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求めない願い
求めない願い・・・その12
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雪子、少し変わった?
何となくだけど、最近の雪子って、時々、攻撃的になるっていうか言葉の語尾が上がるっていうか。
どこか、急いでいるような、言葉を変えれば、何かに追われているみたいな感じかしら?
でも、このクルクルキラキラお目目は、猫のお目目そっくりに見えてくるし。
猫のお目目・・・?そうか、そうだわ、きっとそうなんだわ!
猫が獲物を見つけた時の、あの、お目目。そして、猫が獲物を捕まえようとする時の、
お尻をちょっと上げてシッポをふりふりする時の感じだわ、きっと。
「聞きたい?」って、訊いてきた今の雪子の言葉使いも、そう。
まるで、狙う獲物をはっきりと捕らえているみたいに、射程距離に捕捉しているみたいな。
まあ、確かに、夏樹さんと再会した時からの雪子には、時々、驚かされてきたけど。
それが、雪子の本当の姿なのか?それとも、今は、あの頃のように、
私に夏樹さんの事を隠さなくてもよくなったからなのか?よく分からなかったけど・・・。
なるほどね・・・。
今の雪子が、夏樹さんの好きな雪子・・・なのね・・・きっと。
そういえば、夏樹さんが言ってたわ。
雪子って、夏樹さんといる時も、やっぱり物静かで大人しいの?って訊いたら(どこが?)って。
それで・・・雪子の、その瞳の中に捉えている獲物は誰なのかしらね?
「裕子、やっぱ変だよ?」
「えっ・・・?」
「な~んか、意味深な笑みなんか浮かべちゃってるし」
「ちょっと、考えちゃってね」
「考えちゃってるって・・・何を考えちゃってたの?」
「今みたいに、言葉を生き物のように変えちゃうところとかって」
「・・・?」
「(る)・・・が、(た)・・・に・・・ふふっ」
「ん・・・?」
「きっと、そんなところも好きなんだろうな~って・・・。ふふっ」
「いや・・・今日の裕子、やっぱり変だって!」
「変じゃなくて、これでも、少しは焼きもちを焼いてるのよ」
「焼きもち?誰に?」
「あえて、そういう訊き方をするところなんて、何とも言えないかも!」
「裕子?何か、悪い物でも食べた?」
「あはは・・・ちょっと雪子!少し待って、お願い!」
「ま、ま、裕子。とりあえず、コーヒーでも飲んで落ち着こうよ!」
「うふふ・・・」
微笑みとも、笑いとも、分からないような嬉しそうな顔でコーヒーカップを手に持ちながら、
不思議そうな顔をしている雪子を見ていると、コーヒーを吹き出しそうなので、
視線を左に流しながらコーヒーカップの中のコーヒーを飲む裕子・・・だったのだが・・・。
「あれ・・・?」
「きゃははっ・・・!」
裕子が飲むはずだったコーヒーカップの中のコーヒーは、どこにも見当たらなかった。
「ちょっと!雪子!」
「ちょんまげ?」
「あはは・・・だめ、雪子、お願い!ちょっと待って!」
まだ何か言いたげな雪子に、両手でガードをするようにする裕子の口元が、
開いた指と指の間から見える雪子の仕草に、笑いから笑みへと移り変わっていく。
これが、夏樹さんが愛していた雪子・・・いえ、それは、今でも変わらないのね、きっと。
何となくだけど、最近の雪子って、時々、攻撃的になるっていうか言葉の語尾が上がるっていうか。
どこか、急いでいるような、言葉を変えれば、何かに追われているみたいな感じかしら?
でも、このクルクルキラキラお目目は、猫のお目目そっくりに見えてくるし。
猫のお目目・・・?そうか、そうだわ、きっとそうなんだわ!
猫が獲物を見つけた時の、あの、お目目。そして、猫が獲物を捕まえようとする時の、
お尻をちょっと上げてシッポをふりふりする時の感じだわ、きっと。
「聞きたい?」って、訊いてきた今の雪子の言葉使いも、そう。
まるで、狙う獲物をはっきりと捕らえているみたいに、射程距離に捕捉しているみたいな。
まあ、確かに、夏樹さんと再会した時からの雪子には、時々、驚かされてきたけど。
それが、雪子の本当の姿なのか?それとも、今は、あの頃のように、
私に夏樹さんの事を隠さなくてもよくなったからなのか?よく分からなかったけど・・・。
なるほどね・・・。
今の雪子が、夏樹さんの好きな雪子・・・なのね・・・きっと。
そういえば、夏樹さんが言ってたわ。
雪子って、夏樹さんといる時も、やっぱり物静かで大人しいの?って訊いたら(どこが?)って。
それで・・・雪子の、その瞳の中に捉えている獲物は誰なのかしらね?
「裕子、やっぱ変だよ?」
「えっ・・・?」
「な~んか、意味深な笑みなんか浮かべちゃってるし」
「ちょっと、考えちゃってね」
「考えちゃってるって・・・何を考えちゃってたの?」
「今みたいに、言葉を生き物のように変えちゃうところとかって」
「・・・?」
「(る)・・・が、(た)・・・に・・・ふふっ」
「ん・・・?」
「きっと、そんなところも好きなんだろうな~って・・・。ふふっ」
「いや・・・今日の裕子、やっぱり変だって!」
「変じゃなくて、これでも、少しは焼きもちを焼いてるのよ」
「焼きもち?誰に?」
「あえて、そういう訊き方をするところなんて、何とも言えないかも!」
「裕子?何か、悪い物でも食べた?」
「あはは・・・ちょっと雪子!少し待って、お願い!」
「ま、ま、裕子。とりあえず、コーヒーでも飲んで落ち着こうよ!」
「うふふ・・・」
微笑みとも、笑いとも、分からないような嬉しそうな顔でコーヒーカップを手に持ちながら、
不思議そうな顔をしている雪子を見ていると、コーヒーを吹き出しそうなので、
視線を左に流しながらコーヒーカップの中のコーヒーを飲む裕子・・・だったのだが・・・。
「あれ・・・?」
「きゃははっ・・・!」
裕子が飲むはずだったコーヒーカップの中のコーヒーは、どこにも見当たらなかった。
「ちょっと!雪子!」
「ちょんまげ?」
「あはは・・・だめ、雪子、お願い!ちょっと待って!」
まだ何か言いたげな雪子に、両手でガードをするようにする裕子の口元が、
開いた指と指の間から見える雪子の仕草に、笑いから笑みへと移り変わっていく。
これが、夏樹さんが愛していた雪子・・・いえ、それは、今でも変わらないのね、きっと。
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