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求めない願い
求めない願い・・・その11
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夏樹さんが引っ越す?・・・どうして・・・?
「夏樹さんが引っ越すって、どうして?」
「裕子って、面白い訊き方するね?」
「えっ・・・?そう?そうかしら?」
「うん。面白い訊き方なのだ!」
「面白い訊き方って?」
「普通なら、どこへ?だと、思うでありますよ」
でありますよ?・・・雪子の言葉に、またまた変な単語が増えたみたい。
「まあ、確かにどこへが普通だけど、でも、今、住んでいる家もそんなに悪くないと思うけど?」
「そうかな?」
「そうかなって?だって、広いお庭もあるし、街外れの丘の上の家みたいで素敵だと思うわよ」
「そうかも・・・」
「そうかもって?雪子はそうは思わないの?」
「思うよ・・・。でも、問題は別にあるでありますよ!」
「別にって、あそこの家に何かあるの?もしかして出るとか?」
「出る・・・?」
「そうそう、よくあるじゃない?古い家とか街はずれの一軒家とかって」
「もしかして、幽霊さん?」
「夏樹さんの家にも、やっぱり出るの?」
「う~ん・・・たぶん、幽霊さんは住んでないと思う」
「雪子のその言い方だと、何か別なものでも住んでいるみたいだけど」
「そなのだ!」
「そなのだって、夏樹さん何か飼ってるの?」
「飼ってるんじゃなくて、たぶん一緒に暮らしているんじゃないかな?」
「一緒に暮らしてる?それって飼ってるとは違うの?」
「たぶん、違うような気がする」
「ふ~ん・・・ってか、私にも分かるように言って!」
「それがね、私にもよく分かんないが正解なのでありますよ」
「雪子にも分からないのに一緒に暮らしてるの?」
「裕子、言葉がバラバラだよ」
「だって、そうは言ったって・・・」
「実は、裕子と同じで、私にもよく分からないんだけどね」
雪子は、夏樹の家に行った時の出来事を裕子に話して聞かせた。
うさぎのぬいぐるみが夏樹の腕に登ってきた話や、クマのぬいぐるみがジュースを飲んでいる話、
それから、雪子が帰り際に見たクマのぬいぐるみの不思議な行動などを細かく話してみた。
「それって、本当なの?」
「私の頭が正常なら、たぶん・・・」
「ちょっと信じられないっていうか、ちょっとどころじゃないけど不思議だわね!」
「裕子は疑わないの?」
「だって、雪子が嘘を言うわけないでしょ?」
「最初は目の錯覚かな?って思ったんだけどね。でも、あの帰り際のクマさんがちょっとだったし」
「よね、それが本当だったら、そのクマのぬいぐるみが勝手に動き回ってるって事になるわよね?」
「そなのだ!それに、ふーちゃんがあのクマさんを、何回、家の中に入れて鍵をかけても、ふーちゃんが出かける時に振り返って見ると、クマさんがお庭のテーブルのところにちょこんと座ってるって、それで帰ってくると、なぜか、クマさんがちゃんとお家の中に入ってるんだって」
「嘘みたいな話よね?」
「ふーちゃんの話だけ聞いて・・・だったら、またまた?って、思ったと思うんだけど、私も見ちゃったし」
「そのクマのぬいぐるみをテーブルの上に置き忘れたって事はないの?」
「ないよ。だって、私が、あのクマさんをお家の中の縁側に置いてバイバイしてから、ちゃんと鍵をかけて出てきたんだよ。それで、何気なく振り返ってお庭の方を見たら、クマさんがテーブルの上でご本を読んでたの・・・」
「でも、雪子は怖くなかったの?」
「最初はドキッとしたけど、でも、全然怖くなかったのだ。裕子は見なかったの?」
「私が夏樹さんの家に行ったのはもう暗くなっていたし、それに、夏樹さんは家の中には入れてくれなかったしね」
「うそ・・・?」
「本当よ、だから思ったわよ。夏樹さんって、いつから、そんなに真面目になっちゃったのかしらって?」
「う~ん・・・あの、ふーちゃんが・・・不思議なのだ!」
「そんな事を言ったって、雪子の時もそうだったじゃない?ほら、大晦日の日に」
「確かに・・・。そうそう、そういえば、裕子、さっき何か言ってなかった?」
「何かって、京子さんの事?」
「うん。裕子は、何を訊きたかったの?」
「何って言われても、別にたいした意味があるわけじゃないんだけど、ただ、ちょっとね」
「ただ、ちょっと?」
「ええ、夏樹さんにとっての雪子と京子さんって、何が違うのかなって思ったの」
