は忘れていなかった。
あの人と離婚をして、もう10年も過ぎているというのに、あの人は忘れていなかった。
あの日、二人で交わした約束を、離婚しても、尚、あの人は忘れていなかった。
そして、あの人は、ついさっきまでここにいた・・・。ここに、この場所に・・・。
まるで、私が、今日、ここに来ることを知っていたかのように・・・。
もし、ここで京子が、直美の言った京子の未来の話をするなり、
夏樹が、何を言っていたのを、もっとしつこく訊くなりしたのなら、
京子の、この先の未来も少しは変わっていたのかもしれないが、京子にはそれが出来なかった。
おそらく、京子の性格がそれをさせなかったのだろう。
そんな訳の分からない夏樹の話を直美に訊いたりしたら、
まるで、自分が、夏樹に、まだ未練があるみたいに思われてしまうことが、
今の、京子には、我慢出来なかったのかもしれない。
「それで、あの人がもういないって、何処かに引っ越したって事?」
ふふっ・・・やっぱり、夏樹さんの言ってた通りだわ。
(京子が自分の未来を訊いてきたらどうしたらいいんですか?)って、訊いたら。
(あいつは絶対に訊いてこないわよ)って・・・当たり前だけど女言葉で・・・ふふっ。
(でも、どうして京子が訊いてこないって分かるんですか?)って訊いたら。
(んな事を訊いたりしたら、まるで京子があたしに未練でもあるみたいに思われちゃうじゃない?)
(いや、あの、普通はそうならないと思うんですけど・・・)
(京子がそういう性格だったら、あたしと離婚なんてしてなかったわよ)、って、女言葉で・・・。
(でも、それじゃ伝える意味がないような気がしますけど?)
(あいつの記憶の中に留めるだけでいいのよ!)
(留める前に忘れちゃうんじゃないですか?)
(あいつの性格上それはありえないわ。きっと、一人になった時にでも必死に考えるはずよ!)
(でも、その京子の未来ってどういう事なんですか?京子の未来に何が起きるんですか?)
(ごめんなさいね。たとえあんたでも、今はまだ、その答えは教えられないのよ!)
(どうしてですか?私だって気になりますよ?)
(ふふっ、大丈夫、きっと、あなたはその答えにたどり着くはずだから)
・・・と、全然、違和感のない女言葉で・・・。
京子は、その事にはまるで関心がないみたいに、
そして、余計なお世話みたいな態度で答えるけど、
夏樹さんがいなくなったという事に関しては、絶対に訊いてくるからって・・・。
う~ん、その通りだったかも・・・。
でも、どうして夏樹さんには分かるのかしら?不思議だわ!
「そうみたいよ・・・」
「ふ~ん・・・それで、どこに行くって言ってたの?」
おおお===っ!
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