「ふ~ん・・・」
「ふ~んって・・・雪子には分かるの?」
「聞きたい・・・?」
そう言って笑みを浮かべる雪子の指が、カップの中で遊ぶスプーンから離れた。
「夏樹さんが引っ越すって、どうして?」
「裕子って、面白い訊き方するね?」
「えっ・・・?そう?そうかしら?」
「うん。面白い訊き方なのだ!」
「面白い訊き方って?」
「普通なら、どこへ?だと、思うでありますよ」
でありますよ?・・・雪子の言葉に、またまた変な単語が増えたみたい。
「まあ、確かにどこへが普通だけど、でも、今、住んでいる家もそんなに悪くないと思うけど?」
「そうかな?」
「そうかなって?だって、広いお庭もあるし、街外れの丘の上の家みたいで素敵だと思うわよ」
「そうかも・・・」
「そうかもって?雪子はそうは思わないの?」
「思うよ・・・。でも、問題は別にあるでありますよ!」
「別にって、あそこの家に何かあるの?もしかして出るとか?」
「出る・・・?」
「そうそう、よくあるじゃない?古い家とか街はずれの一軒家とかって」
「もしかして、幽霊さん?」
「夏樹さんの家にも、やっぱり出るの?」
「う~ん・・・たぶん、幽霊さんは住んでないと思う」
「雪子のその言い方だと、何か別なものでも住んでいるみたいだけど」
「そなのだ!」
「そなのだって、夏樹さん何か飼ってるの?」
「飼ってるんじゃなくて、たぶん一緒に暮らしているんじゃないかな?」
「一緒に暮らしてる?それって飼ってるとは違うの?」
「たぶん、違うような気がする」
「ふ~ん・・・ってか、私にも分かるように言って!」
「それがね、私にもよく分かんないが正解なのでありますよ」
「雪子にも分からないのに一緒に暮らしてるの?」
「裕子、言葉がバラバラだよ」
「だって、そうは言ったって・・・」
「実は、裕子と同じで、私にもよく分からないんだけどね」
雪子は、夏樹の家に行った時の出来事を裕子に話して聞かせた。
うさぎのぬいぐるみが夏樹の腕に登ってきた話や、クマのぬいぐるみがジュースを飲んでいる話、
それから、雪子が帰り際に見たクマのぬいぐるみの不思議な行動などを細かく話してみた。
「それって、本当なの?」
「私の頭が正常なら、たぶん・・・」
「ちょっと信じられないっていうか、ちょっとどころじゃないけど不思議だわね!」
「裕子は疑わないの?」
「だって、雪子が嘘を言うわけないでしょ?」
「最初は目の錯覚かな?って思ったんだけどね。でも、あの帰り際のクマさんがちょっとだったし」
「よね、それが本当だったら、そのクマのぬいぐるみが勝手に動き回ってるって事になるわよね?」
「そなのだ!それに、ふーちゃんがあのクマさんを、何回、家の中に入れて鍵をかけても、ふーちゃんが出かける時に振り返って見ると、クマさんがお庭のテーブルのところにちょこんと座ってるって、それで帰ってくると、なぜか、クマさんがちゃんとお家の中に入ってるんだって」
「嘘みたいな話よね?」
「ふーちゃんの話だけ聞いて・・・だったら、またまた?って、思ったと思うんだけど、私も見ちゃったし」
「そのクマのぬいぐるみをテーブルの上に置き忘れたって事はないの?」
「ないよ。だって、私が、あのクマさんをお家の中の縁側に置いてバイバイしてから、ちゃんと鍵をかけて出てきたんだよ。それで、何気なく振り返ってお庭の方を見たら、クマさんがテーブルの上でご本を読んでたの・・・」
「でも、雪子は怖くなかったの?」
「最初はドキッとしたけど、でも、全然怖くなかったのだ。裕子は見なかったの?」
「私が夏樹さんの家に行ったのはもう暗くなっていたし、それに、夏樹さんは家の中には入れてくれなかったしね」
「うそ・・・?」
「本当よ、だから思ったわよ。夏樹さんって、いつから、そんなに真面目になっちゃったのかしらって?」
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「何って言われても、別にたいした意味があるわけじゃないんだけど、ただ、ちょっとね」
「ただ、ちょっと?」
「ええ、夏樹さんにとっての雪子と京子さんって、何が違うのかなって思ったの」
「ふ~ん・・・」
「ふ~んって・・・雪子には分かるの?」
「聞きたい・・・?」
そう言って笑みを浮かべる雪子の指が、カップの中で遊ぶスプーンから離れた。
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